オール電化
2024/03/22
灯油ボイラー(石油給湯器)の寿命は?寿命を延ばすメンテナンスや寿命を迎えたときの対処法を解説
灯油ボイラー(石油給湯器)が寿命を迎えると、火災やCO中毒などのリスクが高まります。そのため、日頃から寿命を延ばすメンテナンスや、寿命を迎えたときの対処法などを知っておくと良いでしょう。 そこで今回は、灯油ボイラーの寿命について解説します。灯油ボイラーを使用している方は、ぜひ最後までご覧ください。
灯油ボイラー(石油給湯器)の寿命は?
灯油ボイラーのメーカー側が想定している寿命は10年です。
一般社団法人日本ガス石油機器工業会によれば、灯油ボイラーは10年を目安に製品の劣化や摩耗による経年劣化が発生する確率が上がっていき、放置していると故障する、あるいは重大な事故に発展する可能性が高いです。
そのため、メーカー側は寿命を10年としており、10年以上使用し続けるなら点検を行うことを推奨しています。
なお、使い方や使用状況によって変動する場合があり、8年で買い替えたケースもあれば、20年以上使い続けているケースも珍しくありません。
寿命を迎えた灯油ボイラー(石油給湯器)を放置することのリスク
寿命を迎えた灯油ボイラーを放置して使い続けると、次のようなトラブルが起きるリスクがあります。
- 機器や配管からの灯油漏れによる火災
- 設定温度よりも高い温度による火傷
- 粘性初期の異常着火
- 不完全燃焼によるCO中毒
灯油ボイラーは灯油を使用している給湯器です。長年使用し続けていると、本体の一部に石油燃料が溜まってしまい、何らかの理由によって引火して火事が起きるということは珍しくありません。
特に、寿命を迎えた灯油ボイラーは内部の基盤が劣化して、通常とは異なる動作を繰り返す事例が報告されています。
点検をしていれば防げるトラブルのため、灯油ボイラーを10年以上使用しているなら、エラーや不具合が起きていなくても、点検を検討してみましょう。
古い灯油ボイラー(石油給湯器)は長期使用製品安全点検制度から漏れている可能性が高い
長期使用製品安全点検制度とは、製品を購入した所有者に対して、一定時期になったらメーカー側が点検時期を通知する制度です。
所有者では保守や点検が難しい製品で、なおかつ経年劣化で火災や死亡事故などの重大事故を起こす恐れがある製品を対象としています。
記事執筆時点で、上記に制度の対象となっているのは灯油ボイラーと石油風呂釜の2種類のみですが、長期使用製品安全点検制度が始まったのは平成21年(2009年)4月です。
つまり、平成21年より前から使用している古い灯油ボイラーは対象外となっているため、点検の案内が届きません。
平成21年度以降に灯油ボイラーを購入した方は、点検の案内が来ていれば点検を依頼すれば良いです。
一方で、平成21年度より前に購入し、一度も点検をしていない方はすぐにでも点検を依頼しましょう。
灯油ボイラー(石油給湯器)の寿命を延ばすためのメンテナンス
灯油ボイラーの寿命を延ばすためのメンテナンスは以下のとおりです。
- 外装を綺麗にする
- ストレーナーに溜まったゴミを掃除する
- オイルタンクの水抜き
- 浴槽の循環口フィルターを掃除する
- 追い焚き配管を掃除する
上記を順番に解説します。なお、実際の手順と異なる場合があるため、実行する際は取扱説明書を確認しましょう。
外装を綺麗にする
灯油ボイラーは灯油を燃焼してお湯を沸かす給湯器のため、給排気口にススやホコリが溜まったり、配管の先が汚れたりします。
給排気口が塞がっていると給湯効率が低下し、最悪の場合は故障する可能性があるため、ゴミやホコリは取り除きましょう。
また、機器の周りが汚れているなら水拭きをしてから乾拭きをする、あるいは中性洗剤を使って拭き取ると良いです。
ストレーナーに溜まったゴミを掃除する
ストレーナーとは、ゴミや水が内部に入らないようにするフィルターのことです。
機器によって位置は異なりますが、使用し続けているとストレーナーにゴミや水が詰まっている場合があります。放置していると故障する可能性があるため、半年に1度のペースで掃除しましょう。
オイルストレーナーの掃除の手順は以下のとおりです。
- オイルタンクの送油バルブを閉じる
- オイルストレーナーの下に灯油を受ける容器を置く
- ケースを左に回して外す
- フィルターを下に引き外して灯油で洗う
- 元通りに取り付ける
- 油漏れがないことを確認する
- オイルタンクの送油バルブを開ける
ストレーナーの掃除の際には、灯油が漏れる可能性が高いため、手袋を着用し、周りに飛び散らないように対策をしてから行いましょう。
オイルタンクの水抜き
オイルタンクに水が混ざっていると、内部で錆が発生したり、不完全燃焼の原因になったりするため、半年に1度のペースで水抜きをしましょう。
オイルタンクの水抜きの手順は以下のとおりです。
- オイルタンク下部のドレン抜きバルブの下に灯油を受ける容器を置く
- ドレン抜きバルブを開いて、約200㏄排水する
- 容器を確認して、水が混ざっていたら再び200㏄排水する
- 問題がなければドレン抜きバルブを閉める
水は灯油よりも重く、混ざりません。そのため、タンク内部に水が混じっているなら、ドレン抜きバルブを開けると先に水から排水され、続いて灯油が流れていきます。
容器の内部が水と灯油で分離している状態だと、タンク内部に水が残っている可能性は高いため、分離されなくなるまで排水を繰り返しましょう。
なお、機器によっては水抜きが出来ません。水抜きが出来ない灯油ボイラーの場合は、石油購入店や灯油ボイラーを購入した店舗に相談すると良いです。
浴槽の循環口フィルターを掃除する
浴槽内部の循環口フィルターが詰まっていると、お湯が適温にならない可能性があります。そのため、半年に1度のペースで掃除をしましょう。
循環口フィルターを掃除する手順は以下のとおりです。
