オール電化
2025/02/13
エコキュートの高圧タイプとは?給湯する仕組みやシャワーの勢いが強い機種などをわかりやすく解説
エコキュートはメーカーによって名称が異なりますが、水圧の強い高圧タイプがあります。シャワーの勢いやお湯はりの時間などをこだわりたい方は、高圧タイプとなっている機種を選びましょう。ただし、メーカーによって高圧タイプの名称と給湯圧力が異なるので、購入する前に知っておくべきです。
本記事では、エコキュートの高圧タイプを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの給湯する仕組み
エコキュートは電気と空気の熱でお湯を沸かす貯湯式給湯器です。ヒートポンプユニットがお湯を沸かし、貯湯タンクユニットで溜めておき、必要に応じて各所に給湯します。
空気の熱を利用していることと、電気量料金単価が安い時間帯にお湯を沸かすことによってランニングコストを大幅に抑えられることが大きなメリットです。
ただし、沸かしたお湯を貯湯タンクユニットで溜めておくときに、内部の圧力によってタンクが変形しないように減圧を行います。
減圧されたお湯は、リモコンユニットで設定された温度まで水道水と混ぜてから給湯されますが、水道水を直接温める瞬間式給湯器に比べると給湯圧力が弱いです。
そのため、瞬間式給湯器のガス給湯器から貯湯式給湯器のエコキュートに買い換えた場合、シャワーの勢いが弱い、浴槽にお湯を張る時間が長いなどの指摘があります。
瞬間式給湯器の給湯圧力が強い理由
瞬間式給湯器の給湯圧力が強い理由は、水道水の水圧をそのまま利用できるからです。
日本の水道は、貯水池にある水を浄水場まで運び、浄化や消毒を行ってから各家庭や商業施設などに供給します。
しかし、浄水場よりも供給先が高い場所にあると、水道水を届けることができないので、ポンプの圧力によって送り出します。
地域によって異なりますが、水道圧は150kPa~500kPaで、瞬間式給湯器は水道圧を減圧せずに温めて給湯するため給湯圧力も150kPa~500kPaです。
エコキュートが水道水の圧力を減圧するのに対して、ガス給湯器はそのまま利用しているので、給湯圧力が高いと覚えておきましょう。
エコキュートの高圧タイプとは?
エコキュートの高圧タイプとは、給湯圧力が従来機種に比べて強い機器を指す言葉です。
ただし、高圧タイプと表記されていても給湯圧力が高いとは限らないので注意しましょう。
エコキュートは2001年頃に販売をスタートし、当時の給湯圧力は180kPa前後が一般的でしたが、発売当初から「高圧」タイプと呼ばれていました。
なぜなら、エコキュートの前身にあたる電気温水器の水圧が当時は100kPa前後だったため、発売当初の機種でも電気温水器に比べて高圧タイプと呼べたからです。
2010年頃から給湯圧力が280kPa前後まで上昇した機種が登場しても、給湯圧力が180kPa前後の機種を高圧タイプと呼ぶのは当時の名残りと言えます。
給湯圧力が180kPa前後の場合、シャワーの勢いは1分間に約12L程度ですが、280kPa前後あれば1分間に16Lまで上昇し、風呂場を3階に設置することが可能です。
給湯圧力が高いほど寒い時期でもシャワーの勢いが衰えにくく、お湯はりの時間を短縮でき、別の場所でお湯を使っていても弱くなりにくいなどのメリットがあります。
そのため、シャワーの勢いにこだわりたい方は、200kPa以上の高圧タイプを購入しましょう。
なお、メーカーによって高圧タイプの名称と給湯圧力は異なります。次の表は、各メーカーで給湯圧力が200kPaを超えている高圧タイプと給湯圧力をまとめたものです。
名称 | 給湯圧力 | |
---|---|---|
三菱 | ハイパワー給湯 | 290kPa |
パナソニック | パワフル高圧 | 280kPa |
ウルトラ高圧 | 325kPa | |
