オール電化
2025/06/19
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換にかかる費用は?工事費や本体価格などを解説
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換すると、手入れがしやすくなり、夏場でも熱がこもりにくくなるなどのメリットがあります。
ただし、ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する場合の費用は、キッチンの状態やIHクッキングヒーターの種類によって異なります。
そこで今回は、ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換にかかる費用を、本体価格と工事費用に分けて解説します。ぜひ最後までご覧ください。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換費用
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する場合、次の費用が掛かります。
- IHクッキングヒーターの本体価格
- ガスコンロからIHクッキングヒーターへの工事費用
上記の費用を順番に解説します。
IHクッキングヒーターの本体価格
IHクッキングヒーターは次の3種類に分類されます。
特徴 | 相場 | |
---|---|---|
ビルドイン | システムキッチンに組み込むタイプ スッキリとした見栄えで、機能性に優れている |
50,000円~300,000円 |
据置 | コンロ台の上に設置するタイプ 安く導入できるが、ビルドインタイプに比べると機能が少ない |
10,000円~160,000円 |
卓上 | 食卓において使うタイプ コンパクトで使いやすいが、1口コンロのみ |
3,000円~50,000円 |
ビルドインタイプのIHクッキングヒーターはシステムキッチンに組み込むタイプの商品です。キッチンと一体型なので、スッキリとした印象を与えます。また、他のタイプに比べて機能に優れているので、料理を楽しみたい方におすすめです。
ただし、ビルドインタイプはシステムキッチンに設置する必要があります。ビルドインタイプのシステムキッチンなら交換可能ですが、コンロ台を使用している家庭だとリフォームや設置工事が必要になります。
ビルドインタイプの本体価格は50,000円~300,000円で、平均すると120,000円前後です。
据置タイプのIHクッキングヒーターはコンロ台の上に設置するだけなので、工事をしなくても利用できます。ビルドインタイプに比べて機能も少ないため、本体価格の相場は10,000円~160,000円とおさえられており、安く導入したい方におすすめです。
卓上型のIHクッキングヒーターは食卓の上に置いて使用するコンパクトサイズの商品です。コンセントに差せば、どこでも使用できるので防災グッズとしても注目されています。本体価格の相場は3,000円~50,000円程度となっています。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの工事費用
ビルドインタイプのガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する場合、次の工事が発生します。
工事費用の目安 | |
---|---|
既存ガスコンロの撤去 | 約25,000円 |
ガス管の閉栓 | 約15,000円 |
分電盤からキッチンまでの配線 | 約50,000円 |
IHヒーターの搬入・取付 | 約20,000円 |
その他 | 約5,000円 |
ポイントは、ガスコンロから電気を使用するIHクッキングヒーターに交換するので、専用の電気工事が必要になることです。
ビルドインタイプのIHクッキングヒーターは200Vの電圧が必要な機器のため、自宅に単層3線式と呼ばれる配線が必要です。分電盤を開けて、ブレーカーに3本の線が通ってなければ、分電盤の交換をおこないます。
また、アンペアブレーカーが50A未満だと交換工事が必要な場合があり、分電盤にIHクッキングヒーター専用の回路を設置するスペースが無ければブレーカーを新設する必要があります。
そのため、ビルドインタイプのガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する工事費用は、自宅に電気関係の設備がすべて揃っていればガス配管撤去工事費用を含めて60,000円~80,000円、揃っていなければ110,000円~150,000円程度はかかります。
ビルドインタイプのガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換費用の相場
ビルドインタイプのIHクッキングヒーターの本体価格を120,000円と仮定した場合、ビルドインタイプのガスコンロから交換する費用の相場は180,000円~270,000円程度です。
自宅に電気関係の設備が揃っていれば、配線工事だけで終わるので交換費用は安くなります。また、IHクッキングヒーターのビルドインタイプの本体価格は50,000円~300,000円なので、安い商品を購入すれば交換費用を抑えることができます。
ただし、上記の交換費用の相場はビルドインタイプのガスコンロからIHクッキングヒーターに交換した場合の交換費用の相場となります。
据置タイプのガスコンロから据置タイプのIHクッキングヒーターの交換費用
据置タイプのガスコンロから、コンロ台の上に設置できる据置タイプのIHクッキングヒーターに交換する場合、交換費用は基本的に本体価格(10,000円~160,000円)のみです。
