オール電化
2023/09/28
太陽熱温水器のデメリット!今使うべき給湯器は何?
給湯器には熱源としてガスを使うもの、電気を使うもの、あるいは太陽光を使うもの等様々な種類があります。 また、同じ熱源を利用していても仕組みが大きく違う為に性能、使い勝手も異なります。 今回は、給湯器の中でも太陽熱温水器を取り上げ、そのメリット・デメリットや、これからも使い続けるべきかについて解説していきます。
家庭の光熱費における給湯器の重要性
日々の暮らしの中で、光熱費問題は避けて通れないものです。
節約を試みる際には、こまめに電源を切ったり、必要以上に湯沸かししなかったりと心がけている方もいることでしょう。
光熱費の削減を達成するには、生活の中で何が、どれくらい使用しているかをまず知ることが大事です。
ご家庭におけるエネルギー消費において、給湯の占める割合は非常に大きなものです。
資源エネルギー庁が公開している2020年の資料によれば、その割合は27.8%と冷暖房を凌ぐ最大の割合です。
つまり、給湯器の省エネ性能が高ければ自然光熱費は削減されていくわけです。
給湯器の利便性と節約性双方を鑑みて、設置する給湯器を検討しましょう。
太陽熱温水器とは
太陽熱温水器は給湯器の一種で、太陽光に含まれている赤外線を熱源として湯沸かし等に使用する設備です。
集熱器と呼ばれるパネル上の機器を家屋の屋根等に設置して太陽光を集め、沸かしたお湯を貯湯して使用する蓄熱式に給湯器に分類されます。
その中でも、大きく下記二種類の仕様に分かれます。
- 自然落下式
- 水道直結式
順番に解説します。
自然落下式
自然落下式の太陽熱温水器は、太陽光を集める集熱器と貯湯タンクが一体となって屋根に設置されます。
お湯を使う際は、高低差を利用して真下にある湯船へとお湯を注ぐという利用方法になります。
水圧は高く無いため、シャワーやキッチンでの使用は出来ません。
初期導入費用は15万円~30万円と比較的安価です。
水道直結式
自然落下式は、太陽熱温水器から直接湯船にお湯を供給しました。
対して、水道直結式では湯船では無く給湯器へとお湯を供給します。
自然落下式との主な違いは、十分な水圧がありキッチン、シャワーなどでも使用可能という点です。
反面、設備費用が割高になるという欠点があります。
初期導入費用は55万円~100万円と高額です。
太陽熱温水器の取り扱いメーカー
太陽熱温水器は1970年代から存在し、今でも根強い人気があります。
しかし、同じく太陽光を利用する太陽光発電システムが普及し始めてからは徐々にシェアを落としているのもまた事実です。
令和2年度に環境省が発表した給湯器の普及割合によると、太陽熱温水器のシェアは3.4%と少なくなっています。
現在は、下記のメーカーが主に太陽熱温水器の製造を担っています。
- 寺田鉄工所
- FUJISOL
- ノーリツ
- 長府製作所
- チリウヒーター株式会社
- 日本エコルLLC
- YAZAKI
- CORONA
- MMC
- アドバンス・テクノ
太陽熱温水器のデメリット・メリット
どんな設備でも一長一短はつきものです。
本項目では、太陽熱温水器のメリットとデメリットを取り上げます。
ご自身のライフスタイルをより豊かにする利点を備えているか、確認していきましょう。
太陽熱温水器のデメリット
太陽熱温水器の主なデメリットは以下が挙げられます。
- 屋根置きが主流であるため、屋根に強度が必要で補強工事を要する場合もある
- 日射量に左右されるため安定せず、追い焚きを必要とする場合がある
- 冬場はお湯の温度が低い(30℃~40℃程度)
- 自然落下式ではシャワーやキッチンで使えない
- 水道直結式は導入費用が高い
- 太陽光発電と違い電気を生み出さないので、利用範囲が限られ売電も出来ない
太陽熱温水器のメリット
太陽熱温水器の主なデメリットは以下が挙げられます。
- 自然落下式は導入費用が安い
- 太陽光のみで湯を沸かせる
- 構造がシンプルで故障しにくく寿命が長め
- 太陽光を熱源とするため、ガス給湯器、電気給湯器より光熱費を削減出来る可能性がある
- 経年劣化で設備滑落の危険性がある
太陽熱温水器を使い続けるべきか?
