蓄電池

2024/05/30

2024年度のDR補助金は?蓄電池をお得に購入できる制度についてわかりやすく解説

2024年度のDR補助金は?蓄電池をお得に購入できる制度についてわかりやすく解説

DR補助金は数年前から始まった実証実験に参加する方を対象とした蓄電池の補助金制度です。実証実験に参加する代わりに、高額な蓄電池をお得に購入できる可能性があります。 2024年度のDR補助金は既に開始しておりますが、去年と違う点があるため内容を確認しておくと良いでしょう。

そこで今回は、DR補助金についてわかりやすく解説します。DR補助金で蓄電池を購入したいと考えている方は、参考にしてください。

DR補助金とは?

2024年度のDR補助金は?蓄電池をお得に購入できる制度についてわかりやすく解説

DR補助金とは、電力需要と供給のバランスを最適化するために設けられた政府の支援制度です。

デマンドレスポンス(DR)は電力需要を動的に調整する仕組みで、状況に応じてバランスを取るために、蓄電池を次のようにコントロールします

  • 電力の供給が多いときは蓄電池を充電モードにする
  • 電力の供給が少ないときは蓄電池の電力を使用する

DR補助金は、電力消費がピークに達する時間帯に需要を抑制できるようにするため、蓄電池を普及させることを目的としています。そのため、条件を満たした製品を購入する場合、補助金を受け取れる制度です。

2024年度のDR補助金の概要

DR補助金は過去にも開催されており、年度ごとに補助金額や条件が異なるため、利用したい場合は最新の情報を確認しましょう。

2024年度の正式名称は「令和5年度補正 家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業費補助金家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業(DR対応蓄電池)」で、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が主に取り扱っています。

DR補助金で重要なポイントは以下のとおりです。

予算 家庭用蓄電池は75億円
スケジュール 2024年4月10日(水)~2024年12月6日(金)
(報告期限は2025年1月15日(水))
補助金額 上限60万円
補助金基準額1kWhあたり3.7万円か設備費・工事費の1/3以内のどちらか低いほう
蓄電池によってはアップする可能性はある
条件 新規に購入し、SIIで登録されている蓄電池
蓄電池の購入価格と工事費の合計が、1kWhあたり14.1万円以下である
注意点 事業スキームが2種類ある

上記のポイントを順番に解説します。

2024年度のDR補助金の予算とスケジュール

DR補助金の予算額は、家庭用蓄電池だけで75億円です。補助金額上限は60万円なので、約1.25万台~約1.5万台が補助金を受け取れる可能性があります。

スケジュールは2024年4月10日(水)~2024年12月6日(金)までで、次のような流れで申請します。

  • 蓄電池に関する問い合わせ
  • DR補助金の申請
  • 現地調査
  • 蓄電池購入の契約
  • 電力会社への電力申請
  • 経済省へ認定変更申請
  • 蓄電池の設置工事
  • 電力会社へ連係申請
  • DR補助金の実績報告

重要なポイントは、「電力会社への電力申請」から「電力会社へ連係申請」までに数カ月かかることです。

スケジュールは2024年4月10日(水)~2024年12月6日(金)までとなっていますが、実績報告の期限は2025年1月15日(水)です。

つまり、11月や12月に手続きをスタートすると、実績報告期限までに間に合わなくなり、補助金が貰えない可能性があります。

また、予算が尽きた時点で補助金制度が終了するため、DR補助金を利用したい方は早めに申し込みをしましょう

2024年度のDR補助金の補助金額

DR補助金の家庭用蓄電システムの補助金額に関するおもなルールは以下のとおりです。

  • 上限60万円
  • 補助金基準額1kWhあたり7万円か設備費・工事費の1/3以内のどちらか低いほう
  • 蓄電池によっては増額

蓄電池は溜めておくことができる電力の量を容量と呼び、蓄電容量と初期実効容量の2種類があります。蓄電容量は蓄電池に電気を蓄えることができる容量で、初期実効容量は実際に使用できる容量です

