オール電化
2025/03/12
エコキュートの水圧を上げる方法は?弱い理由や強い機種などをわかりやすく解説
エコキュートは貯湯式給湯器のため、水圧が弱くなりやすいです。ガス給湯器からエコキュートに買い替えてシャワーの水圧が弱いと感じたら、上げる方法を試してみましょう。本記事では、エコキュートの水圧を上げる方法や弱い理由などを解説します。
エコキュートは貯湯式給湯器のため、水圧が弱くなりやすいです。
ガス給湯器からエコキュートに買い替えてシャワーの水圧が弱いと感じたら、上げる方法を試してみましょう。
本記事では、エコキュートの水圧を上げる方法や弱い理由などを解説します。
エコキュートの水圧が弱い理由
エコキュートの水圧が弱い理由は以下のとおりです。
- 給湯方式
- 同時にお湯を使っている
- エコキュートを設置している環境
- 水漏れや故障
上記の理由を順番に解説します。
給湯方式
エコキュートの水圧が弱いのは、給湯方式が原因の場合が多いです。
一般的に、エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器で、貯湯タンクユニットで沸かしたお湯を溜めておく「貯湯式」と呼ばれる方式を採用しています。
エコキュートの貯湯タンクは水圧に耐えられるよう設計されていますが、水道の圧力によって内部から変形しないように、圧力を調整するための減圧弁が設置されています。
減圧弁によって貯湯タンクユニットは変形するリスクが軽減されますが、水道の圧力が直接利用できないため、水圧が低下するのは避けられません。
一方、ガス給湯器は「水道直圧式」を採用しており、水道の圧力をそのまま利用してお湯を供給するため、高い水圧を維持できます。
そのため、ガス給湯器からエコキュートに交換すると、シャワーの勢いが弱い、お湯はりに時間がかかるなどのケースがあるので注意しましょう。
同時にお湯を使っている
家の中で複数の場所で同時にお湯を使用すると、水圧が分散され、各給湯箇所の水圧が低下することがあります。
例えば、キッチンで食器を洗いながら浴室でシャワーを使用すると、エコキュートの給湯能力が分散され、結果的に水圧が弱くなりやすいです。
エコキュートを設置している環境
設置環境や住宅自体の水圧も、給湯時の水圧に影響を与えます。
例えば、高層マンションの上階や標高の高い地域では水道水圧が低く設定されているので、最初から水圧が弱いです。
最初から水圧が弱い地域や住環境の場合は、エコキュートの水圧が300kPa前後と設定されていても、水圧が弱くなる可能性があります。
ほかにも、エコキュートが1階にあり、風呂場や台所が2階以上にある場合もシャワーの勢いが弱くなりやすいので、注意しましょう。
水漏れや故障
エコキュート本体や周辺設備の不具合も、水圧低下の原因となることがあります。
例えば、配管のフィルターが詰まると水の流れが悪くなり、水圧が低下します。また、給湯設備自体に故障がある場合も、水圧が不安定になることがあります。
急に水圧が弱くなった場合は水漏れや故障の可能性があるので、エコキュートの周囲やエラーコードを確認して、専門業者による点検や修理を依頼しましょう。
エコキュートの水圧を上げる方法
エコキュートの水圧を上げる方法は以下のとおりです。
- お湯を複数同時に使わない
- 給湯温度を変更する
- 低水圧用シャワーヘッドを使用する
- フィルターの目詰まりを取り除く
- 止水栓の調整
- 給湯加圧ポンプを設置する
- 水圧の強いエコキュートに買い替える
上記の方法は、手軽に実行できる順番です。
エコキュートの水圧を上げたい場合は上記の方法を順番に試してみましょう。
お湯を複数同時に使わない
エコキュートは貯湯式のため、同時に複数の蛇口やシャワーを使用すると、水圧が低下しやすくなります。
特に家族が多い家庭では、朝や夜の使用時間が重なることで、シャワーの勢いが弱くなることがあります。タンク内のお湯を複数箇所で同時に分配するため、供給量が分散されることが原因です。
対策としては、使用する時間をずらしてみましょう。
例えば、入浴のタイミングを調整したり、食器洗いとシャワーを同時に使わないようにしたりすると、水圧が安定しやすくなります。
給湯温度を変更する
