今回はエコキュートがどのようなものか、利用するメリット、沸き上げ時間の設定変更法、エコキュートをお得に使うためのポイントなどについてまとめます。

エコキュートの基礎知識

エコキュートといえば「電気代がお得」「環境にやさしい」といったイメージがありますが、実際にどのような機器か、電気温水器と何が違うのかについてしっかり把握していない人もいるかもしれません。エコキュートの基本情報を整理します。

エコキュートはヒートポンプで湯を沸かす

エコキュートの正式名称は自然冷媒ヒートポンプ給湯器といいます。ヒートポンプとは空気が持っている熱を取り入れ、湯を沸かすための熱源として利用する仕組みのことです。装置に外気を取り込み、空気を圧縮することで効率よく熱を取り出します。
ヒートポンプは電気給湯器と比べて電気を使いません。外気の熱も利用するため、消費電力量が3分の1で済みます。

深夜電力を利用するとお得

電気温水器よりも使用する電力が少ないエコキュートですが、温める水の量が多いためそれなりに電気代がかかります。すこしでも電気代をお得にするには夜間電力を利用するのがおすすめです。
深夜電力とは、昼間の電力に比べ夜間の電力料金が安く設定されているプランです。電力の性質上、使わないからといって発電しないわけにはいきません。そのため、昼間に比べて少ないといっても深夜でも一定量の電気が流れています。電力が利用されないのはもったいないので、電力会社は割安な深夜電力料金を設定して電力消費を促しています。
深夜電力を利用すると該当する時間帯(夜11時から翌朝7時くらいまで)の安い電力を使って湯を沸かせるため、経済的にお得になります。ただ、深夜電力は電力会社によって設定が異なっていたり、そもそも設定してないこともありますので、各電力会社の公式サイトなどで事前に調べておく必要があります。

エコキュートの種類

エコキュートには大きく分けて3つの種類があります。

• フルオートタイプ
• セミオートタイプ
• 給湯専用タイプ

フルオートタイプは最も機能が充実しているもので、追い炊き機能や自動保温機能、自動足し湯機能などが搭載されています。セミオートタイプは追い炊きや自動保温ができません。給湯専用タイプは文字通り、湯を注ぐだけですので細かな設定ができません。

エコキュートを利用するメリット

エコキュートを利用すると3つのメリットがあります。それぞれの内容を見てみましょう。

光熱費が安くなる

1つ目のメリットは光熱費が安くなることです。エコキュートは電気温水器と比べると使用する電力量が3分の1で済みます。そのため、理論上は電気代も3分の1になります。ただ、うまく設定できなかったり、追い炊きや追加で湯を沸かすことが多くなると、その分電力を消費するため光熱費削減効果が小さくなってしまいます。

CO2排出量が少ない

2つ目のメリットはCO2の排出量が少ないことです。エコキュートを動かすための電力は電気温水器の3分の1ですので、発電時に排出されるCO2量も3分の1に減らせます。もし、自宅に太陽光発電設備があれば、その電力を利用できるためCO2を排出せずに湯を沸かせます。
太陽光の電力をさらに有効活用するのであればエコキュートに加えて蓄電池も導入するのがベターです。ただ、太陽光発電・エコキュート・蓄電池の3点セットとなると費用がそれなりに膨らみますので支払い計画を慎重に立てなければなりません。

断水時でもタンクの水が使える

3つ目のメリットは断水時でもタンクの水が使えることです。近年、自然災害が激しくなっているとの報道がなされていますが、災害時に命を守るために必要なのが水と電気です。災害で断水してもタンク内の水が利用できるため、当面の生活用水を確保できます。

沸き上げに必要な時間

エコキュートがタンク内の水を沸き上げるのにどの程度の時間が必要なのでしょうか。沸き上げ時間は季節や機種にもよりますが、タンク内の湯を沸き上げるのにおよそ7〜8時間程度かかるとされます。夏に比べ気温が低い冬の方が湯を温めにくいため、8時間以上かかる可能性があります。

沸き上げ時間の設定変更

湯の沸き上げ時間を変更するにはどうすればよいのでしょうか。メーカーによって機能や名称に違いはありますが、概ね3つの設定変更が可能です。

電力制度の設定

1つ目は電力制度の設定です。電力会社と契約しているプランにそって湯を沸かすように設定します。たとえば、契約している深夜電力の時間帯が夜22時から翌朝8時までだとすれば、その時間に湯を沸かすよう設定できます。
電力会社と特別な設定をしていなかったとしても、湯の沸きあがり時間を決めたいと考えるかもしれません。そんなときはマニュアルで炊き上げ時間を調節します。

