蓄電池
2023/08/25
太陽光発電のパワーコンディショナーが故障した!?
太陽光発電等で得られる電力を家庭で使えるようにする大切な役割を果たすパワーコンディショナ(パワコン)の故障等での入れ替え費用や、売電価格の低下にお悩みなら、ハイブリッド蓄電池の導入を検討してみましょう。
ハイブリッド蓄電池は、従来の独立した蓄電池とパワーコンディショナが統合されたシステムであり、太陽光発電パネルの所有者が通常抱える問題を一度に解決する役割を果たすものです。
ここではハイブリッド蓄電池のメリット・デメリット、パワコンの修理・入れ替え費用について解説しています。
まずは、太陽光発電システムを導入してから約10年が経過するとどんなお悩みが出てくるのか確認しましょう。
太陽光発電システムを導入してから10年経過すると、生じてくる悩みとは?
太陽光発電パネルを導入してから10年が経過すると、パワーコンディショナ(パワコン)の寿命が近づいてくることや、売電価格が低下することといった悩みが一般的です。
パワコンが壊れると、修理や交換にお金がかかりますし、売電価格が下がることで、自己消費率を高めるための設備やシステムの導入の検討も必要になります。
パワーコンディショナの寿命が迫る
太陽光発電パネルの導入から10年くらいたつと、パワコンの寿命がやってきます。
太陽光発電産業の業界団体「JPEA」によるとパワコンの寿命は10〜15年。現在は問題なく稼働していても寿命が迫るにつれて、直流から交流への変換効率が悪くなる、故障が頻発するなどのリスクが高まります。
そして、痛い出費になるのがパワコンの修理・入れ替え費用です。まずは、修理価格を見てみましょう。
パワコンの修理の相場はどれくらい?
パワコンの修理費用の相場は1万〜30万円です。修理費用が安くすむのは軽微な故障で、細かなパーツ交換で直ってしまうケースです。大がかりな故障は修理費用が高くなるだけでなく、交換パーツがないことを理由に修理を断られるケースもありえます。
故障時にパワコン本体などに表示されるエラーコードを業者に伝えることで、修理費用の目安がわかるかもしれません。高額な費用を伝えられたなら、新しいパワコンへの入れ替えを検討してください。
パワコンを新しくする相場はどれくらい?
パワコンを新しくするのにかかる費用は30〜60万円くらい。内訳はパワコン本体が20〜50万円、工事代金が10万円〜となります。
パワコン本体の価格に幅があるのは容量によって差があるからで、高容量のパワコンほど高価になります。パワコンが現在、高出力の太陽光発電パネルに接続されているなら、高額な買い替え費用を覚悟してください。工事代金は接続変更があるなど、難易度に応じて上がります。
大幅に下がる売電価格
発電した電気の固定価格での買取が終わるのは、太陽光発電パネルの導入から丸10年です。
契約している電力会社によって変わりますが、今まで30円代/kWhと高めに設定されていた売電価格が、10〜16円くらいまで下がってしまいます。太陽光発電のメリットの1つ、売電収益が失われてしまうのは大きな痛手でしょう。
ならば、太陽光発電のもう1つのメリットである、電気代削減に力を入れようと考えている方も多いはず。「卒FIT」「脱FIT」という言葉も一般的になりました。
変わるFIT制度
あわせて、太陽光発電パネルのオーナーさんを悩ませているのが、2020年に定められた「地域活用要件」です。
これは、出力が10〜50kW未満の太陽光発電パネルで売電するには、発電した電気の30%以上を自家消費しなければならないというものです。新たにFITを申請するには、自家消費計画の提出が義務付けられ、売電料もチェックされるようになりました。
売電収益を見込んで太陽光発電パネルを設置している方は、方向転換を迫られているのです。
パワコンの買い替えと電力自己消費へのシフトならハイブリッド蓄電池がおすすめ
パワコンの寿命が迫ることと売電価格が低下することは、太陽光発電ならではの悩みです。
導入後10年くらいで多くのオーナーが悩みに直面し、新しいパワコンの購入や、卒FIT・脱FITとして家庭用蓄電池の購入を検討し始めます。
しかし、その前に知っておきたいのはハイブリッド蓄電池の存在です。ハイブリッド蓄電池なら、導入後10年くらいの太陽光発電システムが抱える2つの悩みを、一度に解決してくれるでしょう。
ハイブリッド蓄電池とは?
