オール電化
2024/06/13
【10年?15年?20年?】エコキュートの耐用年数、寿命は何年?
生活の必需品である給湯器の耐用年数を正確に把握しておき、修理や交換の目処を立てておくと、いざという時に慌てる事がありません。 今回は、エコキュートの耐用年数について解説します。
エコキュートとは
エコキュートの正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といいます。
エアコンや冷蔵庫、洗濯機などにも使われているヒートポンプ技術によって、空気熱を利用することで、従来の3倍ものエネルギー効率があります。
そのため、大幅に光熱費を削減できる画期的な機器として、急速に普及しました。
エコキュートの耐用年数(寿命)はどれくらい?
エコキュートは日々の光熱費(ランニングコスト)を大幅に削減することが出来ます。
反面、ガス給湯器や電気温水器のような従来の給湯設備に対して、製品本体の価格や工事費といった初期費用(イニシャルコスト)は高い傾向にあります。
いくらランニングコストが安いとはいえ、すぐに壊れてしまうようでは初期投資を回収することもかないません。
そのため、どれくらいの年月使用することが可能なのかといった目安は事前に知っておきたいところです。
そこで、エコキュートの耐用年数を以下の3つの点から解説していきます。
- エコキュート全体の耐用年数(寿命)
- ヒートポンプの耐用年数(寿命)
- 貯湯タンクの耐用年数(寿命)
エコキュート全体の耐用年数(寿命)
結論からいうと、一般的にエコキュートの耐用年数(寿命)は10年~15年と言われています。
ただし、インターネットやSNSの書き込みを見ると、中には20年使えているという方もいます。
エコキュートという機器は2001年に誕生してから20年少々と歴史が浅いため、中にはとても長持ちしているというケースも存在するのでしょう。
耐用年数を10年~15年とする理由は、メーカーが指定している保証期間や、10年を目処にエラーや不具合を生じることが多くなるためです。
中でも、10年は大きな境目といえます。
何故かというと、主に修理部品の保有期間に関係しています。
補修用修理部品は、エコキュートに限らず製品の製造打ち切り後10年程度しか保持していないからです。
保有期間に関しては明確な法律があるわけではなく、各メーカーのガイドラインに応じて自主設定した期間となっています。
これにより、設置10年を越えたエコキュートに不具合が起こった場合、既に修理の為の部品が存在しないため、修理不能でやむなく買い換えるしかないケースが多くなります。
そのため、エコキュートの最短寿命は10年程であると言えます。
ヒートポンプの耐用年数(寿命)
ヒートポンプは、エコキュートの心臓とも言えるユニットです。
空気中から熱を集め、内部のコンプレッサーで高温化してお湯を作ります。
事実上、エコキュートの機能のほぼ全てが詰まっており、経年で蓄積される負荷も高いと言えます。
そのため、後述の貯湯タンクに比べ耐用年数は短い傾向にあります。
ヒートポンプユニットの耐用年数はおよそ5年~15年です。
特に10年を超えると、回路関係の部品に故障が発生しやすくなります。すこしでも長く使用し続けるためにも、定期的なメンテナンスを行っていくことが重要です。
貯湯タンクの耐用年数(寿命)
貯湯タンクは、ヒートポンプで作ったお湯を貯めておく部品です。
ヒートポンプに対して、構造が比較的シンプルであるため、ヒートポンプより不具合を生じ辛く、寿命が長い傾向になります。
しかし、ただの箱というだけではなく、調節弁や給湯ポンプ、給湯熱交換器や電子部品も組み込まれていますので、やはり一定の寿命が存在します。
貯湯タンクの耐用年数は10年~15年です。
寿命が短くなってしまう要因
エコキュートは、使用の仕方を間違えると、寿命の低下につながってしまいますので、注意が必要です。
特に普段からなにげなく使用している入浴剤や、生活に使用している水の水質などが、エコキュートの寿命と深く関わってくるのです。
安易に入浴剤を使用してはいけない
エコキュートに使用できる入浴剤には、実は制限があります。説明書にも載っていますが、使用に適さない入浴剤を使うと、配管や給湯タンクが腐蝕して、エコキュートの寿命を縮めてしまう原因になる場合があります。
使用できない入浴剤は、主に以下のタイプです。
- お湯が濁るタイプ
- 硫黄、酸、アルカリ、塩分を含むタイプ
- 薬草やゆず等の固形物タイプ
- ミルク成分を含んだとろみタイプ
