太陽光発電
2024/09/19
オール電化住宅に太陽光発電システムはいらない?ある場合とない場合を解説する
新築やリフォームでオール電化住宅を目指す場合、太陽光発電システムの導入で迷っている方がいるかもしれません。 太陽光発電システムはメリットとデメリットがあるため、設置で迷っている方は知っておくと良いでしょう。そこで今回は、オール電化住宅に太陽光発電システムは必要なのか解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
オール電化住宅とは?
オール電化住宅とは、家全体のエネルギー源を電気に統一した住宅です。
例えば、給湯をガス給湯器からエコキュートへ、調理をガスコンロからIHクッキングヒーターへ、暖房を灯油ストーブからエアコンと、電気で動く住宅機器に統一して、電力会社のみと契約を結びます。
住宅のエネルギーとしてガスや灯油を使用しないため、火災のリスクが低く、ガス会社と契約する必要がないため、管理がシンプルになるなどのメリットが得られるでしょう。
また、深夜の安価な電気料金を活用できるので、特定の時間帯に電力を集中して使用することで、家計の節約も期待できます。
次の表は、エコキュートとガス給湯器の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | |
---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 |
実際のランニングコストはお湯の消費量や給湯器の性能によって異なりますが、ガス給湯器よりもエコキュートのほうが省エネ性能は高く、給湯にかかるコストの削減を期待できます。
他にも、エネルギーの一元管理により生活の効率化が図れて、将来的にはスマートホーム化への適応もしやすいです。
エコ意識の高まりや、家事の安全性向上を目的として、オール電化住宅の需要が年々高まっています。
太陽光発電システムとは?
太陽光発電システムは、屋根に設置されたソーラーパネルで太陽光を電力に変換し、家庭で使用する電気を賄う住宅機器です。
太陽光エネルギーを使って昼間の電力を自家発電するため、電力会社から購入する電力量を減らすことができ、電気代の節約が期待できます。
また、発電した電力を家庭内で使用するだけでなく、余剰分を売電することで収入を得ることも可能です。
蓄電池を併用することで、太陽が出ていない夜間や停電時にも電力を確保することができ、災害対策としても役立ちます。
ただし、システムの設置には高額な初期投資が必要であり、ソーラーパネルの設置場所や向き、周fの建物や木々など、日照条件によって発電効率が大きく変わるため、導入にはある程度の専門的な知識が必要です。
オール電化住宅に太陽光発電システムがある場合のメリット
オール電化住宅に太陽光発電システムがある場合のメリットは以下のとおりです。
- 電気料金の削減
- 環境保護への貢献
- 災害時の電力供給
上記を順番に解説します。
電気料金の削減
オール電化住宅に太陽光発電システムを導入すると、昼間の電力を自家発電で賄うことができ、電力会社からの購入電力が減少します。
資料によって異なりますが、オール電化住宅の電気料金は4人暮らし以上で平均2万円程度です。
年間にすれば24万円ですが、太陽光発電で年間の買電量を半分程度に減らすことができれば、12万円程度で済みます。
また、太陽光発電システムは余剰電力を電力会社に売電できるので、電気料金の節約に加えて、売電収入を得ることが可能です。
売電価格はFIT制度によって10年間は固定されており、2024年度に設置した住宅用太陽光発電システムで発電した電力は1kWhあたり16円で売却できます。
設置してから10年間は高い金額で売却できるため、光熱費の削減を行いたい方はオール電化住宅に太陽光発電システムの導入を検討しましょう。
環境保護への貢献
太陽光発電システムはクリーンエネルギーの一種であり、CO₂排出量を大幅に削減することができます。
再生可能エネルギーの利用が促進される現代において、環境に配慮した住宅づくりは社会的にも評価されており、補助金の対象になる可能性が高いです。