据置タイプのIHクッキングヒーターは電源工事不要の機種もあるため、本体価格がそのまま交換費用となるケースが多いです。
ただし、一部の商品は200Vの電圧が必要な場合があるので、ビルドインタイプのIHクッキングヒーターと同様に60,000円~150,000円程度の電気工事・ガス配管撤去工事が必要になります。
据置タイプのガスコンロからビルドインタイプのIHクッキングヒーターの交換費用
据置タイプのガスコンロからビルドインタイプのIHクッキングヒーターに交換する場合は、システムキッチンへのリフォームが必要になります。
システムキッチンへのリフォームはキッチンの型やサイズによって異なりますが、50万円~150万円程度は掛かります。据置タイプのガスコンロからビルドインタイプのIHクッキングヒーターに交換するだけなら、50万円前後で済むケースもあります。
ただし、リフォームにかかる費用は業者によっても異なるので、据置タイプのガスコンロからビルドインタイプのIHクッキングヒーターに交換する場合は、複数の業者に見積もりを依頼して、比較するようにしましょう。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換にかかる時間
一般的な戸建て住宅や築浅マンションで、既に200 V回路と単相3線式の分電盤が備わっている場合、実作業は約3〜4時間で完了します。おおまかな内訳は次のとおりです。
- 既存ガスコンロの取り外し・ガス栓閉止…30〜45分
- IHクッキングヒーター本体搬入・据付調整…30分
- 専用ブレーカーへの配線接続と絶縁・漏電チェック…60〜90分
- 動作テスト・後片付け…30分
加えて、分電盤の容量アップや200 V回路の新設(壁内・床下配線)などが加わると約5時間~6時間程度はかかり、ブレーカー位置を移設する場合や壁面開口を伴う場合は6時間以上を見込むと安心でしょう。
さらに、据置コンロからビルトインIHへ切り替えるリフォームでは、ワークトップの開口加工やキャビネット補修を行うため、大工工事と内装仕上げを含めて2〜3日かかるケースも珍しくありません。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換にかかる時間を短縮したい場合は、事前に現地調査を受け、当日は周辺収納を空にしておくなどの準備を行っておくと良いでしょう。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換するメリット
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換するメリットは、主に以下の通りです。
- 掃除やメンテナンスが楽になる
- ガスコンロよりも安全
- ガスコンロよりも光熱費を削減できる
- 室温の上昇を抑えられる
それぞれ、順番に解説します。
掃除やメンテナンスが楽になる
IHクッキングヒーターの最大の魅力は、トッププレートがフラットガラス一枚で構成されている点です。油はねや吹きこぼれがあっても、熱源部に凹凸や燃焼口がないため汚れが染み込みません。
調理後にまだプレートが温かいうちに布でサッと拭くだけで、焦げ付きや油膜が取れるので、キッチン全体の清掃時間を短縮でき、コンロ周りに蓄積しやすい黄ばみやコゲが発生しにくいです。
清掃作業やメンテナンスに費やす労力や時間を削減できることは、忙しい共働き世帯や高齢の方にとって利便性の向上につながります。
ガスコンロよりも安全
IHクッキングヒーターは電磁誘導で鍋底だけを発熱させるため、ガスコンロのように衣服やキッチンペーパーが炎に触れて燃え広がるリスクがなく、調理中に袖口が焦げる心配がありません。
また、ガスを用いないため、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクもないです。
小さな子どもやペット、高齢者と同居する家庭では火事やトラブルが発生する可能性を抑えられるIHクッキングヒーターへの交換を検討しましょう。
ガスコンロよりも光熱費を削減できる
IHクッキングヒーターは、ガスコンロに比べて熱効率が高く、エネルギーをムダなく使えるため、光熱費の削減に役立ちます。
ガスコンロは火を使って鍋を加熱しますが、炎の熱が鍋の周囲や空気中に逃げるため、エネルギーのロスが大きく、熱効率は約50〜60%程度です。
一方、IHクッキングヒーターは電磁誘導によって鍋そのものを発熱させる仕組みなので、熱が逃げにくく、90%前後という高い熱効率を実現しています。
そのため、同じ調理をしても必要なエネルギー量が少なくて済み、加熱時間も短縮することが可能です。
調理におけるランニングコストの節約を考えている方は、ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換しましょう。
室温の上昇を抑えられる
ガスコンロの場合、鍋底を伝って周囲へ輻射熱を放出するため、周辺の温度が急上昇して調理者の体感温度も上がります。
一方、IHクッキングヒーターは、鍋底以外にほとんど熱を逃がさないため、調理中でも室温上昇が軽微でエアコンの効率も落ちません。
夏場に揚げ物を作っているとガスコンロでは、蒸し風呂のような状態になりやすいですが、IHクッキングヒーターに交換すればストレスから解放され、快適に調理を行えます。
また、燃焼によって室内の湿度が上がることがなくなると、夏はベタつき感が減り、冬は結露やカビの原因となる水蒸気発生が抑えられこともポイントです。