DR補助金では初期実行容量1kWhあたり3.7万円の補助金が出ます。たとえば、初期実行容量が10kWhなら、補助金額は37万円です。

なお、DR補助金では設備費・工事費の1/3以内の補助率が設定され、上記の初期実行容量1kWhあたり3.7万円と、どちらか低いほうとなっています。

基本的に、DR補助金の対象になる蓄電池は100万円以上する傾向があり、大抵の場合が初期実行容量1kWhあたり3.7万円のほうが採用されるため、あまり気にする必要はありません。

上限は60万円で、初期実行容量1kWhあたり3.7万円の場合で上限に達するのは初期実行容量が16kWh以上の蓄電池です。記事執筆時点で初期実行容量が16kWhの蓄電池は補助金の対象になっていないので、基本的には問題ありません。

ただし、DR補助金では、条件を満たすことで補助金がアップする場合があります。

蓄電システム評価による増額

DR補助金では、上記の補助金額に加えて、次の項目を満たした蓄電池に対して補助金額がアップします。

概要 増額
ラベル JIS C 4414の規格に準拠し、ラベル表示があること 初期実行容量1kWhあたり0.2万円
類焼性 蓄電池の類焼性に関する推奨項目を満たしている 初期実行容量1kWhあたり0.6万円
レジリエンス 故障や自然災害時の早期復旧体制が整備されている 初期実行容量1kWhあたり0.1万円
廃棄物処理法上の広域認定の取得 広域認定を取得している 初期実行容量1kWhあたり0.1万円

すべて満たしていれば、初期実行容量1kWhあたり1.0万円の増額となるため、機種によっては上限60万円に達する可能性があります。

2024年度のDR補助金の条件

DR補助金のおもな条件は以下のとおりです。

  • 新規に購入し、SIIで登録されている蓄電池
  • 蓄電システム購入価格と工事費の合計が、1kWhあたり1万円以下である

DR補助金はSIIで登録されている次のような蓄電池が対象です。

  • 長州産業株式会社:CBーP164M05A
  • 長州産業株式会社:CBーP98M05A
  • 長州産業株式会社:CBーP65M05A
  • ニチコン株式会社:ESSーU4X1
  • ニチコン株式会社:ESSーU2M1
  • ニチコン株式会社:ESSーU4M1

上記以外にも、オムロンやシャープなどの蓄電池も対象ですが、一定以上の性能と機能を有している機種でないと補助金の対象にはなりません。補助金を利用して購入したいと考えている方は、登録されている機種を確認しましょう。

また、DR補助金では蓄電システム購入価格と工事費の合計が、1kWhあたり14.1万円以下であることも条件に含まれています。

たとえば、長州産業株式会社のCBーP98M05Aは初期実行容量が8.3kWhなので、販売価格が117.03万円以下でないと補助金の対象にはなりません。

蓄電池の販売価格は店舗によって異なり、場合によっては1kWhあたり14.1万円以上の可能性もあるため、購入前に補助金の対象になるか確認すると良いです。

2024年度のDR補助金の注意点

DR補助金では事業スキームがアグリ型と小売型の2種類に増えており、どちらの型で事業に参加するか決めて申請する必要があります。

DR補助金は蓄電池を用いた電力需要のバランスをコントロールする実証実験のために、蓄電池を購入する方に補助金を出す制度です。そのため、従来のDR補助金では蓄電池を購入した方に対して、実証実験への参加を要請していました。

アグニ型は従来のDR補助金の事業スキームに当てはまり、蓄電池を購入した方は、DR事業者である蓄電池アグリゲーターと契約して定期的にDR実証実験に参加することが義務付けられ、状況によってはIoT機器の導入が必要です。

一方、小売型は小売電気事業者とDRメニューを契約してDR実証実験に参加するパターンになります。

現時点では、家庭用蓄電池の購入時に選択できるDRメニューはないためアグニ型で申込みますが、将来的に小売型が選択できるようになったら、どちらが良いのか検討しましょう。