エコキュートの給湯温度を高めに設定することで、蛇口側で水を混ぜる量が増え、体感的な水圧を向上させることが可能です。
貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯は65℃~90℃と高熱で、給湯時に水道水と混ぜて給湯温度まで下げてから各所へ給湯します。
例えば、通常40℃設定のところを45℃に設定し、蛇口側で水を混ぜて温度を調整すると、シャワーの勢いが強くなる場合があります。
ただし、設定温度を上げすぎると、やけどのリスクが高まるため注意が必要です。小さな子どもや高齢者がいる家庭では、安全のために適切な温度設定を行うことが推奨されます。
低水圧用シャワーヘッドを使用する
水圧が低くても快適に使用できる「低水圧用シャワーヘッド」に交換することで、体感的な水圧を上げることができます。
低水圧用シャワーヘッドは独自の構造により少ない水量でも勢いのある水流を作り出すため、エコキュートのシャワーの水圧を上げたい場合に有効です。
また、低水圧用シャワーヘッドによっては節水効果も期待できるので、水道料金の節約にもつながります。交換は工具不要で簡単にできるものが多く、費用対効果の高い対策の1つです。
フィルターの目詰まりを取り除く
エコキュートのフィルターが目詰まりすると、水の流れが悪くなり、水圧が低下する原因となります。
水道水に含まれる不純物や水垢が蓄積すると、フィルターが詰まりやすくなります。定期的にフィルターを掃除することで水の流れをスムーズにし、水圧が上がる場合があるので試してみましょう。
フィルターの掃除方法は、エコキュート本体や蛇口のストレーナー部分を取り外し、流水で洗浄します。汚れがひどい場合は、歯ブラシや綿棒を使って細かい部分まで掃除すると効果的です。
フィルター掃除は数ヶ月に一度を目安に行うと、安定した水圧を維持できます。
また、フィルター以外にもエコキュートはメンテナンスや清掃が必要なので、次の記事を参考に定期的に行いましょう。
止水栓の調整
エコキュートの水圧が低い場合、止水栓の開度が適切でない可能性があります。
止水栓とは、給水管とエコキュートの接続部分にある水の流れを調整するバルブのことです。工事時に適切な位置で設定されていないと、水圧が弱くなることがあります。
止水栓を少しずつ開いて水の流れを改善することで、水圧が向上する可能性があるので、試してみましょう。
ただし、開きすぎると逆に水圧が不安定になることがあるため、調整は慎重に行う必要があります。
給湯加圧ポンプを設置する
エコキュートの水圧を根本的に改善する方法として、「給湯加圧ポンプ」を設置するのも選択肢の1つです。
給湯加圧ポンプを取り付けることで、給湯時の圧力を増し、シャワーや蛇口から出るお湯の勢いを大幅に向上させることができます。もともと水道の供給圧力が低い地域や高層住宅の上階では、給湯加圧ポンプの設置が効果的です。
ただし、給湯加圧ポンプの設置には工事が必要であり、機種によっては設置できない場合があります。
エコキュートで給湯加圧ポンプを設置したい場合は、施工業者やメーカーに問い合わせてみましょう。
水圧の強いエコキュートに買い替える
現在使用しているエコキュートの水圧がどうしても低い場合は水圧の強いエコキュートに買い替えることを検討しましょう。
特に、古いエコキュートを利用している方は、最新機種への買い替えがおすすめです。
エコキュートは2001年頃に販売を開始しており、2010年頃までは給湯圧力が180kPaの機種が大半でした。
2010年頃から280kPa前後まで上昇した機種が登場しましたが、フルオートタイプのフラグッシプモデルに限定されていることが多く、予算の都合で見送られてしまった可能性があります。
現在は300kPa前後の機種が増えているので、古いエコキュートを利用している方は最新のエコキュートに買い替えると良いです。
エコキュートの水圧を上げるメリット
エコキュートの水圧を上げるメリットは以下のとおりです。
- シャワーの勢いが強い
- お湯はりの時間が短くなる
上記を順番に解説します。
シャワーの勢いが強い
エコキュートの水圧を上げると、シャワーの勢いが強くなり、快適な入浴ができます。
