オール電化
2024/06/22
エコキュートのお湯切れとはどんな状態?お湯切れの原因や対策について解説!
エコキュートを使用していると、時々お湯が使えなくなる「お湯切れ」という状態になってしまうことがあります。家事を行う上で、しばらくお湯が使えなくなる状況は避けたいもの。 今回はエコキュートのお湯切れの説明、お湯切れによって引き起こされるデメリット、お湯切れが発生する原因、お湯切れを防ぐ対策方法などについてまとめます。
エコキュートの湯切れとは
まずは、湯切れがどのような状態か解説します。
湯切れとは、エコキュートの貯湯タンクに貯えられているお湯が尽きてしまい、お湯を使うことが出来なくなった状態を指します。
電気給湯器やガス給湯器であれば水道水を引き入れて直接加熱しているため、湯切れは発生しません。
では、エコキュートで湯切れと呼ばれる現象が発生する理由は何でしょうか。
その理由は「エコキュートの仕組み」にあります。
エコキュートはヒートポンプという仕組みを使って湯を作ります。
ヒートポンプは空気が持っている熱を利用して水を加熱する仕組みで、小さなエネルギーでお湯を作り出せます。
作り出したお湯を大型のタンクに貯めておき必要に応じて使用するのですが、タンクに貯めているお湯を使い切ると、タンクが低温の水で満たされた「お湯切れ」の状態となってしまうのです。
お湯切れによるデメリット
お湯切れのデメリットは大きく2つあります。
- 再びお湯を沸かすのに時間が必要
- 電気代が余計にかかる
順番に解説します。
再びお湯を沸かすのに時間が必要
エコキュートは空気の熱を利用してあらかじめ作っておいたお湯を使用する給湯器です。
しかし、ガス給湯器のような瞬間的に発するエネルギーではないため、水を温めるのに時間がかかってしまいます。
実際に湯沸しにかかる時間はメーカーや機種によって差があります。
例えば一人分のシャワーに必要な湯量であれば最低30分ほど待つことになります。
バスタブへ入浴も行うなら、お湯張りに使う湯量にもよりますが最低2時間~4時間ほどは見ておく必要があるでしょう。
電気代が余計にかかる
2つ目のデメリットは電気代が余計にかかることです。
エコキュートが電気代を含むランニングコストに優れているのは、深夜電力やそれに類似した電力プランを契約することで、割安な深夜料金の電力を使ってお湯を沸かしているからです。
しかし、深夜に割安になるプランは往々にして昼間の電気料金が高く設定されています。
つまり、昼に湯切れとなり追加の湯を沸かしてしまうと、割高な昼間の料金で湯を沸かすことになり、経済的メリットが薄れてしまうのです。
エコキュートの湯切れの原因
湯切れが起きると湯を沸かすのに時間がかかり、電気代が余計にかかることがわかりました。
では、どうして湯切れが起きてしまうのでしょうか。湯切れ発生の3つの原因について解説します。
- タンクの容量が小さい
- いつもより多く湯を使ってしまった
- エコキュートが故障している可能性もある
順番に解説します。
タンクの容量が小さい
1つ目の原因はタンクの容量が小さいからです。
エコキュートの容量は人数を目安として決められます。
メーカーによって想定する人数と貯湯タンク容量は差がありますが、下記に三菱電気を例とする表を記載します。
人数 | 用途 | おすすめのサイズ |
---|---|---|
1~2人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー2回 台所・洗面所・手洗い |
180L |
2~4人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー3回 台所・洗面所・手洗い |
180~300L |
3~4人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー4回 台所・洗面所・手洗い |
370L |
4~5人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー5回 台所・洗面所・手洗い |
430~460L |
5~7人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー6回 台所・洗面所・手洗い |
550L |
たとえば、設置時に3〜4人家族の想定で370リットルのタンクにしたとします。
しかし、季節の影響や子供たちの成長により使う湯量が増えてしまったり、ご家族に頻繁にお風呂に入る方がいたりすれば370リットルでは足りなくなるかもしれません。
つまり、設置当初の想定を超えてしまうと無駄遣いしていなかったとしても湯が不足する湯切れが発生する可能性があるのです。
いつもより多く湯を使ってしまった
2つ目の原因は湯の使用量が一時的に多くなってしまったからです。
通常、エコキュートには学習機能があり、湯が不足しそうになったら自動的に湯を沸かす機能がついています。
ところが、過去の使用量よりも明らかに多くの湯を使ってしまうと学習機能が追い付かず、湯切れが発生することがあるのです。
不意に泊まりの来客があってお風呂を利用する人数が増えたり、シャワーをいつもより多く使ってしまったりするとエコキュートからすれば想定外のお湯の使用となり、湯を沸かすのが間に合わなくなるかもしれません。
もし、いつも不足するようであれば根本的にタンクの容量が不足しているので、タンクを交換したほうがよいかもしれません。
エコキュートが故障している可能性もある
3つ目の原因はエコキュートの故障です。
エラー表示が出ていたり、表示が無くてもある時期から湯切れを頻発するようになったらエコキュート本体や配管の故障の可能性があります。
故障する原因としてよく見られるのは以下の3つです。
- 初期不良(初期故障)
- 部品の経年劣化
- 突発的な故障
順番に解説します。
初期不良(初期故障)
導入して間もない時期に発生する故障は初期不良である可能性があります。
