オール電化
2026/08/24
エコキュートの詐欺の手口とは?悪質業者の見分け方・断り方・契約後の対処法などを解説

「無料で点検します」「今すぐ交換しないと危険です」などと告げ、エコキュートの高額な修理や交換を迫る点検商法が問題になっています。
突然訪問してきた業者がすべて悪質とは限りませんが、相手の説明をうのみにしてその場で契約するのは危険です。
本記事では、エコキュート詐欺でよくある手口や悪質業者の見わけ方、訪問販売の断り方を解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
エコキュートの訪問点検・訪問販売はすべて詐欺なのか

まずは、給湯器の点検をめぐるトラブルがどの程度起きているのかを確認しておきましょう。次の表は独立行政法人国民生活センターが公表した給湯器の点検に関する相談件数をまとめたものです。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2018年度 | 206件 |
| 2019年度 | 241件 |
| 2020年度 | 245件 |
| 2021年度 | 335件 |
| 2022年度 | 561件 |
| 2023年度 | 1,099件 |
※2023年度は12月31日までに登録された分の件数です
5年間で5倍以上に膨らんでおり、なかでも2022年度から2023年度にかけての伸びが際立ちます。相談者の内訳では70歳以上が7割以上を占めており、高齢者を中心に被害に遭っています。そのため、離れて暮らす親がいる方は、無料点検や訪問点検に対応しないように説明しておきましょう。
一方で、突然の訪問がすべて悪質とは限りません。過去には大手メーカーが自社製エコキュートのリコールを公表し、対象となる製品の無償点検と部品交換を実施しています。
訪問してきた業者の説明をうのみにせず、メーカーの公式窓口へ自分から連絡して事実関係を確かめてください。
エコキュート詐欺でよくある手口
エコキュート詐欺で実際に相談が寄せられている手口は、主に次のとおりです。
- 依頼していない「無料点検」を持ち掛けて訪問する
- 電力会社やメーカー、自治体を装う
- 点検後に故障や危険性を強調して不安をあおる
- 割引や期間限定を理由に即決を迫る
- エコキュートと関係のない商品やサービスを売りつける
- 補助金を口実に契約を急がせる
それぞれ、順番に解説します。
依頼していない「無料点検」を持ち掛けて訪問する
もっとも多いのが、頼んでいないにもかかわらず点検を申し出て玄関先に立つパターンです。無料という言葉には警戒心を緩める働きがあり、断りにくさを感じたまま応じてしまう方も少なくありません。
ただし、無料であること自体が悪質さの証明になるわけではないため、まずは訪問元の会社名と点検の目的を確認してください。
名乗った内容があいまいだったり、なぜ自宅を訪ねてきたのか説明できなかったりする場合は、そのまま引き取ってもらうのが安全です。
電力会社やメーカー、自治体を装う
実在する組織の名前を出せば、相手は信用しやすくなります。国民生活センターには、ガス会社だと思い込んで点検を依頼したところ高額な交換契約を結ばされた例や、自治体から委託された業者を名乗る相手に交換が必要だと告げられた例が寄せられています。
名刺や身分証の提示を求めてはぐらかされたときは、名乗った組織の公式窓口へ直接問い合わせて裏付けを取りましょう。
点検後に故障や危険性を強調して不安をあおる
点検を終えた業者が「このままでは壊れる」「危険な状態です」と告げ、修理や交換を強く勧める流れも典型的です。
判断材料を持たない方にとって、専門家を名乗る相手の指摘を否定するのは容易ではありません。
だからこそ、どの部品がどのような状態にあるのかを書面で示すよう求めてください。応じない場合は、その指摘自体の信頼性を疑う必要があります。
割引や期間限定を理由に即決を迫る
「今日契約すれば割引します」「施工実績が欲しいので特別価格にします」といった提案は、比較検討の機会を奪うことを狙ったものです。
考える時間さえ与えなければ、業者にとって有利な条件のまま話をまとめられます。好条件を提示されたときほど、その場で答えを出さないようにしましょう。
エコキュートと関係のない商品やサービスを売りつける
点検を口実に、浄水器など別の商品へ話を広げるケースもあります。必要性の説明がないまま水抜きや清掃の契約を勧められることもあり、当初の点検とは無関係な契約を持ち掛けられます。
話題が本来の目的から離れ始めたら、勧誘に切り替わった可能性があると考えましょう。
