太陽光発電
2023/11/23
太陽光発電システムと蓄電池は同時設置しないと損?単独設置との違いは?
太陽光発電システムが普及し始めて10年以上経過して、太陽光発電は一部義務化の流れがある程で、もはや必須アイテムとなりつつあります。また、一昔前にはまだまだ早い、と思われる方も多かった蓄電池も、2023年現在の電気代高騰の流れを受け、導入される方が増えています。
とはいえ、共に高額な商品のため、まずは太陽光発電システムの導入だけを考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は太陽光発電システムのみで設置した時と、太陽光発電と蓄電池を同時設置した時では、それぞれでの効果や享受できるメリットが大きく変わってくるのです。
同時に設置した時と、単独で設置した時、それぞれどうなるのか。今回は太陽光発電システムと蓄電の同時設置における重要なポイントを徹底解説していきます。
太陽光発電システムと蓄電池を同時設置するメリット
太陽光発電システムと蓄電池は同時設置すべきなのでしょうか。
結論から伝えると、「同時設置した方がメリットが大きい」ため、可能な限り同時設置すべきです。
特に、将来的には太陽光発電システムと蓄電池を両方つけようかな、と考えている方は、同時設置しないとむしろ損になる可能性が高いです。
初期費用の負担が大きくなることは無視できない点ではあるものの、太陽光発電システムと蓄電池を同時に設置すると、経済的メリットの相乗効果が生まれてきます。では、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。
- 夜間でも電気が使える
- 電気代がもっと節約出来る
- 卒fit時にもお得
- 煩わしい操作は不要
順番に解説します。
夜間でも発電した電気が使える
例えば、太陽光発電システムのみを設置したとしましょう。
この場合、日中は太陽光発電によって生み出されたエネルギーによって不自由無く過ごすことが出来るかもしれません。
しかし、夜間はどうでしょうか。
太陽光発電システム単体では、電気を発電することは出来ても、発電した電気を貯めておくことができません。
そのため、太陽光で発電出来ない時間帯になると、必然的に電気を買って使う必要が出てくるのです。
つまり、夜間においては太陽光発電システムの存在はメリットにならないということです。
しかし、蓄電池も同時に設置していればこの問題を解決できます。
太陽光発電システムが日中発電し、使用しきれなかった電気を蓄電池に貯めて置くことが出来るため、夜間でも太陽光発電システムのメリットを享受することができます。
電気代がもっと節約出来る
蓄電池を用いれば、太陽光発電システムの発電した電気を夜間でも使用できることは前述の通りです。
これによって、電気を買う機会が最小限に抑えられるため電気代の削減に繋がります。
しかも、蓄電池による電気代削減効果はそれだけではありません。
例えば、蓄電池単体で導入した場合のメリットを例に挙げましょう。
蓄電池単体の場合の主な使い方はずばり、「電気を安い時に買って高い時に使う」です。
各電力会社は、夜間に電気代の安くなるプランを提供しています。
東京電力の夜トクプラン、関西電力のはぴeタイム等がその一例です。
では、太陽光発電と同時設置した場合はどうでしょうか。
太陽光発電の電気を蓄電池に貯め、使用することで電気代が削減出来ます。
しかし、日中使用しきれなかった余剰電力だけで全ての電気消費を賄えるか、というと必ずしもそうとは限りません。設置するパネルの量や質、環境条件など、極めて限定的な状況を要求されます。
さらに、夜間など日が出ていない時間帯、発電量が落ちる雨、曇り、あるいは積雪など、発電出来ないタイミングもあるでしょう。
つまり、電気を買う機会をゼロにするのは難しいということです。
この電気を買う機会を、蓄電池の夜間運用によって削減できるのは大きなメリットです。
太陽光発電で賄いきれない電気を蓄電池が補い、相乗効果を得ることが出来ます。
卒fit時にもお得
太陽光発電システムの余剰電力は電力会社に売却することができます。
その為、余剰電力を貯めておく蓄電池は必要ない、と考える方もいるかもしれません。
しかし、余剰電力を売却する方でも、蓄電池の設置はおすすめできます。
何故かというと、fit制度という電力の売却価格に関わる制度に関係しています。