エコキュートの機種によって使用できる入浴剤は変わりますので、必ず説明書をご覧ください。
温泉や井戸水などの地域でエコキュートを使用する場合は注意
温泉や井戸水は、エコキュートの寿命に悪影響をおよぼすため、メーカーも通常の寿命を保証しておらず、無償保証を依頼することもできません。もしも、温泉水、地下水、井戸水、硬水地区にお住まいでエコキュートの導入を検討している場合は、エコキュートが早めに壊れてしまう可能性があることを承知した上で購入しましょう。
なお、井戸水に関しては、井戸水に対応したエコキュートも登場しています。このエコキュートは、お住いの地域で井戸水を使用していたとしてもメーカー保証を受けることができるため、井戸水の地域の方におすすめです。
エコキュートと入浴剤の関係について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照下さい。
エコキュートの保証期間
エコキュートの保証は、実はメーカーによって差があります。
下記はエコキュートを取り扱うメーカーごとの無料保証期間と有償延長保証の期間と費用をまとめた表です。
メーカー | 無料保証期間 | 延長保証 | |||
---|---|---|---|---|---|
本体 | 冷媒回路 | タンク缶体 | 保証期間 (無料保証との合計) |
延長費用(税込) | |
ダイキン | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 30,800円 |
三菱電機 | 2年 | 3年 | 5年 | 10年 | 31,220円 |
8年 | 25,562円 | ||||
5年 | 11,880円 | ||||
パナソニック | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 29,700円 |
8年 | 25,666円 | ||||
5年 | 11,524円 | ||||
日立 | ナイアガラタフネス | ||||
5年 | 10年 | 22,000円 | |||
その他機種 | |||||
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 31,300円 | |
7年 | 23,000円 | ||||
コロナ | 2年 | 3年 | 5年 | 10年 | 31,130円 |
8年 | 25,520円 | ||||
5年 | 11,880円 | ||||
東芝 | 5年 | 10年 | 26,400円 | ||
8年 | 18,700円 |
※2023年5月現在
上記の表では、メーカーによって無料保証期間の長さに違いがあることがわかります。
延長保証の費用も様々ですから、メーカーの無料保証のみで設置するか、延長保証も同時に加入するかの参考にして下さい。
延長保証は必要か
エコキュートは長く使う住宅設備ですから、有償での延長保証に加入しようか悩む方は多いでしょう。
ここでは、延長保証に加入しないことによるメリット、加入するメリットについて考えていきましょう。
延長保証に加入しないメリット
延長保証に加入しないメリットは、初期費用が軽減出来る点です。
電化製品の最も故障率が高いのは、購入後すぐの初期故障期と呼ばれる期間です。
以下は、機械の故障率を示すバスタブ曲線と呼ばれるグラフです。
設置まもなくの初期故障期間を越えると、後の長期間は故障率が下がっている事がわかります。この期間の本体故障の大半(規約による例外あり)は、メーカーの無料保証で対応出来るでしょう。
延長期間にもよりますが、トラブルなしで使い続けられれば3万円程費用が節約出来ることになります。
故障率が上がってくるのは、延長保証期間が切れる10年後と言われていますので、無駄な保証金を節約出来る公算は小さくはありません。
延長保証に加入するメリット
前項目では、初期不良期間を越えれば故障率は下がる為、延長保証無しでも問題ない場合がある事を解説しました。
しかし、エコキュートは非常に高額な設備です。
安価な家電製品のように、故障したら買い替えれば良いや、と思える方はそうそういないでしょう。
3万円は安い金額とはいえませんが、実際に修理するとなると出張費だけで5,000円~10,000円、工賃、部品代等合算すれば、一度の修理で最低2~3万円はかかる目算です。
つまり、二度修理する機会があれば元はとれるということです。
保証がある安心感も合わせて、延長保証に加入しておくのも悪い選択肢ではありません。
延長保証の申し込みには期限が存在するため、事前に良く検討することが大事です。