- 循環口フィルターを左に回して外す
- 細かいゴミを歯ブラシで取り除く
- 循環口フィルターを右に止まるまで回して固定する
最後に、金具表面の汚れを水拭きすれば、掃除は完了です。
追い焚き配管を掃除する
追い焚きが可能な灯油ボイラーの場合、追い焚き配管も掃除しましょう。
追い焚きとは、浴槽内のお湯を循環させて再び温めて戻すという機能です。風呂配管とは別の追い焚き配管を利用していますが、配管内部に浴槽内の汚れやゴミなどが付着している可能性があります。
追い焚き配管を掃除する手順は以下のとおりです。
- 給水口の5cmほど上あたりまで水を溜める
- 溜めた水に洗剤や過炭酸ナトリウムを投入する
- 40度~50度の設定で追い焚きする
- 1時間ほど放置する
- 5分程追い焚きをする
- 排水して同じ量のお湯を溜める
- 再び5分程追い焚きをする
- 排水をする
浴槽内に1つだけ穴がある場合は強制循環タイプで、上記の手順で掃除できます。
一方で、浴槽内に穴が2つある場合は、次の手順で掃除をします。
- 下の穴にタオルを詰めて塞ぐ
- 上の穴に洗剤か過炭酸ナトリウムを入れる
- 洗剤を流し込むようにお湯を注ぐ
- 2時間ほど放置する
- 下の穴に詰めたタオルを外す
- ホースかシャワーでお湯を出しながら穴の内部を洗う
追い焚き機能の種類によって掃除のやり方が異なるため、必ず取扱説明書を確認してから始めましょう。
灯油ボイラー(石油給湯器)の寿命のサイン
灯油ボイラーを使っていたり、メンテナンスしたりしているときに、次のような現象が起きているなら、寿命を迎えている可能性が高いです。
- 機器外装に焼けたような跡がある
- 機器外装に穴が開いている
- 機器から異常音が聞こえる
- オイルタンクや送油管から油漏れしている
- 水漏れしていて周りが濡れている
- お湯が沸かない
- お湯の温度が低い、あるいは熱すぎる
- お湯の出が悪い
10年が経過していなくても、上記のような症状が出ているなら点検や修理が必要な可能性があるため、メーカーや販売業者に相談しましょう。
灯油ボイラー(石油給湯器)が寿命を迎えた場合の対処法
メーカーや販売業者に相談して、修理できないと判断された場合は給湯器の買い替えをおすすめします。
買い替えるなら、同じ灯油ボイラーよりもエコキュートが良いでしょう。
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。エアコンにも用いられているヒートポンプ技術を使ってお湯を沸かすため、石油給湯器よりもランニングコストを抑えられます。
次の表は、灯油ボイラーとエコキュートの年間ランニングコストを比較したものです。
灯油ボイラー | エコキュート | |
---|---|---|
北海道電力エリア | 約78,000円 | 約54,000円 |
東北電力エリア | 約70,800円 | 約48,000円 |
北陸電力エリア | 約70,800円 | 約42,000円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約81,600円 | 約37,200円 |
中部電力エリア | 約67,200円 | 約25,200円 |
関西電力エリア | 約63,600円 | 約20,400円 |
中国電力エリア | 約67,200円 | 約43,200円 |
四国電力エリア | 約66,000円 | 約44,400円 |
九州電力エリア | 約64,800円 | 約20,400円 |
沖縄電力エリア | 約55,200円 | 約27,600円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数によって異なりますが、灯油ボイラーからエコキュートに買い替えると、年間で約4万円の節約効果を期待できます。
また、エコキュートは電気のみで稼働する給湯器です。石油給湯器のように灯油を必要としないため、火災やCO中毒が発生するリスクを抑えられることも大きなメリットです。
エコキュートの注意点
灯油ボイラーからエコキュートに買い替えるなら、初期費用に注意しましょう。
メーカーや機種にもよりますが、エコキュートの工事費込みの初期費用は40万円~70万円で、灯油ボイラーの工事費込みの初期費用約30万円と比べると高額です。
10年以上使用し続けていれば初期費用の差額は回収できるため、エコキュートを購入したら定期的にメンテナンスや点検を行いましょう。
また、2024年は経済産業省資源エネルギー庁が「給湯省エネ2024事業」を開催しています。
対象のエコキュートへの買い替えで1台につき8万円の補助金が貰えて、条件を満たせば金額がアップする補助金制度です。
高額なエコキュートもお得に購入できる可能性があるため、灯油ボイラーからエコキュートへ買い替える際は活用しましょう。
まとめ
以上が、灯油ボイラー(石油給湯器)の解説です。灯油ボイラーの寿命は10年と言われており、次のようなメンテナンスを行う必要があります。
- 外装を綺麗にする
- ストレーナーに溜まったゴミを掃除する
- オイルタンクの水抜き
- 浴槽の循環口フィルターを掃除する
- 追い焚き配管を掃除する
一方で、10年を経過したら寿命を迎える可能性が高くなり、使い続けていると火災やCO中毒などのトラブルが発生する確率が高くなるため、早めに買い替えを検討しましょう。
おすすめは、お湯を沸かすためのランニングコストが抑えられて、火災のリスクが無いエコキュートです。
「エコ突撃隊」では、主要なメーカーのエコキュートを低価格で販売しております。知識や技術が豊富なスタッフが対応いたしますので、エコキュートに興味がある方は、ぜひご相談ください。
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