オール電化
2024/06/30
エコキュートから聞こえる異音の正体は?「ウォーターハンマー」や音別に解説
エコキュートを長く使用していると、「ドンッ」「ブーン」「カタカタ」「キーン」という聞きなれない音やボコボコと水の音が聞こえることがあります。 エコキュートが発する音は正常な動作音の場合もあれば、故障やその予兆を示している場合もあります。
この記事では、エコキュートが発する音について音別に解説します。
エコキュートの異音の原因と対処方法
エコキュートを使用していて、異音がする場合はトラブルが発生している可能性が考えられます。
エコキュートの異音は、どのタイミングで発生したかによって、原因となるトラブルが異なります。
- 給湯中
- お湯を作っている最中
- 上記以外のタイミング
エコキュートの異音の原因と対処方法を、タイミング別に解説します。
給湯中
風呂場でお湯はりやシャワーを使用している、あるいは洗面所や台所でお湯を使用している際に異音がするなら、貯湯タンクユニットから配管までのどこかでトラブルが起きている可能性があります。
蛇口を開く、あるいは開いている最中に異音がする場合はゴミや沈殿物による目詰まり(スケール詰まり)が起きているかもしれません。説明書に目詰まりの対処方法が記載されているので、半年に1回のペースでゴミや沈殿物を取り除きましょう。
蛇口を閉じた場合に異音がする場合は、ウォーターハンマーの可能性があります。ウォーターハンマーが続くと隣人トラブルや水漏れの原因となるので、なるべく早めに修理や点検を依頼しましょう。
お湯を作っている最中
エコキュートは真夜中にお湯を作る際、ヒートポンプユニットが作動します。ユニット内部にあるファンが回転して空気を取り込むのですが、その際に異音が発生することがあります。
ファン内部にゴミや霜などが付着していると、回転と同時に異音が発生するケースがあります。また、ファンモーターの部品が劣化、あるいは破損していると耳障りな風切り音がします。
ファンモーターから異音がする場合は、本格的な修理や点検が必要になるので、業者に相談してみましょう。
上記以外のタイミング
上記以外のタイミングで異音がする場合は、まずはどこから異音がするのか確認してみましょう。
エコキュートが稼働していると振動するため、周辺物と共振して音を発生することがあります。そのため、エコキュートの周りは物を置かない方が良いです。
エコキュートの周りに物がなく、異音はするけど原因が分からない場合は、どこかで部品が劣化していて、正常な動作をしていない可能性が高いです。エコキュートの寿命は10年ですが、定期的にメンテナンスや点検をしていなければ短くなります。
異音の原因に心当たりがない場合は、修理業者に依頼してみましょう。
エコキュートは騒音がするの?
エコキュートが稼働すると40db(デシベル)程度の騒音が発生します。騒音といっても、図書館の管内や深夜の住宅地程度の騒音なので、夜眠れなくなるぐらい大きい音という訳ではありません。
そのため、エコキュート周りではっきりと聞こえるほどの音がするのは本来ならあり得ないことです。隣人から音について苦情を言われた時は、エコキュートが故障している可能性があると疑いましょう。
エコキュートの騒音対策
エコキュートの稼働音は低いですが、住んでいる場所の環境によっては騒音対策が必要です。
なぜなら、エコキュートのヒートポンプユニットは12.5Hz(ヘルツ)程度の低周波音を発生するため、人によっては嫌な音を感じることがあります。
そのため、エコキュートは寝室や近隣から離れた場所に設置し、振動で共振しないように土台(ベース)にしっかりと固定することが望ましいです。
近隣とのスペースを確保できない場合は、ヒートポンプユニットの周りに防音壁や防音シートを設置することも検討してみましょう。
「ブーン」という音
エコキュートが発する「ブーン」という音は、稼働の際に発する正常な音である可能性が高いです。
しかし、故障を原因とする場合もあるため、普段と音の大きさや音を発する周期を覚えておくとよいでしょう。
音が鳴る原因を挙げていきます。
ファンモーターから出る音
ヒートポンプユニット内部にはファンモーターが内蔵されており、排熱の為に送風を行います。
このファンモーターの駆動音が「ブーン」という音です。
一定の音量で、定期的に鳴っている音であれば、問題無いと言えます。
低周波音
エコキュートは運転時に約12.5dBほどの低周波音を発します。
ヒートポンプユニット内のコンプレッサーが、空気の熱を圧縮してエネルギーに変える際に発する音のため、正常な状態であるといえます。
隣家や家族から低周波音による健康被害等の知らせがなければ気にする必要はありません。
設置環境の問題
上記に当てはまらない場合は、エコキュートを設置している場所を確認するとよいでしょう。
