太陽光発電
2023/09/07
太陽光発電システムの売電価格はどうなる?過去から現在までを分析して未来の売電価格を解説
太陽光発電システムの売電価格は年々減少傾向にあります。太陽光発電システムの導入を考えているのに、売電収入が下がってしまうと聞いて不安に思う方も居るかもしれません。 そこで今回は、太陽光発電システムの過去から現在までの売電価格を分析して、未来の売電価格について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
太陽光発電システムの売電価格とは?
太陽光発電システムの売電価格とは、電力会社に発電した電力を売るときの1kWhあたりの単価を指します。
基本的に、売電単価は発電量や売電量、時期、時間帯などで変動することはありませんが、電力会社や契約内容によって異なる場合があります。
特に、卒FIT後の売電価格は保証が無くなって大幅に減ってしまうので太陽光発電システムを10年以上設置している方は、定期的に太陽光発電システムの売電価格を比較してみましょう。
売電価格は2種類ある
太陽光発電システムの売電価格は次の2種類があります。
- FIT制度における売電価格
- 卒FIT後の売電価格
上記を順番に解説します。
FIT制度における売電価格
FIT制度とは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の略称で、太陽光発電システムで発電した電力を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が保証する制度です。
太陽光発電システムを設置した年によって1kWhあたりの売電価格は異なり、2023年度は1kWhあたり16円になります。また、FIT制度における売電価格は10年間保証されます。
つまり、2023年度に住宅用太陽光発電システムを設置した方は、2033年度までは1kWhあたり16円で電力を電力会社に売却することができます。
卒FIT後の売電価格
卒FIT後とは、FIT制度の10年間が終了した後のことを指します。2023年度に太陽光発電システムを設置した方の場合、2033年度以降は卒FIT後になり、売電価格に関する契約が切り替わります。
FIT制度の期間中に契約を結んでいた電力会社によって対応は異なりますが、卒FIT後も契約が自動継続となっているなら、同じ電力会社に売電できます。ただし、卒FIT後の売電価格は電力会社によって異なります。
卒FIT後の売電価格は大幅に下がる可能性がある
上記でも触れましたが、売電価格は発電量や売電量、時間帯、季節などによって変動しません。
しかし、卒FIT後の売電価格にはFIT制度のような国の保証が無いため、電力会社やエリアによって異なりますが、大幅に下がる可能性があります。
次の表は、2023年度時点における東京電力エリアでの卒FIT後の売電価格をまとめたものです。
1kWhあたりの売電価格 | |
---|---|
東京電力エナジーパートナー | 8.5円 |
東北電力 | 9円 |
中部電力 | 9円~10円 |
出光グリーンパワー | 11円 |
エバーグリーン・リテイリング | 8.5円~10.5円 |
eco電力 | 8円~10円 |
ENEOS | 11円 |
静岡ガス | 8.3円+プレミアム単価0.2円 |
千葉電力 | 9円~10.5円 |
まちエネ | 9円 |
みんな電力 | 9円 |
2013年度に太陽光発電システムを導入した方の場合、10年間は1kWhあたり38円で売電していたのに、2023年度以降は卒FIT後の売電価格となり、表の価格まで下がります。
FIT制度の売電価格は年々下がっている
FIT制度の目的は、再生可能エネルギーの普及です。国内におけるエネルギー自給率の低さや地球温暖化などに関連した問題解決の一環として、国は太陽光発電システムの普及率を上げようと考えていましたが、太陽光発電システムは高額な住宅機器です。
太陽光発電システムは導入時の費用が大きな負担となるため、国は導入費用の負担軽減を目的としてFIT制度を開始しました。
FIT制度の売電価格は経済産業省の固定価格等算定委員会が、太陽光発電システムの導入費用を基準にしており、設置者が導入費用を回収して適正な利益が得られるように検討し、毎年経済産業省の認可を受けています。
FIT制度が導入された2009年頃の太陽光発電システムの導入費用の平均は1kWあたり62.4万円と高額でした。そのため、2009年のFIT制度の売電価格は1kWhあたり48円と、現在の売電価格と比較して高額に設定されています。
しかし、2023年の太陽光発電システムの導入費用の平均は1kWあたり25.9万円と下がっているため、太陽光発電システムは2009年に比べれば購入しやすくなりました。
FIT制度の売電価格は太陽光発電システムの導入費用の負担を軽減することが目的です。そのため、太陽光発電システムの導入費用が下がっていくのに比例して、次の表のようにFIT制度の売電価格も減少傾向にあります。
1kWhあたりの買取価格 | |
---|---|
2009年度 | 48円 |
2010年度 | 48円 |
2011年度 | 42円 |
2012年度 | 42円 |
2013年度 | 38円 |
2014年度 | 37円 |
2015年度 | 27円~35円 |
2016年度 | 25円~33円 |
2017年度 | 25円~30円 |
2018年度 | 25円~28円 |
2019年度 | 24円~26円 |
2020年度 | 21円 |
2021年度 | 19円 |
2022年度 | 17円 |
2023年度 | 16円 |
太陽光発電システムの導入費用が下がっている背景には、太陽光発電システムの普及が進んだことで設備やソーラーパネルの量産が可能になり、開発技術の進歩により低価格でも高品質な製品を販売できるようになったなどが考えられます。
2024年以降のFIT制度の売電価格はどうなる?