結論から言うと、給湯器交換をするなら太陽熱温水器を使い続けるよりも他熱源の給湯器に入替えを検討してもよいでしょう。
本項目では、太陽熱温水器を変更すべき理由を挙げていきます。
変更すべき理由
太陽熱温水器が抱えるデメリットの中でも、変更理由に値する点としては以下が考えられます。
- 湯量が不安定
- 給湯温度が不安定
- 屋根への負担が大きい
- 太陽光発電システムが設置できなくなる可能性がある
順番に解説します。
湯量が不安定
太陽熱温水器は熱源を太陽光とする関係上、必然的に季節や設置条件により湯量が不安定になります。
特に、日射量が低くなる冬や晴れ間が少ない地域にお住まいの場合十分な湯量が得られず、別途ガス給湯器や灯油ボイラー機器での湯沸かしを必要とする場合があります。
給湯温度が不安定
湯量の不安定さと共に、給湯温度にも問題を感じるかもしれません。
夏場であれば60℃~70℃と問題はありませんが、冬場になると必要とする温度を満たせない可能性があるのです。
メーカーによって公称値は異なりますが、冬場では30℃程度のお湯しか用意出来ない場合があるのです。
屋根への負担が大きい
屋根への負担も無視できないところです。
太陽熱温水器の重量は、およそ200kg~400kgにものぼります。
屋根の強度によってはそのまま設置できず、補強工事が必要となります。
それだけの重量物が長期間屋根に負荷をかけ続けるわけですから、当然屋根への負担は大きなものです。
屋根の劣化は進み、雨漏りが起こる可能性も考えられます。
機器を繋ぎ止めているワイヤーの経年劣化による設備滑落の危険性も無視できません。
太陽熱温水器からどの給湯器に変えるべきか
太陽熱温水器は、極端に評価すれば設置さえしてしまえば湯沸かしのランニングコストをゼロにできる可能性があります。
しかし実際のところ、太陽熱温水器のみで家庭のお湯を全てまかなうのは非常に難しいです。
太陽光は安定して差し込むものではありませんし、周辺環境に大きく左右されるからです。
不足分をガス給湯器や石油給湯器を併設して補う必要があるため、別途ガスや石油のコストがかかり必ずしもお得にならない可能性があります。
それならば、より効率的な機器に一本化するのもひとつの選択肢です。
弊社がおすすめするのはエコキュートです。
エコキュートとは
エコキュートとは、電気と空気中の熱を利用してお湯を沸かす設備です。
旧来の電気給湯器が電気のみを使用するのに対して、空気熱を利用することでランニングコストを1/3まで削減できるようになりました。
現行の給湯器の中でも極めて省エネ性に優れているため、給湯のランニングコストを下げようと思うなら検討に値する設備と言えます。
太陽熱温水器とエコキュートの比較
太陽熱温水器とエコキュートを4つの点から比較していきましょう。
初期費用
初期費用面では、自然落下式が最も安く、次いでエコキュート、最も高いのが水道直結式です。
給湯設備 | 初期費用 |
---|---|
太陽熱温水器 自然落下式 | 15~30万円 |
太陽熱温水器 水道直結式 | 55~100万円 |
エコキュート | 40~70万円 |
ランニングコスト
エコキュートのランニングコストは年間にして20000円~54000円程です。
対して、太陽熱温水器は太陽熱を利用した機器であるため、理論上コストはかかりません。
しかし、様々な条件の元ガス給湯器や石油給湯器を必要とする機会が少なからずあります。
そのため、実際にはどれくらいの費用がかかっているかはご家庭によって異なります。
既に設置している方は、ご家庭の費用と比べて見るとよいでしょう。
機能
太陽熱温水器は給湯に特化した機器の為、特筆すべき機能をもちません。
対してエコキュートは、機種、メーカーにもよりますが様々な機能を搭載しています。
温浴効果に優れたマイクロバブルを使える機種や、太陽光発電と連携する機能など常に進化しし続けているため、暮らしを豊かにしてくれることは疑いようがありません。
寿命
寿命の長さでは太陽熱温水器に軍配が上がります。
エコキュートがおよそ10年と言われているのに対して、太陽熱温水器の寿命は15~20年と言われています。
シンプルな構造で故障が少なく、しっかりと定期点検を行っていれば30年以上も使用しているご家庭もあるほどです。
まとめ
以上が太陽熱温水器と給湯器交換先の解説となります。
太陽熱温水器は寿命が長くゼロコストで湯沸かしが出来る可能性を秘めるものの、給湯の不安定さや屋根への負担、太陽光発電と相性が悪いことから現在は普及率が下がっている設備です。
安定した給湯を行いつつ、多彩な機能を備えるエコキュートへ交換すれば、よりよい暮らしを送ることが出来るでしょう。
さらに、エコキュートは太陽光発電システムとの連携性にも優れています。
初期費用こそ高額となりますが、太陽光発電システムも同時に設置すれば太陽光利用の魅力を得つつ、給湯を行う事が出来ます。
エコ突撃隊ではエコキュート、太陽光発電、蓄電池等、暮らしを豊かにする住宅設備を取り扱っています。
給湯機器の交換や電気の有効活用についてご興味のある方は、是非一度お問い合わせ下さい。
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