オール電化

2024/03/12

ガス給湯器の寿命は?寿命を伸ばすためのメンテナンスや壊れてしまった場合の対処法などを解説

ガス給湯器の寿命は？寿命を伸ばすためのメンテナンスや壊れてしまった場合の対処法などを解説

ガス給湯器を使い続けていると寿命を迎えて故障する可能性が高くなります。急に故障してしまうと、交換するまでお湯が使えない不便な生活となってしまうため、寿命を伸ばすメンテナンスや壊れてしまった場合の対処法などを知っておくと良いでしょう。

そこで今回は、ガス給湯器の寿命について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

ガス給湯器の寿命は?

ガス給湯器の寿命は使い方や機種によって多少異なりますが、約10年と言われています。

10年と言われている根拠の一つが設計標準使用期間です。

設計標準使用期間とは、標準的な使用環境、使用条件、使用頻度で使用した場合に問題が発生する可能性が著しく少ない期間になります。

ガス給湯器の10年は、メーカーが加速試験や耐久試験などの科学的見地から算定された数値に基づいて出しているため、説得力のある数字です。

ガス給湯器は10年を目途に部品が少なくなる

ガス給湯器の寿命は10年と言われていますが、10年が経過したら途端に故障したり、動かなくなったりするわけではありません。家庭によっては同じ給湯器を10年以上使用しているケースもあります。

しかし、メーカーはガス給湯器の設計標準使用期間を10年と定めており、販売開始から10年が経過した機器の保守部品の製造や保管を徐々にやめる傾向があります。

保守部品が無くなってしまうと、ガス給湯器が故障しても修理ができません。

つまり、ガス給湯器は10年を目安に故障する確率が高くなり、故障したとしても修理できない可能性も高くなると覚えておきましょう。

寿命を伸ばすためのメンテナンス

ガス給湯器の寿命は10年と言われていますが、何もせずに放置していると寿命は短くなってしまいます。

ガス給湯器の寿命を伸ばすために次のようなメンテナンスを1カ月に1度のペースで行いましょう。

外装を目視で確認する
機器本体を拭く
ストレーナーの掃除
浴槽の循環金具の掃除
追い焚き配管の掃除

上記を順番に解説します。

外装を目視で確認する

最初に外装や周囲を目視で確認し、トラブルが起きていないか見てみましょう。

外装や周囲を目視で確認する際は次のポイントをチェックします。

排気口にススが付いていないか
機器外装に焼けた跡が付いていないか
機器外装に穴開きがあるか
運転中の機器か異音が聞こえないか
機器本体や配管から水漏れが起きていないか
機器や排気口の周りに物が落ちていないか確認する
排気口や給気口がホコリで塞がっていないか

機器の外装に焼け焦げたような跡や変色、サビ、穴あきなどの異変が起きている場合は、ガス給湯器本体で不具合が起きている可能性が高いため、すぐにメーカーや販売業者に相談しましょう。

また、稼働している機器から異音が聞こえたり、配管から水漏れが起きていたりする場合も同様の対処が必要です。

ほかにも、排気口や給気口がホコリやゴミで詰まっているなら、不完全燃焼が起きてしまうため、掃除して取り除きましょう。

機器本体を拭く

目視でのチェックが終わったら、ガス給湯器の外側のカバーを水拭きしてから、乾拭きを行って汚れを取りましょう。汚れが酷い場合は、台所用中性洗剤を使うと良いです。

機器本体を拭くときに、排気口や給気口の掃除をしておくと、手間が省けます。

ストレーナーの掃除

ストレーナーとはガス給湯器に付いている水抜き栓のフィルターで、ゴミが溜まってしまうとお湯の出が悪くなり、お湯にならないなどのトラブルが起きやすくなります。

そのため、ガス給湯器のメンテナンスでは1番大事な作業ですが、掃除の際に水やお湯が漏れてくる可能性があるため注意しましょう。

ストレーナーの掃除の手順は以下のとおりです。

給湯元栓を閉めて、すべての給湯栓を開ける
水抜き栓を回して取り外す
配管と繋がっているバンドも外す
取り外した水抜き栓のフィルター部分(ストレーナー)を歯ブラシで水洗いして汚れを取り除く
水抜き栓を元どおりに取りつける
すべての給湯栓を閉めて、給湯元栓を開ける

実際の手順はメーカーや機種によって多少異なるため、行う前に取扱説明書を読んでおくと良いです。また、水抜き栓には細かい部品が多く使われており、清掃中に部品を無くさないように注意しましょう。

浴槽の循環金具の掃除

浴槽側の循環金具が詰まっていると、追い焚きが正常に稼働しません。追い焚きが正常に稼働しないとガス給湯器に余計な負担をかける恐れがあるため、定期的に清掃する必要があります。

