オール電化

2024/11/23

灯油ボイラーとエコキュート徹底比較!おすすめなのはどちら?

灯油ボイラーとエコキュート徹底比較!おすすめなのはどちら?

これまで灯油ボイラーを使っていた方が新しい給湯器を購入する際、従来の灯油ボイラーに買い替えるか、エコキュートに買い替えるかで迷うことがあります。

灯油ボイラーとエコキュートにはそれぞれ違いがあり、どのような給湯器が欲しいのかによって購入すべき給湯器は違います。

そこで今回は、灯油ボイラーとエコキュートをいくつもの項目で徹底的に比較してみました。自分にピッタリの給湯器はどちらなのか、ぜひ最後までご覧ください。

エコキュートなら光熱費がダンゼンお得!給湯器買い替えるなら「キュートーチェンジ」

エコキュートとは?

エコキュートとは?

エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を作る給湯器の総称になります。正式には「冷媒ヒートポンプ給湯器」と呼び、ヒートポンプ技術を取り入れた電気給湯器で、二酸化炭素を冷媒に使用しているのが特徴です。

ヒートポンプ技術はエアコンでも使用されている技術で、空気の熱を取り込み圧縮することで、さらに高温状態にしたのを利用して水道水を温めます。貯湯タンク内に貯められたお湯は最高90℃と高温のため、混合弁で水道水と混ざり、適温にまで下げて各所に給湯する仕組みとなっています。

同量の湯を作るのにエコキュートが必要とするエネルギーを1とすると、灯油ボイラーは2、ガス給湯器は3、電気温水器は4も必要になるため、給湯器のなかで最も効率的にお湯を作れる給湯器といえます。

灯油ボイラーとは?

灯油ボイラーとは?

灯油ボイラーとは、灯油をエネルギーにお湯を沸かす石油給湯器のことを指します。燃料は灯油で、円形型や角形、壁面取付型とさまざまな形状をしています。

最近の住宅だとあまり見かけませんが、20年~30年以上前までは一般的な家庭で使われており、豪雪地帯や寒波の厳しい地方では現在でも使用されています。

最大の特徴は熱量や給湯力が非常に高く、電気温水器やガス給湯器に比べてランニングコストが安いことが上げられます。また、1容量あたりの熱量が多いということは、少ない灯油量でも長時間利用が可能ということで、ボイラーが小さくても長時間使えます。

一方で、灯油ボイラーはガスや電気と違い、エネルギー源である灯油を確保する必要があります。屋内外のどこかに、供給用のタンクを設置し、灯油が切れたら補給をしなければなりません。

ただし、一定量以上のタンクを設置する場合は、設置するための資格が必要になります。豪雪地帯だと灯油を安定して確保するのは難しいというデメリットもあります。

灯油ボイラーとエコキュートの違いは?

灯油ボイラーとエコキュートの違いは?

ガス給湯器とエコキュートはどちらも給湯器ではありますが、次表のような違いがあります。

灯油ボイラー エコキュート
給湯の仕方 灯油と電気(種火)が必要
水道直圧式が主流だが、貯湯式もある
電気が必要
すべての製品が貯湯式
本体価格・設置費用 10万円~30万円 40万円~70万円
光熱費 年間71,328円 年間35,467円
サイズ 機種によってバラバラ
エコキュートよりもコンパクト
横幅600mm・奥行750mm・高さ1800mm以上
水圧 水道直圧式500KPa
貯湯式180KPa
180kPa~325kPa
寿命 10年~15年 10年~15年
飲用水 水道直圧式なら適している
貯湯式なら適していない
適していない
安全性 油漏れによる火災のリスクがある
水道直圧式は非常時に使えない
火災のリスクは少ない
非常時でもお湯が使える
補助金 少ない 充実している
総合 本体価格・設置費用を安く抑えられる
給湯専用がおすすめ
本体価格や設置費用こそ高いが、多機能高性能
フルオートタイプがおすすめ

それぞれ、どのような違いなのか順番に解説します。

給湯の仕方

給湯の仕方

灯油ボイラーはお湯を作るのに灯油と電気(火種)を必要としますが、エコキュートは電気と空気の熱を利用しているため、より少ない電気でお湯を作ることができます。

  • 灯油ボイラー…電気(火種)と灯油
  • エコキュート…電気と空気の熱

つまり、灯油ボイラーに比べてエコキュートの方が効率よくお湯を作れるのです。

また、灯油ボイラーとエコキュートの給湯の仕方の違いは、エネルギーだけでなく仕組みも違っております。

大半の灯油ボイラーは水道直圧式を採用しており、お湯を必要なときに必要な分だけ作って給湯する仕組みです。

シャワーの栓を開くと給湯が始まり、灯油ボイラー内で熱せられた水道水がお湯になり、そのまま給湯されます。なお、灯油ボイラーには水道直圧式とは別に、減圧貯湯式という仕組みもあります。

