オール電化

2024/07/17

マンションにエコキュートは設置できる?設置する際の条件や注意点などをわかりやすく解説

マンションにエコキュートは設置できる?設置する際の条件や注意点などをわかりやすく解説

エコキュートはマンションに設置することは可能ですが、条件や注意点があります。 適当な機種を選んでしまうと、あとからトラブルに発展する可能性を否定できないため、マンションに設置したいと考えている方は、条件や注意点、選ぶポイントなどを知っておきましょう。

そこで今回は、マンションにエコキュートを設置することを解説します。ぜひ、最後までご覧ください。

マンションにエコキュートは設置できる?

結論から申し上げますと、マンションにエコキュートを設置することは可能です。

ただし、全てのマンションで、どんな機種でも設置できるとは限りません

エコキュートはお湯を沸かすためのヒートポンプユニットと沸かしたお湯を溜めておく貯湯タンクユニット、湯温や湯量をコントロールするリモコンユニットの3つで構成されています。

ヒートポンプユニットはエアコンの室外機のようなサイズなので、マンションのベランダに設置しても邪魔になりません。

しかし、貯湯タンクユニットは貯湯容量によっては人の背丈よりも大きく、満水時には500Lを超える場合があります。

巨大な貯湯タンクユニットを設置できる場所があれば、マンションに設置することは可能です。

ただし、マンションに設置する場合はスペース以外にも条件や注意点があるので、確認してから購入しましょう。

マンションにエコキュートを設置するための条件

マンションにエコキュートは設置できる?設置する際の条件や注意点などをわかりやすく解説

マンションにエコキュートを設置するための条件は以下のとおりです。

  • マンションに設置できるスペースがある
  • 管理業者や組合の許可を取る

上記の条件を順番に解説します。

マンションに設置できるスペースがある

マンションにエコキュートを設置する際は、設置できるスペースがあるかどうか確認しましょう。

特に重要なのが、貯湯タンクユニットを設置する場所です。

エコキュートは貯湯式給湯器のため、どのメーカーの機種を選んでも貯湯タンクユニットを必ず設置します。

沸かしたお湯を溜めておく設備で、メーカーや機種によって貯湯容量が異なります。一般的には、4人家族なら370Lが最適と言われており、各メーカーから370Lの主力商品が販売されています。

貯湯容量が370Lの貯湯タンクユニットの場合、縦幅と横幅は70cm前後、高さは180cmよりも大きい傾向があります。

マンションによって給湯器の場所は異なりますが、玄関脇のパイプスペースやベランダに設置することが多いです。

パイプスペースには給湯器以外に給水や排水に必要な管をまとめているため、370Lよりも大きい貯湯タンクユニットが入らない可能性があります。

一方、ベランダの耐荷重は建築基準法で1㎡あたり180㎏となっています。理論上は、3㎡以上あれば、貯湯タンクユニットを設置して満水になったとしてもベランダの床は重量に耐えることはできます。

しかし、ベランダに荷物や花壇を置いていると耐荷重を超えてしまう可能性は否定できません。

つまり、マンションでエコキュートを設置する場合は、パイプスペースかベランダに設置できるだけのスペースや耐荷重があることを求められます。

管理業者や組合の許可を取る

マンションにエコキュートを設置するスペースがあったとしても、エコキュートを設置できるとは限りません。

マンションやアパートに住んでいる方は、給湯器を買い替える場合に管理会社や大家さん、組合などの許可を取る必要があります。

まず、マンションを借りて暮らしている場合、給湯器のような住宅設備の所有者は借主ではなく貸主になります。

契約内容にもよりますが、交換する原因の故障が経年劣化によるものなら、貸主が費用を負担して給湯器を買い替えます

そのため、賃貸住宅に住んでいる方は、管理会社や大家さんの許可なく、勝手にエコキュートを設置することはできません。エコキュートを設置したいなら、管理会社や大家さんと相談しましょう。

次に、マンションを購入して暮らしている場合、給湯器を自由に買い替えることは可能です。

しかし、マンションによっては専有部分の工事を実施する前に、管理組合に申請書の提出を求められる場合があります。

マンションの管理規約に記載されているので、内容を確認してエコキュートを設置する工事がしたいことを提出しましょう。

エコキュートを設置する際には、マンションを借りている場合は管理会社や大家さんへ、購入している場合でも管理組合に相談や手続きが必要です。

マンションにエコキュートを設置する場合の注意点

マンションにエコキュートを設置する場合は、次のことに注意しましょう

  • 騒音トラブルや漏水トラブルが発生する可能性がある
  • 追加工事が必要になる

上記を順番に解説します。

騒音トラブルや漏水トラブルが発生する可能性がある

マンションにエコキュートを設置する場合、一番注意すべきポイントは騒音や漏水によって近隣住民との間にトラブルが起きる可能性です。

エコキュートは電気料金が安い深夜にお湯を沸かし、日中に消費する貯湯式給湯器です。

最新のエコキュートは静音性に優れていますが、人によってはうるさいと感じてしまい、トラブルに発展する可能性はあります。

また、エコキュートは経年劣化により、貯湯タンクユニットの周りや配管から水が漏れるケースが報告されています。

戸建住宅なら、漏水しても敷地内での問題で済みますが、マンションでは階下の部屋へ水漏れ被害をもたらし、共有スペースに流れてしまうなどのトラブルに発展する可能性が高いです。

