太陽光発電
2024/10/08
太陽光発電システムの寿命がきたらどうするべき?やるべきことや費用などをわかりやすく解説
太陽光発電システムは寿命が長い機器として知られていますが、使い続けていればいずれは寿命を迎えます。そのため、太陽光発電システムを導入している方は、寿命を迎えたときにやるべきことや費用などを知っておきましょう。そこで今回は、太陽光発電システムの寿命について解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
太陽光発電システムの寿命とは?
太陽光発電システムの寿命とは、完全に発電ができなくなることではなく、想定以上に発電量が低下している状態を指します。
製品にもよりますが、寿命を迎えると太陽光発電システムの発電量が初期に比べて10%~20%程度出力が落ちる可能性が高いです。
ソーラーパネルやパワーコンディショナーは、経年劣化により徐々に効率が下がるため、長期間使用することで発電量が減少するのは避けられません。
しかし、定期的に点検を行っていれば、発電量が減少していると早期に気づくことができ、交換や修理などの対応が可能です。
太陽光発電システムを一定期間利用しているなら、発電量が10%~20%以上低下しているかどうか確認しましょう。
太陽光発電システムの寿命は?
太陽光発電システムの寿命は次の3種類があります。
- ソーラーパネルの寿命
- パワーコンディショナーの寿命
- その他の部品の寿命
上記を順番に解説します。
ソーラーパネルの寿命
ソーラーパネルとは、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。主に太陽電池(ソーラーセル)で構成されており、複数のセルがパネルに組み込まれています。
メーカーが公称している耐久年数は25年~30年です。
あくまでもメーカーの公称であって、実際の寿命を保証するものではありません。
しかし、ソーラーパネルは可動部分が少ないため、太陽光発電システムを構成する機器のなかでは長持ちすると考えられています。
実際、1992年に設置された桑野太陽発電所は継続的なメンテナンスを行うことで、30年以上稼働したという実績があります。
以上のことから、ソーラーパネルの寿命は20年以上あると考えるのが一般的です。
パワーコンディショナーの寿命
パワーコンディショナーとは、ソーラーパネルが発電した直流電力を家庭や企業で利用できる交流電力に変換するための装置です。
パワコン、あるいはインバーターとも呼ばれており、太陽光発電システムの重要な部分を担っています。
パワーコンディショナーの耐用年数は一般的に10年~15年と言われており、メーカーの無償保証期間も10年~15年が多いです。
ソーラーパネルが20年以上稼働するのに対して、パワーコンディショナーの寿命は15年程度なので、太陽光発電システムを設置した場合、どこかで最低1回はパワコンを交換する必要があると覚えておきましょう。
その他の機器の寿命
太陽光発電システムでは、ソーラーパネルやパワーコンディショナー以外に次のような機器が必要です。
役割 | 寿命 | |
---|---|---|
架台 | ソーラーパネルを屋根や地面に固定し、適切な角度で太陽光を受けるようにする | 20年以上 |
配線・ケーブル | ソーラーパネル、パワーコンディショナーなどと接続し、電力を送る | 20年以上 |
接続箱(コンバイナーボックス) | 複数のソーラーパネルからの電力を集め、1つの回路にまとめてパワーコンディショナーに送る | 10年~15年 |
電力量計 | 発電された電力量を計測し、電力会社との精算や系統連系を管理する | 10年~15年 |
ブレーカー | システムに異常が発生した際に電力を遮断し、システムの保護や安全を確保する | 10年~15年 |
架台や配線・ケーブルなどはシンプルな構造で、稼働する機会も少ないため、ソーラーパネルと同様に寿命が長いです。
一方、接続箱や電力量計、ブレーカーは複雑な構造のためか、パワーコンディショナーと寿命が同程度と考えられ、パワコンを交換する際に一緒に交換することを提案されるケースは少なくありません。
太陽光発電システムの寿命がきたときにやるべきこと
太陽光発電システムの寿命がきたときにやるべきことは以下のとおりです。
- システム全体の点検
- パワーコンディショナーやインバーターの交換
- ソーラーパネルの交換
- 廃棄物の適切な処理
上記を順番に解説します。
システム全体の点検
太陽光発電システムを設置してから10年~15年が経過したときと、20年以上経過したときは、寿命を迎えている可能性があるのでシステム全体の点検を行ってみましょう。
一般的に、システムが設置された当初と比べて、発電量が10%~20%程度低下した状態が寿命の目安です。
発電量が低下していなければ、まだ寿命がきていないと判断でき、太陽光発電システムを使い続けても問題ありません。
しかし、発電量が低下していると、寿命を迎えつつある可能性が高いと判断できます。
また、寿命を迎えつつある機器は発電量の低下以外に、経年劣化でケーブルがむき出しになる、架台のパーツが取れかかっているなどのトラブルが起きている可能性を否定できません。
