オール電化
2025/03/28
エコキュートの保証期間は何年くらい? メーカーごとの年数を一覧表付きで解説!
少ない電力でお湯を沸かすことができる省エネ性能と、すぐれたランニングコストから導入が進んでいる高効率給湯器の「エコキュート」。 家庭用でも累計で1,000万台近く出荷されており、今後もますます普及していくことが予想される住宅設備です。
エコキュートは空気中の熱を利用してお湯をつくりだす装置で、電気エネルギーのみで稼働する点に特徴があります。
その独特な機構や運用法により省電力かつ効率的な給湯を実現しており、新築やリフォーム・リノベーションでの導入には国や自治体から補助が出るなど、設置を後押しする制度が充実している点も特筆されるメリットといえるでしょう。
そんなエコキュートですが繊細な配管や高度な電子部品が組み合わさった精密機器であり、常時水やお湯の循環という負荷がかかるハードな機材でもあります。
そのため故障や不具合のリスクは避けることができず、一定の期間内であれば無料で修理を受けられる「保証期間」が設けられていることが一般的です。
本記事ではエコキュートを展開している各メーカーについて、それぞれの保証期間は何年と設定されているのか一覧表を示しつつ解説します。
エコキュートの仕組みをおさらい!
エコキュートの保証期間について詳しく触れる前に、そもそもこれはどのような仕組みでお湯をつくりだす装置であるのかをおさらいしておくことにしましょう。
先にエコキュートは「空気中の熱を利用して」お湯をつくることを述べましたが、これはどういうことでしょうか。
外気温はどんなに暑い日でも40℃に達することは多くなく、そうだとしてもお湯というには到底足りない温度です。
実はエコキュートについてよくいわれる上記の仕組みは説明として不十分で、正確には「集めた空気中の熱を装置の作用で高めることで水をお湯にする」ほどのエネルギーを得ているのです。
それはエコキュートに備えられた「ヒートポンプ」という熱交換装置の働きによるもので、気体は圧力をかけると温度が上がる性質を巧みに利用しています。
もう少し詳しく説明すると、ヒートポンプユニットの内部には「冷媒」と呼ばれる気体が循環しており、エコキュートでは環境に配慮して二酸化炭素を用いています。
この冷媒に空気中の熱を吸収させ、圧縮によって温度を上昇させて水を加熱するというのが大まかな仕組みです。
このことによってエコキュートでは60℃~90℃ほどのお湯をつくり出すことを可能としています。
水を温めるために熱を伝えた後の冷媒は逆に開放することで温度が下がる性質も持っているため、ヒートポンプ内部では圧縮と開放のサイクルで温度上昇と降下を繰り返します。
また、エコキュートはヒートポンプでつくったお湯を「貯湯タンク」にためておくことも特徴的な仕組みです。
タンクにためたお湯をキッチンやお風呂場、あるいは洗面所などの各所で設定された温度になるようその都度水で割りながら給湯するのが基本的な運用で、そのため実際に使えるお湯はタンク容量よりも多くなるのが普通です。
さらにヒートポンプを稼働させてお湯をつくるのは夜間の電気料金が安い時間帯を前提として設計されており、これらの理由によってエコキュートは省エネとすぐれたランニングコスト性能を両立する給湯器としての能力を獲得したのです。
エコキュートの保証期間一覧表
それではエコキュートの保証期間について、各メーカーの設定を見ていきましょう。
以下は「本体」「ヒートポンプユニット」「貯湯タンクユニット」「リモコン」の4部位ごとに、主要メーカー6社の設定保証期間を表にしたものです。
同じ部位であってもメーカーによってはその対応範囲に細かい差異が示されているため、括弧書きでそのニュアンスを記しています。
各エコキュートメーカーの保証期間一覧表
部位/メーカー | 本体 | ヒートポンプユニット | 貯湯タンクユニット | リモコン |
---|---|---|---|---|
コロナ | 2年 | 3年(コンプレッサー・熱交換器) | 5年(缶体) | – |
日立 | 1年 | 3年(冷媒回路) | 5年(缶体) | 1年 |
東芝 | 5年 | 5年(消耗部品については2年) | 5年(消耗部品については2年) | 5年 |
パナソニック | 1年 | 3年(冷媒系統) | 5年(水漏れについて) | 1年 |
ダイキン | 1年 | 3年(冷媒系統) | 5年(缶体・水漏れについて) | 1年 |
三菱 | 2年 | 3年(コンプレッサー・熱交換器) | 5年(缶体) | 2年 |
このように、メーカーによって保証期間にはばらつきがありますが、貯湯タンクユニットのみはいずれも5年で共通しています。ただしその細かい内容には「缶体」「消耗部品」「水漏れ」などの条件が設定されており、個別の症状によって対応範囲が流動することを示しています。
本体については1年または2年が標準ですが東芝のみ5年と大幅に長く、ヒートポンプユニットについても他メーカーが条件差はあるものの一律3年としているところをやはり5年の保証をつけています。
一方、リモコンについてはコロナ製のエコキュートのみ保証対象外である点に注意が必要であるといえるでしょう。
メーカーごとのエコキュート特徴まとめ
次に前項で見たメーカーについて、それぞれがラインナップしているエコキュートの特徴を概観してみましょう。
保証期間の長さはいわば「故障のしにくさ」に対するメーカーの自信にもつながる部分ですが、さまざまな状況から修理を必要とする事態が発生するリスクは避けられません。
以下はいずれも参考であり、エコキュート導入の際にはそれぞれのメリットを把握しつつ各メーカーの保証期間と照らし合わせながら選択しましょう。