補助金を口実に契約を急がせる
補助金は契約を後押しする材料として使われやすく、次のような説明には注意が必要です。
- 受給や採択を保証する
- 実在しない補助金を案内する
- 補助金を受けるには点検や契約が必要だと偽る
- 手数料の金額や業務内容を説明しないまま請求する
- 申請期限を理由に即決を迫る
補助金制度は要件を満たしたうえで審査を経るものであり、契約時点で受給を確約できる事業者は存在しません。上記に当てはまるケースでは詐欺の可能性が高いので注意しましょう。
悪質業者を見分けるチェックポイント
悪質業者を見分けるチェックポイントは主に以下のとおりです。
| 確認する場面 | 該当すると危険なサイン |
|---|---|
| 訪問直後 | 勧誘の前に事業者名、勧誘が目的であること、商品やサービスの種類を告げない |
| 訪問直後 | 身分証や名刺の提示を渋る |
| 点検・説明時 | 点検や修理の必要性を書面で説明しない |
| 見積時 | 見積書を出さない、内訳が不明瞭 |
| 見積時 | その場での契約を強く求める |
| 見積時 | 根拠のない大幅割引や「絶対にお得」といった断定的な表現を使う |
| 事業者確認時 | 会社名、所在地、連絡先、代表者などの事業者情報を確認できない |
| 事業者確認時 | 電気工事業法に基づく登録や届出の状況、施工者の保有資格を確認できない |
| 事業者確認時 | 施工を自社で行うのか協力会社に出すのか説明しない |
訪問販売では、勧誘に先立って事業者の氏名または名称、契約の勧誘が目的であること、扱う商品やサービスの種類を告げることが特定商取引法で義務づけられています。名乗らずに話を進める相手は、この時点で法律上の義務を果たしていません。
また、所在地や固定電話、代表者名が公表されていない、あるいは調べても実態が確認できない事業者は、契約後に連絡が取れなくなるリスクを抱えています。
なお、電気工事を伴う施工には電気工事業法に基づく登録または届出が必要で、工事金額の大小は関係ありません。さらに、建設業許可については、エコキュート交換のような規模の工事であれば取得していない事業者も適法に施工できます。
許可の有無だけを取り上げて優劣を判断しないよう気をつけてください。
該当項目が複数見つかったときは、その場で結論を出さず、書面だけ受け取って契約を結ばないようにしましょう。
エコキュートの訪問販売・電話勧誘の断り方
エコキュートの訪問販売・電話勧誘の断り方は、主に以下のとおりです。
- ドアを開けず、インターホン越しで対応を完結させる
- 契約する意思がないことを明確に伝える
- 曖昧な返答を避ける
- その場で連絡先や個人情報を渡さない
- 引き下がらない相手には警察に相談する
それぞれ、順番に解説します。
ドアを開けず、インターホン越しで対応を完結させる
最初の対応が、もっとも確実な防御になります。ドアを開けた瞬間に相手は玄関先へ足を踏み入れ、会話を続ける口実を得るからです。姿を見せずに用件だけを聞き、必要がなければそのまま断る流れをつくりましょう。
約束をしていない相手の場合、応答自体をしないという選択も有効です。
契約する意思がないことを明確に伝える
断る際は「契約しません」「点検は必要ありません」と言い切ってください。特定商取引法では、消費者が契約しない意思を示した場合、その場で勧誘を続けることも、後日改めて勧誘することも禁止されています。
つまり、明確に断ることで、法律上の保護を受けることが可能です。あいさつ程度に受け流すだけでは、この効果は生まれません。
曖昧な返答を避ける
「今は決められません」「家族に聞いてからにします」といった返答は、拒絶ではなく保留と受け取られます。
相手にしてみれば再訪問の口実が残るため、日を改めて同じ勧誘を受ける結果になりかねません。検討する意思がないのであれば、判断を先送りする言い回しは使わないほうが賢明です。
その場で連絡先や個人情報を渡さない
氏名や電話番号を伝えれば、後日の電話勧誘につながります。業者間で情報が共有され、別の会社から接触を受ける可能性も否定できません。資料を送るという申し出も、住所を聞き出す入り口になり得ると考えてください。
引き下がらない相手には警察に相談する
はっきり断っても勧誘を続ける、玄関先に居座るといった対応を取られたときは、警察相談専用電話「#9110」を利用しましょう。
緊急性のない相談を受け付ける全国共通の番号で、発信地を管轄する警察本部の窓口につながります。身の危険を感じる状況であれば、ためらわず110番に通報してください。
