蓄電池
2024/08/09
蓄電池だけでエアコンを何時間使える?停電時に備えて知っておきたいポイントもわかりやすく解説
蓄電池があれば停電時でもエアコンをある程度動かすことができます。 ただし、蓄電池の蓄電容量やエアコンの消費電力によって稼働できる時間は異なるため、ある程度のシミュレーションを行っておくと良いです。
そこで今回は、蓄電池だけでエアコンを何時間使えるか、複数のシミュレーションを行いました。停電時に知っておきたいポイントも紹介しますので、最後までご覧ください。
蓄電池だけでエアコンを何時間使える?
結論から申し上げますと、蓄電池だけでエアコンを動かすことはできますが、蓄電池の容量とエアコンの消費電力によって稼働する時間は異なります。
例えば、ダイキンの「うるさらX AN283ARS」は暖房時の平均消費電力は660W、冷房時の平均消費電力は550Wです。
次の表は、上記のエアコンを蓄電池だけで稼働させた場合のシミュレーションをまとめたものになります。
暖房時 平均消費電力660W |
冷房時 平均消費電力550W |
|
---|---|---|
蓄電容量5kWh | 約8時間 | 約9時間 |
蓄電容量10kWh | 約15時間 | 約18時間 |
蓄電容量15kWh | 約22時間 | 約27時間 |
蓄電容量とは、蓄電池に溜めておくことができるエネルギー量のことです。数値が大きいほど、多くの電力を蓄えておくことができるため、エアコンを稼働させる時間も長くなっていきます。
なお、上記の表はあくまでも平均消費電力の場合のシミュレーションであって、実際の稼働時間を保証するものではありません。
「うるさらX AN283ARS」の最大消費電力は暖房時で2000W、冷房時で1000Wです。次の表は、最大消費電力でのシミュレーションをまとめたものになります。
暖房時 最大消費電力2000W |
冷房時 最大消費電力1000W |
|
---|---|---|
蓄電容量5kWh | 約2.5時間 | 約5時間 |
蓄電容量10kWh | 約5時間 | 約10時間 |
蓄電容量15kWh | 約7.5時間 | 約15時間 |
実際の稼働時間を保証するものではありませんが、蓄電容量が5kWhの蓄電池があれば、冷房なら約5時間~約9時間、暖房なら約2.5時間~約8時間使用できる可能性があると覚えておきましょう。
停電時にエアコンを使いたい場合のポイント
停電時にエアコンを使いたい場合に知っておきたいポイントは以下のとおりです。
- エアコンの種類
- 蓄電池の容量と出力
- 蓄電池でカバーできる範囲
- 蓄電池の種類
上記を順番に解説します。
エアコンの種類
エアコンには100Vと200Vの2種類があります。
V(ボルト)とは、電気を押し出す電圧のことを指しており、数値が高いほうが効率よく部屋の温度を変えることが可能です。
現在使用しているエアコンが100Vなのか、200Vなのか確認するためには、公式サイトや取扱説明書のほかに、コンセントをチェックしてみましょう。
エアコンの電源プラグを差し込んでいるコンセントに3つの穴があり、全て埋まっているなら200Vのエアコンです。
蓄電池は商品によりますが、200Vに対応していない場合があります。200Vに対応していない蓄電池を購入すると、200Vのエアコンや家電製品を動かすことができません。
そのため、蓄電池を購入する前に、ご家庭で使用しているエアコンや、蓄電池で動かしたい家電のVを確認し、200Vの蓄電池が必要かどうか検討しましょう。
蓄電池の容量と出力
蓄電池には蓄電容量(kWh)と出力(kW)があります。
蓄電容量は蓄電池に蓄えられる電力量のことで、出力は蓄電池から瞬間的に取り出すことができるパワーのことです。
つまり、蓄電容量が多いほど多くの電力を蓄えることができ、出力が高いほど多くの家電製品を一度に稼働させることができます。
例えば、出力が5kWの蓄電池の場合、エアコン以外に冷蔵庫やテレビ、掃除機、電子レンジ、IHクッキングヒーターなどを同時に使用すると、出力がオーバーして供給が止まる可能性が高いです。
蓄電池でエアコンだけを使用するなら気にする必要はありませんが、停電時にエアコン以外の家電製品を多く、長く使用したい場合は蓄電容量と出力の数値が高い製品を選びましょう。
蓄電池でカバーできる範囲
蓄電池には全負荷型と特定負荷型の2種類があります。
全負荷型とは、停電時に家庭全体に給電する蓄電池です。すべての部屋のコンセントに給電でき、200Vの家電製品も動かすことができます。
一方、特定負荷型は設定した部屋のコンセントにだけ停電時に給電する蓄電池です。ほかの部屋の家電製品を動かすことはできませんが、限定することで停電が長引いても対応できる可能性があります。
使用しているエアコンが100Vの場合は、全負荷型と特定負荷型のどちらを選んでも問題ありません。予算や停電時の行動などから、必要なほうを選択しましょう。
しかし、使用しているエアコンが200Vの場合は、全負荷型を選ぶ必要があります。
蓄電池の種類
蓄電池は次のような種類があります。
特徴 | メリット | |
---|---|---|
単機能 | 蓄電池専用のパワコンが付く | 太陽光発電システムとの相性を考える必要がない ハイブリッド型よりも価格が抑えられている |
