太陽光発電
2021/08/16
今から太陽光発電システムを設置するメリット、デメリット
太陽光発電システムは電気料金を節約でき、停電時にも自家発電して電気が使えるなどのメリットがあります。一方で、電気の買取価格は減少傾向にあり、以前のように住宅用太陽光発電で儲けるのは難しくなっています。
そこで今回は、今から太陽光発電システムを設置する際のメリット・デメリットについて解説します。2021年時点の電気料金の事情についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
太陽光発電システムの基礎知識
太陽光発電システムは次の2種類に分類されます。
- 住宅用太陽光発電…家庭で余った電力を売電できる
- 産業用太陽光発電…発電した電力をすべて電力会社に売電できる
それぞれ、順番に解説します。
住宅用太陽光発電
住宅用太陽光発電とは、主に一般住宅の屋根の上に設置される太陽光発電システムを指します。出力が10KW未満の太陽光発電システムで、家庭内で消費しきれなかった余剰電力を電力会社に売電できます。
自家消費型とも呼ばれており、すべての電気を自宅で消費するか、余剰分の電力を売電するかは、ある程度自分でコントロールすることができます。
主に光熱費の節約や、地震、台風といった災害時に停電した場合の備えとして設置されます。本記事では、主に住宅用太陽光発電を設置する際のメリット・デメリットについて解説します。
産業用太陽光発電
産業用太陽光発電とは、主に平地に大規模なソーラーパネルを設置する太陽光発電システムを指します。出力が10KW以上の太陽光発電システムで、発電した電力を家庭で消費することもできますが、電力会社にすべて売電して収入を得ることもできます。
住宅用太陽光発電に比べて出力が高く、産業用太陽光発電は投資・投機目的で設置されることが多いです。
2021年時点での電気料金の事情
日本の電気料金は東日本大震災以降、年々上昇傾向にあります。
電気料金は主に「基本料金」と「使用料」、「その他」の三つの要素によって決定します。
- 基本料金…契約アンペア数
- 使用料…使った電気量に応じて決定
- その他…再生可能エネルギー賦課金・燃料調整費・各種割引など
基本料金は直近10年間ではあまり変動していませんが、家庭向け電気料金の使用料は、2010年が20.4円/kWhに対して、2019年は24.8円/kWhに上昇しています。
使用している電気量が変わらなくても、電気使用料が上昇しているため、結果として支払う電気料金が上がっているのです。
日本では電力源の約半分を火力発電に依存しているため、原油価格が上がると電気使用料が上がってしまいます。
また、再生可能エネルギー賦課金も2012年が0.22円/kWhに対して、2021年は3.36円/kWhに上昇しており、2030年までに3.50円/kWhまで上昇すると予想されています。
このように、日本の電気料金は将来的に値上げする可能性は非常に高いと言えます。
太陽光発電システムを設置するメリット
太陽光発電システムを設置するメリットは次になります。
- 電気料金が節約できる
- 売電収入が得られる
- 再生可能エネルギー賦課金を減らせる
- 停電時にも電気が使える
- パネル直下の部屋が過ごしやすくなる
- オール電化住宅と相性が良い
それぞれ、順番に解説します。
電気料金が節約できる
太陽光発電システムを設置する最大のメリットは、自家発電により電気料金が節約できることです。
太陽光発電システムメーカー「ソーラーフロンティア」のシミュレーションによれば、1時間あたり約4kWを発電できる太陽光発電システムを設置すれば、電気料金が年間約3万円も節約できます。
屋根の面積や角度、住んでいる地域、設置する太陽光発電システムの発電量によって節約できる電気料金は異なりますが、年間3万円も節約できるのは魅力的です。
また、発電量や消費量はモニターで常に確認することができるため、自然と節電への意識が高まります。
売電収入が得られる
太陽光発電システムを設置するメリットでもう1つ重要なのが、自家発電した電力を電力会社に売電すると収入が得られることです。
