オール電化
2018/11/27
ECO ONE・エコワンとは?メリットやデメリットを徹底解説
リンナイが開発した新しい給湯器「ECO ONE(エコワン)」をご存知ですか?エコジョーズやエコキュートを超える省エネ性を実現したエコワンの概要や、高い省エネ性を実現できる秘密、メリットやデメリットなどを解説します。
リンナイ エコワン シングルハイブリッド 一体 160Lタイプ
ECO ONE(エコワン)とは?
ECO ONE(エコワン)とは、リンナイが開発した電気(ヒートポンプ)とガス(エコジョーズ)を組み合わせた新しい給湯器のことを指します。
従来の給湯器には、ガスを燃料とするガス給湯器(エコジョーズ)や、電気で動くエコキュートなどがありました。
エコワンは、その2つを組み合わせた「ハイブリッド給湯器」です。また、ECO ONE(エコワン)には、大きく分けて「給湯機能」と「暖房機能」の2つがあります。
ECO ONE(エコワン)の給湯機能
ECO ONE(エコワン)の給湯機能は、お風呂をはじめとして、家中の給湯へお湯を送ります。エコワンがお湯を送る場所は、主に以下が挙げられます。
◯浴槽(お風呂)
◯シャワー(高圧給湯)
◯台所
◯食器洗い乾燥機
◯ミストサウナ
ECO ONE(エコワン)の暖房機能
ECO ONE(エコワン)の暖房機能は、床暖房をはじめとして、家全体を暖めます。エコワンの暖房機能が働く場所は、主に以下のとおりです。
◯床暖房
◯温水ルームヒーター
◯パネルヒーター
◯浴室暖房乾燥機
エコワン最大のメリットは省エネ性の高さ
エコワンを導入する最大のメリットは、省エネ性の高さです。「国立研究開発法人建築研究所」によると、家庭内のエネルギー消費のうち、実に65%を占めるのが「給湯」と「暖房」のために使用するエネルギーという研究データが出ています。
エコワンは、時間帯に合わせて電気(ヒートポンプ)とガス(エコジョーズ)を効率的に使い分けることで、給湯の一次エネルギー消費量を大幅に省エネすることに成功しました。
給湯の一次エネルギー消費量の比較
ここでは、ECO ONE(エコワン)の一次エネルギー消費量が、エコジョーズ、エコキュートなどに比べてどのていど優れているのか、具体的に紹介していきます。
◯従来型ガス給湯器:25.1%
◯エコジョーズ:21.6%/従来型ガス給湯器に比べて約14%省エネ
◯エコーキュート:16.5%/従来型ガス給湯器に比べて約34%省エネ
◯エコワン:13.8%/従来型ガス給湯器に比べて約45%省エネ
※国立研究開発法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)による「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」で公開されている平成28年省エネルギー基準に準拠した「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)Ver.2.3.1」(6地区)による算出。エコワンは160Lタイプ。(2017年12月現在)」
上記の一次エネルギー消費量の比較を見ると、エコワンの省エネ性は、省エネに優れているとされているエコジョーズやエコキュートに比べても、さらに優れていることが分かります。
給湯の一次エネルギー消費量が少なければ少ないほど、ランニングコストもお得になります。次の項目では、エコワンのランニングコストについても比較していきます。
エコワンならランニングコストも削減
上記で、エコワンの省エネ性の高さについてご紹介しました。では、ランニングコストはどの程度お得になるのでしょうか?
年間給湯ランニングコストの比較
ここでは、エコワンの年間給湯ランニングコストを、従来型のガス給湯器やエコジョーズと比較していきます。
◯従来型ガス給湯器:112,800円
◯エコジョーズ:100,900円/従来型ガス給湯器に比べて年間約1万円お得
◯エコワン:43,200/従来型ガス給湯器に比べて年間約7万円お得
※年間給湯+おいだき負荷18.3GJ
※LPガス料金:従来ガス給湯器、エコワン(160Lタイプ)ともに通期450円/m3
※電気料金:25.6円/kWh(基本料金を除く平均単価)
※建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報
※国立研究開発法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)
※エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)Ver.2.3.1(6地域)に基づき試算[2017年12月現在]
上記の通り、エコワンの年間給湯ランニングコストは、従来型ガス給湯器と比べて「約7万円」、省エネ性が高いエコジョーズと比べても「5.8万円」もの違いがあります。
こんなにお得なエコワンですが、デメリットは無いのでしょうか?次の項目では、ECO ONE(エコワン)のデメリットについて触れていきます。
ECO ONE(エコワン)のデメリット
高い省エネ性でお得になるECO ONE(エコワン)ですが、導入前に知っておきたいデメリットも存在します。
導入費用が高い
ECO ONE(エコワン)のデメリットでまずはじめに挙げなくてはならないのが、導入費用が高い点です。エコワンは導入費用(商品代+工事費)は、ガス給湯器(エコジョーズ)やエコキュートに比べても高い傾向にあります。
その理由は、ガス給湯器(エコジョーズ)やエコキュートよりも優れた省エネ性を備えた最新の給湯器であることが挙げられるでしょう。そのため、導入費用が高くても、ランニングコストは安く済みますので、エコジョーズなどと比べても長期的に見ればお得だと言えるでしょう。
ご家庭によっては光熱費の削減効果が少ない
ガスと電気を組み合わせて、上手に省エネするエコワンですが、以下のような住宅の場合はメリットが少なくなってしまいます。
お湯の使用量が少ないご家庭
まず、お湯の使用量が少ないご家庭です。エコワンは「給湯」の省エネ性に優れた給湯器ですので、お湯の使用量がもともと少ないご家庭の場合は、光熱費の削減効果を実感しにくいかもしれません。
都市ガスのご家庭
次に都市ガスを契約しているご家庭の場合です。もともとガス代の安い都市ガスの場合ですと、いくらエコワンでガスの使用量を少なくしたとしても、金額面では大きな変化はないかもしれません。逆に、プロパンガスを契約中のご家庭の場合は、光熱費の大きな削減効果が期待できると言えます。
評判や感想があまり集まっていない
リンナイが開発したECO ONE(エコワン)は、最新の給湯器で発売からまだ日も浅いため、使用した人の評判や感想があまり集まっていません。そのため、自分と似たようなご家庭の場合、エコワンを導入するとメリットが大きいのかどうかなどの判断が、現時点ではあまりできない状況です。
ただし、ECO ONE(エコワン)の評判や感想は今後どんどん集まってくるはずですので、購入の際の参考にすることができるでしょう。
ECO ONE(エコワン)はZEHに大きく貢献
省エネ性が非常に高いECO ONE(エコワン)は、政府が推進している「ZEH」にも大きく貢献しています。
「ZEH」とは、ネットゼロエネルギーハウス(Net Zero Energy House)の略称で、自宅で消費するエネルギーのほとんどを、自宅で創りだす住宅のことを指します。「ZEH」を実現するのための条件には、「創エネ性」「省エネ性」「断熱性」の3つがありますが、エコワンはこの中の「省エネ性」に大きく貢献できると期待を集めています。
「ZEH」について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

なお、政府は「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現する(経済産業省)」ことを目標に掲げています。省エネ性に優れたエコワンは、まさにこれからの時代のスタンダートとなる給湯器かもしれません。