調理空間が快適になることで料理のモチベーションが上がるので、IHクッキングヒーターへの交換をおすすめします。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する際の注意点
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する際の注意点は以下のとおりです。
- オーブンや収納庫の交換費用は別途必要
- 集合住宅で交換する場合は事前に確認が必要
- IHクッキングヒーターだと使用できる調理器具が限られている
- 停電時に使用できなくなる
上記の注意点について順番に解説します。
オーブンや収納庫の交換費用は別途必要
ビルドインガスコンロの下にオーブンや収納庫があり、ガスコンロと一緒に交換する場合は上記の交換費用とは別に費用が掛かります。
業者によって金額は異なりますが、20,000円~30,000円程度は別途かかると覚えておきましょう。
集合住宅で交換する場合は事前に確認が必要
マンションのような集合住宅でガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する場合は、事前に確認をしておくと望ましいです。
なぜなら、集合住宅は建物全体の電力供給量が決まっており、電気のアンペア数を変更できないケースがあるからです。
新しいマンションなら問題ありませんが、古いマンションだと電気容量が少ないため、IHクッキングヒーターを使用するたびに他の家電製品をオフにしないと、ブレーカーが落ちてしまいます。
集合住宅のキッチンでガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する場合は、まずは建物の管理組合などに事前に確認をしてみましょう。
IHクッキングヒーターだと使用できる調理器具が限られている
IHクッキングヒーターは渦巻き状のコイルに電流を流すことで磁力線が発生し、磁力に反応する調理器具を置くことで過電流が発生して調理器具自体が発熱します。
そのため、ガスコンロと違って使用できる調理器具が次のとおりとなっています。
使用できる鍋やフライパンの素材 | |
---|---|
通常のIHクッキングヒーター | 鉄 ステンレス |
オールメタルIHクッキングヒーター | 鉄 ステンレス 銅 アルミ |
オールメタルIHクッキングヒーターは通常のIHクッキングヒーターよりも電流を多く流すことができるので、銅やアルミの調理器具も使用できます。ただし、本体価格は高くなる傾向があります。
また、商品によっては揚げ物用に専用の調理器具を購入する場合もあります。ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する場合は、調理器具を買い換える、あるいは増やす可能性があると注意しておきましょう。
停電時に使用できなくなる
停電が起きると、ガスコンロは乾電池で着火するタイプなら使用できますが、IHクッキングヒーターは使用できません。ただし、自宅に200V対応の蓄電池を導入しているなら、停電時でも使用可能です。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する場合は太陽光発電システムや蓄電池を一緒に導入するか、カセットコンロを用意しておくと良いでしょう。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換で補助金は利用できる?
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換で補助金を得られる可能性があります。
例えば、国が行っている「子育てグリーン住宅支援事業」では、IHクッキングヒーターを含めたビルトイン自動調理対応コンロへの買い替え時に、1戸あたり15,000円の補助金を受け取ることが可能です。
また、地方自治体によっては独自の補助金制度を行っており、省エネ性能に優れたIHクッキングヒーターへの交換時に補助金を貰える場合があります。
ただし、補助金制度によって対象機器や条件などが異なり、内容を確認することが重要です。
実際、「子育てグリーン住宅支援事業」で補助金を受け取るためには、IHクッキングヒーターへの交換以外のリフォームを複数申し込むことが条件に含まれます。
さらに、補助金制度によっては予算消化や年度切り替えで突然終了するケースもあるため、早めに行動しましょう。
まとめ
以上が、ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換にかかる費用の解説になります。ビルドインタイプのガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換する場合、本体価格も含めた相場の目安は180,000円~270,000円です。
高性能なIHクッキングヒーターを購入する場合は、交換費用は高額になります。また、据置タイプのガスコンロからIHクッキングヒーター交換する場合、電源交換工事が必要のない商品なら、工事費用は発生しません。
据置タイプのガスコンロからビルドインタイプのIHクッキングヒーターに交換する場合は、リフォームが必要になります。リフォームの内容や状況によって金額は異なるため、まずは施工業者に相談してみましょう。
エコ突撃隊では、様々なメーカーのIHクッキングヒーターを販売しております。設置工事も請け負っており、これまでに多くのお客様に喜んでいただいております。ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換を考えているなら、ぜひご連絡ください。
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