しっかりとした水流を感じることができれば、シャンプーの泡をしっかり洗い流せるようになり、洗髪や体を流す時間が短縮されるため、ストレスなく入浴を楽しむことが可能です。
また、シャワーの水流が強くなることで、マッサージ効果が得られたり、温浴効果が向上し、リラックスしやすくなったりします。
快適でストレスのない環境を手に入れるためには、シャワーの水圧にこだわりましょう。
お湯はりの時間が短くなる
コキュートの水圧を上げることで、お湯はりの時間が短縮され、日常の利便性が向上します。
エコキュートが登場した頃の水圧は180kPaで、勢いは1分間に約12L程度です。
一方、300kPa前後あれば、1分間に約16L程度のお湯が出るので、理論上はお湯はり時間を約25%短縮できます。
水圧を上げることでお湯の供給速度が向上し、浴槽へのお湯はり時間が短縮されれば、仕事や家事で忙しい場合でも時間の有効活用が可能です。
エコキュートの水圧を上げるデメリット
エコキュートの水圧を上げるデメリットは以下のとおりです。
- 水道代や電気代が高くなる可能性がある
- 人によっては痛いと感じる
上記を順番に解説します。
水道代や電気代が高くなる可能性がある
エコキュートの水圧を上げると、結果的に水道代が高くなる可能性があります。水圧が強くなると、シャワーや蛇口から出る水量が増え、無意識のうちに多くの水を使用する可能性があるからです。
特にシャワーの場合、勢いがあることで快適に感じる分、使用時間が延び、流しっぱなしにする時間が長くなる傾向があります。
多くの水やお湯を利用すると、家全体の水道代が高くなるので注意しましょう。
また、お湯の使用量が増えて湯切れを繰り返すと、電気量料金単価が高い日中にお湯を沸かすようになり、電気代の上昇につながります。
水圧を上げることは快適な入浴環境を提供しますが、無駄な水の使用を防ぐために日頃から節水の意識を持ちましょう。
人によっては痛いと感じる
エコキュートの水圧を上げることで、シャワーや蛇口からの水の勢いが強くなり、快適に感じる人がいれば、「水が肌に当たると痛い」と感じる人もいます。
例えば、肌が敏感な人や子ども、高齢者にとっては、強い水圧が刺激となり、不快感を覚える可能性は少なくありません。
また、洗顔時に強い水圧で顔を流すと、必要な皮脂まで洗い流す可能性があります。
水圧を上げることで快適性は向上しますが、強すぎる水圧が不快に感じることもあるため、使用する人に合わせた調整が必要です。
水圧の高いエコキュートは?
記事執筆時点で販売されているエコキュートのなかで、水圧の高い機種は以下のとおりです。
名称 | 給湯圧力 | |
---|---|---|
三菱 | ハイパワー給湯 | 290kPa |
パナソニック | パワフル高圧 | 280kPa |
ウルトラ高圧 | 325kPa | |
ダイキン | 高圧給湯 | 210kPa |
パワフル高圧給湯 | 330kPa | |
コロナ | 高圧力パワフル給湯 | 260kPa |
日立 | 水道直圧式 | 500kPa |
特におすすめなのが、ダイキンと日立のエコキュートです。
ダイキンの2024年以降に販売されたXシリーズとAシリーズは給湯圧力が330kPaで、記事執筆時点ではトップクラスの水圧になります。
また、Xシリーズは「ウルトラファインバブル入浴」や「おゆぴかUV」などの便利な機能を搭載しているので、機能性にこだわりたい方にもおすすめです。
一方、日立の水道直圧式エコキュートはヒートポンプユニットでお湯を沸かして貯湯タンクユニットで溜めておき、水道水を温めるために利用します。
地域の水道圧によって異なりますが、水道の水圧を直接利用できるので、水圧にこだわりたい方はチェックしてください。
まとめ
以上が、エコキュートの水圧を上げる方法の解説になります。エコキュートの水圧を上げる方法は、お湯を複数同時に使わない、給湯温度を変更する、低水圧用シャワーヘッドを使用するなどの方法が手軽に実行できておすすめです。
抜本的な解決を望む場合は、止水栓の調整や給湯加圧ポンプの設置、または水圧の強いエコキュートへの買い替えを検討しましょう。
「エコ突撃隊」ではダイキンや日立などの水圧が強いエコキュートを低価格で販売しています。専門的な知識を身につけたスタッフが対応いたしますので、エコキュートを購入したい場合はご相談ください。