オール電化
2022/08/16
電気代が高くなった理由は?高騰傾向にある電気代を節約する3つの方法
最近電気代が高いと感じていませんか?実は、電気代は高騰傾向にあり、毎月高くなっています。本記事では、電気代の内訳から、電気代が高くなった・高騰した理由、電気代を節約するためにできるコツについて解説します。
電気代の内訳
電気料金は基本的に次の内訳となっています。
- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
一つずつ詳しく解説します。
基本料金
電気代の基本料金とは、契約電気容量によって決まる固定料金のことです。固定料金は、電気を安定供給するために必要な人件費や設備費などを賄うために請求される料金です。電気をたくさん使っても、ほとんど使わなくても固定で請求されます。
基本料金の決め方には次の3パターンあります。
- ブレーカー容量による固定料金
- 最低料金としての固定料金
- スマート契約と呼ばれる過去1年間の最大需要電力で決める固定料金
電力量料金
電力量料金とは、使った分だけ料金が増える従量課金の料金です。
「(電力量料金単価±燃料費調整単価)x1ヵ月の電気使用量」で計算することができ、電気を利用すればするほど、料金も高くなります。
燃料費調整額
燃料費調整額は、電気を作るための燃料費用に応じて変動する料金のことです。電気の燃料は原油、石炭、液化天然ガス(LNG)などが挙げられます。
必ずしも上乗せされる料金ではなく、燃料価格が低下した時には差し引かれる可能性もあります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が平成24年7月に開始されました。それと同時期に再生可能エネルギー発電促進賦課金が発生するようになりました。太陽光、地熱、風力、水力などの再生可能エネルギーによる発電普及を目的に、買取を電力会社に買い取ることを義務としています。
この電力会社が購入した再生可能エネルギー電力の費用を、私たち消費者は一部負担しています。再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は、毎年経済産業大臣によって決められています。1ヵ月の電気使用量が多ければ多いほど、料金も高くなります。
電気代が高くなった・高騰した理由
では、なぜ最近電気代が高くなった・高騰したのでしょうか。理由としては次の3つが挙げられます。
- 液化天然ガス(LNG)の輸入価格の上昇
- 夏と冬の電力の供給力不足
- 消費税の増税
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の値上げ
- オール電化も高騰している
一つずつ詳しく解説します。
液化天然ガス(LNG)の輸入価格の上昇
火力発電では、主に液化天然ガス(LNG)を燃料としているのですが、新型コロナウィルスの影響や、脱炭素社会実現のために規制される可能性、民間企業が開発投資に消極的、ロシア軍のウクライナ侵攻と世界情勢などが原因で輸入価格が上昇しています。
詳しく解説すると、新型コロナウィルスが流行し、経済活動が停滞してしまった影響で、液化天然ガス(LNG)が供給不足になり、輸入価格が高くなっています。
また、液化天然ガス(LNG)の輸出量で世界1のロシアがウクライナ侵攻により経済制裁を受けているのも輸入価格高騰の原因です。2020年には、日本でもLNGは8.2%、石炭は12.5%をロシアから輸入しているので、影響力はとても大きくなっています。
特に、日本はエネルギー自給率が低く、海外から輸入される化石燃料に依存しているので、世界情勢に大きく影響されやすくなっています。
夏と冬の電力の供給力不足
発電設備の稼働が少なくなっているのも、電気代が高騰している理由の一つです。
設備の稼働が少なくなっている理由は次の2つです。
- 老朽火力発電所の休廃止
- 原発原発による原子力発電所の休廃止
2016年の電力自動化により、利益の少ない発電所を稼働させるのが難しくなったことや、再生可能エネルギーの普及により、老朽化の進んだ火力発電所では、修理をせずに休廃止しています。2021年の電力供給量は、大手電力会社分だけでも約830万kW減少しています。
2022年の電力供給予備率は8%を切る地域が出ると言われており、電力の需要が増える夏や冬に使用制限が出る可能性もあります。
「でんき予報」と呼ばれる各エリアの日々の電力需給の予測と実績を、電気を使う需要家に対して発信する仕組みもあります。節電がどれくらい必要なのかを考えるきっかけにもなるので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
東京電力の「でんき予報」はこちらからチェックできます
https://www.tepco.co.jp/forecast/
消費税の増税