延長保証に加入したい場合は、万が一にも忘れないよう購入と同時に申し込みが望ましいです。
メーカーによる壊れやすさの違い
エコキュートに限らず、どんな製品でも故障しない事が望ましいのは当然です。
エコキュートの交換や新設を検討されている方々からは、下記のようなご質問をいただくことがあります。
「どのメーカーが一番良いですか」
「エコキュートで故障しやすいメーカーはどこ?」
「壊れにくいメーカーを教えて下さい」
「故障が多いメーカーはありますか」
結論を言ってしまえば、メーカーによる壊れやすさの違いというのは存在しません。
エコキュートは誕生から約22年と若く、全てのご家庭で使用されているわけではありませんので、新たに取り付けられる際はご不安な方もいるかと思います。
しかし、エコキュートの心臓部であるヒートポンプは、確立され円熟した技術といえます。
エアコンや冷蔵庫でも使われている技術といえば分かりやすいでしょうか。
ご使用のエアコンや冷蔵庫が頻繁に故障する、という事態に見舞われた方は稀だと思われます。
中にはSNSやネットの書き込み、あるいはお知り合いから〇〇(メーカー名)のエコキュートが壊れた、という声を聞いて気になったという場合もあるでしょう。
この場合、多くの場合はメーカーのシェア率に由来する場合が多いです。
特に三菱、パナソニック、ダイキンといったメーカーはシェア率が高いので、他メーカーに比べて故障の報告を聞くことが多いかもしれません。
ですが、細かい仕様の違いこそあれ、故障率に大きな差は無いと考えて問題有りません。
むしろ気をつけるべきは、設置工事を起因とする不具合や故障です。
メーカーが保証してくれるのはエコキュートのシステムのみであり、工事に起因する不良は保証対象外です。
その為、エコキュートを選ぶ際はメーカーよりも購入先、工事依頼先を重視すべきです。
エコキュートを長く使うためにメンテナンスをしよう
エコキュートの耐用年数は最短10年ほどです。
しかし、使い方によっては10年も経っていないのにエラーが頻発する、汚い水や黒いカスが出てくるといった事が起きる場合があります。
エコキュートの寿命を伸ばす秘訣は、誤った使い方をしないのは勿論ですが、定期的にお手入れ・メンテナンスをしてあげることがとても重要です。
下記に、特に気にかけていただきたい点やメンテナンスについて記載いたします。
- 貯湯タンクの水抜き
- ヒートポンプの水抜き(空気抜き)
- 1ヶ月以上エコキュートを使用しない時は、貯湯タンクのお湯をすべて排水する
- 長期間エコキュートを使用しない場合は、エコキュートの電源を切る
- ヒートポンプの周辺には障害物を置かない(吸込口、吹出口を塞がない)
エコキュートを10年、15年、20年と長く使用するためには、定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
自分で出来るメンテナンスについて、もっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
エコキュートの買い替え時
これまで、エコキュートの耐用年数(寿命)についてお伝えしてきました。
では、寿命が差し迫り買い替えを行うのはいつが良いのでしょうか。
おすすめは購入後10年です。
もちろん、問題なく動作している方は無理に買い替える必要はありません。
しかし、経年劣化により故障率が高まり、部品の保有もしなくなる時期です。
そろそろ買い替えが必要になるかもしれない、という事は念頭に置いておき、可能なら完全に故障する前に交換するのが望ましいです。
エコキュートは生活必需品であるため、壊れてから検討、見積もり、工事日程調整等を行うとなると、非常に慌ただしく希望に添えないこともあるからです。
まとめ
以上がエコキュートの耐用年数(寿命)の解説となります。
エコキュートの耐用年数はおよそ10年を目処として、上手く使っていけば15年、20年と長く使っていくことも夢ではありません。
安心して長く使うためにも、保証やメンテンナンスについて検討を重ねると良いでしょう。
これからの設置を考えている方はもちろん、交換を検討している方のご参考になれば幸いです。
エコ突撃隊では、エコキュート、IHクッキングヒーターといったオール電化や、太陽光発電システムや蓄電池といった、暮らしを豊かにする住宅設備を取り扱っています。
住宅設備の設置工事をご検討の方は、ぜひ一度ご相談下さい。
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