使い方が悪くて故障したわけではなく、最初から調子が悪い場合などがこれに該当します。
この場合、「いずれ直る」と放置せず、できるだけ速やかに設置した業者を呼んで修理してもらいましょう。
部品の経年劣化
2つ目は部品の経年劣化です。
エコキュートに使われている部品は多数ありますが、弁やパッキンなどの部位は比較的劣化しやすく、その部分の故障が原因となって水漏れやヒートポンプに問題が発生しているかもしれません。
突発的な故障
3つ目は突発的な故障です。
初期不良がなくても長い期間使用していれば、エコキュートの部品のあちらこちらで摩耗が発生します。
そういった摩耗が蓄積すると、ある日突然「壊れる」ということもありえます。
本体に故障がなかったとしても、配管やタンクが損傷していると水漏れが発生してしまい、湯が貯められなくなります。
突発的な故障を回避するには、定期的なメンテナンスが有効です。
メンテナンスは業者によるチェックのほかに自分でもできることがあります。主なメンテナンス項目は以下のとおりです。
- 貯湯タンクの清掃
- 浴槽フィルターの清掃
- 配管の清掃
- 漏電遮断器の動作確認
- 逃し弁の動作確認
- 水漏れの点検
- 凍結防止の確認
メンテナンスに時間をかけられないという人は、メーカーの有料定期点検を利用してもよいでしょう。
自分で出来るメンテナンスについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
湯切れを防ぐ対策
湯切れの原因にはタンクの容量や一時的なお湯の使用、エコキュートや配管の故障などがあるとわかりました。
ここからは、湯切れをそもそも起こさないための方法について紹介します。
湯切れ対策として有効な方法は3つです。
- エコキュートの設定を変更する
- 足し湯を利用する
- 大きいタンクと交換する
順番に解説します。
エコキュートの設定を変更する
1つ目の方法は設定を変更することです。
通常時は学習機能が有効に働きますので、特に設定変更する必要はありません。
しかし、宿泊込みの来客が想定されるときや部活動の大会がある日など、お湯の使用量がある程度増えることが予想できるときはお昼にもお湯を沸かしておくなど設定変更して湯が足りなくならないようにすることができます。
また、冬場に湯が不足しがちになるのであれば夜間に沸かす湯の量を増やしたり、沸き上げ温度を上げるなどすることで湯切れを回避しやすくなります。
こうした設定変更をすると電気代は余計にかかってしまいますが、湯切れのリスクを減らすことができるでしょう。
足し湯を利用する
2つ目の方法は足し湯を利用することです。
自宅で最もお湯を使うのは入浴時ですが、家族が多いときなどは節水効果を高めるため、「追い炊き」を使用することが多いかもしれません。
追い炊き機能はとても便利ですが、エコキュート内の熱を多く使ってしまうというデメリットがあります。
ぬるいお湯を温めるだけであれば、シンプルに高温のお湯を注ぐ足し湯のほうがリーズナブルでスピーディです。
ただ、足し湯であってもエコキュートの湯を使うという点では変わりありませんので、多用するのは湯切れの原因となりますので要注意です。
大きいタンクと交換する
3つ目の方法にして最終手段は、タンク容量を大きくすることです。
家族が増えたり、子どもたちが成長したりすると、最初に想定した湯の使用量を超えてしまうことがあります。
他の対策方法を行ってもお湯切れを起こしてしまう場合は、買い替えのタイミングで大きなタンクと交換するとよいでしょう。
たとえば、4人家族であれば370リットルよりも430リットルや460リットルといったワンサイズ大きなタンクにすると湯切れしにくくなります。
寒冷地に住んでいる場合も容量が大きいタンクにすると湯切れしにくくなります。
湯切れはタンクにお湯がなくなることではなく、タンクの中の水温が低くなってしまうことです。
これを防ぐには、水温が低くなりやすい寒冷地の場合は大きな容量のタンクを使用し、湯冷めしにくくするのが適切です。
ただ、あとからタンクを交換するとなると工事費用が二重にかかってしまうので、できるだけエコキュート設置時に一回り大きなタンクにすることをおすすめします。
太陽光発電システムの設置も有効
これまでエコキュートの湯切れの原因と対策を解説してきました。
設定変更や使い方に気を付けてお湯切れが防げれば最善です。
それでも駄目なら最終手段として大容量タンクのエコキュートに変える手段があるとお伝えしましたが、通常販売しているエコキュートのタンク容量は550リットルが最大です。
中には、大家族で最大容量でも足りない方もいるかもしれません。
そういった方は、太陽光発電システムの利用を検討してもいいかもしれません。
日中の余剰電力を「おひさまエコキュート」やそれに準ずる機能を持ったエコキュートに回すことができれば、日中お湯切れが起きたとしても電気代の増加を気にする必要はありません。
まとめ
今回はエコキュートの湯切れについてまとめました。
エコキュートはランニングコストが安いため非常に人気がありますが、お湯を沸かすスピードが遅いという弱点があります。その結果引き起こされるのがお湯切れでした。
お湯切れが起きてしまうと数十分から数時間、高温のお湯を使えなくなってしまうためとても不便です。
また、昼間に追加でお湯を沸かすと電気代がかかってしまうため、経済的メリットが失われてしまいます。
お湯切れを起こさないためには容量の大きいタンクに買い替えるか、エコキュートの設定を変更する、足し湯を使うといった対処法が効果的です。
まだエコキュートを購入していないのであれば、想定より一回り容量が大きいタンクのエコキュートを検討したほうがよいかもしれません。
エコ突撃隊は創業25年、28,000件もの住宅設備機器の販売・施工を手掛けています。
ご家庭に最適なタンク容量を知りたいという方は、エコ突撃隊までお問い合わせください。
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