電気代にも消費税がかかります。そのため、2019年に8%から10%に増税された分、電気代も高騰しています。つまり、2%電気代が高くなったということです。
最近では、「消費税が19%に上がる」という声も多くあります。2022年4月20日には、参院選で自民党が勝った場合、『消費税を19%に増税する』と岸田首相が発言したとのツイートが投稿され、大拡散されました。現在は更なる消費税増税が決まっているわけではありませんが、今後も増税される可能性もあるので、それに伴って電気代も上がると考えられます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の値上げ
2020年度は「1kWhあたり2.98円」だったのに対して、2022年は「1kWhあたり3.45円」と値上がりしています。再エネ賦課金は2030年にピークとなり、「1kWhあたり5.22円」になるとエネルギーマネジメント総研が発表しており、今後も右肩上がりで再エネ賦課金は値上げされるでしょう。
オール電化も高騰している
オール電化の電気代は、年々高くなってきています。理由としては、電気代の内訳で紹介した燃料費調整価格単価が高くなってきているからです。
とはいえ、ガスを作る燃料代も高騰しているので、オール電化でなくても日々かかるお金は右肩上がりの傾向があります。
電気代を節約するためにできるコツ
では、電気代を節約するためにどのような工夫ができるのでしょうか。
以下の3つの住宅設備が、電気代削減に大きく貢献します。
- 太陽光発電を導入する
- 蓄電池を導入する
- 電気温水器設置しているならエコキュートに交換する
一つずつ解説します。
太陽光発電を導入する
太陽光発電を導入することで、電気代を節約することができます。太陽光発電で発電した電気は、もちろん無料で使用することができます。
加えて、太陽光発電で賄えない電気代についても、本来の電気代よりは安くすみます。特に、電気料金プランでは、昼間の単価が高く、夜間の単価が安い傾向があります。太陽光発電を導入していれば、単価が高い昼間の電気は自家発電が可能です。
また、再エネ賦課金は太陽光発電の電力には反映されないので、電気代の負担を減らすことができます。
太陽光発電を導入するには、最低でも100万円以上かかるので、費用の相場や内訳を理解することはとても大切です。次の記事で、太陽光発電の価格や太陽光発電の本体価格を左右する要素や、お得に購入するためのコツについて解説しているので参考にしてください。
蓄電池を導入する
先ほど電気料金プランは、昼間の単価が高く、夜間の単価が安い傾向があるとご説明しました。その価格差を利用して、深夜電力を蓄電池に蓄えれば電気代の節約になります。
蓄電池を導入すると蓄電池に充電した電力が使えるので、昼間の電力使用量が減少します。仮に4kWhの蓄電池を導入すれば、月の電気代は2700円程度安くなります。
また、最近は日本全国の多くの地域で停電が発生しています。蓄電池があれば、ためている電気を停電している間も利用することができるので、万が一の保険として導入する人も増えています。
住宅用の据え置き型蓄電池を設置する費用は、本体+工事費込みで約80〜200万円程度が相場となっています。費用は高額ですが、『蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金』などの補助金を利用することで費用を抑えることができます。
電気温水器設置しているならエコキュートに交換する
自宅で電気温水器設置しているならエコキュートに交換することを検討してみてはいかがでしょうか。交換することで、給湯にかかる費用を削減することができます。平均では、電気温水器を使っているときの1ヶ月間の電気代は6,000円〜7,500円と言われています。一方、エコキュートを使っているときの1ヶ月間の電気代は1,500円〜2,000円と言われているので、月々の電気代を1/3に抑えることができます。
エコキュートの設置費用は数十万かかることが、デメリットの一つですが、10年以上にわたって利用することを考えると、長期的には節約になると言えるでしょう。
電気代は高騰傾向にあり!工夫して少しでも金額を抑えよう
電気代について詳しく解説してきました。
電気代の内訳は次の通りです。
- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
電気代は、近年高騰傾向にあり、今後も高くなることが予想できます。そのため、自分でできる節約に取り組むことが大切です。
エコ突撃隊では、環境に優しく、お財布にも優しいライフスタイルを提案します。太陽光発電システムや蓄電池、エコキュートなどの住宅設備の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。何かできることはないか相談したいと思ったら、ぜひエコ突撃隊にご相談ください。
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