オール電化
2025/01/26
エコキュートの室外機とは?役割や知っておきたいポイントなどをわかりやすく解説
エコキュートはエアコンの室外機に似たヒートポンプユニットと、人の背丈よりも大きい貯湯タンクユニット、室内に設置するリモコンユニットの3つで構成されています。基本的な役割やポイントなどはメーカーや機種によって違いはないので、エコキュートの購入を考えている方は知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、エコキュートの室外機の役割や知っておきたいポイントなどをわかりやすく解説します。
エコキュートの室外機とは?
エコキュートは電気と空気の熱でお湯を沸かす給湯器の総称です。
基本的な仕組みはどのメーカーでも共通しており、お湯を沸かすためのヒートポンプユニット、沸かしたお湯を溜めておく貯湯タンクユニット、湯温や湯量をコントロールするリモコンユニットの3つで構成されています。
エアコンの室外機に似た機器こそヒートポンプユニットで、エコキュートにおける心臓部です。
エコキュートの室外機の役割
エアコンの室外機に似た機器の正式名称はヒートポンプユニットで、お湯を沸かすことが役割で、ヒートポンプ技術を搭載しています。
ヒートポンプとは空気や水などから熱を集めて移動させる技術です。エコキュートの場合は、以下のサイクルでお湯を沸かします。
- 熱交換器の冷媒(二酸化炭素)が空気から熱を取り込む
- コンプレッサーで冷媒を圧縮して高温にする
- 高温になった冷媒を水側熱交換器で熱を水に伝えてお湯を作る
- 水側熱交換器で熱を奪われた冷媒は膨張弁に運ばれて低温になる
- 手順1に戻る
ヒートポンプユニットで外気から熱を集めると、冷媒に熱を吸収させ、内部の圧縮機で圧縮します。
圧縮すると高温になる性質を利用して生み出した熱で、水道水と熱交換をしてお湯を作り、今度は冷媒を膨張させて低圧・低温に戻します。
つまり、エコキュートの室外機は決められた時間帯に熱を吸収、圧縮、熱交換、膨張のサイクルを繰り返して、お湯を沸かす機器です。
なお、沸かしたお湯は貯湯タンクユニットで溜めておき、温度が下がったら再び沸かし直しを行い、必要に応じて各所に給湯します。
エコキュートの室外機で知っておきたいポイント
エコキュートの室外機で知っておきたいポイントは以下のとおりです。
- 基本的に屋外に設置する
- 機器の状態や周囲の環境によって給湯効率が下がる
- 運転音が発生して騒音トラブルに発生する可能性がある
- 故障する可能性は貯湯タンクユニットより高い
上記を順番に解説します。
基本的に屋外に設置する
基本的に、エコキュートの室外機(ヒートポンプユニット)は屋外に設置する機器です。
メーカーや機種、設置する場所の環境によっては貯湯タンクユニットを屋内に設置するケースはあります。
しかし、ヒートポンプユニットは低温になった冷媒が空気から熱を取り込む際にマイナス10℃以下の冷気を排出するので、室内に設置すると室温が低下する可能性が高いです。
また、ヒートポンプユニットが故障した場合、室内に設置していると二酸化炭素中毒を引き起こすリスクがあります。
寒い環境下では貯湯タンクユニットを室内に設置するケースはありますが、ヒートポンプユニットは室外に設置しましょう。
機器の状態や周囲の環境によって給湯効率が下がる
ヒートポンプユニットは空気の熱を吸い込み、冷気を排出する仕組みとなっています。
空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器のため、同じ機器でも気温が下がるほど給湯効率が下がり、電気料金が高くなりやすいです。
次の表は、外気温とエコキュートのランニングコストの変化をシミュレーションしたものになります。
外気温 | ランニングコスト | |
---|---|---|
1月 | -0.9℃ | 5,655円 |
2月 | -1.0℃ | 5,160円 |
3月 | 1.8℃ | 5,316円 |
4月 | 10.4℃ | 3,299円 |
5月 | 11.9℃ | 2,993円 |
6月 | 17.4℃ | 2,510円 |
7月 | 20.6℃ | 1,963円 |
8月 | 23.3℃ | 1,585円 |
9月 | 20.7℃ | 1,776円 |
10月 | 13.9℃ | 2,555円 |
11月 | 6.7℃ | 3,149円 |
12月 | -1.1℃ | 5,374円 |
あくまでもシミュレーションですが、外気温が低い冬になると電気料金が高くなる傾向があります。
また、室外機の周りがゴミで塞がっている、積雪で埋まっている、霜が付いているなどの場合でも、空気の熱を正常に取り込むことができず、結果として電気料金が高くなる場合が多いです。
運転音が発生して騒音トラブルに発生する可能性がある
エコキュートは電気料金単価が安くなる時間帯に稼働してお湯を沸かす貯湯式給湯器です。
料金プランや設定によって異なりますが、大抵の場合は真夜中の時間帯に稼働するため、運転音が近隣に聞こえて騒音トラブルに発展する可能性を否定できません。
現在のエコキュートの室外機は騒音が出にくくなっており、図書館や閑静な住宅街の騒音レベルです。
しかし、静かな時間帯や環境では室外機の音が気になる場合があります。
また、エコキュートは低周波音によって不快感や圧迫感などの心身に悪影響を及ぼす可能性があるという指摘もあるので、注意しましょう。
故障する可能性は貯湯タンクユニットより高い
ヒートポンプユニットは精密機器で構成されている機器です。周囲の環境や使用頻度によっては摩耗していき、故障する場合があります。
公的な統計はありませんが、シンプルな構造で耐久性に優れた貯湯タンクユニットに比べると、室外機のほうが故障する可能性は高いです。
