蓄電池
2022/12/21
蓄電池を設置したのに電気代が上がった!原因と対策を徹底解説
太陽光発電を設置している場合や、今後の電気代を節約したい際に蓄電池の設置を検討するでしょう。しかし、蓄電池の設置により電気代が上がってしまうケースがあります。 本記事では蓄電池を設置しても電気代が上がる原因と対策を解説します。また、蓄電池の選び方などもご紹介しますので、参考にしてください。
蓄電池の仕組み
蓄電池は充電によって何度も使える電池です。そのため、非常に難しい原理で成立する電池のように思えますが、そうではありません。蓄電池は化学反応で充電や放電をします。電池内は電極と電解液で構成されています。
まずマイナス極の金属が電解液に溶け出して、電子がマイナス極からプラス極に流れるのが放電です。このとき電流はプラス極からマイナス極に流れ、電気が使える状態になります。マイナス極の金属が電解液に溶け出さなくなったら放電終了、つまり電気が使えなくなる仕組みです。
蓄電池では放電と逆方向に電流を流すことで電気を貯めることが可能です。プラス極の金属が電解液に溶け出し、電子がマイナス極に移る化学反応で放電前の電池に戻ります。
ちなみに、蓄電池にはスマホなどに搭載されるリチウムイオン電池、自動車などに使われる鉛蓄電池などがあります。
蓄電池で電気代が節約できる理由
近年、蓄電池の設置で電気代の節約を検討する方が増えています。ここでは、蓄電池によって電気代が節約できる理由をご紹介します。
電気代が安い夜の電気を蓄電できるから
一般的なプランであれば昼よりも夜の電気代が安く設定されています。そこで、電気代の安い夜間の電気を蓄電池で貯めておき、昼に使うことで電気代の節約が可能です。
そもそも夜間は電気を使う人が少ないことから、電気料金が安く設定されています。蓄電池の有効活用ではそこに目をつけて電気代の節約につなげているわけです。
ただし、夜の電気代を安くするには、専用のプランに契約しておくことが前提です。どのプランも夜の電気代が安いとは限らないため、注意が必要です。
昼に発電した電気を夜に使えるから
すでに太陽光発電を活用している場合は、昼に発電した電気を貯めておき、夜に使うことができます。太陽光発電だけでは電気を貯めておくことができないため、併用して電気代の節約につなげています。
もちろん昼は太陽光発電で電力を賄うことが可能であり、上手くいけば電気代をゼロにして自給自足が可能です。
自給自足で電力を回すと売電の収入は減りますが、電気代が削減できるのは大きな魅力ではないでしょうか。
天候が悪いときにも使用できるから
太陽光発電を活用している場合は、天候が悪いときにも発電した電力を使えます。太陽光発電のみでは天候が悪いときに発電量が少なくなり、買電比率が高くなります。そのため、電気代も高くなる可能性があるのです。
しかし、蓄電池を備えることで発電量が少ないときでも、蓄電されている電力を切り出して使えます。太陽光発電と蓄電池をうまく組み合わせることで、不足した電力だけを電力会社から購入すれば済むため、電気代は大幅に削減できる可能性があります。
蓄電池で電気代が上がる原因
蓄電池は利用方法によって電気代の節約が可能です。しかし、場合によっては電気代が上がってしまいます。ここでは、蓄電池を設置しても電気代が上がってしまう原因をご紹介します。
太陽光発電と併用していない
先述のとおり、蓄電池の効果を最大限に発揮するには太陽光発電との併用が望ましいです。蓄電池単体であっても夜に電気代が安くなるプランで契約して、夜間に蓄電する方法で電気代の節約が可能です。
しかし、今後は蓄電池単体では必ずしも電気代が節約できない可能性があります。すでに夜間プランや深夜プランの廃止や制限を行う電力会社や電力サービス会社が存在します。
参考:東北電力「2021年4月1日以降のご契約内容の見直し」
参考:中部電力ミライズ「新規加入廃止メニュー」
今後も夜間プランの廃止や制限に取り組む電力会社が増える可能性も考えられるため、蓄電池だけで電気代を節約するには限界があります。
電気料金は社会情勢などにより高騰するケースがあり、夜間プランなどの料金に反映される場合もあるわけです。そうなれば電気代を抑えるために、電気を極力購入しない方法を考える必要があり、太陽光発電と蓄電池の併用が効果を発揮します。
ライフスタイルに合った使い方になっていない
次にあげられるのは、蓄電池をライフスタイルに合わせて使っていないことです。蓄電池を使用して電気代を節約するには、料金が安い時間帯に電力を貯めて他の時間帯に使うことが一般的です。
仮に夜に電気代が安くなるプランで契約したとしましょう。この場合、昼間に電気をあまり使わない方は蓄電池によるメリットを受けにくいです。理由は料金が安い夜間に蓄電しても昼に電気をさほど使わないならば、電気代の節約につながらないからです。
ライフスタイルを振り返らずに安易に蓄電池を導入すると、電気代が上がる可能性があります。
月々の電気代が安くても蓄電池を導入している
もともと月々の電気代が安い場合は、蓄電池を設置しても大幅な節約につながらないことが多いです。また、蓄電池の設置費用は100万円や200万円など高額になる場合があり、電気代がさほど節約できなければ、初期投資の回収に時間がかかります。
初期投資の回収が効率的に行えなければ、蓄電池を設置した効果を得られません。
太陽光発電の発電量が低下している
