東芝の特徴は長年の白物家電生産でつちかった家電制御や省エネの技術、そして、プレミアムやハイグレードだけに取り付けられている銀イオン発生装置です。本記事では、東芝キャリアのエコキュートの特徴と給湯省エネ事業の補助金対象となっている2つの機種について解説します。

東芝キヤリアはどんな会社?

東芝キヤリアは1999年に東芝の空調・設備事業部とアメリカのキヤリア社の合弁会社として発足しました。2022年8月、東芝本社は保有する東芝キヤリア株の大半を1,000億円でキヤリアに売却しました。

これにより、東芝キヤリアはアメリカのキヤリア社のグループ会社となりました。エコキュートのESTIAシリーズは、引き続き東芝エコキュートとして販売されます。

東芝キヤリアのラインナップ

東芝エコキュートはフルオートと給湯専用の2種類です。そのうち、フルオートは4つのグレードが販売されています。

プレミアムは、高効率モータを搭載した最高ランクのエコキュートです。ウォームキャップを装着し、高い断熱性能を持つ貯湯タンクもついています。プレミアムほどではありませんが、ハイグレードも銀イオンの湯やパワフル給湯などを標準装備していますので十分高性能です。

スタンダードとベーシックの違いは、パワフル給湯タイプであるか否かです。平屋で家族の人数がそれほど多くないのであれば、ベーシックタイプでも差し支えないでしょう。

東芝の5つの特徴

東芝の家庭用エコキュートのESTIAには5つの特徴があります。それぞれの内容について解説します。

銀イオンを使った菌の抑制

1つ目の特徴は「銀イオンの湯」です。この機能はプレミアムとハイグレードに装備されており、細菌の増殖を抑えてくれます。銀イオン発生装置の有無で浴槽内の細菌の数を調べたところ、銀イオン発生装置がない浴槽では翌日に細菌が増殖していたのに対し、発生装置がある浴槽は細菌の増殖を抑えるため、翌朝でもきれいな状態でした。

浴槽のお湯がきれいな状態だと、残り湯を使って翌日に入浴したり、洗濯用水として利用したりしやすくなります。また、銀イオン発生装置があると、配管内も清潔に保てますので、さらに安心です。

使いやすい光タッチリモコン

2つ目の特徴は「光タッチリモコン」です。このリモコンは東芝エコキュートの全てのタイプに標準装備されています。光タッチリモコンは白ベースと黒ベースの2種類があり、好みの色を選べます。

光タッチリモコンの長所は使いやすく美しいことです。指先で軽くタッチするだけで反応します。操作は光と音でナビゲートしてくれるので、使い慣れていない人でもストレスなく使用できます。さっとふき取るだけでリモコン画面の汚れが取れるため、手入れが簡単です。

また、光タッチリモコンは自宅で使用しているお湯の状況をリアルタイムに表示してくれます。使用している湯量やタンクの残り湯量も一目でわかるので便利です。

最近注目されている、太陽光発電の余剰電力を使ったお湯の沸き上げにも対応しています。余剰電力を使用するため、電力会社から最低限の電力を購入するだけでお湯を沸かすことができるのです。

省エネ機能

3つ目の特徴は優れた省エネ機能です。まず、省エネアシスト保温はセンサーを使って浴槽の湯量と湯温を検知することで、適切なタイミングで足し湯をするなどして、効率よくお風呂のお湯を保温します。従来型に比べると保温時間を3分ほど短くでき、エネルギー消費を抑えることが可能となります。

エコキュートの沸き上げ完了時間を調整し、太陽光発電のエネルギーを上手に使うこともできます。それにより、電気代を下げることにつなげます。

災害時のサポート

4つ目は災害時のサポートです。東日本大震災のような巨大地震に見舞われると、電気・水道・ガスなどのインフラがダメージを受け、長期間停電・断水する可能性があります。そんなときに頼れるのがエコキュートの中にあるお湯です。

