オール電化
2024/06/22
エコキュートでお湯が沸く仕組みとは?設置のメリットと注意点も徹底解説
環境にやさしく省エネという特徴を持つ「エコキュート」は年々人気が高まっており、設置する家庭も増えています。ただ、エコキュートに関心はあるものの、どのようなものか詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事ではエコキュートの特徴やお湯が沸く仕組み、設置するメリットや注意点について網羅的に解説します。
空気の熱でお湯が沸く「エコキュート」とは?
そもそもエコキュートとはどのようなものなのか、基礎知識や特徴、お湯が沸く仕組みについて見ていきましょう。
エコキュートの特徴
エコキュートとは、ヒートポンプ技術によって空気を利用し、電気でお湯を沸かす家庭向けの電気給湯器のことです。
エコロジーからエコ、給湯からキュートという言葉を取り名付けられました。
エコキュートは環境にやさしくランニングコストに優れるという特徴から人気が高まっており、年々普及が進んでいます。
一般社団法人ヒートポンプ・蓄熱センターによると2023年8月末時点の出荷台数は900万台を超えたとされています。
環境問題への関心が高まりつつある現代では、今後ますますエコキュートの需要が高まっていくことが予想されます。
エコキュートの機器構成
エコキュートは下記の二つの機器で構成されます。
- 熱を発生させる「ヒートポンプユニット」
- 沸かしたお湯を貯める「貯湯タンク」
順番に解説します。
熱を発生させる「ヒートポンプユニット」
ヒートポンプユニットは、「熱をくみあげる」という意味をもつ、エコキュートの心臓部とも言える機器です。
エアコンの室外機と機能も外観もほぼ同一もので、エコキュートのエネルギー源となる空気中の熱を集め、加熱する役割を担います。
ヒートポンプユニットに含まれる主な部品は以下の通りです。
- ファン : 空気をヒートポンプ内に取り込む部品
- 熱交換器A(空気側) : 空気中の熱を冷媒に伝え吸収させる
- コンプレッサー : 冷媒を圧縮し、高温化させる
- 熱交換器B(水加熱側) : 高温化した熱を水に伝えてお湯にする
- 膨張弁 : 冷媒を低温・低圧に戻し、次サイクルの熱吸収に備える
それぞれの部品が効率よく運用され、湯沸しが行われます。
沸かしたお湯を貯める「貯湯タンク」
エコキュートはガス給湯器などのように、使うとき即時にお湯を沸かす機器ではありません。
夜間の電気代が安い時間にお湯を作るため、実際に使う日中や翌日の夜まで保温しておく必要があります。
その役目を果たすのが貯湯タンクです。
沸かしたお湯は断熱材によって約85~90℃に保温されます。
お風呂やキッチンでお湯を使うときは水と混ぜ、蛇口からは適温になった状態で出てくるため火傷の心配もなく安心です。
タンクには異なる容量が用意されており、家族の人数や用途に合わせて好きなものを選ぶことが可能です。
エコキュートでお湯が沸く仕組み
エコキュートでお湯が沸く仕組みは、空気が重要なポイントとなります。
空気は圧縮すると温度が上がり、解放すると反対に温度が下がる性質があります。
エコキュートによる湯沸しは、この性質をうまく利用したものです。
具体的な流れは下記の通りです。
- ヒートポンプユニットが空気中の熱を取り込む
- ヒートポンプユニット内部の冷媒(二酸化炭素:CO2)が、熱を吸収
- 吸収した熱をコンプレッサーで圧縮して高温化
- 圧縮され高温になった冷媒が、熱交換器によって水を加熱
- 加熱されたお湯が貯湯タンクに貯蔵される
エコキュートで作られる熱エネルギーは、熱を作るために必要な電気エネルギーの3倍以上ともいわれています。
気温水器のような旧来の電気給湯器に比べ、電気代を3分の1以下までカットできる可能性があります。
また、冷媒として悪い意味で有名なフロンではなく二酸化炭素を用いているため、二酸化炭素排出量を65%削減できるなど環境にも非常に優しいという点もあります。
環境とコストの2つの観点からしても、非常に効率的な仕組みといえるでしょう。
エコキュートを設置するメリット
エコキュートの特徴や仕組みについての理解が深まると、次はエコキュートを設置する具体的なメリットが気になるものです。
主なメリットには、「光熱費の節約」「災害時の復旧スピード」「安全性の高さ」などが挙げられます。それぞれの内容を見ていきましょう。
毎月の光熱費が安くなる
エコキュートは基本的に、電気料金の安い深夜帯にお湯を沸かすシステムになっています。