蓄電池を設置したことで太陽光発電の発電量が低下するケースがあります。理由はパワーコンディショナーの容量以上に発電することができないからです。
太陽光発電にはパワーコンディショナーと呼ばれる装置が、家庭で電気を使えるようにしています。蓄電池においてもパワーコンディショナーの容量以上に蓄電することができません。蓄電量を超える電力を使用する際は、電気代がかかるため、使い方によっては節約につながらないのです。
なかには太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナーが一体となっている製品があります。しかし、パワーコンディショナーへの負荷が大きくなることから故障までの期間が短くなり、パフォーマンスの低下から発電量の低下が考えらえます。
蓄電池で電気代が上がらないための対策
蓄電池で電気代が上がることはできるだけ避けたいところです。その対策として3つの方法をご紹介します。
太陽光発電と併用する
まずは太陽子発電との併用が挙げられます。すでに仕組みはご説明しましたが、太陽光発電で作った電力を蓄電池に貯めて使うことで、買電量を少なくして電気代を抑えます。
また、電気自動車をお持ちの方であれば、トライブリッド型蓄電池の導入をご検討ください。太陽光発電から充電できる蓄電池はハイブリッド型と言い、電気自動車の充電にも対応している蓄電池をトライブリッド型蓄電池と呼びます。
将来的に電気自動車が一般的になったときを想定して、電力購入を必要としない仕組みを考えてもいいでしょう。
蓄電池の使用モードをライフスタイルに合わせる
蓄電池の設置で電気代を効率よく節約するには、ライフスタイルや使い方に応じて使用モードを選んでください。電気代が安い夜間の電力を使用するモード、太陽光発電と連動するモード、停電に備えるモード、使用電力がピーク時になったときに放電して買電を減らモードなど、さまざまな使用モードがあります。
それぞれのモードの特徴や注意点を確認して、使い分けると効率的に電気代の節約が可能です。
蓄電池の使用目的を十分に検討してから導入する
蓄電池は使用目的を十分に検討してから導入しましょう。「電気代が安くなると知った!」くらいの認識では、電気代が節約できない可能性があります。先述のとおり、月々の電気代がさほどかかっていない場合は、蓄電池による節約の効果が期待できません。
また、太陽光発電を設置しているからと言って、蓄電池の併用が必要とも言い切れません。なかには蓄電池の必要性を感じていないご家庭もあります。電気の使い方やかけられるコストなど、総合的に考えて蓄電池を導入しましょう。
蓄電池がおすすめな人・おすすめしない人
ここまでの内容をもとに、蓄電池がおすすめな人とおすすめしない人をまとめました。
蓄電池がおすすめな人
- 太陽光発電を設置している(設置を検討している)
- オール電化住宅
- 災害(停電)時に備えたい(災害時に避難所に避難しにくい)
- 毎月の電気代が高く感じている
蓄電池をおすすめしない人
- 毎月の電気代が高くない
- 蓄電池の設置場所を確保できない
- 自治体などの補助金を使っても設置費用が捻出できない
上記の内容を蓄電池の導入の際の検討材料にしてみましょう。
蓄電池を選ぶポイント
蓄電池の導入を決定した際は、次にご紹介するポイントに着目しましょう。さまざまな面で比較をすることで、よりご自身に合う蓄電池が選べます。
容量で比較する
蓄電池の容量は製品によって異なるため、さまざまな製品を比較して選んでください。目安は4人家族で7.0kWh程度です。その程度の容量であれば4人家族で使用して3日前後は持つでしょう。
太陽光発電と併用するならば、4kWhの容量が小さい製品でも1日持つ可能性があります。予算も踏まえて検討しましょう。
出力で比較する
蓄電池に貯めた電力を一度にどれだけ引き出せるかが出力です。蓄電の容量が大きな製品であっても出力が小さければ十分な電力が使えない場合があります。そのため、使用電力が大きい場合は出力の大きい蓄電池が必要です。
特に災害時(停電時)にも使いたいときは、出力が大きい蓄電池を設置しましょう。
タイプで比較する
太陽光発電と併用と蓄電池単体の使用により、蓄電池のタイプが異なります。太陽光発電と併用の際は連携できる製品にする必要があります。パワーコンディショナー一体型にする際は、既に設置しているパワーコンディショナーとの取り換えが必要です。
蓄電池単体で設置する際は、電力会社からの買電によって貯める単機能型を選んでください。
寿命で比較する
蓄電池は永久的に使えるわけではありません。充電や放電を繰り返すことで、蓄電できる電力量が減少していきます。10年~15年の寿命の製品があれば、20年程度もつ製品もあります。本体価格だけではなく、寿命も考慮して蓄電池を選びましょう。
アフターフォローで比較する
寿命とともにメーカーのアフターフォローも比較してください。無償と有償の補償期間、監視サービスの有無など、できるだけ手厚い内容の製品を選び、トラブルに備えましょう。
まとめ
電気代の節約などの観点から注目されている蓄電池ですが、使い方などにより逆効果になる可能性があります。蓄電池を設置する前には、目的を十分に考え、製品をさまざまな視点から比較してください。
蓄電池の設置を検討している際や、蓄電池についてご相談がある場合はぜひエコ突撃隊までお問い合わせください。
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