FIT制度(固定買取価格制度)とは、太陽光設置から10年間売電価格が固定されるという制度です。
反面、10年が過ぎれば売電価格は変動します。
例えば2013年に太陽光発電システムを設置された方のfit固定単価は「38円」でした。
卒fitを迎え、2023年の売電価格がいくらかというと、東京電力を例に挙げると「8.5円」です。
想像以上の価格差で驚いてしまいます。
2023年現在、新規に太陽光発電を設置される方は、売電単価が「16円」という単価です。
新規の単価が下がっているだけでなく、10年後の売電価格についても、恐らくは下落していることが想像に難く有りません。
対して、2022年から2023年現在にかけての電気代の高騰は恐ろしいものがあります。
卒fit後はもちろん新規設置でも、場合によっては売電を一切行わず、生み出した電力全てを家庭内で自家消費したほうがお得になる可能性があります。
そのため、太陽光発電と蓄電池を同時設置することには大きなメリットがあります。
卒fitと蓄電池のメリットについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
煩わしい操作は不要
同時設置の場合、蓄電池の種類にもよりますが、基本的には自動で電力のやりくりをしてくれます。ご自身が設定したモードに合わせて、自動で蓄電池へ充電したり、満充電になれば売電に切り替えてくれたりします。
そのため、普段はわずらわしい操作などは不要です。
「経済優先モード(売電優先モード)」の場合は、太陽光発電の買取単価の高い方(30円後半以上)が向いています。太陽光発電の電気は、全て売電します。蓄電池への充電は深夜電力を活用して充電して、雨天時や夜間に使用します。
「環境優先モード(グリーンモード)」の場合は、太陽光発電の電気を蓄電池へ優先的にためて、満充電になれば売電をします。
こういったモードは、各社リモコンで設定が可能となっております。
同時設置することによって、太陽光発電と蓄電池がお互いの欠点を補う形で、うまく動いてくれますので、同時設置をおすすめいたします。
太陽光発電システムと蓄電池を同時設置しないデメリット
では、同時設置しない場合はどうなるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
太陽光発電だけの設置のデメリット
太陽光発電のみでは、作って自己消費をして、さらに余った電気をためておくことができません。そのため、自動的に電気は16円(2023年設置の場合)で電力会社が買取を行います。
そして反対に、夜や雨天時は電力会社から当然電気を買って生活をします。
その時の単価は東京電力エナジーパートーナーのスタンダードプランを例に挙げると30~40.69円となっているわけです。
つまり、日中に16円という安い単価でしか売れないのだったら、ためておいて高い電気を買わないようにした方がお得であるのに、蓄電池が無いばかりにその選択肢はとれないというデメリットがあります。
蓄電池だけの設置のデメリット
太陽光発電がなくとも、蓄電池は単独で運転ができます。災害時の備えとして設置を検討する方が数年前から急増しています。
単独設置の場合、蓄電池に電気をためるのは、電力会社から電気を買ってためることになります。
この際、時間帯別契約(オール電化契約)の場合、深夜電力の単価が安い(昼の約半分程度)のでそこで充電をするとお得です。
ただ、太陽光発電があれば、発電したタダの電気を蓄電池にためて、夕方や夜間に太陽光の電気を活用することができます。
安い深夜電力をためて、単価の高い日中に放電して、電気代を抑えることもできますが、この方法では、経済メリットは月に1,000円程度(4人家族の一般的使用量)です。
これが太陽光発電があれば、このメリットが約2倍になります。
(深夜電力16円・日中電力35円のオール電化住宅と仮定)
- 16円の電気を貯める→35円の電気を買わない=差額19円
- 太陽光の0円の電気を貯める→35円の電気を買わない=35円
初期費用が高くなる
太陽光発電システムと蓄電池の同時設置における最大のデメリットは、「初期費用が高くなる」ということに尽きるでしょう。
太陽光・蓄電池の片方だけでも一般的には、100万円以上する商品ですから、両方設置するとなるとお財布が不安…という方も少なくないと思います。
ただし、ここでどちらか削ってしまうと、上記の通り、メリットが半減してしまいます。