上記のシミュレーションを用いると、1時間あたり約4kWを発電できる太陽光発電システムの年間推定発電量は約4911kWhです。
経済産業省の発表によれば、家庭で発電した電力の3割は自家消費に使われ、残りの約7割が売電されています。よって、1年間で発電した電力の約7割に当たる約3500kWhを19円/kWh(2021年の買取価格)で売電した場合の収入は約66,500円になります。
つまり、1時間あたり約4kWを発電できる太陽光発電システムを設置した場合、合計して年間約96,500円の節約につながります。
再生可能エネルギー賦課金を減らせる
太陽光発電システムを設置する三つ目のメリットは、再生可能エネルギー賦課金を減らせることです。
電気料金の一部として支払う再生可能エネルギー賦課金は、太陽光発電システムや風力発電といった再生可能エネルギーを電力会社が購入するための原資として徴収されます。
再生可能エネルギー賦課金はすべての利用者が一律で支払う電気料金ですが、金額は電気使用量によって比例します。
例えば、月に300kWh(年間3600kWh)使用している家庭だと、1年間で支払う再生可能エネルギー賦課金は12,096円になります。
太陽光発電システムを設置していれば、電力会社の電力を使用する量が減るため、年間約12,000円の出費もある程度減らすことが可能になります。
停電時にも電気が使える
太陽光発電システムを設置しておけば、停電時にも電気が使えます。
太陽光発電システムに併設されているパワーコンディショナーの自立運転機能は、停電時に発電した電力をそのまま自宅で使用できる運転機能です。
自立運転機能に切り替えれば、冷蔵庫やテレビ、スマートフォンの充電を行うことができ、停電時でも普段に近い生活を送ることができます。
実際、2018年に起きた平成30年北海道胆振東部地震や2019年に発生した令和元年房総半島台風では、広範囲に渡って停電が続きましたが、太陽光発電システムの自立運転機能に切り替えた多くの方が日常に近い生活を送れたと語っています。
パネル直下の部屋が過ごしやすくなる
太陽光発電システムを設置した直下の部屋は、夏は涼しく、冬は暖かくなるというメリットがあります。
個人住宅に太陽光発電システムを設置する場合、ソーラーパネルは屋根に設置します。ソーラーパネルを屋根に設置すれば、太陽の日差しを遮り、部屋内部の放射冷却を抑制できます。
実際、太陽光発電システムを設置することで夏場の室温が2度から5度程度下がるという研究結果があります。
屋根と直下の部屋の間に断熱材となる空間がないと、室温は外気の影響を受けてしまい過ごしづらくなります。太陽光発電システムは態様の日差しを遮る日よけとなり、冬場は風呂の蓋のように熱を閉じ込める効果が期待できます。
オール電化住宅と相性が良い
太陽光発電システムを設置する最後のメリットは、オール電化住宅との相性の良さです。
オール電化とは、家中のエネルギーを電気エネルギーで賄える状態を指します。調理や給湯、冷暖房システムのエネルギーをすべて電気にするため、ガスを使用しません。
ガスに比べて電気はエネルギー効率が高く、クリーンで安全性の高いエネルギーになります。そのため、オール電化住宅を目指せば光熱費を削減することができ、ガス漏れやガス爆発などのリスクを減らせます。
しかし、オール電化住宅には幾つかデメリットがあり、その一つに日中の料金が高い電気料金プランに変更しなければなりません。
太陽光発電システムを設置しておけば、電気料金が高い日中は自家発電した電力を使用して、電気料金を節約することができます。また、太陽光発電システムがあれば、停電時でもオール電化住宅の給湯器や調理器具を使うこともできます。
以上のことから、オール電化住宅を目指すなら太陽光発電システムの設置も検討してみましょう。
太陽光発電システムを設置するデメリット
太陽光発電システムを設置するデメリットは次になります。
- 初期導入費用が高い
- パワコンの交換が必要になる
- 屋根に負担が掛かる
- 近隣トラブルが発生する
それぞれ、順番に解説します。
初期導入費用が高い
太陽光発電システムを設置する最大のデメリットは、初期導入費用が高いことです。