エコキュートが設置されている場所が隣家に近ければ反響音を感じる可能性があります。
また、エコキュートの設置場所が不安定であれば、振動が大きくなり異音の発生源となっているかもしれません。
配管の固定が適切ではない場合も、振動が増幅される可能性があります。
故障の可能性もある
前述の通り、「ブーン」という音は正常な動作音である可能性が高いです。
しかし、同じ「ブーン」という音でも今までより音が大きかったり、動作時以外も鳴り続けていたりする場合は注意が必要です。
コンプレッサーの故障やファンに歪みが発生している場合、大きな異音を発することがあります。
「ブーン」音がいつもと違う場合は故障の可能性を疑いましょう。
「カタカタ」という音
「カタカタ」という音の原因は下記が考えられます。
共振音
ひとつめの要因として、正常運転時の音の振動が増幅された結果の音、というものがあります。
物体には何らかの衝撃に対して返す「固有振動」というものがあります。
「固有振動」を繰り返し与えられることで振動が増幅され、より強い振動となります。
この原理のもと、エコキュートの通常動作音が周囲に伝わり増幅された結果振動が大きくなり、「カタカタ」音が耳障りになっている可能性があります。
固有振動の近しい物体と共振を起こす可能性があるため、周辺に移動可能な物体を置いている場合、場所を移動してみるといいかもしれません。
ファンの故障
「ブーン」音の際にも言及しましたが、エコキュートは動作時にファンを動かします。
ファンブレードが歪んでいたり破損していたりすれば、ファン動作時に回転が安定せず異常な振動に繋がる場合があります。
経年劣化によって起こる可能性もあるので、異常を感じたらファンの点検を行いましょう。
異物の混入
ヒートポンプユニットに異物が混入した際も異常な動作音を発する場合があります。
異物はゴミなどに限りません。
冬季に積雪などあった際、雪がヒートポンプ内部に入り込み再凍結して内部部品と干渉して「カタカタ」「カラカラ」という音を発することがあります。
「ボコボコ」という音
冬場に浴槽の循環口からボコボコという音がする場合は、エコキュートのふろ配管凍結防止機能が働いていることが原因だと予想されます。
お風呂の残り湯が配管内を循環して凍結するのを防ぐ機能ですが、残り湯が少ないと水が出て異音がする場合があります。
上記の場合は故障ではありませんので心配いりません
「ボンッ」「ボボッ」という音
エコキュートから「ボンッ」「ボッボッ」という爆発音に似た音が聞こえた場合は、直ちに使用を中止してください。
この異音は、エコキュートの不完全燃焼に端を発している可能性が高いです。
速やかに修理依頼や買い替えを検討しましょう。
「キュルキュル」という音
「キュルキュル」という音は、エコキュートではなく加圧ポンプから発生している可能性があります。
エコキュートメーカーや販売店では対応できないので、水道屋さんに相談するとよいでしょう。
「ゴー」「ウー」という音
エコキュートの使用中に「ゴー」もしくは「ウー」といった低く唸るような音が聞こえた場合は、故障の可能性があります。
排熱時等に動作するモーター故障の可能性が高いため、点検や修理を行うとよいでしょう。
「シャー」という音
この音は、貯湯タンク、ヒートポンプユニットどちらからも聞こえる可能性があります。
貯湯タンクから聞こえる「シャー」音
貯湯タンクから聞こえる「シャー」という音は、給湯時に聞こえる正常な動作音と考えていいでしょう。
故障ではないので心配いりません。
ヒートポンプユニットから聞こえる「シャー」音
「シャー」という音は通常の動作音であり、故障ではありません。
発生するタイミングは以下の2つです。
- わき上げ終了時
- 寒い時期や寒冷地での霜取り運転時
この音は、わき上げの際開いた膨張弁を冷媒ガスが流れることによって発生する音です。
正常な動作音ですので、心配はいりません。
「キーン」「ドンッ」「コンコン」という音
エコキュートから聞こえる「キーン」「ドンッ」「コンコン」「ゴトンッ」「ガタンッ」といった音は「ウォーターハンマー」と言われる現象が発生している可能性があります。
ウォーターハンマーは戸建住宅ならまだしも、マンションのような集合住宅で発生すると隣人トラブルの原因になります。
そのため、ウォーターハンマーが起きているなら、早めに対処しておく必要があります。
ウォーターハンマーとは
ウォーターハンマーは水道管や配管内部で圧力が発生している時に聞こえる現象です。ハンマーで金属を叩いたような音がすることから、ウォーターハンマー、あるいは水撃作用などと呼びます。
ウォーターハンマーが発生する原因は、大きく分けて2種類あります。
- 水道管内の急激な圧力上昇が原因
- 水柱分離が原因
上記の原因を順番に解説します。