一方でエコキュートはすべての製品が貯湯式となっています。夜間にお湯を作り、貯湯タンクにお湯を貯め、日中は貯めたお湯を使用するという仕組みです。

貯湯式のメリットはお湯がすでに作られているため、震災などで断水になっても貯湯タンク内のお湯を生活用水として使用できることです。

水道直圧式の灯油ボイラーは断水しているとお湯が作れないため、非常時を見据えるとエコキュートがあると助かります。

本体価格・設置費用

灯油ボイラーの本体価格・設置費用の相場は10万円~30万円程度になります。次の表は、灯油ボイラーの本体価格の相場をまとめたものです。

給湯式 追い焚き付き フルオートタイプ
水道直圧式 20万円前後 20万円~25万円 20万円~30万円
貯湯式 10万円~15万円 20万円~22万円 23万円前後

灯油ボイラーは給湯方式の違いに加えて、水道直圧式か貯湯式で相場が異なります。さらに、上記の相場とは別に、設置費用として約3万円がかかると覚えておきましょう。

エコキュートの本体価格・設置費用の相場は40万円~70万円程度です。

給湯方式が3種類あり、ボタン1つでお湯はりから保温、追い焚きまで可能なフルオートタイプ、ボタン1つでお湯はりができるセミオートタイプ、手動でお湯はりする給湯専用タイプに分かれています。

メーカーごとに独自機能や特徴は異なりますが、基本的にフルオートタイプのほうが搭載されている機能が多く、価格も高い傾向があり、給湯専用のほうがお得に購入できる可能性が高いです。

  • 灯油ボイラー…13万円~33万円
  • エコキュート…40万円~70万円

本体価格・設置費用を比べると、エコキュートに比べて灯油ボイラーの方が安いといえます。

光熱費

熱費

次の表は、東京都に暮らしている4人家族がお湯を使った場合の年間ランニングコストをシミュレーションしたものです。

灯油ボイラー エコキュート
1月 8,205円 5,198円
2月 7,449円 4,564円
3月 7,804円 3,716円
4月 6,825円 3,270円
5月 5,923円 2,830円
6月 4,774円 2,250円
7月 4,428円 1,752円
8月 3,746円 1,416円
9月 3,900円 1,609円
10月 5,032円 2,426円
11月 5,928円 2,882円
12月 7,314円 3,554円
年間 71,328円 35,467円

あくまでもシミュレーションしたものであり、実際のランニングコストを保証するものではありません。

しかし、灯油ボイラーからエコキュートへ乗り換えた場合、お湯を沸かすコストが半分以下まで減る可能性は高いです。

エコキュートは灯油ボイラーに比べて本体価格・設置費用は高額ですが、10年以上使い続けていれば、差額を回収でき、以降は家計の節約効果も得られます。

また、後述しますが、エコキュートは灯油ボイラーに比べて補助金の数や金額が充実しているので、本体価格・設置費用を抑えることが可能です。本体価格・設置費用を抑えれば、灯油ボイラーとの差額の回収が速く済みます。

エコキュートを10年以上使用し続けた場合、灯油ボイラーとのトータルコストが同程度、あるいは若干下回る可能性があるので、初期費用は高額ですが、エコキュートへの買い替えを検討してみましょう。

サイズ

灯油ボイラーとエコキュートの大きな違いの1つに、サイズが挙げられます。

まず、灯油ボイラーは同じメーカーの製品でも、機種によって次のようにサイズに違いがあります。

  • 横幅540×高さ770×奥行き250mm
  • 横幅270×高さ790×奥行き575mm
  • 横幅470×高さ655×奥行き250mm
  • 横幅540×高さ770×奥行き250mm

上記は一例ですが、機種によって横幅や高さに違いがあるので、注意しましょう。

一方、エコキュートはお湯を沸かすためのヒートポンプユニットとお湯を溜めておく貯湯タンクユニットがセットになった給湯器です。

ヒートポンプユニットはどのメーカーや機種でもサイズはあまり変わりませんが、貯湯タンクユニットは横幅600×高さ1800×奥行750mm以上もあるため、かなりの設置スペースを必要とします。

さらに、エコキュートは満水時になると貯湯タンクユニットの重量が500kgを超えるのも珍しくありません。設置したい場所が普通の地面だと、傾いてしまう可能性があるので、コンクリートに打ち込むか、専用の基礎を作成します。