2023年3月時点の暫定案では、2024年度のFIT制度の売電価格は1kWhあたり16円です。2023年度の売電価格も1kWhあたり16円なので、前年度から売電価格が下がらない年になります。
2023年度の売電価格と変わらない理由は、太陽光発電システムの導入費用の下落幅が小さく、システム費用やランニングコストなどの低下が起きていないことが挙げられます。
確かに、太陽光発電システムの導入費用は2021年度まで順調なペースで下落していましたが、2022年度~2024年度にかけては1kWあたり0.2万円しか下がっていません。そのため、2024年度の売電価格も変化しない可能性は十分考えられます。
2025年度以降のFIT制度の売電価格は現時点で断言できませんが、下落する可能性はあっても、数年間で大幅に下落することはありません。
FIT制度の売電価格は太陽光発電システムの導入費用の負担軽減を目的としていますが、導入費用の下落幅は年々減少傾向にあります。
太陽光発電システムに関連した新しい技術開発か、需要増加による大量生産が発生しないなら、システム費用やランニングコストなどの低下が発生しづらい状況を加味すると、2025年度以降も16円か、15円~12円前後を維持する可能性は高いと予想できます。
反対に、太陽光発電システムの導入費用が大幅に下落するようなことが起きれば、売電価格も大幅に下落する可能性は十分あります。
太陽光発電システムはどのタイミングで導入すると良いの?
太陽光発電システムを導入するなら、なるべく早いほうが望ましいです。
2024年度のFIT制度の売電価格も1kWhあたり16円になる可能性が高いので、2024年中に購入しても問題ありません。また、今後の売電価格も1年で大幅に下落する可能性は低いと考えられます。
翌年度以降のFIT制度の売電価格が下がりづらいなら急ぐ必要はないと感じられるかもしれませんが、太陽光発電システムを導入できるなら早めに決めたほうが良いでしょう。
太陽光発電システムを早めに導入したほうが良い理由は、2023年10月以降の電気代が大幅に上昇する可能性があるからです。
2023年10月以降の電気代が大幅に上昇する理由
2023年6月に、東京電力エナジーパートナーを含めた大手電力会社7社は、規制料金の大幅な値上げを実施しており、値上げ率は20%~40%と高い数値です。
一方、政府は2023年1月使用分からの電気料金に対して、1kWhあたり7円の補助金を出しています。仮に、1ヵ月あたりの電力使用量が400kWhの場合、毎月の電気料金が2,800円安くなっています。
補助金が支給されていたため、規制料金の大幅な値上げが実施されても、すぐに電気料金に反映されていませんでした。
しかし、政府の補助金は8月使用分までは1kWhあたり7円、9月使用分までは3.5円となっており、10月以降の請求分からは補助金の影響がなくなります。そのため、家庭によっては電気料金の負担が増す可能性は否定できません。
次の表は、総務省統計局が発表している「家計調査(家計収支編)2022年」における、3人家族と4人家族の平均電料金を月別にまとめた物です。
3人家族の電気料金 | 4人家族の電気料金 | |
---|---|---|
1月 | 13,226円 | 14,068円 |
2月 | 15,663円 | 16,934円 |
3月 | 17,072円 | 17,856円 |
4月 | 14,773円 | 14,963円 |
5月 | 12,636円 | 12,470円 |
6月 | 10,387円 | 10,750円 |
7月 | 10,244円 | 10,967円 |
8月 | 12,213円 | 13,024円 |
9月 | 13,730円 | 14,776円 |
10月 | 13,345円 | 14,141円 |
11月 | 11,959円 | 13,081円 |
12月 | 12,640円 | 14,391円 |
電気料金は表にあるように8月頃から翌年3月にかけて上昇する傾向があります。夏のクーラーや冬の暖房器具などで消費電力が多くなるため、電気料金が高額になりやすいです。
電気料金が高額になりやすい傾向に加えて、規制料金の値上げの影響もあるので、補助金が無くなる10月以降の電気料金が高額になる可能性は高いです。
また、社会情勢や経済状況などを考えると、電気料金の値上げは2024年以降も起こる可能性はあります。
太陽光発電システムを導入すれば、売電収入と自家消費により電気料金の上昇を抑えることが期待できるので、電気料金の高騰が起きる前に太陽光発電システムの導入を検討してみましょう。
まとめ
以上が、未来の売電価格の解説になります。FIT制度の売電価格は太陽光発電システムの普及を目的としており、年々減少していくことは止められませんが、現在の減少ペースを考えると数年間で10円以下まで減少する可能性は低いです。
少なくとも2024年度の暫定売電価格は1kWhあたり16円で、太陽光発電システムの導入費用の減少幅が小さいなら2025年度もほとんど変わらないと予想されます。そのため、太陽光発電システムを来年以降に導入しても、売電収入に大きな違いはありません。
ただし、家庭によっては2023年10月より電気料金が負担になる可能性があるので、太陽光発電システムの導入を早めに検討しましょう。
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