オール電化
2024/09/12
エコキュートを設置する場所は?おすすめの場所や注意点などをわかりやすく解説
エコキュートは複数の設備で構成される給湯器のため、設置する場所にある程度の制限があります。ガス給湯器のように壁に設置することができないので、ガス給湯器からエコキュートに交換する方は注意しましょう。
本記事では、エコキュートを設置する場所について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの仕組み
エコキュートはメーカーや機種によって形状やサイズが多少異なりますが、次の3つの機器で構成されています。
- ヒートポンプユニット
- 貯湯タンクユニット
- リモコンユニット
ヒートポンプユニットとは、エアコンの室外機に似たような形状をした機器で、エコキュートの心臓部分です。空気の熱を取り込んで圧縮して、発生した高温を利用してお湯を沸かします。
メーカーや機種による違いは性能で、形状やサイズに関してほとんど違いはありません。
貯湯タンクユニットはヒートポンプユニットが沸かしたお湯を溜めておく機器です。基本的な形状は角型で、貯湯容量や機種によってサイズが異なります。
なお、角型は人の背丈よりも大きな柱のような形をしていますが、商品によっては壁のように薄いものもあれば、スリムなタイプもあります。
リモコンユニットはお湯を沸かす温度の設定や、湯量などをコントロールする機器です。エコキュートに関する操作やトラブルの表示などは、全てリモコンユニットで行います。
メーカーや機種によってリモコンユニットの形状は異なりますが、基本的にはふろ場と台所に設置します。
エコキュートはどこに設置できる?
エコキュートを構成する機器のうち、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットは住宅の外、リモコンユニットは住宅の中に設置します。
ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットを設置できる場所について順番に解説します。
ヒートポンプユニット
ヒートポンプユニットは外気を取り込む際に、熱を奪った空気を排出します。マイナス10℃近い冷気が排出されるため、屋内に設置していると部屋の温度が下がってしまう可能性が高いです。
また、ヒートポンプユニットは外気の熱を冷媒として使用している二酸化炭素に移していますが、トラブルが発生して室内に漏れてしまうと、二酸化炭素中毒を引き起こす恐れもあります。
以上の理由から、ヒートポンプユニットは屋内設置ができず、屋外設置になる機器です。
貯湯タンクユニット
一般的に、貯湯タンクユニットも屋外設置する機器ではありますが、スペースがあるなら屋内設置は可能です。
例えば、マンションならパイプスペース、戸建住宅なら空きスペースに設置できます。屋内設置なら、外気温が低い日でも貯湯タンクユニット内部の温度が下がりにくいというメリットがあります。
ただし、貯湯タンクユニットを室内に置くと、熱が放出されて室内温度の上昇を招く可能性が高いです。また、マンションや集合住宅では設置するスペースが確保できない可能性もあります。
そのため、貯湯タンクユニットもヒートポンプユニットと一緒に屋外に設置するケースが多いです。
エコキュートを設置するおすすめの場所
エコキュートを設置するなら、浴室から15m以内の場所にしましょう。
メーカーや機種によって異なりますが、フルオートタイプのエコキュートでは浴室との距離が15mを超えると、エラーが発生したり、機能が十分に発揮されなかったりする可能性が高いです。
また、距離が遠くなるほどお湯が届くまでの時間がかかるので、余分な水道代が発生し、途中でお湯の温度が下がるなどのデメリットも発生します。
ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットを設置する場合は、なるべく浴室や洗面所、台所などに近い場所が良いでしょう。
エコキュートを設置する場所の注意点
エコキュートを設置する場所を決める際の注意点は以下のとおりです。
- 寝室に近い場所は避ける
- 音が響かない場所を選ぶ
- 隣家との距離を確認する
上記を順番に解説します。
寝室に近い場所は避ける
エコキュートを利用していると、時間帯や季節によって電気料金が変動する料金プランと契約します。
例えば、東京電力エナジーパートナーではオール電化住宅向けの料金プランとして、スマートライフSを提供しています。
スマートライフSの料金 | 単位 | 料金 | |
---|---|---|---|
基本料金 | 10Aにつき | 1契約 | 311.75円~ |
電気量料金単価 | 午前6時~翌午前1時 | 1kWhあたり | 35.76円 |
午前1時~午前6時 | 27.86円 |
エコキュートは電気料金単価が安い時間帯に稼働しますが、表のような料金プランで電気料金単価が安い時間帯は真夜中です。
つまり、エコキュートは就寝中に稼働するため、睡眠の妨げになる可能性があります。
現在のエコキュートの稼働音はかなり抑えられていますが、人によっては気になる場合があるので、寝室に近い場所は避けましょう。
音が響かない場所を選ぶ
エコキュートの稼働音は40dB程度で、図書館の館内と同程度の音量ですが、周囲を壁に囲まれていると音が増幅される可能性があります。
また、稼働音とは別に低周波による低い音も壁によって反響すると大きな音になる場合があるため、音が響かない場所を選ぶと良いです。