なお、断ること自体に迷いがあるなら、その場で結論を出さず、家族や消費生活センターへ相談してから決めるという選択もあります。
契約してしまった場合の対処法

その場の勢いで契約書に署名してしまっても、支払いを済ませる前であれば取れる手段は残されています。訪問販売には消費者を保護する仕組みが法律で用意されており、期間内であれば理由を問わず契約を解消できます。
まずは制度の内容を確認しましょう。
クーリング・オフで契約を解消する
訪問販売でエコキュートを契約した場合は、原則としてクーリング・オフを利用できます。法律で定められた事項が記載された書面を受け取った日から8日以内であれば、書面またはメールなどの電磁的記録によって、申込みの撤回や契約の解除が可能です。
8日間の起算点は、契約日ではなく法定書面を受け取った日です。書面を受け取っていない場合や、記載内容に不備がある場合は、クーリング・オフ期間が始まっていない可能性があります。
また、8日を過ぎていても、すぐにあきらめる必要はありません。事業者が事実と異なる説明をしたり、威迫して消費者を困惑させたりしたことでクーリング・オフできなかった場合は、期間経過後でも手続きできる可能性があります。
判断が難しい場合は、契約書や見積書を手元に用意し、消費者ホットライン188へ相談しましょう。
工事が始まっていても清算の負担は生じない
すでに工事に着手されていても、クーリング・オフが成立すれば対価や違約金を支払う義務はありません。頭金などを支払い済みであれば速やかに返金を求められますし、建物やその他の工作物の現状が変更されている場合には、無償で元に戻すよう請求できます。
撤去済みの旧機種や配管の状態が気がかりでも、費用を負担する必要はありません。なお、現金取引で代金の総額が3,000円未満のときなど、制度が適用されない例外も存在します。
8日を過ぎた場合に検討できる手段
期間を過ぎた契約でも、内容によっては別の規定が使えます。通常必要とされる量を著しく超える契約を結ばされたときは、締結から1年間は申込みの撤回や解除が可能です。
また、事実と異なる説明を受けて誤認したまま契約した場合や、故意に事実を告げられなかった場合には、意思表示そのものを取り消せます。
通知は証拠を残す方法で行う
書面で通知するなら特定記録郵便や簡易書留、内容証明郵便を使い、発送した記録を保管してください。電子メールで送る場合は送信済みのメールを保存し、事業者のウェブフォームを利用したときは画面のスクリーンショットを残しておきましょう。
「通知していない」と主張されたときに反論できる状態をつくることが重要です。
状況に応じた相談窓口
相談内容や状況に応じて相談する窓口は異なります。
| 相談内容 | 窓口 |
|---|---|
| 契約や解約に関する相談 | 消費者ホットライン188 |
| クレジットやローンで支払う契約 | カード会社・信販会社 |
| 威迫、居座り、身分詐称などの行為 | 警察相談専用電話#9110 |
| 身の危険がある緊急時 | 110番 |
手続きの進め方に迷ったら、まず188へ相談してください。最寄りの消費生活センターにつながり、契約内容に応じた具体的な助言を受けられます。
分割払いの契約では、販売会社への通知と並行して信販会社にも連絡しておくと、請求が進んでしまう事態を防ぎやすくなります。
エコキュート交換・修理の費用相場
不当に高い見積もりを見抜くには、判断の物差しとなる金額を知っておく必要があります。ただし、エコキュートの交換費用は条件によって幅があるため、目安として費用相場を把握しましょう。
一般的な家庭用エコキュートの交換は、本体価格と標準工事費を合わせて40万円から70万円程度が目安です。
修理の場合は、基板や電磁弁などの部品交換であれば数万円台に収まる一方、ヒートポンプユニットの交換が必要になると20万円を超えることもあります。
費用が決まるポイントは主に以下のとおりです。
- 給湯タイプ(給湯専用、オート、フルオート)
- タンク容量
- 高圧タイプかどうか
- 設置地域や環境に応じた仕様(一般地、寒冷地、耐塩害)
- 本体の形状(角型、薄型)
- 既存の配管や基礎の状態
- 搬入経路の確保しやすさ
- 電気工事や配管延長の要否
給湯タイプと容量は本体価格を左右する要素で、フルオートや大容量になるほど高くなります。寒冷地仕様や耐塩害仕様、狭小地向けの薄型も同様です。
工事費のほうは現地の条件で変わり、基礎の打ち直しや配管の延長、分電盤の工事が加われば標準工事費に上乗せされます。クレーンが必要な立地であればさらに費用がかさみます。