ハイブリッド型 | 蓄電池と太陽光発電システムの両方に対応したパワコンが付く | 太陽光発電システム用のパワコンが不要 電力の変換ロスが少ない |
多機能型(トライブリッド型) | 蓄電池と太陽光発電システムとV2H機器に対応したパワコンが付く | 太陽光発電システム用のパワコンが不要 電気自動車を導入したい家庭におすすめ |
スタンドアロン型 | 電力会社の系統に接続しない、独立した蓄電池 | 屋内で使用するポータブル蓄電池に近い 大がかりな工事が不要 |
家庭で電気関係の設備を導入する際、パワーコンディショナーが必要です。パワーコンディショナーとは、電気を直流から交流、あるいは交流から直流へ変換する機器で、パワコンとも略称します。
蓄電池を設置する際にもパワコンは必要で、単機能型は蓄電池専用のパワコンがセットになっている種類を指します。蓄電池専用のパワコンが蓄電池とセットになっているので、太陽光発電システムとの相性を考える必要がありません。
一方、ハイブリッド型は蓄電池と太陽光発電システムの両方を動かすことが可能なパワコンがセットになっている種類を指します。
太陽光発電システムにもパワコンは必要ですが、ハイブリッド型蓄電池ならパワコンを2つ設置する必要がありません。ただし、単機能型に比べると価格が高い傾向があります。
多機能型(トライブリッド型)はハイブリッド型の特徴に加えて、電気自動車との電力もやり取りできるV2H機器と連携できるパワコンが付いてくるタイプの蓄電池です。
1台で住宅に関する電流をコントロールするため、変換ロスを抑えることができます。
スタンドアロン型は電力会社の系統に接続しないタイプで、大掛かりな設置工事を必要とせず、簡単に導入できるタイプの蓄電池です。特定の家電製品だけを停電時に動かしたい場合に役立ちます。
エアコンを稼働させるだけなら、スタンドアロン型でも十分です。
しかし、スタンドアロン型は他のタイプに比べて蓄電容量が小さく、停電時に備えて充電をしておく必要があるといった手間がかかります。
そのため、蓄電池を設置するなら単機能型、ハイブリッド型、多機能型のいずれかがおすすめです。
太陽光発電システムを設置しないなら価格も抑えられている単機能型が向いております。
太陽光発電システムを設置するならハイブリッド型が、V2H機器との連携も考えているなら、多機能型が役立つでしょう。
つまり、蓄電池の種類を決める場合は、ほかの住宅設備の設置も一緒に考えると良いです。
停電時に蓄電池を使用する方法
停電時に蓄電池を使用する場合、自立運転に切り替える必要があります。メーカーや商品によっては自動で自立運転に切り替わる場合もあれば、手動で切り替える場合があるため、事前に仕組みを確認しておきましょう。
次項より、停電時に蓄電池を使用する方法をケースごとに解説します。
自動で自立運転に切り替わる蓄電池の場合
自動で自立運転に蓄電池の場合は、ご自身で行うことはありません。
機種によってはスムーズに自立運転に切り替わるため、停電が発生していることに気づかないケースも珍しくありません。
ただし、切り替わるタイミングは機種によって多少異なり、停電から復旧したあとに連係運転に戻す方法は手動です。
手動で自立運転に切り替える蓄電池の場合
手動で自立運転に切り替える蓄電池の場合の手順は以下のとおりです。
- 蓄電池のリモコンからブザーやエラーコードが表示される
- リモコンの画面に従って操作する
- 数秒後に自立運転に切り替わる
自立運転に切り替わるまで、ある程度のタイムラグが発生します。
そのため、デスクトップパソコンや冷蔵庫、レコーダーなどの電化製品が電圧の急激な変化で故障しないように、コンセントから抜いておくと安心です。
蓄電池に太陽光発電システムは必要?
蓄電池は単体でも運用できますが、停電時のことを考えたら併用することがおすすめです。
例えば、停電時にクーラー以外に、冷蔵庫やテレビ、携帯電話の充電、洗濯機、照明、炊飯器などを使用すると、消費電力量にもよりますが蓄電容量5kWhの蓄電池では、10時間前後しか持ちません。
停電はライフラインのなかでは早めに修理される傾向はありますが、被害規模や場所によっては数日かかることもあります。
停電時の電気の使い方にもよりますが、蓄電池だけでは停電が長引いたときに対処するのは難しいです。
太陽光発電システムと一緒に導入すれば、日中の余剰電力を蓄えておき、夜間でも電気を使うことができます。停電が長引いても、蓄電池と太陽光発電システムをセットで運用すれば日常に近い生活を送ることが可能です。
そのため、蓄電池に太陽光発電システムは必須ではありませんが、防災対策としては一緒に導入すると良いでしょう。
まとめ
以上が、蓄電池だけでエアコンを稼働させた場合の解説になります。エアコンの出力にもよりますが、蓄電容量が5kWhの蓄電池があれば、冷房なら約5時間~約9時間、暖房なら約2.5時間~約8時間使用できる可能性があります。
ただし、蓄電池はさまざまなメーカーから販売されているので、購入する目的や家族の人数、停電時に動かしたい家電などによって、ご家庭に合う機種は異なります。
「エコ突撃隊」では、メーカー正規品を低価格で販売しています。蓄電池だけでなく、太陽光発電システムにも詳しいスタッフが対応いたしますので、蓄電池や太陽光発電システムに興味がある方は、ご相談ください。
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