オール電化
2022/12/24
オール電化の電気代は値上げの影響をどれくらい受けているのか?
震災以降電気代の値上げが続いており、2022年12月でも値上げは続いています。 本記事では、オール電化の家計の電気代はどれくらい値上げの影響を受けているのかを解説します。オール電化の電気代を下げる工夫についても解説しているので是非最後までご覧ください。
2022年の電気代の上昇率は14%~33%
2022年の電気代の上昇率は14%~33%となっています。
2021年4月 | 2022年4月 | |
---|---|---|
低圧 | 25.29円/kwh | 29.66円/kwh |
高圧 | 13.21円/kwh | 18.45円/kwh |
特別高圧 | 10.05円/kwh | 15.09円/kwh |
低圧・高圧・特別高圧の違いは以下の通りです。
- 低圧:50kW未満(一般家庭や商店などで利用される)
- 高圧:50kW以上(工場、商業施設などで利用される)
- 特別高圧:受電電圧20,000V以上、かつ、契約が2,000kW以上(オフィスビル、病院、大規模工場などで利用される)
電気料金の値上げ率は、一般よりもオール電化向けのほうが高い
電気料金の値上げ率は、一般の値上げよりもオール電化のほうが高くなっています。
これは、オール電化でよく利用される深夜や夜間の電気料金の値上げ幅が大きいことが原因です。
そのため、「家庭向けの電気料金を○○パーセント値上げします」という電力会社の発表よりも電気代が高くなる傾向があります。
オール電化向け電気料金の値上げ率が高い理由
では、なぜオール電化向けの電気料金の値上げ率が高いのでしょうか。
理由としては、値上げの公平性を確保するために全てのプランで設定されている1kWhあたりの電気料金単価の「値上げ額」を同程度に設定したことが挙げられます。
東京電力の従量電灯Bの1kWhあたりの料金単価値上げ幅は1円78銭、電化上手プラン夜間料金の1kWhあたりの料金単価値上げ幅は1円52銭となっており、値上げ額に大きな差はありません。
しかし、夜間の1kWhあたりの電気料金単価はもともと安くなっているので、値上げ幅が同じ金額だと、値上げ率は高くなってしまうというわけです。従量電灯Bの1kWhあたりの料金単価は23円41銭から25円19銭と7%の値上げ、電化上手プラン夜間料金の1kWhあたりの料金単価は9円72銭から11円82銭と12%の値上げとなっていることから、値上げ率が高いことがわかります。
次の章から、電気料金の値上げはオール電化の電気代にどう影響しているのかを解説します。
電気料金の値上げはオール電化の電気代にどう影響している?
電気料金の値上げがどれくらい影響を与えているのかを解説します。
電気料金値上げによるオール電化の電気代への影響平均額は?
電気代値上げによるオール電化への平均影響額は、1年間に6264kWh利用すると考えると、約9521円〜11200円値上げされています。つまり、毎月の電気代は800円〜900円程度増えていることとなります。
この計算は 日本エネルギー経済研究所発行「エネルギー・経済統計要覧」掲載の日本の平均的家庭のエネルギー消費量データを元に行っています。次の表が、オール電化の家庭が利用する平均エネルギー量です。
最終エネルギー消費(Mcal/世帯/年) | 一般住宅 | オール電化住宅 |
---|---|---|
冷房 | 261 | 261 |
照明・動力他 | 3945 | 3945 |
暖房 | 2933 | 782 |
給湯 | 3014 | 804 |
厨房 | 675 | 473 |
合計 | 10828(うち電力4206、ガス6622) | 6264 |
引用:エネルギー・経済統計要覧」掲載の日本の平均的家庭のエネルギー消費量データ
ちなみに、オール電化の電気代平均額は年間約190669円(約15889円/月)となっています。
オール電化の電気代を抑えるためにできる工夫
オール電化の電気代を抑えるためにできる工夫としては次の3点が挙げられます。
- 工夫①最適な電気プランを選ぶ
- 工夫②省エネ家電に買い替える
それぞれ解説します。
工夫①最適な電気プランを選ぶ
オール電化の電気代は、夜間の電気料金が安く設定されているという特徴があります。
オール電化のプランは電力会社が複数準備していることが多いので、自分の世帯人数や在宅時間にあったプランを選択するようにしましょう。
オール電化のプランの表を以下にまとめました。
新電力会社のオール電化のプラン一覧
電力会社 | 電気料金プラン | 供給エリア |
---|---|---|
コスモでんき | コスモでんきスタンダードオール電化 | 北海道電力エリア・東北電力エリア・東京電力エリア・中部電力エリア・北陸電力エリア・関西電力エリア・中国電力エリア・四国電力エリア・九州電力エリア |