次の表は、各メーカーの無償保証期間をまとめたものです。
リモコンユニット | ヒートポンプユニット | 貯湯タンクユニット | |
---|---|---|---|
パナソニック | 1年 | 3年 | 5年 |
三菱 | 2年 | 3年 | 5年 |
ダイキン | 1年 | 3年 | 5年 |
コロナ | 2年 | 3年 | 5年 |
日立 | 1年 | 3年 | 5年 |
東芝 | 5年 | 5年 | 5年 |
無償保証期間とは、メーカーが想定している通常の使用範囲であれば故障する可能性が低く、故障した場合はメーカーが無償で対応する期間です。
無償保証期間が長いほど故障しにくいということは、メーカー側は貯湯タンクユニットよりもヒートポンプユニットのほうが故障しやすいと判断していると考えられます。
エコキュートの室外機を設置する場所
エコキュートは屋外に設置する機器です。
しかし、適当な場所に設置すると適切な運用ができない、トラブルが発生するなどの可能性があるので、下記のポイントに注意しましょう。
- お湯を使う場所の近くに設置する
- 適切なスペースを確保する
- 隣家との距離や向き
上記を順番に解説します。
お湯を使う場所の近くに設置する
エコキュートはヒートポンプユニットでお湯を沸かして貯湯タンクユニットで溜めておく給湯器です。
お湯を使うときは、貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯と、水道水を混ぜて設定した温度まで下げて各所へと給湯します。
エコキュートを設置した場所から給湯箇所まで遠いと、設定した温度よりも下がってしまう可能性が高いです。
また、フルオートタイプのエコキュートは浴室から15m以内の場所に設置しないと、エラーが出る可能性があります。
つまり、エコキュートはお湯を使う場所の近くに設置すると良いでしょう。
適切なスペースを確保する
エコキュートの室外機の一般的なサイズは横幅が865mm前後、300mm前後、高さ700mm前後で、メーカーや機種によって正確なサイズは異なりますが、極端に大きい機種はありません。
エアコンの室外機に比べると、若干大きいサイズですが、基本的にはエアコンの室外機が設置できる場所に設置可能です。
ただし、空気を吸い込み、排出する仕組みとなっているので、前後にある程度のスペースが必要になります。
室外機は上方向を含めて三方向に障害物がない場所で、100mm~300mm程度のスペースを開けましょう。
隣家との距離や向き
エコキュートの室外機は騒音や冷風を発する可能性があるので、隣家との距離や向きも重要です。
例えば、運転時に低周波音が発生する場合は、隣家や自宅の寝室に近い場所に設置するべきではありません。
また、室外機が発する冷風によって隣家の植物を枯らす、換気扇から冷たい空気が流れていくなどのケースがあるため、隣家との距離や向きにも注意すべきです。
エコキュートの室外機でトラブルが起きた場合の対処法
エコキュートの室外機でトラブルが起きた場合の対処法は以下のとおりです。
- 給湯効率が下がったら周辺をチェックする
- 苦情があったら防音・冷風対策をする
上記を順番に解説します。
給湯効率が下がったら周辺をチェックする
エコキュートはリモコンユニットとスマホの専用アプリを連携させると、月々のランニングコストが自動的に記録され、確認できる機能があります。
毎月のランニングコストをチェックして、例年や平均に比べて極端に高い場合は室外機のファンが何かで塞がって給湯効率が下がっている可能性が高いです。
例えば、台風で舞った落ち葉や積雪、霜などで塞がると給湯効率が下がるので、定期的にチェックし、対処しましょう。
また、積雪が定期的に発生する地域では、室外機の下に架台を設置して、雪によって塞がってしまう事態を回避すると良いです。
苦情があったら防音・冷風対策をする
室外機を設置してから騒音や冷風で苦情を受けたら、まずは施工業者に相談して設置する場所を変更しましょう。その際には、隣家に寝室の場所を尋ねながら、新しい場所を探すと良いでしょう。
設置環境や敷地などの理由によって現在の設置場所から変えることができない場合は、防振ゴムや防音シート、防音壁などを設置します。確実に防げるとは断言できませんが、エコキュートの運転音や低周波音をある程度抑えることが可能です。
また、エコキュートを夜間ではなく日中にお湯を沸かすように設定を変更する方法も有効です。静かで気温が低い夜間よりも、日中のほうが騒音や冷風の影響が少なくなる可能性があります。
エコキュートのリモコンユニットでお湯を沸かす時間帯を変更できるので、苦情があった場合は試してみましょう。
ただし、エコキュートの料金プランは夜間よりも日中のほうが電気料金単価は高いため、日中にお湯を沸かすとランニングコストが高くなります。
日中にお湯を沸かすなら、太陽光発電システムや蓄電池の併用がおすすめです。
まとめ
以上が、エコキュートの室外機の役割や知っておきたいポイントなどの解説です。エコキュートの室外機の正式名称はヒートポンプユニットで、お湯を沸かすための機器になります。
エコキュートの心臓部と呼べる機器で、トラブルが起きると給湯効率が下がり、ランニングコストが高くなる可能性があるので定期的に周辺をチェックしましょう。
また、設置する場所によってはトラブルに発展する可能性があるので、信頼できる業者と相談しながら設置すると良いです。
「エコ突撃隊」では、専門知識を身につけたスタッフが対応いたします。エコキュートに興味がある方は、ぜひご相談ください。
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