そこで、この記事ではオール電化の適正な電気代の目安や、電気代を節約するためのポイントを紹介します。

オール電化の電気代は高く見える

オール電化とは、それまでガスや灯油を使って行っていた調理・暖房・給湯などをすべて電気で行える仕組みをいいます。つまり、今までにかかっていた各費用がすべて電気代に集約されるということです。そのため、実際には節約できていても「オール電化にしたのに電気代が高い」と感じてしまう人もいるようです。また、新築などでオール電化を導入する場合は、それまでの部屋の広さ・間取り・浴槽の大きさなどが異なるケースもあるでしょう。このような環境の変化によって、適正な金額であるにもかかわらず電気代が高く見えてしまうこともあります。

オール電化は過去の光熱費と比較しても、どうしても条件が異なるためわかりにくい部分が多いと言えます。適正な金額かどうか知りたい場合は、過去の光熱費ではなく「同じような家族構成」「似たような生活リズム」などのケースを参考にすることがおすすめです。自身と似たケースを比較対象とすることで、適正な金額かどうか判断しやすくなります。

オール電化でかかる電気代の平均はいくら？

オール電化住宅の電気代は、各電力供給会社によっても大きく変わってきます。加えて、住宅の間取りや契約している料金プランによっても差が出るため、一概に「平均いくら」とは言えないことを念頭に置く必要があります。このような点を踏まえて、オール電化住宅の平均的な電気代をチェックすることが大切です。

2020年に総務省統計局が行った家計統計調査によると、オール電化住宅の電気代の平均は年間約19万1344円というデータがあります。また、電気・ガス・灯油を併用している家庭の場合、光熱費の平均は年間約19万8437円だとされています。これらのデータを1カ月あたりの電気代に換算すると、オール電化の場合は約1万5945円です。電気・ガス・灯油を併用した場合は約1万6536円となります。

なお、家族が多いとそのぶん電気代は高くなりやすいですが、そこまで大幅な変化があるというわけではありません。これは、家族の人数に関係なく基本料金がかかることが関係しています。それに、調理・お風呂・冷暖房などの光熱費は、人数よりも実は条件によって左右されやすい傾向にあるのです。たとえば、電化製品の種類・浴槽の大きさ・部屋の広さなどの要素によっても、かかる電気代が大幅に変わってくるでしょう。

オール電化の電気代を節約するポイントは？

オール電化は、少しの工夫により電気代を節約することができます。電気代を節約するためにはどうすれば良いのか、ポイントを確認していきましょう。

オール電化向け料金プランの特徴を理解する

前提として、オール電化向けの料金プランは、通常のプランと比べると「夜間の単価が安く設定されている」傾向にあります。なぜなら、夜間にエコキュートを稼働させることを想定した料金プランになっているためです。このような料金プランの特徴を理解することが、オール電化の電気代を節約するうえで非常に重要になります。

料金プランとして多いのは、夜間を大幅に安くする代わりに日中の料金単価が高く設定されているというものです。この料金プランを契約している場合、日中に在宅して電気をたくさん使うと割高になってしまいます。特に、夏場の日中は料金単価が高くなりやすいため注意が必要です。電力会社によっては、電力の使用量が多いほど料金単価が安くなるプランも提供されています。このことから、日常における電力の使用量や家族の在宅時間などを考慮し、適切な料金プランを選択することが大切と言えるでしょう。

消費電力の大きな家電は料金が安い時間帯に使用

電気代の節約を考えるときに意外と見落とされがちなのが「消費電力」です。電化製品によって消費電力は大きく異なります。つまり「消費電力の大きい家電は料金が安い時間帯に使う」ことで、電気代の節約につなげられるのです。加えて、消費電力の大きい家電は「使用時間を短くする」ことでも節約効果を得やすくなります。

電気代の節約で最も注目すべきは、消費電力が大きく使用時間も長い家電です。具体的には、エコキュートが挙げられます。エコキュートは大量のお湯を長時間かけてわかす仕組みであるため、どうしても電気代がかかってしまうのです。さらに、IHクッキングヒーターや洗濯乾燥機なども使用時間が長く、電気代がかさむ家電と言えます。長時間の調理や洗濯乾燥などは電力単価の安い時間帯に行うなど、日々の暮らしのなかで工夫を行うと良いでしょう。

人数や生活リズムに合う電気料金プランを選ぶ

電気代節約のためには、人数や生活リズムに合う電気料金プランを契約することが重要になります。たとえば、家族の人数が多く生活スタイルもバラバラだとします。この場合、お風呂の時間もそれぞれ異なり、夜に入る人もいれば朝に入る人もいるでしょう。すると、何度もお風呂の追い炊きが必要になったり、単価の高い時間帯にシャワーを使うことになったりするのです。その結果、電気代がかさんでしまう原因につながります。

また、電力単価が高く設定されている平日の日中に家族の誰かが自宅にいると、どうしても電気を使わざるを得ません。特に夏場は自宅にいる人数が少なくても、耐えきれず冷房を使うことになるケースも多いものです。もしも日中の料金単価が高いプランを契約していると、電気代が高額になりやすいため注意が必要です。家族の生活リズムを考慮し、使用する時間帯の電気代をなるべく抑えられるようなプランを選びましょう。

人数や生活リズムに合わせて設備を選ぶ

電気代節約のためには、料金プランだけではなく「設備」の選び方もポイントになります。人数や生活リズムに合わせた設備を選ぶことで、電気代をぐんと節約しやすくなるのです。オール電化住宅の設備のなかでも、消費電力が大きいものには「エコキュート」「IHクッキングヒーター」などが挙げられます。これらのような、もともとの消費電力が大きい設備は、しっかりと適切な容量を考えたうえで選ぶことが重要です。

たとえば、エコキュートの場合は人数に合わない小さなタンクを選んでしまうと、ひんぱんにお湯切れを起こす原因につながります。万が一、単価の高い昼間にお湯が切れてしまった場合、割高な料金の電気を使ってお湯を沸かさなければならないのです。このような事態を避けるためにも、安い夜間の電力を使って、十分な量のお湯を沸かせるエコキュートを選ぶと良いでしょう。

無理のない形でオール電化の電気代を抑えよう

オール電化にして光熱費をまとめるのであれば、効果的に電気代を抑えたいものです。たとえば、料金プランを見直したり電力を使用する時間帯に気をつけたりすることで、電気代の節約につなげられます。また、古いエコキュートの場合は省エネ性能の高い最新機種に買い替えるだけで節約になる場合があります。エコキュートに関する悩みごとは、エコ突撃隊に相談して解決しましょう。