ハイブリッド蓄電池は、卒FIT・脱FITに欠かせない、従来からある単機能蓄電池と、太陽光発電に欠かせないパワコンを1台で兼用してくれる機器です。
蓄電池の導入や、新しいパワコンの購入を検討している方にピッタリのものといえるのですが、くわしいハイブリッド蓄電池の説明に入る前に、まずは、単機能蓄電池のメリットについておさらいしておきましょう。
おさらいしよう!蓄電池のメリット
単機能蓄電池のメリットは、電気代が安くなることと停電時にも安心できることの2点です。中でも導入後すぐにメリットを感じられるのが前者です。売電価格の低下という、太陽光発電10年目の悩みを解決してくれるものといえます。
電気代が安くなる
売電の魅力が下がる一方で、蓄電池に貯めた電力の魅力が増しています。太陽光パネルで発電できない早朝や夜間に蓄電池の電力を使えば、電気代を抑えることができるからです。
蓄電池がない場合、太陽光パネルで作った電気はすぐ使用するか、電力会社に売るかの2択ですが、蓄電池の導入で、貯めておくという選択肢が生まれます。昼間はパネルで作った電気を使い、発電できない時間帯は蓄電池の電気を使うことで電気代が安くなるので、薄れたFITの旨味を補うことができるのです。
停電時にも安心
家庭用蓄電池の導入で、災害時に発生しがちな停電も安心です。災害時に停電が復旧するのにかかるのは数日間、安心して過ごせる・過ごせないの差は大きなものとなるでしょう。
一方で、忘れてはならないのが、停電時に蓄電池の電気を使えるようにする自立運転モードへの切り替えです。自動と手動の2種類があり、後者を選んだ結果、切り替え方がわからず停電時に使えないことも起こりえます。蓄電池の導入には、緊急時のことも考えておきましょう。
ハイブリッド蓄電池のメリット
太陽光発電パネルのみ導入している方は、上のメリットを見て、すぐに家庭用蓄電池を購入したくなったかもしれません。
しかし、ハイブリッド蓄電池は、単機能蓄電池よりもさらに大きなメリットを持っています。
電力ロスが少ない
太陽光発電パネルに単機能蓄電池を後付けした場合とくらべて、電力のロスが少なくなるのがハイブリッド蓄電池です。
太陽光発電パネルに蓄電池を後付けするには、今あるパワコンとは別にもう1台設置する必要があります。太陽光発電用と蓄電池用、合計2台のパワコンが必要になりますが、パワコンを通るたびに生じるのが電力ロスです。
単機能蓄電池を後付けした場合、パネルで作られた電気が蓄電池に貯められるまでに2回、蓄電池の電力を使うのに1回パワコンを通過して、合計3回のロスが起こるのです。
一方でハイブリッド蓄電池の場合、使われているパワコンは1台だけです。パネルで作られた電気をそのまま蓄電池に貯めることができ、使用時に1回パワコンを通過するだけなので、起こるロスは計算上3分の1になります。
太陽光発電パネルで作った電気を、効率良く使うことができるのがハイブリッド蓄電池なのです。
停電時でも多くの家電を使える
ハイブリッド蓄電池に搭載のパワコンは、停電時でも出力に余裕があります。多くの家電を使ったり、蓄電池を充電したりできるでしょう。
停電時にハイブリッド蓄電池のパワコンは、4.0〜6.0kWhを出力できます。一方で、従来のパワコンが出力できるのは1.5kWhでしかありません。
従来型パワコンが出力する1.5kWhのうち、たとえば1kWhを使い続けていると、蓄電池を充電する余裕はほとんどありません。夜間に蓄電池の電力を使いたいのに、充電されていないということが起こりえるのです。
