太陽光発電
2024/08/28
太陽光発電システムの維持費ってどれぐらい?設置費用や売電価格なども分かりやすく解説
太陽光発電システムを設置するなら、維持費や設置費用を知っておくと良いでしょう。 特に、定期点検に関する維持費は数年おきのペースで数万円程度かかる場合があるので、あらかじめ用意しておくか、年々積み立てておくと安心です。本記事では、太陽光発電システムの維持費や設置費用などを解説します。
太陽光発電システムの設置に興味がある方は参考にしてください。
太陽光発電システムの維持費は?
太陽光発電システムを設置した場合、発生する維持費は以下のとおりです。
- 定期点検の費用
- パワーコンディショナーの交換費用
資源エネルギー庁が発表した「太陽光発電について 2023年12月」によると、上記を1kWあたりの年間運転維持費に換算すると、1kWあたり年間約5,800円かかる計算です。
前年に発表した資料では1kWあたり年間約4,670円だったのに比べると、大幅に増加しています。
次項より、太陽光発電システムの維持費について詳しく解説します。
定期点検の費用
太陽光発電システムは設置してから3年~5年おきに専門業者による定期点検を行うことが求められています。定期点検では、主に次のような項目をチェックします。
- 太陽光パネルの破損
- ホットスポットの有無
- 太陽光パネルの清掃
- 太陽光パネルを支える架台の点検
- パワーコンディショナーなどの設備の点検・交換
- 太陽光パネルなどの絶縁抵抗値の点検
- 配線や接続部分の状態を点検
- 太陽光パネルの発電量を点検
- 接地抵抗(アース)を点検
太陽光パネルは耐久性に優れている住宅機器ではありますが、飛来物や汚れによって発電量が低下するケースは多いです。また、パネル以外のパワーコンディショナーや架台などの周辺機器の寿命はパネルほど長くないので、定期点検で確認する必要があります。
上記の点検にかかる費用は業者によって異なりますが、資源エネルギー庁の「太陽光発電について2023年12月」では1回当たり約47,000円かかると報告しています。
太陽光発電システムは最低でも20年以上使用できる住宅機器です。
資源エネルギー庁の「太陽光発電について 2023年12月」では、定期点検を20年間のうち5回行ったとして計算しており、20年間で合計235,000円がメンテナンスの費用として必要だとしています。
パワーコンディショナーの交換費用
パワーコンディショナーとは太陽光発電システムで発電した電気を家庭で利用できるように変換するための機器です。
太陽光発電システムで発電した電気は直流で、家庭内で利用されている電気は交流のため、そのままでは利用できません。
パワーコンディショナーが直流から交流に変換することで、家庭内での利用や蓄電池への充電、電力会社への売電などに用いることが可能です。
パワーコンディショナーはパワコンとも略称され、突発的な故障が起きない限りは20年を目安に交換される傾向があります。
資源エネルギー庁の「太陽光発電について 2023年12月」によれば、パワーコンディショナーの交換費用は345,000円程度が一般的な相場です。
つまり、太陽光発電システムを20年間運用した場合、5回の定期点検とパワーコンディショナーの交換により、合計で580,000円の維持費がかかると言えます。
5kWの太陽光発電システムを20年間運用したと仮定した場合、維持費は1kWあたり年間約5,800円です。
太陽光発電システムの維持費は上昇している
資源エネルギー庁の「太陽光発電について 2023年12月」では、維持費は1kWあたり年間約5,800円となっていますが、前年に発表された資料では1kWあたり約4,670円でした。
次の表は、2022年12月と2023年12月に発表された資料に基づいて作成した太陽光発電システムの維持費です。
2022年12月発表 | 2023年12月発表 | |
---|---|---|
1kWあたりの年間維持費 | 約4,670円 | 約5,800円 |
定期点検 | 1回:約35,000円 5回:約175,000円 |
1回:約47,000円 5回:約235,000円 |
パワーコンディショナーの交換費用 | 約292,000円 | 約345,000円 |
20年間の維持費の合計 | 約467,000円 | 約580,000円 |
太陽光発電システムの維持費用は1年間で約113,000円も増えた計算になります。
増えた理由はいくつかあり、一番に挙げられているのが人件費と燃料費の増加です。人手不足による人件費の増加は、太陽光発電システムの設置費用にも影響を及ぼしており、今後の課題の1つに挙げられています。
また、パワーコンディショナーは人手不足に加えて、半導体不足が解消されていないこともあり、前年に引き続いて相場が上昇しています。
資源エネルギー庁の発表はヒアリング調査を基にした結果であり、実際の維持費を保証するものではありません。
しかし、太陽光発電システムを導入する予定がある方は、定期点検やパワーコンディショナーの交換である程度の費用が必要だと覚えておきましょう。
太陽光発電システムの設置費用は?