コスモでんきポイントプラスオール電化 | ||
コスモでんきセレクトオール電化 | ||
コスモでんきグリーンオール電化 | ||
シナネンあかりの森でんき | シナモロールと応援するサポーターズプランS | 北海道電力エリア・東北電力エリア・東京電力エリア・中部電力エリア・北陸電力エリア・関西電力エリア・中国電力エリア・四国電力エリア・九州電力エリア |
idemitsuでんき | オール電化プラン | 北海道電力エリア・東北電力エリア・東京電力エリア・中部電力エリア・北陸電力エリア・関西電力エリア・中国電力エリア・四国電力エリア・九州電力エリア |
九電みらいエナジー | N(ナイト)プラン | 東京電力エリア |
JALでんきN(ナイト) | ||
WAONプランN(ナイト) | ||
東急でんき&ガスのでんきサービス | スマートナイトプラン | 東京電力エリア |
CDエナジーダイレクト | スマートでんきB | 東京電力エリア |
スマートでんきC | ||
イデックスでんき | 夜トクプラン | 九州電力エリア |
HTBエナジー | オール電化プラン | 東京電力エリア・中部電力エリア・関西電力エリア・中国電力エリア・四国電力エリア・九州電力エリア |
eo電気 | オール電化プラン | 関西電力エリア |
丸紅新電力 | ナイトおトクプラン | 東京電力エリア |
鈴与のでんき | 鈴与でナイト | 東京電力エリア・中部電力エリア |
スマートハイムでんき | オール電化プラン | 北海道電力エリア・東北電力エリア・東京電力エリア・中部電力エリア・北陸電力エリア・関西電力エリア・中国電力エリア・四国電力エリア・九州電力エリア |
オール電化Gプラン |
旧一般電気事業者のオール電化のプラン一覧
電力会社 | 電気料金プラン |
---|---|
北海道電力 | eタイム3プラス |
エネとくスマートプラン | |
東北電力 | よりそう+シーズン&タイム |
よりそう+ナイト12 | |
よりそう+ナイト8 | |
よりそう+ナイト10 | |
東京電力EP | スマートライフS |
スマートライフL | |
中部電力ミライズ | スマートライフプラン |
北陸電力 | くつろぎナイト12 |
関西電力 | はぴeタイムR |
eスマート10 | |
中国電力 | ぐっとずっと。プラン 電化Styleコース |
四国電力 | でんかeプラン |
でんかeマンションプラン | |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト |
沖縄電力 | Eeホームホリデー |
Eeホームフラット | |
時間帯別電灯 |
自分の住んでいる地域で利用できる電力会社のプランをチェックするようにしてください。
工夫②省エネ家電に買い替える
消費電力の大きいテレビや冷蔵庫を省エネ家電に買い替えることで電気代を節約することができます。
家電別の消費電力の割合は以下の通りです。
家電名 | 年間消費電力の割合 |
---|---|
冷蔵庫 | 14.2% |
照明器具 | 13.4% |
テレビ | 8.9% |
エアコン | 7.4% |
電気便座 | 3.7% |
これらの家電を省エネ家電に変更することで、年間消費電力は以下の表のように削減できます。
家電名 | 年間消費電力 | 省エネ家電に変えた場合の年間消費電力 |
---|---|---|
冷蔵庫 | 約420kWh | 約274kWh |
照明器具 | 約54W | 約8W |
テレビ | 約81kWh | 約53kWh |
エアコン | 約865kWh | 約821kWh |
電気便座 | 貯湯式約225~約311kWh
瞬間式約137~約189kWh |
貯湯式約135~約183kWh
瞬間式約58~約123kWh |
電気代を1kWh27円として計算すると、以下のように節約ができます。
- 冷蔵庫:年間4000円
- 照明器具:年間約1200円
- テレビ:年間約700円
- エアコン:年間約1000円
- 電気便座:年間約1700円~3000円
まとめ
本記事では、オール電化の家計の電気代はどれくらい値上げの影響を受けているのかを解説しました。
執筆時点では、値上げの影響は毎月800円〜900円程度となっています。
しかしながら、各電力会社の発表によると更なる電気料金の値上げが予定されており、各所では電気代の余りの高さに悲鳴が上がっております。
最適な電気プランを選んだり、省エネ家電に買い替えたりすることで電気代を抑えることもできるので、自分の住んでいる地域で利用できる電力会社のプランをチェックして対策を練る必要があるでしょう。
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