ところがハイブリッド蓄電池なら、1kWhを使い続ける一方で、3.0〜5.0kWhを充電に回すこともできます。ハイブリッド蓄電池なら、緊急時でもより安心できるといえるでしょう。
スペースを有効活用できる
太陽光発電パネルに蓄電池を後付けした場合とくらべると、省スペースなのがハイブリッド蓄電池です。出力によって変わりますが、家庭用エアコンほどの大きさがあるパワコンを追加する必要がないのがその理由です。
蓄電池を追加で設置してスペースに余裕がないところに、さらにパワコンを追加設置するよりも、ハイブリッド蓄電池なら1台ですんでしまいます。
屋内などスペースに余裕がない場所に設置を検討しているケースで朗報といえるでしょう。
ハイブリッド蓄電池のデメリット
魅力的なメリットがある一方で、デメリットもあるのがハイブリッド蓄電池です。とはいえ、デメリットの1つは、パワコンを10年近く使い続けてきた方にとっては、まったく気にならないはずです。
パワコンが無駄になるかも?
ハイブリッド蓄電池の導入で、太陽光発電パネル用のパワコンが不要になります。導入して間もないなら、ハイブリッドではなく単機能蓄電池を選ぶべきかもしれません。
一方で、ハイブリッド蓄電池の導入がおすすめなのは、導入してから10年近く過ぎたパワコンを使っているケースです。近々メーカー保証も切れるので、故障時には高額な費用を負担する可能性があるからです。
メーカー保証が切れるかもしれないパワコンを使い続けるくらいなら、新しいハイブリッド蓄電池を導入してしまいましょう。蓄電池のメリットが得られることに加え、パワコンが故障する不安からも開放されます。
単機能蓄電池と比較して価格が割高
ハイブリッド蓄電池の価格は従来の蓄電池と比較すると割高です。単機能蓄電池は70万円から購入できるのに対して、ハイブリッド蓄電池は100万円から、搭載されているパワコンが高機能なので、価格がその分高くなると考えましょう。
あわせて、ハイブリッド蓄電池は容量が少なめです。単機能蓄電池の主力は10kWhくらいに対して、ハイブリッド型は5kWhくらい。kWhあたりの価格で比較しても、ハイブリッド蓄電池は割高になるのもデメリットといえます。
購入するメーカー・機種が限られるかも?
太陽光発電パネルのメーカーとハイブリッド蓄電池のメーカーは、同一のものを選ぶのが一般的です。たとえば、シャープの太陽光パネルとパナソニックのハイブリッド蓄電池は、組み合わせることができないと考えて下さい。太陽光パネルの発電方法や蓄電池への接続方法が、メーカーごとに異なることが原因です。
したがって、希望しているメーカーや機種のハイブリッド蓄電池が購入できないことも起こりえます。容量や機能上、納得できないものを購入することになるかもしれません。
まとめ
パワコンの導入から10年ほど経過する方や、売電価格の低下で単機能蓄電池の導入を考えている方におすすめしたいのは、パワコンと蓄電池が一体になったハイブリッド蓄電池の購入です。
ハイブリッド蓄電池のメリットは、単機能とくらべて電力ロスが少なく、停電時でも多くの家電を使えるところです。
現在のパワコンが使えなくなるデメリットはありますが、10年近く使ったなら入れ替えのタイミングです。市区町村が用意している補助金・助成金の利用も含めて、ハイブリッド蓄電池の導入を検討してみましょう。
エコ突撃隊では、太陽光発電システム、蓄電池、エコキュートといった、暮らしを豊かにする住宅設備を取り扱っています。
太陽光発電システムに組み合わせる蓄電池にお悩みの方は、是非お問い合わせ下さい。
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