  • 灯油ボイラー…横幅270~540×高さ690~790×奥行き250~575mm
  • エコキュート…横幅600×高さ1800×奥行750mm以上

基本的にエコキュートに比べて灯油ボイラーのほうがサイズはコンパクトで、狭小スペースにも設置しやすいです。

ただし、灯油ボイラーは機種によって形状にある程度の違いがあり、サイズもバラバラなため、購入する前に確認が必要になります。

また、エコキュートは貯湯容量によって貯湯タンクユニットのサイズが異なり、場合によっては設置したい場所に置けない可能性があるので、事前に現場調査を依頼しましょう。

なお、エコキュートによっては狭小スペースに設置しやすい薄型やコンパクトなタイプもあるので、狭小スペースに設置したい場合は販売業者に相談すると良いです。

水圧

水道直圧式の灯油ボイラーは水道水の水圧をそのまま使えるため500KPaと高く、台所や洗面所でお湯を使っていても、シャワーの勢いがそれほど弱くなりません。

一方で、エコキュートや貯湯式の灯油ボイラーはタンクに沸かしたお湯を溜める際に減圧を行うため、水圧が180kPa~325kPaと低いです。

  • 水道直圧式灯油ボイラー…500kPa
  • 貯湯式灯油ボイラー…180kPa
  • エコキュート…180kPa~325kPa

過去のエコキュートに比べると水圧の強い機種も増えており、現在のハイエンドモデルは大抵300kPa前後に達しています。

しかし、水道直圧式灯油ボイラーからエコキュートに買い替えると、水圧が弱くなったように感じるケースが多いです。

なお、日立の水道直圧式エコキュートは水道水の水圧を減圧していないため、エコキュートのなかではトップクラスに水圧が強い機種になります。水圧にこだわる方は、日立のエコキュートを検討しましょう。

寿命

一般的に灯油ボイラーの寿命は機種によりますが10年~15年、エコキュートの寿命も10年~15年とされています。

  • 灯油ボイラー…10年~15年
  • エコキュート…10年~15年

ただし、この10年~15年という寿命はメーカーが設定した設計標準使用期間のことで、あくまでも目安です。使用方法や環境、メンテナスの有無などによっては寿命を大きく下回ることがあります。

灯油ボイラーやエコキュートを長く使用したいのなら、メンテナスを定期的に行いましょう。

飲料水

基本的に、水道直圧式の灯油ボイラーで沸かしたお湯は飲める、貯湯式の灯油ボイラーとエコキュートのお湯は飲めないとされていますが、すべての機種が飲めないとは限りません。

まず、水道直圧式の灯油ボイラーは給湯栓を開くと同時に加熱しながら各所へ給湯するため、衛生面では飲用水に適しています。

一方、貯湯式の灯油ボイラーやエコキュートはタンクにお湯を貯めるため、長い時間を経過して雑菌が繁殖している可能性があります。

エコキュートの主要メーカーはエコキュートで沸かしたお湯に対して、「貯湯タンク内部に貯まったお湯は、生活用水として使用するべき」という見解を発表しています。なお、飲用水に適していないだけで、シャワーを浴びた際に口に入った程度なら問題ありません。

また、日立が販売している水道直圧式のエコキュートはヒートポンプユニットで温めたお湯で給湯用の水道水を温めているので、飲用可能な機種です。

  • 灯油ボイラー…飲用可能(一部例外はある)
  • エコキュート…飲用不可(一部例外はある)

貯湯式の灯油ボイラーやエコキュートのお湯をそのまま飲用水として使用するのは難しく、料理用の水などに使う場合は、一度煮沸をしましょう。

安全性

灯油ボイラーとエコキュートの安全性を比較した場合、エコキュートの方が安全だといえます。

エコキュートは電気と空気の熱しか使わないため、不具合や災害が起きた時の火災リスクは少ないです。一方で、灯油ボイラーは内部に灯油を貯めこんでいるため、災害時に亀裂が入ると油が漏れて、火災につながる可能性があります。

また、灯油ボイラーは断水時、停電時にお湯を沸かすことはできません。しかし、エコキュートは貯湯タンク内にお湯が残っていれば、貯湯タンクからお湯を組みだして生活用水として使用することができます。

エコキュートは自宅に太陽光パネルや蓄電池があれば、停電時でもお湯を作ることが可能になります。

補助金

補助金

政府や自治体は省エネ性能の高い給湯器の購入に対して、一定額の補助金制度を用意しています。

たとえば、経済産業省ではエコキュートに買い換えた方に対して、1台につき8万円の補助金を出す給湯省エネ2024事業を開催しています。条件を満たせば補助金額が増えるので、高価なエコキュートをお得に購入したい方におすすめです。