なお、設置してから音が気になる、あるいは苦情を言われた場合は、防音シートや防音マットなどを設置しましょう。
隣家との距離を確認する
エコキュートを屋外に設置する際は、隣家との距離が重要です。
例えば、エコキュートのヒートポンプユニットは稼働時にマイナス10℃の空気を排出します。設置した場所によっては、冷風が隣家の植物や玄関、換気扇、通気口に当たる場合があり、トラブルに発展する恐れがあります
また、上記で説明したように、ヒートポンプユニットは稼働時に音や低周波を発し、人によってはうるさく感じる可能性も否定できません。
エコキュートを設置したことでご近所トラブルに発展しないように、隣家との距離に注意しましょう。
設置する場所に合わせてエコキュートを選ぶ
設置する場所を決めたら、スペースに合ったエコキュートを購入します。
一般的な角形エコキュートの場合、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットのサイズの目安は以下のとおりです。
横幅 | 奥行 | 高さ | |
---|---|---|---|
ヒートポンプユニット | 800mm~900mm | 300mm~365mm | 800mm~900m |
角型貯湯タンクユニット | 600mm~700mm | 650mm~750mm | 1800mm~2200mm |
メーカーや機種によってサイズは多少異なりますが、上記2つを設置して、さらにメンテナンスや通行の妨げにならない程度のスペースがあれば、角型のエコキュートを設置できます。
ただし、家庭によって敷地のスペースや設置できる場所の環境などは異なります。
角型エコキュートを設置できない場合は、貯湯タンクユニットの形状が薄い薄型エコキュートや、全体的に小さくなっているコンパクトタイプなど、設置スペースに合った商品を選びましょう。
マンションにエコキュートを設置する場合の場所
戸建住宅の場合、風呂場や脱衣所、台所などの水廻りに近く、隣家との距離が離れていて、十分なスペースのある敷地にエコキュートを設置すれば問題ありません。
しかし、マンションにエコキュートを設置する場合は、パイプスペースかベランダのどちらかしか選べない可能性が高いです。
ネックになるのは貯湯タンクユニットで、貯湯容量によっては高さが2m以上になる大きな住宅機器のため、マンションやアパートのようなスペースが限られた場所では設置しにくい場合があります。
パイプスペースに設置できるなら問題ありませんが、マンションによっては水道メーターや電気メーター、パイプなどが密集しており、貯湯タンクユニットが設置できません。
ベランダも、満水時の貯湯タンクユニットが500kg近い重量となるため、マンションによっては重さに耐えられないので設置できないケースがあります。
まずは、管理組合や管理している不動産、大家などにエコキュートを設置したいことを相談し、設置できるスペースや耐荷重などを確認して、設置できる機種を選びましょう。
エコキュートを設置する工事
ガス給湯器からエコキュートへ交換する工事は以下のとおりです。
- 既設給湯器の撤去処分
- 基礎工事
- 配管工事
- エコキュート本体据付工事
- 電気工事
- 試運転
- 操作方法説明
工事の中で設置場所と特に関係があるのは、基礎工事と配管工事です。
貯湯タンクユニットは満水時に500kg以上になることもあるため、設置する際にはコンクリートの基礎土台を作成します。
コンクリートの基礎土台は、土間打ち(現場打ち)とエコベースがあり、次のような違いがあります。
概要 | |
---|---|
土間打ち(現場打ち) | 職人が地面に砂利などを突き固めて敷き込み、その上からコンクリートを打ち込んで作る土台 エコベースより工期はかかる 地盤が弱い場所でもエコキュートをしっかり固定する |
エコベース | 既にできているコンクリート土台を設置する 工期は短く済む 地盤が弱い土地ではエコキュートが不安定になる |
エコキュートの貯湯タンクユニットを設置する場所にはコンクリートの土台が必要になると覚えておきましょう。
次に配管工事を行います。基本的にガス給湯器からエコキュートに買い換えた場合でも、給水・給湯配管や追い焚き配管は既設配管を利用します。
しかし、設置スペースの問題でエコキュートを離れた場所に設置する場合は、配管の延長工事が必要です。
追加工事なので基本的な工事の費用に含まれていません。あとからトラブルにならないように、見積書に含まれているか確認しましょう。
あとは、エコキュート本体を取り付け、電気関係の工事を済ませ、試運転後に説明を受ければ工事は完了です。
エコキュートを設置する際は、基礎工事でコンクリートの土台を敷地に作ることと、設置する場所によっては追加工事が発生する可能性があると覚えておくと良いです。
まとめ
以上が、エコキュートを設置する場所の解説です。エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットを屋外に設置することが多く、ある程度のスペースが必要です。
設置する際は、浴室から15m以内の場所で、なるべく水回りに近い場所が良いでしょう。
ただし、場所によっては近隣トラブルの原因になるので、エコキュートを選ぶ時や設置する際は専門的な知識を持った方と相談しながら決めるべきです。
「エコ突撃隊」では、メーカー正規品を低価格で販売しております。専門的な知識が豊富なスタッフが対応いたしますので、エコキュートに関して質問がありましたら、ぜひご相談ください。
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