経済産業省エネルギー庁の発表によれば、1時間あたり約5kWの家庭用太陽光発電の設置費用は約137.5万円です。
太陽光発電システムの設置費用は技術革新や生産数の増加などもあり安くなる傾向にありますが、それでも導入費用として100万円以上は必要になります。
以前は、売電収入と電気料金の節約で太陽光発電システムの初期費用を相殺できましたが、2021年の売電価格だと厳しいケースが多いです。
ソーラーローンや地方自治体の補助金などを活用すれば、初期費用をある程度は減額できますが、やはり高い買い物なのは間違いありません。
現在の売電価格や相場からすると、太陽光発電システムを設置した際の初期費用を回収するのは難しいケースが多いです。
一方で、エコ突撃隊では初期導入費用をできるだけ回収できるプランをご提案しております。
上記にもあるように売電だけで初期導入費用を回収するのは難しいですが、発電(売電+自家消費)で回収できるように高出力な太陽光発電システムや初期導入費用をできるだけ抑えたお見積りを提案しますので、初期導入費用を回収できるがケースが多いです。
太陽光発電システムの初期導入費用を回収できないのは大きなデメリットですが、エコ突撃隊にご相談いただけたらデメリットを極力排したプランを作成します。 ぜひ、ご相談ください。
パワコンの交換が必要になる
パワコンとは、太陽光発電システムで発電した電気を家庭で使用できるように変換するための機械です。
太陽光発電システムに必須の機械ですが、寿命は15年前後です。パワコンは製品にもよりますが、相場が10万円から30万円程度になります。
つまり、太陽光発電システムは購入してからも定期的にコストが発生する可能性があるのです。
なお、蓄電池には太陽光発電システムと蓄電池の両方のパワコンを内蔵したハイブリッドタイプがあります。
固定買取価格制度中はパワコンを交換することはできません。ですから、固定買取制度が切れるタイミングで、ハイブリッドタイプの蓄電池を導入すれば太陽光発電システム用のパワコン交換費用を省くことができます。
屋根に負担が掛かる
太陽光発電システムを設置したことで、ソーラーパネルの重みによって屋根に負担が掛かってしまいます。
ソーラーパネルの重量はメーカーや製品、設置する枚数によって異なりますが、一般的には1枚当たり15㎏程度になります。
住宅の屋根にソーラーパネルを20枚設置した場合、単純に計算すれば屋根にかかる負担は約300㎏になります。
ただし、太陽光発電システムの重量は一点に集中するわけではなく、分散して掛かるように設置されます。
過去のニュースを調べても、太陽光発電システムを設置したことで屋根が潰れたというニュースはないため、大きなトラブルに繋がるデメリットではありません。
太陽光発電システムの重量が気になる場合は、販売店に相談をしてみたり、軽いソーラーパネルを購入したりしてみましょう。
近隣トラブルが発生する
太陽光発電システムを設置する最後のデメリットは、近隣トラブルを招いてしまう恐れがあることです。
ソーラーパネルは斜めの屋根に沿うように設置するため、日光の入射角度によっては、近隣住宅に向けて光を反射してしまう可能性があります。
南側に向けて太陽光発電システムを設置するなら、反射光は上空に向かうのでトラブルに発展する恐れは少ないです。しかし、北側に設置してしまうと、反射光がマンションの高層階や住宅の二階に向かってしまうケースがあります。
屋根の形状や面積の関係で北側に太陽光発電システムを設置する場合は、反射光が問題ないかどうかも確認しましょう。
太陽光発電システムを設置するメリットとデメリットの比較
太陽光発電システムを設置するメリットとデメリットは次になります。
詳細 | |
---|---|
メリット | 電気料金が節約できる 売電収入が得られる 再生可能エネルギー賦課金を減らせる 停電時にも電気が使える パネル直下の部屋が過ごしやすくなる オール電化住宅と相性が良い |
デメリット | 初期導入費用が高い パワコンの交換が必要になる 屋根に負担が掛かる 近隣トラブルが発生する |
メリットとデメリットを比較した場合、ポイントは次の2つになります。
- 2021年中に購入するべきか?