ダイキン | 高圧給湯 | 210kPa |
パワフル高圧給湯 | 330kPa | |
コロナ | 高圧力パワフル給湯 | 260kPa |
日立 | 水道直圧式 | 500kPa |
シャワーの勢いにこだわりたい方は、上記の高圧タイプを選びましょう。
エコキュートのシャワーの勢いが強い機種
記事執筆時点でシャワーの勢いが強い機種はダイキンのパワフル高圧給湯と、日立の水道直圧式です。
それぞれ、順番に解説します。
ダイキンのパワフル高圧給湯
ダイキンは2024年以降に販売されたXシリーズとAシリーズの給湯圧力が330kPaにアップしており、記事執筆時点では貯湯式給湯器のなかではトップです。
シャワーの勢いが強く、お風呂や台所で同時にお湯を使っていても快適な状態を維持できます。
ダイキンのXシリーズは微細な泡で心地よく肌が潤う「ウルトラファインバブル入浴」と深紫外線でお湯を除菌する「おゆぴかUV」という便利な機能を兼ね備えています。
バブル機能と深紫外線機能を兼ね備えているエコキュートを探している方におすすめの機種です。
日立の水道直圧式
日立のエコキュートは他メーカーの機種と同じ仕組みで給湯するタイプと、水道直圧式の2種類があります。
水道直圧式の場合、ヒートポンプユニットでお湯を沸かして貯湯タンクユニットで溜めておくところまでは同じですが、溜めたお湯の熱を利用して水道水を温めて給湯する仕組みです。
つまり、日立の水道直圧式は瞬間式給湯器のガス給湯器と同じで、水道水の水圧をそのまま利用できます。
地域の水道圧によって異なりますが、最大500kPaの給湯圧力を利用できるのは魅力的なポイントです。
また、貯湯タンクユニットで溜めてあるお湯の熱だけを利用するので、お湯の消費量が少なく、タンク内部での入れ替えの回数が抑えられます。
水道水に含まれている不純物が流入する量が減少されるので、通常の機種が設置できないような地域でも設置できる可能性が高いです。
シャワーの勢いにこだわりたい方や、地下水や井戸水を利用している方は、日立の水道直圧式を検討しましょう。
エコキュートの高圧タイプを選ぶメリット
エコキュートの高圧タイプを選ぶメリットは以下のとおりです。
- シャワーの勢いが強い
- 風呂場を3階に設置できる
上記を順番に解説します。
シャワーの勢いが強い
高圧タイプを選ぶメリットは、シャワーやお湯はりの勢いが強いことです。
シャワーの勢いが弱いと、身体を洗い流すのに時間がかかり、爽快感がなく、物足りなさを感じる可能性があります。
また、給湯圧力が弱いとお湯はりに時間がかかることも、デメリットと言えるでしょう。
シャワーは強いほうが良い、お風呂の時間を快適に過ごしたいなどを考えている方は、給湯圧力が200kPa以上の高圧タイプを選びましょう。
風呂場を3階に設置できる
高圧タイプを選ぶメリットとして、風呂場や台所を3階に設置できることが挙げられます。
敷地や住宅、ライフスタイルなどの理由により3階に風呂場や台所を設置する場合があるかもしれません。
しかし、風呂場や台所を2階、3階と高所に設置する場合、給湯圧力が200kPa以上必要です。
新築やリフォームで風呂場や台所を3階に設置したい方は、200kPa以上の高圧タイプを選びましょう。
エコキュートの高圧タイプを選ぶ場合の注意点
エコキュートの高圧タイプを選ぶ場合の注意点は以下のとおりです。
- 初期費用やランニングコストが高くなりやすい
- 地域によっては水圧が強くならない
上記を順番に解説します。
初期費用やランニングコストが高くなりやすい
エコキュートの高圧タイプを選ぶ場合、初期費用やランニングコストが高くなりやすい点に注意しましょう。
エコキュートは機能や性能が優れているほど価格が高くなる傾向があります。
例えば、三菱エコキュートのハイパワー給湯である「SRT-P376UB」のメーカー希望小売価格は1,330,000円(税別)に対して、標準圧力の「SRT-N376-2」のメーカー希望小売価格は970,000円(税別)です。