補助金の条件は制度によって異なりますが、太陽光発電システムの設置で補助金を貰えるケースがあるのでチェックしてみましょう。
災害時の電力供給
オール電化住宅は電力のみを必要とする住宅のため、台風や地震などの災害で停電が発生すると、大半の住宅機器が稼働できません。
太陽光発電システムがあれば、停電時でも電力が使えるため、普段通りに近い生活を過ごせます。
ライフラインの中で、停電は復旧が速い傾向はありますが、災害の場所や被害の程度によっては数日以上かかることもあるので、防災目的での設置を検討しましょう。
また、蓄電池を一緒に導入すれば、太陽光発電システムで発電できない夕方から翌朝までの時間帯をカバーできます。防災目的で太陽光発電システムを導入する場合は、一緒に蓄電池も導入すると良いです。
オール電化住宅に太陽光発電システムがある場合のデメリット
オール電化住宅に太陽光発電システムがある場合のデメリットは以下のとおりです。
- 初期費用が高額
- メンテナンスが必要
- 想定通りの結果が得られるとは限らない
上記を順番に解説します。
初期費用が高額
太陽光発電システムはコストの削減を期待できますが、初期費用が高額な傾向が見られます。
資源エネルギー庁の「太陽光発電について 2023年12月」によれば、新築住宅向け太陽光発電システムの設置費用の相場は1kWあたり約288,000円です。
技術の進化や太陽光発電システムの需要増加で太陽光パネルの価格は下がっていますが、人件費と燃料費の高騰や半導体不足などの影響を受けているため、現在でも高い価格を維持しています。
販売会社や選択する商品によって実際の初期費用は異なりますが、一般的な出力量5kWの太陽光発電システムを設置するのに、計算上では140万円以上の初期費用がかかります。
太陽光発電システムは初期費用が高額なので、導入する際は補助金が使えないかチェックしましょう。
メンテナンスが必要
太陽光発電システムは20年~30年以上利用できる住宅機器ですが、定期的なメンテナンスが必要です。
資源エネルギー庁が発表した「太陽光発電について 2023年12月」によると、メンテナンス費用として1kWあたり年間約5,800円かかる計算です。
10年間利用していれば約5.8万円、20年間利用していれば約11.6万円の維持費用がかかります。
太陽光発電システムの設置によって電気料金の節約効果を得られますが、メンテナンスの手間とコストが発生することを覚えておきましょう。
想定通りの結果が得られるとは限らない
太陽光発電システムは曇りや雨、雪の日では発電できません。
また、屋根の向きや角度、周囲の遮蔽物(木や建物)などにより、発電効率が左右されます。
最適な日照条件が確保できない場合、期待通りの発電量を得ることができない可能性にも注意しましょう。
オール電化住宅に太陽光発電システムがない場合のメリット
オール電化住宅に太陽光発電システムがない場合のメリットは以下のとおりです。
- 初期費用を節約できる
- メンテナンスが不要
- 新築住宅の設計の制限が少ない
上記を順番に解説します。
初期費用を節約できる
販売会社や商品によって異なりますが、一定の出力を持つ太陽光発電システムの初期費用は100万円以上かかります。
また、オール電化住宅はエコキュートやIHクッキングヒーター、エアコンなど、高価な住宅機が必要で、初期費用が高額になりやすいです。
太陽光発電システムを設置しない場合、高額な初期費用が節約できます。
将来的な節約効果を考えると設置するべきではありますが、手元の資金やローンなどに不安がある場合は太陽光発電システムを設置しないことも選択肢の1つです。
メンテナンスが不要
太陽光発電システムを設置しない場合、システムに関連したメンテナンスの手間やコストが発生しません。
太陽光発電システムのメンテナンスは専門の業者を呼ぶ必要があるので、手間やコストがかからないのは大きなメリットです。
ただし、オール電化住宅は定期的なメンテナンスが必要な住宅機器が多いので、忘れずに行いましょう。
新築住宅の設計の制限が少ない
太陽光発電システムは設置環境によって発電効率が低下するため、理想的な向きや角度が必要です。
そのため、周りの環境にもよりますが、新築のオール電化住宅では太陽光発電システムを最大限効率良く稼働できるように設計がされます。