水道管内の急激な圧力上昇が原因
ウォーターハンマーは水の運動エネルギーが圧力エネルギーに変化することで発生する確率が高まります。
例えば、お湯の給湯を急に止めると、それまで流れていた水は壁(バルブなど)にぶつかります。壁にぶつかることで、周囲の圧力は高まり、水道管が震え出すようになります。
この圧力上昇が原因となって衝撃音(ウォーターハンマー)が発生します。
水柱分離が原因
圧力が高まるということは、別の場所では圧力が下がってしまうという意味でもあります。
慣性の力で壁に向かって進む水に対して、流れに追い付けない水によって圧力が急激に下がり、水流が2つに分かれて一種の真空状態が発生します。
上記の真空状態を水柱分離(気相発生)と呼びます。真空状態となった空間で壁に跳ね返された水と、前に進もうとする水が衝突すると衝撃が発生し、結果として衝撃音(ウォーターハンマー)が発生するのです。
エコキュートでウォーターハンマーが発生する理由
ウォーターハンマーが発生する原因は水流が突然止まってしまうことで、水の運動エネルギーが圧力となって配管に衝撃を与えるケースと、水流が2つに分かれて生まれた真空状態となった箇所で衝突するケースの2種類があります。
エコキュートでウォーターハンマーが発生する理由は、機器内部に電磁弁と呼ばれる部品があるため、上記のケースが起きやすくなっているからです。
電磁弁は電源のオン、オフによって水や空気を止める、流す、切り替えるなどの働きをします。
つまり、電磁弁が作動することによって水の流れが強制的に止められ、圧力が急激に変動し、結果としてウォーターハンマーが発生する可能性が強まります。
エコキュートの場合は設置した直後や、停止していた機器を再開した直後などにウォーターハンマーが発生しやすいです。
ウォーターハンマーが発生することの危険性
ウォーターハンマーは一瞬の現象ですが、衝撃はかなり強力なものとされています。
1回程度なら問題ありませんが、同じ場所でウォーターハンマーが発生すると、配管が劣化、あるいは破損する恐れがあります。
また、エコキュートは精密部品の塊のような給湯器です。機種によっては配管内部にもセンサーがあり、ウォーターハンマーが発生したことで故障する原因となる可能性もあります。
故障個所や規模にもよりますが、三菱電機だとエコキュートの修理は約18,000円~約176,000円かかります。
部品が無ければエコキュート自体を買い替えることになるので、30万円~50万円程度の出費となります。そのため、ウォーターハンマーが発生しているときは、早めに対処しておくと良いでしょう。
ウォーターハンマーを防ぐ方法
結論から申し上げますと、ウォーターハンマーを完全に防ぐ方法はありません。
ウォーターハンマーは水が流れていると発生する現象なので、エコキュートを動かしている限りは、発生する確率があります。
しかし、次の方法を試すことでウォーターハンマーが発生する確率を抑えることは可能です。
- 配管内部の水流を緩やかにする
- 水撃防止器を付ける
上記の方法を順番に解説します。
配管内部の水流を緩やかにする
ウォーターハンマーが発生する原因は、強い水流が電磁弁などで急に停止したりすることです。
そのため、配管内部の水流を緩やかにしておけば、ウォーターハンマーが発生する確率を抑えられます。
水流は水道管の元栓を絞めると、配管内部の水量が少なくなるので、勢いが緩やかになります。
ただし、元栓を絞めると水の勢いが弱くなるので、2ヵ所同時に給水する、あるいはシャワーなどの時に水の出が悪くなる場合があります。
水撃防止器を付ける
水撃防止器とは、ハンドルや電磁弁を閉じた際に発生するウォーターハンマーを緩和する器具です。取り付けた水撃防止器がハンドルの役割を果たし、壁や配管のなかでする異音を軽減できます。
また、貯湯タンクユニットに繋がる配管に減圧弁を取り付けることでも、ウォーターハンマーを抑える効果が期待できます。
ただし、上記の水撃防止器や減圧弁などの取り付けには工事が必要です。エコキュートを購入した業者に相談してみましょう。
まとめ
以上が、エコキュートから聞こえる異音の正体の解説です。
エコキュートは使用中に様々な音を発することがあります。
問題ない音もあれば、故障を示す音もあるため、エコキュートを使用して普段と違う異音がするようになったら、速やかに業者に点検や修理を依頼しましょう。
エコ突撃隊は創業25年、総施工件数28,000件を突破しております。
エコキュートやIHクッキングヒーターなどの販売や施工を手掛けており、多くのお客様に満足して頂いております。エコキュートの異音やウォーターハンマーでお困りでしたら、ぜひご連絡ください。
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