あくまでもメーカー希望小売価格で、実際の販売価格とは異なりますが、同じ貯湯容量でも給湯圧力が高いほど初期費用が高額になる傾向があります。
また、給湯圧力が高いほど1分間あたりの水量が増えます。水量が増えるということは、水道水の消費量も増えていく可能性があるため、給湯圧力が高いほど水道代が高くなる可能性を否定できません。
給湯圧力が高い機種を選ぶ際は、初期費用とのバランスを見極め、水道代が高くならないように節水を心がけましょう。
地域によっては水圧が強くならない
エコキュートの高圧タイプを選んでも、地域によっては水圧が強くなりません。
上記までで説明したエコキュートの給湯圧力とは、貯湯タンクユニットで減圧された水道水の圧力です。
例えば、ダイキンのパワフル高圧給湯の場合は、貯湯タンクユニットで水道水の圧力を330kPaまで下げた状態で溜めておくという意味になります。
仮に、水道水の圧力が500kPaあれば、330kPaの状態を維持することが可能です。
しかし、水道水の圧力が330kPa以下なら、減圧する意味がなく、水道水の圧力のまま貯湯タンクユニットで溜めることになります。
つまり、水道水の圧力が低い地域では、高圧タイプを購入しても水圧は強くなりません。
ガス給湯器を使用していて、シャワーの勢いが弱いと感じる地域の方は、200kPa以上の高圧タイプを無理に選ぶ必要はないです。貯湯容量や機能性などを考慮して、エコキュートを購入しましょう。
エコキュートのシャワーの勢いを強くする方法
エコキュートのシャワーの勢いを強くする方法は以下のとおりです。
- シャワーヘッドを交換する
- 給湯温度を上げる
上記を順番に解説します。
シャワーヘッドを交換する
シャワーの勢いを強くしたい場合は、低水圧用シャワーヘッドへ交換しましょう。
低水圧用シャワーヘッドとは、ヘッド自体が小さい、または散水板の穴の数を減らす、小さくするなどの工夫により、水の出る量を抑え、シャワーの水圧を高めているヘッドです。
ホースで水を撒くときに、先端をつまんで圧力を上げると、水量を増やさずに水圧が強くなる仕組みと似ています。
低水圧用シャワーヘッドに交換すれば、エコキュートの給湯圧力が弱かったとしても、シャワーの勢いが改善される可能性が高いです。
ただし、現在のシャワーが低水圧用シャワーヘッドに対応していない可能性があるので、交換前に確認しましょう。
また、低水圧用シャワーヘッドは通常のシャワーヘッドに比べると、シャワーの面積が狭まる可能性もあります。
給湯温度を上げる
シャワーの勢いを強くする方法として、給湯温度を上げる方法があります。
一般的なサーモスタット混合水栓の場合、温度調節ハンドルでシャワーの温度をコントロールすることが可能です。
仮に、給湯温度が40℃で、温度調節ハンドルが40℃の場合、水道水による調整があまり行われずにそのままシャワーから出てきます。
一方、給湯温度が50℃で、温度調節ハンドルが40℃の場合は、お湯の温度が高いので、水道水の割合を増やして下げようとするため、結果として水道水の水圧によりシャワーの勢いが強くなります。
エコキュートの水圧が弱い場合は、給湯温度を50℃程度に設定してみましょう。
まとめ
以上が、エコキュートの高圧タイプの解説になります。元々、電気温水器よりも水圧が強いという意味で高圧タイプの名称が誕生しましたが、現在では給湯圧力が200kPa以上の高圧タイプが販売されています。
特に、ダイキンのハイパワー給湯と日立の水道直圧式は給湯圧力がトップクラスに高いので、シャワーの勢いにこだわる方におすすめです。
「エコ突撃隊」では、各メーカーの高圧タイプを低価格で販売しております。専門知識を身につけたスタッフが対応いたしますので、エコキュートに興味がある方は、ぜひご相談ください。