資源エネルギー庁の「太陽光発電について 2023年12月」によれば、新築住宅向け太陽光発電システムの設置費用の相場は1kWあたり約288,000円です。
次の表は、内訳をまとめたものになります。
金額(1kWあたり) | |
---|---|
パネル | 約147,000円 |
パワーコンディショナー | 約47,000円 |
架台 | 約30,000円 |
その他 | 約3,000円 |
工事費 | 約76,000円 |
値引き | ▲約15,000円 |
2012年の相場が1kWあたり約431,000円だったのと比べると大幅に減少してはいますが、2020年以降は減少ペースがやや鈍化しています。
また、2022年の相場に比べると、次の表のとおりにわずかに高くなっているのが現状です。
2022年12月の金額 | 2023年12月の金額 | |
---|---|---|
パネル | 約145,000円 | 約147,000円 |
パワーコンディショナー | 約42,000円 | 約47,000円 |
架台 | 約21,000円 | 約30,000円 |
その他 | 約2,000円 | 約3,000円 |
工事費 | 約71,000円 | 約76,000円 |
値引き | ▲約19,000円 | ▲約15,000円 |
合計 | 約261,000円 | 約288,000円 |
維持費でも触れましたが、人件費と燃料費の増加や半導体不足などの影響を受けているため、2022年度に比べて2023年度の相場は増えています。
コストの増加と半導体不足はまだ続くと予想されているため、来年も維持費だけでなく、設置費用も増える可能性は高いです。
太陽光発電システムの売電価格は?
太陽光発電システムで発電した電気は自家消費する以外に電力会社に売電することが可能です。
日本では、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)があり、太陽光発電システムを設置してから10年間は売電価格が固定化されます。
2024年度は1kWhあたり16円となっていますが、2025年度は1kWhあたり15円と下がっています。
なお、FIT制度の10年間が過ぎると、売電価格は電力会社が自由に決めることができます。
資源エネルギー庁の「太陽光発電について 2023年12月」によれば、電力会社が公表している買い取りメニューにおける価格の中央値は1kWhあたり10.0円です。
上記の買い取り価格は2023年11月末時点の価格であり、10年後の買い取り価格を保証するものではありません。
しかし、FIT制度が終わると売電価格が減る可能性があると覚えておきましょう。
太陽光発電システムはいつ購入すればいい?
太陽光発電システムの維持費と設置費用は2022年から2023年にかけて上昇しています。
どちらも、コストアップと半導体不足が原因とした上昇で、2024年も問題は解消されていないので増えている可能性は高いです。
費用が増加している状況を踏まえると、太陽光発電システムを設置するなら早いほうが良いと言えます。
将来的に、コストの増加が止まり、半導体不足が解消される可能性はありますが、問題が解決するまでに数年以上かかり、すぐに価格に反映されるわけではありません。
一方で、社会情勢の変化によって電気代は年々上昇していることを考えると、太陽光発電システムを設置して電気代の節約をしたほうがトータルでの支出を減らせる可能性は高いです。
また、FIT制度は、太陽光発電システムの価格を基準として、設置コストの回収や適正な利益を得られるように買取価格を定めています。
そのため、設置費用が安くなると、買い取り価格も下がる傾向にあります。
制度が開始してから2022年までは買い取り価格が下がっていても問題ありませんでしたが、2023年は設置費用がわずかとはいえ上がっています。既に、2025年度の買い取り価格は入札で決まっており、変更は難しいです。
2024年の維持費や設置費用の相場は不明ですが、2023年の発表から上がっている可能性は高く、2025年も上昇すると考えられます。
つまり、2025年度以降の買い取り価格では設置費用の増加をカバーできない可能性があるので、なるべく2024年度中に太陽光発電システムを設置したほうが良いでしょう。
まとめ
以上が、太陽光発電システムの維持費や設置費用などの解説になります。太陽光発電システムの維持費は1kWあたり年間約5,800円で、5kWの太陽光発電システムを20年間運用した場合は約580,000円かかる計算です。
新築住宅向け太陽光発電システムの相場が1kWあたり288,000円なので、5kWの太陽光発電システムを購入した場合の設置費用と維持費の合計は2,020,000円になります。
実際の支出は、売電収益や補助金などによって異なりますが、5kWの太陽光発電システムを導入したら、20年間で約202万円の支出が発生する可能性があると覚えておきましょう。
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