ガスを使用してお湯を沸かす場合と比較すると、毎月の光熱費を節約しやすいことがメリットです。
加えて、エコキュートにはお湯の過不足がないよう、沸かす湯量を調整してくれる学習機能が搭載されています。
この機能により、エネルギーや水道代の無駄を省き、光熱費をカットすることが可能です。
エコキュートの代表的なメーカーである三菱電機の調査によると、4人家族で利用する場合の給湯にかかる年間光熱費は都市ガスで約9万円、プロパンガスで約13万7000円だとしています。それに対し、エコキュートは約3万7000円と非常に経済的です。
災害時の復旧が早い
災害時はインフラへのダメージが懸念事項です。なお、インフラのなかで最も普及が早いのは電気だとされています。
例として、東日本大震災が起きたときに電気は約1週間以内にほとんどの世帯で復旧したものの、ガスは約5週間かかったというデータがあります。
これを踏まえて、電気を利用するエコキュートは災害時に早くお湯を使えるようになる可能性が高いことがメリットといえるでしょう。
また、エコキュートは仕様上普段から貯湯タンクに水やお湯を溜めています。
その蓄えが尽きるまでは、断水・停電のときでも溜めておいた水やお湯を使えるというメリットもあります。
安全性が高く環境にもやさしい
前述したように、エコキュートは冷媒に二酸化炭素を使用します。
冷媒として代表的なフロンガスは人工であるのに対し、二酸化炭素は自然界にもともと存在するものなので、空気を汚す心配がありません。
それに、使用する二酸化炭素もわざわざ作るわけではなく、工場などで副産物的に発生するものを再利用しています。
そのため、無駄がなく環境にやさしいことが大きなメリットといえるでしょう。エコキュートは火を使わないため、火事のリスクも低減できます。
エコキュートの設置にあたってオール電化にしている家庭であれば、キッチンで火を使う機会もなくなるでしょう。
その結果、小さな子どもやお年寄り、ペットなどがいる家庭での火傷のリスクを避けられます。
家族全員が安心して暮らせる住まいを目指せるでしょう。
エコキュートを設置する際の注意点
エコキュートには多くのメリットがある反面、設置における注意点も存在します。
具体的な注意点には、「湯切れのリスク」「初期費用の高さ」などが挙げられます。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
「湯切れ」が起きることがある
エコキュートの設置にあたり、最も注意したい点が「湯切れ」です。エコキュートは貯湯タンクの容量があらかじめ決まっています。
万が一、一定量を使い切ってしまうとお湯が使えなくなるため注意が必要です。
特に、入浴中に湯切れが起こると寒い思いをする可能性があります。湯切れが発生するとお湯を沸かす必要が生じます。
しかし、深夜以外の時間帯は電気代が割高に設定されているケースが多く、光熱費がかさんでしまう可能性があるでしょう。
快適にお湯を使いたい、光熱費を節約したいという場合はなるべく湯切れを起こさないように気を付けることが肝心です。
来客の頻度や家族の日常的な使用量をよく考えたうえで、余裕のある貯湯タンクの容量を選ぶようにしましょう。
湯切れについて詳しくしりたい方は、下記の記事をご覧ください。
初期費用が高い
エコキュートは本体代だけではなく、設置にあたりさまざまな費用がかかります。
たとえば、基礎工事費・水道工事費・電気工事費などが必要です。このような各種工事が必要なぶん、どうしても「初期費用が高額」になってしまう点に気を付ける必要があります。
設置にかかる費用はメーカーや工事の内容によっても異なりますが、すべて含めた場合約35~60万円はかかる可能性があるでしょう。
安い買い物とはいえないものだからこそ、かかる費用の総額をきちんと計算したうえで、慎重に設置を決めることが大切です。
環境保護にも貢献できるエコキュートで光熱費を節約しよう!
エコキュートは再利用の二酸化炭素でお湯を沸かせるため、環境にやさしいことがメリットです。
さらに、ガスではなく電気を使うことで光熱費を節約しやすいことも魅力といえます。一方、エコキュートは初期費用が高額になりやすいことが難点です。
初期費用を抑えたい場合は、極力安い設置方法を探す必要があります。
「エコ突撃隊」は低価格での設置を実現させています。エコキュートへの交換を考えている方は、是非ご相談下さい。
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