マンションにエコキュートを設置する際は、騒音対策をほどこし、漏水時にはすぐに対応できるようにしましょう

追加工事が必要になる

エコキュートの基本的な工事の流れは以下のとおりです。

  • 現地調査
  • 見積書の提示
  • 契約
  • エコキュートの運搬
  • 古い給湯器の撤去
  • 基礎工事
  • 配管接続工事
  • 電気工事
  • リモコンユニット設置工事
  • 試運転
  • 引渡し

施工業者によって多少異なりますが、上記の基本工事が販売価格に含まれています。

しかし、エコキュートの設置場所や機種によっては配管の新設や延長などの追加工事が発生する可能性があります。

マンションにエコキュートを設置する工事で報告された事例では、排水位置の変更に伴い貯湯タンクユニットの嵩上げを行ったり、経年劣化した配管の代わりに新しい排水経路を作ったりする追加工事が発生しています。

追加工事の有無はマンションの状況によって異なるため、必ず発生するとは限りません。

しかし、状況によっては必要になるため、マンションにエコキュートを設置する場合は見積もりを取ってもらい、追加工事が必要になるかどうか確認しましょう。

マンションに設置するエコキュートを選ぶポイント

マンションにエコキュートは設置できる?設置する際の条件や注意点などをわかりやすく解説

マンションに設置するエコキュートを選ぶポイントは、スペースに合ったサイズのエコキュートを選ぶことです。

エコキュートの貯湯タンクユニットのサイズは貯湯容量によって異なり、メーカーや機種によっては370Lよりも小さい商品はあります。

メーカーによってはコンパクト、あるいはスリムタイプでマンション向けのエコキュートを販売しているので、設置したいと考えている方におすすめです。

マンションにおすすめのエコキュート

記事執筆時点で、貯湯容量が300L以下でマンション向けと呼べるエコキュートを販売しているのは、三菱電機、パナソニック、コロナの3社です。

それぞれ、どのようなエコキュートを販売しているか順番に解説します。

三菱電機のマンション向けエコキュート

三菱電機は高性能・多機能なエコキュートを販売しているメーカーです。記事執筆時点では、フルオートタイプと給湯専用タイプのコンパクトエコキュートを販売しています。

どちらも貯湯容量が180Lで、高さは183cmありますが、横幅が43cm、縦幅が63cmとかなりコンパクトのため、パイプスペースやメーターボックス内にすっぽりと収まるサイズです。

フルオートタイプとは別に給湯専用タイプが販売されていることもポイントで、給湯専用なら業者にもよりますが40万円以下で購入できる可能性があります。

エコキュートの相場は40万円~70万円で、フルオートタイプに比べて給湯専用は安い傾向があります。エコキュートをお得に購入したいと考えている方は、三菱電機の給湯専用タイプを検討してみましょう。

パナソニックのマンション向けエコキュート

パナソニックエコキュートはシリーズ数が豊富なことが特徴です。記事執筆時点では、フルオートタイプでミドルクラス スリムコンパクトのVシリーズを販売しています。

Vシリーズは貯湯容量が195Lで、高さは189cmありますが、横幅が44cm、縦幅は56cmとなっており、三菱電機のコンパクトエコキュートよりもスリムです。

パイプスペースやメーターボックス内にすっぽりと収まるサイズなうえに、パナソニックエコキュートの便利な機能「AIエコナビ」付いています。

「AIエコナビ」は、センサーが人の出入りに気づいてお湯の温度をコントロールする機能で、入浴時には追い焚きによって温かいお風呂に入ることが可能です。

浴室不在時時には湯温チェックをカットするため、従来のモードよりも省エネ性能がアップしています。

コンパクトなエコキュートはメーカーを代表する機能を搭載していないことが多いですが、パナソニックのVシリーズは「AIエコナビ」が付いているため、お風呂に入るときに便利な機種です。

コロナのマンション向けエコキュート

コロナは集合住宅専用のエコキュートを販売しています。貯湯容量は185L・300L・370Lの3種類があり、家族の人数やライフスタイルに合わせて選べます。

特に注目すべきポイントは、300Lの貯湯タンクユニットは業界トップクラスの省スペース化を実現しており、マンションのパイプスペースやメーターボックスでも入るサイズとなっていることです。

また、指定部材と指定保温材を使用することで、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの連結配管を最長25mまで延長できます。

ダイキンの集合住宅専用は、業界トップクラスの省スペースな貯湯タンクユニットを実現し、設置時誘導を向上したことにより、マンションにエコキュートを設置したい場合におすすめの機種です。

給湯省エネ2024事業が利用できるマンション向けのエコキュート

経済産業省が開催している給湯省エネ2024事業では、一定の性能を有しているエコキュートを設置する場合、1台あたり8万円の補助金が給付されます。

条件を満たすことで補助金額が最大28万円にアップしますが、全てのエコキュートで補助金を貰えるとは限りません。

上記で紹介したマンション向けのエコキュートで補助金を貰える機種は、三菱電機の180Lとダイキンの集合住宅専用の300Lの2種類です。

三菱電機の180Lは基本額の8万円のみですが、ダイキンの集合住宅専用の300Lは加算条件を1つ満たしているため、補助金額が12万円にアップします。

エコキュートは高額な給湯器のため、補助金が貰える機種から決めることも選択肢の1つです。

まとめ

以上が、マンションにエコキュートを設置する場合の解説です。マンションにエコキュートを設置することは可能ですが、スペースや許可などの問題があるため、まずは管理会社や大家さん、組合などに相談しましょう。

また、マンションにおすすめのサイズのエコキュートを販売しているのは三菱電機、パナソニック、コロナの3社です。

給湯省エネ2024事業の補助金を貰える可能性があるのは、三菱電機とコロナのエコキュートなので、補助金を活用したい方は対象の機種を比較して選びましょう。

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