そのため、同時設置する場合は商品代・工事代は高くなりますが、後々の光熱費で最大限の恩恵が受けられます。
太陽光と蓄電池を同時設置する際の費用
太陽光発電は、屋根形状・素材といった住宅と、選ばれる太陽光メーカーで金額の差が出てきますが、おおむね30万円/kWhが相場です。
35~40坪ぐらいの2階建ての住宅であれば、3kWh~6kWh程度の太陽光が載ることがおおいです。
蓄電池は、蓄電できる容量と形式によって異なってきます。
太陽光発電とセットでの売れ筋商品は、ハイブリッド型蓄電池で約5kWh前後の商品が人気です。この場合、蓄電池と工事用で約120~150万円前後、というのが相場です。
一般的に多い組み合わせ例としては、
太陽光発電が5kWhで約150万円+ハイブリッド蓄電池5kWhで120~150万円で、合計270万円~300万円といったところが相場かと思います。
また、工事代は別々で工事を行うより、人件費や部材調達費等の関係で同時工事の方が割安で済みます。
蓄電池はメーカーや、容量で大きく変わってきますので、信頼できる業者や相見積もりをとって、相場を確認しましょう。
補助金について
現在の補助金は、国または地方自治体で用意されています。
国の補助金
住宅用太陽光発電システム単体での補助金制度は、2021年を最後に交付されていません。
ZEHや認定低炭素住宅と呼ばれる、一般住宅より高性能な住宅を建てる場合、太陽光発電と蓄電池が付いている場合に、オプションとして追加で補助金が加算される制度はあります。
また、蓄電池に関しては「DER(DR)補助金」という補助金制度が2022年度(令和4年度)、2023年度(令和5年度)が作られました。
しかし、いずれも数日~数分という超短期間で予算満了となっています。
地方自治体(都道府県または市区町村)の補助金
お住まいの地域の都道府県または市区町村より、補助金が出る場合があります。条件さえ合致すれば、都道府県と市で、同時に補助金をもらうことができます。
以前は、太陽光発電〇kWhまでで、1kWh〇万円のみ、という市が多かったです。
しかし2019年頃より、太陽光と蓄電池セットで、同時設置の場合のみ補助金を交付する、という市が一気に増えてきました。
こういった補助金の観点からも、同時設置した方が良いというケースもありえます。
太陽光と蓄電池はどの商品がオススメ?
同時設置は同一メーカーがオススメ
太陽光発電のメリットを最大限活かしきれるのは、ハイブリッド型蓄電池と呼ばれるタイプの蓄電池です。
ハイブリッド型蓄電池は、停電時に太陽光発電が作った電気を、蓄電池にためたりする運転がスムーズに行うことができます。そして、ハイブリッド型蓄電池を製造しているメーカーの多くは、太陽光発電パネルも製造しており、連携や相性を考えると同一メーカーで組み合わせることをおすすめします。
メーカーとしては、パナソニック・シャープ・京セラといったメーカーになります。
そして相性の他、同一メーカーでないと、誤作動の原因やうまく作動しない場合も考えられます。組み合わせができないことは正直ありませんが、あえて変える必要はほとんどありません。
保証関係も、どちらが原因で故障に至ったのか、特定が難しい場合などもありますので、同一メーカーで揃えていただくことがおすすめです。
もちろん、多くの他メーカーに対応した機種もありますので、これといった機種がある場合はお問い合わせ下さい。対応しているか確認させていただきます。
また、単機能型蓄電池と呼ばれるタイプもありますが、蓄電池本体がハイブリッド型に比べる割安なものが多いです。ただし、この単機能型は停電時に、太陽光で発電した電気をうまく貯めることが苦手です。
そのため、災害対策として蓄電池を考えられている方は、安さに飛びつかず、ハイブリッド型蓄電池を選ぶようにしてください。
まとめ
太陽光発電と蓄電池を同時設置することは、多くのご家庭にとってメリットとなります。まずはご家庭の電力契約の単価(再生エネルギー賦課金が一律でプラスされることを忘れず)をチェックしてから、太陽光発電システムと蓄電池の設置を検討してみるとよいでしょう。
エコ突撃隊では太陽光発電システム、蓄電池といったエコな住宅設備を取り扱っています。
本記事をご覧いただき、ご興味を抱かれましたらぜひ一度お問い合わせ下さい。
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