- メリットとデメリットのどちらを取るべきか?
2021年中に購入するべきか?
FIT制度が終わってしまうと、売電収入は大幅に減ってしまいます。そのため、現在の買取価格では、太陽光発電システムの初期導入費用を回収したり、将来的に発生するメンテナンス費用を賄ったりするのは難しいと言えます。
一方で、電気の買取価格は年々減少傾向にあります。
買取価格(1kWhあたり) | |
---|---|
2013年 | 38円 |
2014年 | 37円 |
2015年 | 33円 |
2016年 | 31円 |
2017年 | 28円 |
2018年 | 26円 |
2019年 | 24円 |
2020年 | 21円 |
2021年 | 19円 |
上記の表は買取価格の推移ですが、2021年の買取価格は2013年の価格の半分にまで減っています。買取価格が将来的に上がることは無く、さらに減っていくのは間違いありません。
FIT制度は、10年間の買取価格を保証する制度になります。2021年に太陽光発電システムを設置すれば、2031年まではずっと19円/kWhで買い取ってもらえる制度になります。
つまり、2022年以降に太陽光発電システムを設置すると、2021年に設置するよりも売電収入が少なくなり、ますます初期導入費用を回収するのが難しくなってしまうのです。
よって、来年以降に購入すると初期導入費用を回収するのが難しくなっていくなら、2021年中に太陽光発電システムを設置した方がお得だという考え方もできます。
メリットとデメリットのどちらを取るべきか?
コストに関連していないメリットとデメリットをまとめると次になります。
詳細 | |
---|---|
メリット | 停電時にも電気が使える パネル直下の部屋が過ごしやすくなる オール電化住宅と相性が良い |
デメリット | 屋根に負担が掛かる 近隣トラブルが発生する |
デメリットである「屋根に負担が掛かる」と「近隣トラブルが発生する」は、工務店や販売店と話し合うことで回避することができるデメリットです。そのため、あまり気にする必要はありません。
一方、コスト以外のメリットで、特に注目したいのが停電時にも電気が使えることです。太陽光発電システムを設置すれば、震災時に停電が長引いても、普段に近い生活を送れるのは魅力的です。
他のメリットである「パネル直下の部屋が過ごしやすくなる」と「オール電化住宅と相性が良い」は、住環境を改善しようとしている方にとって副次的なメリットをもたらします。
つまり、太陽光発電システムを設置する際のメリット・デメリットを比較すると、「初期費用や将来的なコストがかかる」というデメリットか、「停電時に電気が使えて、住環境を向上させる」などのメリットのどちらを取るのかということになります。
2022年以降は電力の買取価格がさらに減っていくため、太陽光発電システムを導入するなら、2021年中に設置することがおすすめです。
まとめ
以上が、太陽光発電システムを設置する際のメリット、デメリットの解説になります。太陽光発電システムを設置するデメリットは、現在の電力買取価格だと初期導入費用を回収するのは難しいケースが多いです。
一方で、太陽光発電システムを設置するメリットは将来的に値上げされる電気料金を節約でき、停電時の備えや住環境を向上することができることです。メリットとデメリットを比較した場合、2021年はまだ釣り合いが取れているタイミングと言えます。
しかし、2022年以降は電気の買取価格が減少するため、デメリットが増していきます。よって、太陽光発電システムを設置するなら早めに行うべきです。
エコ突撃隊は創業22年、総施工数25,000件を突破している工務店です。メーカー正規品を低価格でご提供しており、これまでに多くの方にご満足して頂いております。太陽光発電システムに興味がありましたら、ぜひエコ突撃隊までご連絡ください。
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