コロナ
コロナは暖房機器や住宅設備の製造を手掛けるメーカーとして著名で、2001年に世界で初めてエコキュートを発売したことでも知られています。
いわばエコキュートの元祖でもあり、したがってこのジャンルではもっとも長い歴史を持つメーカーです。
コロナ製エコキュートの特徴としては徹底したエネルギー効率追求が挙げられ、7つの温度サーミスタで非常に細かい湯温調整を可能としているのは業界唯一の機能です。
保証期間としては本体が2年、ヒートポンプユニットのコンプレッサーおよび熱交換器に関することが3年、貯湯タンクユニットの缶体が5年と標準的な設定です。
ただし他のメーカーとは異なり、リモコンに対する保証期間が設定されていない点には注意が必要でしょう。
日立
日立は日本最大の総合電機メーカーで、展開しているエコキュートは高い保温能力と強い水圧に特徴があります。
エコキュートは多くの場合で屋外にヒートポンプや貯湯タンクといったユニットを設置するのが一般的なため、熱の放散を抑えることはエネルギーの効率利用に直結するテーマです。
また、日立製エコキュートは業界唯一の「水道直圧式」という仕組みを採用しているのも特筆すべき点です。
通常のエコキュートは貯湯タンクへの圧力によるダメージを軽減するため、一旦水道の水を減圧する措置がとられています。しかし日立の水道直圧式はその名のとおり水道の圧力を減じることなく、「プレート式給湯熱交換器」で瞬時に加熱することで水圧を損なわない給湯を実現しています。また、このタイプではお湯を直接飲用できることも大きなメリットの一つです。
保証期間としては本体が1年、ヒートポンプユニットの冷媒回路に関することが3年、貯湯タンクユニットの缶体が5年、リモコンが1年と設定されています。
東芝
東芝は電子機器やエネルギーシステムなどを手掛ける電機メーカーで、展開しているエコキュートは保温性能の高さと強力な除菌・防臭機能に特徴があります。
特に除菌と防臭に関しては業界唯一の「銀イオン発生ユニット」を搭載しており、銀イオンの作用によって雑菌の増殖を抑えてお湯を清潔に保つ効果を発揮します。
お湯を追い焚きして使ったり、残り湯を選択に用いたりすることが多い世帯には衛生面でも安心できるうれしい機能といえるでしょう。
保証期間としては本体、ヒートポンプユニット、貯湯タンクユニット、リモコンのすべてにおいて5年と設定されており、ここに挙げたメーカー6社のうち群を抜いて長い期間となっています。
ただしヒートポンプと貯湯タンクの消耗部品については2年の保証期間である点に注意が必要です。
パナソニック
パナソニックは世界有数の電化製品メーカーとして有名な企業で、展開しているエコキュートは高い保温性に加えて残り湯の熱を有効利用する仕組みに特徴があります。
保温性能については業界トップクラスの数値を示しており、残り湯が持つ熱をそのまま放散させるのではなく、次の沸き上げのために再利用することでエネルギーロスを抑える工夫が施されています。
また、シャワーのお湯の量や温度を自動変調させて節水と省エネルギーを実現するなどの機能も特徴的です。
保証期間としては本体が1年、ヒートポンプユニットの冷媒系統が3年、貯湯タンクユニットの缶体が5年、リモコンが1年と設定されています。
ダイキン
ダイキンは世界的な空調機器メーカーとして知られ、エアコンにも用いられている高度なヒートポンプ技術がエコキュートにも反映されています。
特徴としてはエコキュートが苦手とする地下水や井戸水の利用を可能としている点で、独自の水質基準をクリアする必要はありますが配管にダメージを与えやすいハードな環境下で使用できる強靭性が特筆されます。
また、水圧が高く快適な使用感を実現しつつ、沿岸部など潮風で機器が傷みやすい環境に耐える「塩害対応タイプ」のラインナップもユニークといえるでしょう。
保証期間としては本体が1年、ヒートポンプユニットの冷媒系統に関することが3年、貯湯タンクユニットの缶体・水漏れについては5年、リモコンが1年と設定されています。
三菱
三菱は日本屈指の巨大企業グループで、そのうちエコキュートを展開しているのは三菱電機という会社です。
特徴としてはタンクサイズの豊富なバリエーションと、非常時の水ストック利用を想定した利便性が挙げられます。
通常のエコキュートではタンク容量のラインナップは2~3種類が多いですが、三菱では細かく7種類ものバリエーションが用意されています。
また断水時などに貯湯タンク内の水を使えることがエコキュートの持つメリットの一つですが、三菱製モデルではより迅速かつ簡易に取水できるよう設計されています。
保証期間としては本体が2年、ヒートポンプユニットのコンプレッサーと熱交換器に関することが3年、貯湯タンクユニットの缶体・水漏れについては5年、リモコンが2年と設定されています。
まとめ
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事ではエコキュートの各メーカーが設定している保証期間について、一覧表を示しつつ解説しました。
保証期間については有料で延長したりさらなるオプションを付けたりすることも可能なため、無料分で不安な場合はそうしたサービスを利用するのも有効な選択肢です。
関西密着の施工会社である「エコ突撃隊」では、エコキュートをはじめとした省エネ設備などのメーカー正規品を低価格でご提供しております。
また1998年の創業以来、これまでに28,000件以上の施工実績を有していることから、豊富なノウハウと確かな技術で多くの客様から好評のお声をいただいてきました。
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