ピークカットの設定

2つ目はピークカットの設定です。ピークカットの設定とは電力使用のピーク時に電気を使用しない設定のことです。電力会社との契約内容を確認し、料金が高くなる時間帯にピークカットを設定しておけば、その時間にわき上げしなくなりますので電気代を抑えることができます。
たとえば、電力使用量が多い時間帯が午前11時から午後4時くらいまでだとすれば、その時間に湯切れが発生しても沸き上げしない設定となります。

昼間シフトの設定

3つ目は太陽光発電を利用した設定です。太陽光発電の電力で湯を沸かすため、夜の沸き上げで使用する電力を減らせます。また、太陽光発電は自家発電であるため、この電力で湯を沸かしても電気代がかかりません。
ただし、天候が悪いときは十分な電力を確保できないこともありますので注意しましょう。

エコキュートをお得に使うためのポイント

ここまでは沸き上げ時間をメインに3つの設定変更をまとめました。ここからは、エコキュートをお得に使うためのポイントを整理します。

自動保温時間を見直す

1つ目は自動保温時間を見直すことです。保温機能は非常に便利で、特にフルオートタイプであれば、ほとんど調節が不要であるためついつい設定変更せずに使ってしまいがちです。しかし、保温時間が長ければ長いほど電力を消費します。
電力を節約するには間隔を開けず、なるべく短時間で全員が入浴することや保温時間を短くすることが必要です。小さな工夫ですがまいにち積み重ねると大きな節約効果となるでしょう。

追い炊きよりも足し湯を活用

2つ目は追い炊きよりも足し湯を活用することです。追い炊きはお風呂に入っているお湯を捨てずに温めなおす機能で節水効果があります。しかし、追い炊きは新たにお湯をつぎ足す足し湯よりもヒートポンプの熱を消費しますので、結果的に電力を多く使ってしまいます。
それに比べると、足し湯のほうが電気代がかかりません。また、翌日に入浴するとき、前日の湯を追い炊きするよりも新たに湯を張りなおしたほうが省エネになるため、電気代削減に効果があります。その際、風呂の残り湯は洗濯などで再利用するのがおすすめです。

季節によってモードを使い分ける

3つ目は季節によってモードを使い分けることです。温度変化が少ない季節であればエコキュートに搭載されている学習機能がうまく働き、電気代を節約できます。
しかし、冬になると気温が下がるためタンクの湯の温度を維持するのにエネルギーを多く使います。そうなると、湯切れをする可能性が上がってしまうのです。湯切れしてしまうと次にお湯を使うまで最低でも30分以上かかってしまいます。
もし、電力料金が高い時間帯に湯切れが発生すると余計な電力代がかかってしまいます。そうならないために、湯の温度を高めに設定したり夜間に沸かす湯量を多くする設定に変更したほうがよいでしょう。

太陽光発電と組み合わせる

4つ目は太陽光発電と組み合わせることです。太陽光発電で生み出された電力は太陽がでているあいだは発電してくれます。その電力をエコキュートに利用すると夜でもタンク内の湯が比較的暖かい状態を維持できますので、夜間に沸き上げるときの使用電力を減らせます。
もし、蓄電池も一緒に整備できれば太陽光発電の余剰電力を蓄えておけるため、夜間の電力消費量をさらに減らすことも可能となります。
加えて、都道府県・市町村によっては太陽光発電、エコキュート、蓄電池のそれぞれに補助金を支出するところもありますので、利用できる補助金をフルに活用してすべてセットでそろえるのも選択肢の一つとなります。

長期外出時には沸き上げをしない設定に変更する

5つ目は長期外出時に沸き上げをしない設定に変更することです。当たり前のように感じますが、この設定を忘れてしまうと誰もいないのに湯だけ沸かし続け、電力を浪費してしまいます。出張前など長期外出する前にエコキュートの設定をしっかりと確認したほうがよいでしょう。

まとめ

今回はエコキュートの沸き上げ時間の設定変更を中心に基礎知識や利用するメリット、エコキュートをお得に使うためのポイントなどについてまとめました。
エコキュートは基本的に電気温水器よりも経済的ですが、設定が不十分であればその効果をフルに発揮できず、経済効果が下がってしまいます。エコキュートを導入している割に電気代が高いのであれば、一度、設定を見直したほうがよいかもしれません。
エコ突撃隊では1998年からオール電化や住宅設備機器の販売を手掛けており、エコキュートについて数多くの施工実績があります。
より光熱費を節約するため最新のエコキュートにしたいとお考えでしたら、ぜひ一度エコ突撃隊までお問い合わせください。