東芝エコキュートは、停電発生時でも蛇口やシャワーからタンク内のお湯を使えます。断水時であっても、貯湯タンク内のお湯や水を非常用水として利用可能です。たとえば、460Lの貯湯タンクのお湯の量は10Lポリバケツ40杯分に相当します。これを、トイレの排水などに使用できます。ただし、飲用には適さないので、飲用水は別途用意しておきましょう。

せっかくお湯があっても、地震でエコキュートが壊れてしまっては意味がありません。東芝エコキュートの耐震性はAクラスまたはSクラスとなっています。日本建築センターの耐震クラスは震度に対応したものではありませんが、Bクラスで震度6程度に耐えられるとしていますので、それ以上の震度に耐えられる設計であるといえます。

こだわりの5年保証

5つ目は東芝こだわりの5年保証です。東芝エコキュートESTIAシリーズは全機種5年間の保証がついています。長期にわたって保証できるのは、3つの部位の性能に自信があるからです。

1つ目は貯湯タンクです。腐食に強い高耐食性ステンレスYUS190缶体を採用しているため、サビにくく丈夫な貯湯タンクとなっているのです。

2つ目はインバータです。インバータはエアコンやエコキュートの室外機の中にある機械で、モータの回転数を調節する役割を果たしています。東芝のエアコンの技術が用いられているため、エコキュートのインバータ性能も高いのです。

3つ目はコンプレッサです。コンプレッサはヒートポンプの心臓部ともいえる機械ですが、東芝の独自技術を用いることで耐摩耗性を向上させました。エコキュートの重要部位の性能が優れているため、5年間もの保証を付けることができます。

給湯省エネ事業の実施

2023年はエコキュートを導入するのに非常に良いタイミングです。なぜなら、経済産業省が13年ぶりにエコキュート導入の補助金を復活させたからです。補助金支給の対象となるのは以下の条件を満たしたものです。

• 省エネ法上のトップランナー制度の基準を満たした企業の製品であること
• 2025年度の目標基準値を超えていること

東芝エコキュートのESTIAシリーズの一部は、上記の条件を満たしているため、エコキュート補助金の対象となります。交付される補助金は1台あたり5万円です。

東芝の補助金対象機種

東芝エコキュートで、給湯省エネ事業の対象となっているのは以下の2機種です。

• HWH-X376HA-R
• HWH-X466HA-R

この2つの機種は、最初に紹介したラインナップのうち、「プレミアム」と区分された機種です。それ以外の機種では給湯省エネ事業の給付金は交付されません。

こどもエコすまい支援事業の交付金

給湯省エネ事業の補助金を得られないからといって、あきらめるのはまだ早いです。子育て世帯や若者夫婦世帯が新築住宅を建てる際の「こどもエコすまい支援事業」の交付金を得られる可能性があるからです。

国土交通省による支援事業で、住宅の省エネ化を推進するために補助金を交付します。この事業では現行の東芝エコキュートのすべてが交付対象となります。

ただし、あくまでも省エネ基準を満たす住宅の建設が前提であるため、エコキュート単体で得られる補助金ではありません。エコキュートだけで補助金を交付されたいのであれば、給湯省エネ事業の対象となっている2機種を設置しなければなりません。

まとめ

今回は東芝キヤリアのエコキュートであるESTIAシリーズを取り上げました。白物家電で蓄積した技術を活かした東芝のエコキュートは使いやすさと省エネ機能に優れていました。エコキュートそのものの性能についても、エアコンなどの技術がフル活用されているのがわかります。

最高ランクの機種になると銀イオン発生装置が設置されているため、追い炊きで心配になるお湯の清潔さについても、しっかりときれいな状態を維持できます。

補助金対象となるのはプレミアムの2機種です。東芝エコキュートの中でも最高ランクであるため、非常に使い勝手が良いのは間違いありません。エコキュートは長期間使用する機器ですので、せっかくなら設置するなら、補助金をつけて、最高ランクのものを設置したほうが良いのではないでしょうか。

エコ突撃隊では、エコキュート、蓄電池、太陽光発電システムといった住宅設備をお求めやすい価格で販売しております。

給湯省エネ事業にも対応しておりますので、エコキュートのご購入をご検討の際は、是非ご相談下さい。