金具表面の汚れを水で濡らした布で拭き取り、フィルターを取り外して付着したゴミをブラシで掃除しましょう。

追い焚き配管の掃除

追い焚き配管も使用しているとゴミや汚れが蓄積されて詰まる原因となるため、定期的な掃除が必要です。

なお、メーカーや機種によって追い焚き配管の構造は次の2種類に分けられており、掃除の手順は異なります

	概要	掃除の手順
強制循環タイプ	1つ穴タイプ浴槽の中に1つだけ配管に繋がる穴があり、内部で二股に分かれている	1.給水口の5cmほど上あたりまで水を溜める 2.溜めた水に洗剤や過炭酸ナトリウムを投入する 3.40度～50度の設定で追い焚きする 4.1時間ほど放置する 5.5分程追い焚きをする 6.排水して同じ量のお湯を溜める 7.再び5分程追い焚きをする 8.排水をする
自然循環タイプ	2つ穴タイプ浴槽の中に配管に繋がる穴が2つあり、別々の配管を通ってお湯が温まる	1.下の穴にタオルを詰めて塞ぐ 2.上の穴に洗剤か過炭酸ナトリウムを入れる 3.洗剤を流し込むようにお湯を注ぐ 4.2時間ほど放置する 5.下の穴に詰めたタオルを外す 6.ホースかシャワーでお湯を出しながら穴の内部を洗う

最近のガス給湯器は強制循環タイプが主流ですが、家庭によっては自然循環タイプを使用している場合もあります。追い焚き配管の清掃をする際も、取扱説明書を確認しましょう。

壊れてしまった場合の対処法

ガス給湯器が寿命を迎えた、あるいは故障して壊れてしまった場合の対処法は以下のとおりです。

メーカーや施工業者に修理を依頼する
新しい給湯器に買い替える

上記を順番に解説します。

メーカーや施工業者に修理を依頼する

ガス給湯器を購入してから10年以内の故障ならメーカーや施工業者に修理を依頼すれば直る可能性があります。

ガス給湯器にはメーカー保証が付いており、無償保証なら最長3年～5年、有償保証なら最長10年まで延長でき、期間内に発生した故障の修理費用が無料です。

ガス給湯器を購入した施工業者によっては商品保証が付いており、メーカー保証と同等の修理を受けられる可能性もあります。

ガス給湯器を購入してから10年以内の故障なら、まずはメーカーや施工業者に相談してみましょう。

新しい給湯器に買い替える

購入してから10年以上が経過している故障の場合や、メーカー保証期間内でも繰り返し故障している場合は、新しい給湯器への買い替えを検討してみると良いです。

10年以上経過したガス給湯器は故障する確率が高くなり、メーカーが保守部品を保有しなくなるため、修理できない可能性も高くなります。また、メーカー保証が切れているため、修理費用はご自身で負担しなければなりません。

つまり、10年以上使用しているガス給湯器は修理に成功しても、再び故障する可能性は十分に考えられ、修理費という余分なコストが発生します。

一方で、メーカー保証期間内でも繰り返し故障するガス給湯器は、使用環境や使用頻度が合っておらず、メーカーが想定している以上の速さで劣化している可能性が高いです。

メーカー保証期間内の修理費用は無料になりますが、修理しながら使い続けるよりも、使用環境や使用頻度が合っている給湯器に買い替えたほうが良いでしょう。

以上の理由から、10年以上使用しているガス給湯器が故障した場合や、頻繁に故障を繰り返す場合は給湯器の買い替えをおすすめします。

ガス給湯器から買い替えるならエコキュート

寿命を迎えたガス給湯器から新しい給湯器に買い替えるなら、エコキュートがおすすめです。

エコキュートとは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす貯湯式給湯器になります。エアコンの室外機に似たヒートポンプシステムと、背丈よりも大きい貯湯タンクユニット、湯温や湯量などをコントロールするリモコンユニットで構成されています。

ガス給湯器からエコキュートに買い換える最大のメリットは、お湯を沸かすためのランニングコストを大幅に節約できることです。次の表は、同じ湯量を沸かした場合の年間ランニングコストをまとめたものになります。

	ガス給湯器	エコキュート
北海道電力エリア	約104,400円	約54,000円
東北電力エリア	約98,400円	約48,000円
北陸電力エリア	約112,800円	約42,000円
東京電力エナジーパートナーエリア	約73,200円	約37,200円
中部電力エリア	約81,600円	約25,200円
関西電力エリア	約75,600円	約20,400円
中国電力エリア	約108,000円	約43,200円
四国電力エリア	約93,600円	約44,400円
九州電力エリア	約102,000円	約20,400円
沖縄電力エリア	約62,400円	約27,600円