屋根の向きや面積、構造などにある程度の制限が発生し、間取りや予算に影響を及ぼす可能性は高いです。
メーカーによって太陽光発電システムの形状や出力は異なるので、こだわりの住宅を建てたい方は、販売会社や設計士と相談しましょう。
オール電化住宅に太陽光発電システムがない場合のデメリット
オール電化住宅に太陽光発電システムがない場合のデメリットは以下のとおりです。
- 光熱費が高くなる可能性がある
- 停電時のリスクが高い
上記を順番に解説します。
光熱費が高くなる可能性がある
オール電化住宅は全てのエネルギーを電力で統一し、オール電化住宅向けの電気料金プランに加入します。
例えば、東京電力エナジーパートナーではオール電化住宅向けの料金プランとして、スマートライフSを提供しています。
スマートライフSの料金 | 単位 | 料金 | |
---|---|---|---|
基本料金 | 10Aにつき | 1契約 | 311.75円~ |
電気量料金単価 | 午前6時~翌午前1時 | 1kWhあたり | 35.76円 |
午前1時~午前6時 | 27.86円 |
オール電化住宅向けの料金プランは夜間よりも日中の電気料金単価が割高です。
つまり、日中の電気使用量の割合が高い住宅の場合、オール電化住宅に切り替えたことで光熱費が高額になる可能性は十分にあります。
太陽光発電システムがあれば、日中の買電量を減らすことができるので、オール電化住宅向けの料金プランに切り替えても光熱費の上昇を防ぐことは可能です。
しかし、設置していない場合は、日中の電気使用量に注意しましょう。
停電時のリスクが高い
オール電化住宅の最大の弱点は、停電が発生するとほとんどの住宅機器が稼働しなくなることです。そのため、停電時のリスクを減らすために太陽光発電システムと蓄電池の導入が推奨されています。
太陽光発電システムを設置しない場合は、停電時のリスクを減らすためにも蓄電池の設置を検討しましょう。
ただし、停電時に備えて一定以上の電力を充電しておく機能が無ければ、いざというときに充電されておらず、役に立たない可能性があります。
オール電化住宅に太陽光発電システムは必須?
オール電化住宅の定義において、太陽光発電システムの設置は必須ではありません。
ご家庭ごとの判断に委ねられており、設置することで大きなメリットが得られますが、デメリットも発生するため、全てのケースにおいて必須とは断言できません。
次の表は、オール電化住宅で太陽光発電システムを設置した場合と設置しない場合のメリットとデメリットをまとめたものです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
設置した場合 | 電気料金の削減 環境保護への貢献 災害時の電力供給 |
初期費用が高額 メンテナンスが必要 想定通りの結果が得られるとは限らない |
設置しない場合 | 初期費用を節約できる メンテナンスが不要 新築住宅の設計の制限が少ない |
光熱費が高くなる可能性がある 停電時のリスクが高い |
オール電化住宅において太陽光発電システムが必須かどうかは、家庭の電気使用量やライフスタイルに大きく依存します。
例えば、日中に電力を多く使用する家庭や、環境意識が高い家庭では、太陽光発電システムを設置したほうが大きなメリットを得られるでしょう。
一方で、初期費用の負担や住宅の気象条件や設置条件を考えると、設置しても満足な結果を得られない可能性もあります。
そのため、オール電化住宅で太陽光発電システムを設置するべきか迷っている方は、専門的な知識を持っている業者に相談してみましょう。
まとめ
以上が、オール電化住宅に太陽光発電システムが必要なのかに関する解説です。オール電化住宅は太陽光発電システムに必須ではありませんが、家庭の電気使用量やライフスタイルによっては設置したほうが良いでしょう。
ただし、太陽光発電システムを設置したことのデメリットがメリットを上回るケースもあります。
電気使用量やライフスタイル、設置条件など、複数の要素から総合的に判断するためには、太陽光発電システムに関するある程度の知識が必要です。
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