住んでいる地方自治体によって内容や対象、補助金額は異なりますが、住宅リフォームでエコキュートを交換しようと考えているなら、住んでいる自治体のホームページをチェックしましょう。

なお、期限前であっても予算(人数・件数)が尽きたら終了となります。

一方、灯油ボイラーは省エネ性能の高い給湯器という訳でないため、補助金制度はほとんどありません。

  • 灯油ボイラー…補助金制度はほとんど無い
  • エコキュート…種類や金額が充実している

補助金制度は知られていないこともあるため、灯油ボイラーやエコキュートなどを購入する際は、情報をチェックしましょう。

灯油ボイラーとエコキュートのどちらがおすすめ?

灯油ボイラーとエコキュートの違いを比べましたが、総合的に判断すると「給湯だけなら灯油ボイラー、追い焚きやいろいろな機能を使うならエコキュートの方がおすすめ」だといえます。

灯油ボイラーのメリットは必要なときにすぐお湯が出て、水道直圧式ならエコキュートよりも水圧が強く、初期費用を安く抑えることができます。給湯専用の給湯器を探している、本体価格・設置費用を安く済ませたいと考えているなら、灯油ボイラーの方がおすすめです。

一方、エコキュートは電気と空気の熱でお湯を作るため、給湯にかかるランニングコストが灯油ボイラーの半分で済みます。安全性能に優れており、非常事態でも貯湯タンクのお湯を生活用水として利用できるのは、なにかあったときに備えられます。追い焚きやいろいろな機能を使ってお風呂に入りたいという方におすすめです。

以上のことから、給湯専用の給湯器を探しているなら灯油ボイラー、フルオートタイプを探しているならエコキュートがおすすめの給湯器になります。

灯油ボイラーからエコキュートに交換できるの?

灯油ボイラーからエコキュートに交換できるの

結論から申し上げますと、灯油ボイラーからエコキュートに交換することは可能です。ただし、設置工事が必要になります。灯油ボイラーからエコキュートへの設置工事は次になります。

  • 既存設備の撤去
  • 基礎工事
  • エコキュート本体据付工事
  • 配管工事
  • 電気工事
  • リモコン設置工事

これまで使用していた灯油ボイラーやタンクを処分し、基礎工事を行います。エコキュートは貯湯タンク内部にお湯を貯めるため、土台が不安定なら現場打ちかエコベースのどちらかを行います。

基礎工事が終わればエコキュートの本体取付、配管工事、電気工事、リモコン設置工事と続きます。リモコン設置工事で終了ですが、現場によっては次のようなトラブルが発生します。

  • エコキュートと浴槽が遠い
  • 地盤が緩い
  • 幹線張替え・分電盤の交換
  • 寒い地方

これらのトラブルの対策として追加工事が行われます。注意点としては、追加工事は設置工事に含まれないため、追加費用を請求されて、工事費用が高額になる恐れがあります。

レンタルのエコキュートってあるの?

エコキュートのレンタルサービスはあります。正規品をレンタルでき、契約期間中に故障すると無料で修理してもらえるなどの特典があります。しかし、エコキュートをレンタルすると、購入した時よりも支払う金額が増える可能性があります。

たとえば、関西電力の「かんでんeリース」でエコキュートをレンタルすると、月額料金は最低6,160円です。契約期間は10年間のため、レンタル料金は最低739,200円となり、フルオートタイプの本体価格・設置費用の相場を上回ります。

レンタルの契約期間は終了するまで解約や機種変更ができず、解約しようとすると解約手数料を請求されます。

まとめ

以上が、灯油ボイラーとエコキュートの違いになります。本体価格・設置費用などを比べると、給湯専用を購入するなら灯油ボイラー、フルオートタイプを購入するならエコキュートがお得といえます。

また、エコキュートは断水時でもお湯を生活用水として使用できる、灯油ボイラーと違い給油の手間が無いといったメリットがあり、灯油ボイラーからエコキュートに交換する方は年々増加しています。

エコ突撃隊ではエコキュートを始めとした各種給湯器の販売から設置まで対応しており、業界最安値に挑戦しております。安心の長期保証とまごころを込めたサービスで多くのお客様に満足して頂いており、これまでに25,000件以上の工事を行っております。

万が一、当店よりも他店が安い場合は、他店のお見積りをご提示いただければ対応いたします。灯油ボイラーかエコキュートのどちらを設置するのかで迷っているのでしたら、ぜひご相談ください。

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