つまり、同じ40万円台の見積もりでも条件が違えば妥当性の評価は変わるということです。比較するときは、同じ型番と同じ工事条件でそろえた見積もりを複数社に依頼しましょう。
見積書を受け取る際は、標準工事に含まれる範囲と追加費用が発生する条件を書面で示してもらいましょう。
インターネット広告で「工事費込み」と表示されている場合も同じで、含まれる作業の内訳を確認しないまま契約すると、着工後に追加請求を受ける可能性があります。
正しい点検の受け方と自分でできるお手入れ
訪問してきた業者を断ったあとで、現在のエコキュートの状態が気になるかもしれません。
エコキュートの点検を受ける時は、自分から動いて信頼できる相手に依頼するのが基本です。あわせて、日常的に確認できる範囲を知っておくと不安の芽を減らせます。次項から、順番に解説します。
点検は自分から依頼する
依頼していない業者から点検を持ち掛けられても、その場では応じないようにしましょう。点検が必要だと感じた場合は、メーカーや購入した販売店へ自分から連絡するのが安心です。
一般的に、信頼できる点検では、事業者名や点検の目的、費用、作業範囲などが事前に説明されます。
ただし、事前連絡があったという理由だけで、信用できる業者とは判断できません。電話で点検の約束を取り付けてから訪問する手口もあるため、依頼した事業者や契約先の担当者であるかを公式窓口へ確認しましょう。
実際に点検を受けるときは、業者に作業を任せきりにせず、できる限り立ち会ってください。指摘された箇所や説明内容を写真やメモに残しておくと、メーカーや別の業者へ相談する際の判断材料になります。
日常的に確認できるポイント
日頃から自分で確認できる項目として、貯湯タンクの水抜きや逃し弁の作動確認、配管まわりの水漏れ、リモコンのエラー表示などがあります。
普段の運転音やお湯の出方を把握しておけば、突然故障を指摘されたときも慌てず、メーカーや別の業者へ相談すべきか判断しやすくなります。
ただし、点検やお手入れの方法、実施する頻度は機種によって異なります。必ず使用している機種の取扱説明書を確認し、自分で対応してよいか判断できない場合は、メーカーや購入した販売店へ相談してください。
信頼できるエコキュート業者の選び方
点検や修理、相談、購入などで信頼できるエコキュート業者を選ぶときのポイントは主に以下のとおりです。
- 複数社から相見積もりを取る
- 見積書の内訳が明記されているか確認する
- 施工実績と保証内容を確認する
- アフターサポートの体制を確認する
- 施工を自社で行うか協力会社に出すかを確認する
相見積もりを取ると、価格の妥当性だけでなく、提案される機種や工事内容も比較できます。同じ設置条件を伝えているにもかかわらず提案内容が大きく異なる場合は、その理由を具体的に説明してもらいましょう。
見積書では、本体価格や工事費、既存機器の撤去処分費、諸経費などが分けて記載されているかを確認してください。「工事一式」としか記載されていない場合は、契約後に追加費用が発生する条件や、見積もりに含まれる作業範囲が分かりにくくなります。
保証については、メーカー保証と販売店独自の保証を分けて確認することが大切です。本体と工事にそれぞれ何年間の保証が付くのか、施工不良によるトラブルが保証対象に含まれるのかも確認しておきましょう。
アフターサポートでは、故障時の連絡先や受付時間、対応までの目安を確認します。エコキュートが故障するとお湯を使えなくなる可能性があるため、設置後も相談しやすい業者を選ぶと安心です。
施工体制についても、事前に確認しておきましょう。協力会社が施工すること自体は珍しくありませんが、工事中や設置後に不具合が起きた場合、販売店と施工会社のどちらが対応するのかを明確にしておく必要があります
まとめ
以上が、エコキュートの詐欺の解説になります。
給湯器の点検商法をめぐる相談は年々増えており、相談者の多くを高齢者が占めています。突然の訪問すべてが悪質とは限らないものの、依頼していない点検に応じる理由はありません。
玄関先で判断を迫られたら、契約する意思がないことを明確に伝え、その場で結論を出さないことが被害を防ぐ最善の方法です。
すでに契約してしまった場合も、法定書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフができます。期間を過ぎていても手段が残っているケースがあるため、支払いを済ませる前に消費者ホットライン188へ相談してください。
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