劣化した部品や機器が原因で発生する火災や電気トラブルなどを未然に防ぐためにも、全体的な点検は定期的に行いましょう。
パワーコンディショナーやインバーターの交換
パワーコンディショナーやインバーターは10年~15年で寿命を迎えるとされています。
直流電力を家庭や企業で使用できる交流電力に変換する重要な役割を果たしますが、長期間使用すると内部部品が劣化し、変換効率が低下する可能性が高いです。
システム全体の発電量が減少すると自家消費が上手くいかず電気料金が高くなり、誤作動が発生する恐れもあるので、寿命を迎えたら交換しましょう。
交換時に最新のモデルを選べば、変換効率の向上を期待でき、最新の安全機能を利用可能です。
太陽光発電システムを設置してから10年~15年経過したら、パワーコンディショナーやインバーターの交換を考えてみましょう。
ソーラーパネルの交換
ソーラーパネルの寿命は一般的に20年~30年程度です。
寿命が近づくと発電効率が徐々に低下するため、ご自宅で利用できる電力量に悪影響を及ぼします。
設置している太陽光発電システムの発電容量や運用、価格によっては20年目の時点で初期費用を回収できている可能性もあるので、寿命を迎えたらソーラーパネルの交換を検討してみましょう。
太陽光発電システムに関する技術は年々上昇傾向にあり、20年~30年後には現在の製品よりも発電効率が良く、屋根の形状に合わせやすいタイプが販売されている可能性は高いです。
そのため、寿命を迎えて発電効率が低下したソーラーパネルを使い続けるよりも、高性能なモデルに買い換えたほうが長期的なコスト削減や、エネルギー効率の向上が期待できます。
廃棄物の適切な処理
ソーラーパネルやパワーコンディショナーを交換する場合、古い機器は適切に廃棄処理する必要があります。
特に、ソーラーパネルは、シリコンやガラス、金属などのリサイクル可能な部品と、鉛やカドミウム、セレンなどの有害物質を含んでいるため、産業廃棄物扱いで処分しなければなりません。
自治体の家庭ごみとして廃棄することはできないので、買い替える際の施工業者や、専門に行っている解体業者に廃棄を依頼しましょう。
なお、FIT制度を利用していた太陽光発電システムを廃棄する場合は、廃止届を出す必要があります。
設置時に施工業者が届出を出している場合は代行した業者に相談し、ご自身で手続きを行った場合はJPEA代行申請センターのHPから廃止届マニュアルを確認しましょう。
太陽光発電システムの撤去にかかる費用
太陽光発電システムの撤去にかかる費用は事業者によって異なります。
2022年に資源エネルギー庁が公表した「太陽光発電設備の廃棄等について」によれば、解体工事の内容にもよりますが廃棄費用の試算は発電容量1kWあたり0.59万円~1.37万円です。
仮に、発電容量5kWの太陽光発電システムを廃棄する場合、上記の試算に則れば約3万円~約6.5万円で済む計算になります。
しかし、上記の試算は中央値で、調査結果には1kWあたり28.51万円請求された結果も報告されています。
実際、太陽光発電システムの撤去にかかる費用の相場は、5kWの太陽光発電システムで10万円~16万円程度です。
業者によっては安く済む場合もありますが、太陽光発電システムの撤去にかかる費用の相場は10万円~16万円程度と覚えておきましょう。
寿命を迎える前に太陽光発電システムが壊れた場合
太陽光発電システムの寿命は、パワーコンディショナーが10年~15年、ソーラーパネルが20年以上となります。
しかし、次のようなケースで寿命を迎える前に太陽光発電システムが壊れてしまう可能性はあります。
- 落下物によるパネルの破損
- 台風や地震によるパネルの落下
- 動物によって配線が齧られる
- 落雷による機器の故障
上記のようなケースで太陽光発電システムが壊れた場合は、まずはメーカー保証を活用しましょう。
メーカーによって多少異なりますが、パワーコンディショナーなら10年~15年、ソーラーパネルなら10年~20年の無償保証が付いている可能性が高いです。
メーカー保証期間内なら故障しても無償で修理してもらえる可能性が高いので、メーカーに相談してみましょう。
メーカー保証期間が過ぎている場合は、ご自身で加入している保険を確認すると良いです。
例えば、火災保険や地震保険の内容によっては太陽光発電システムの故障に対応できるケースがあります。
また、各保険会社は太陽光発電システムに対応した保険を販売しているので、トラブルに備えて加入しておくこともおすすめです。
まとめ
以上が、太陽光発電システムの寿命に関する解説になります。ソーラーパネルは20年以上、パワーコンディショナーは10年~15年が寿命といわれています。
太陽光発電システムを導入してから10年~15年と、20年以上が経過したタイミングで、発電量を確認し、場合によっては全体的な点検を依頼して、買い替えるかどうかを検討してみましょう。
なお、太陽光発電システムを使い続けると、パワーコンディショナーを最低1回は買い替えることがあります。
パワーコンディショナーを買い替えたあとに、寿命を迎えたソーラーパネルを撤去してしまうと、パワコンの残り年数が無駄になるので、新しいソーラーパネルの導入を検討すると良いでしょう。
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