DR補助金で蓄電池を購入する際のポイント

2024年度のDR補助金は?蓄電池をお得に購入できる制度についてわかりやすく解説

DR補助金で蓄電池を購入するなら、蓄電容量が多く、HEMSが導入されている機種を選ぶと良いでしょう。

DR補助金の補助金額は初期実行容量1kWhあたり3.7万円なので、初期実行容量が14kWhの蓄電池の補助金は51.8万円で、7kWhなら25.9万円と半額です。

一方で、初期実行容量が7kWhの蓄電池は14kWhの蓄電池の半額で購入できるとは限りません。基本的に蓄電容量が多いほど販売価格は高くなりますが、容量が倍だからといって価格も倍では無いです。

DR補助金は高額な補助金制度なので、高性能かつ蓄電容量が多い蓄電池を購入したほうが、補助金制度の恩恵を最大限に受け取ることができます。

また、DR実証実験ではHEMSの導入を求められます。HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略称で、設置すると蓄電池が外部からコントロールを受けられるようになります。

DR補助金では蓄電池の購入に対して補助金は出ますが、HEMSの購入に補助金は出ません。HEMSの導入にかかる費用の相場は20万円~25万円となっており高額です。

長州産業株式会社のCBーP164M05Aのように、蓄電池によってはHEMSが導入されていて、なおかつDR補助金の対象機器となっているケースがあります。初期実行容量は14.1kWhあるため、上限60万円にかなり近いです。

CBーP164M05Aなら、HEMSを導入するための費用が発生せず、高額な補助金を貰える可能性があります。

以上のことから、DR補助金で蓄電池をお得に購入したいなら、長州産業株式会社のCBーP164M05Aのように、蓄電容量が多く、HEMSが導入されている機種を選ぶようにしましょう。

蓄電池と一緒に購入したい住宅設備

DR補助金で蓄電池を購入するなら、次のような住宅設備も一緒に導入しましょう。

  • エコキュート
  • 太陽光発電システム

上記を順番に解説します。

エコキュート

エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。エアコンにも用いられているヒートポンプ技術でお湯を沸かしており、消費するエネルギーが少ない傾向があります

次の表は、エコキュートと他の給湯器の年間ランニングコストをシミュレーションしたものです。

エコキュート ガス給湯器 電気温水器 石油給湯機
北海道電力エリア 約54,000円 約104,400円 約184,800円 約78,000円
東北電力エリア 約48,000円 約98,400円 約189,600円 約70,800円
北陸電力エリア 約42,000円 約112,800円 約166,800円 約70,800円
東京電力エナジーパートナーエリア 約37,200円 約73,200円 約158,400円 約81,600円
中部電力エリア 約25,200円 約81,600円 約100,800円 約67,200円
関西電力エリア 約20,400円 約75,600円 約87,600円 約63,600円
中国電力エリア 約43,200円 約108,000円 約176,400円 約67,200円
四国電力エリア 約44,400円 約93,600円 約193,200円 約66,000円
九州電力エリア 約20,400円 約102,000円 約84,000円 約64,800円
沖縄電力エリア 約27,600円 約62,400円 不明 約55,200円

実際のランニングコストは性能やお湯の使い方によって異なりますが、エコキュートのランニングコストが抑えられていることが分かります。そのため、お湯を沸かすランニングコストを抑えたい方におすすめです。

ただし、エコキュートに買い替えると時間帯や季節によって電気料金単価が高くなる料金メニューに切り替えることがあり、日中の消費電力が多い家庭では電気代が高くなってしまうケースがあります。

蓄電池があれば、電気料金単価が安い時間帯に電気を購入しておき、高くなる時間帯に給電することで、日中の消費電力を抑えるといったことが可能です。

つまり、蓄電池とエコキュートをセットで導入すれば、エコキュートのデメリットを打ち消すことができます。

太陽光発電システム

太陽光発電システムは太陽光を電力に変換できる住宅設備です。発電した電力は自家消費したり、売電したりするほかに、蓄電池に蓄えておくことができます。

蓄電池に蓄えておいた余剰電力は、太陽光発電システムが発電できない時間帯に利用可能です。そのため、太陽光発電システムと蓄電池をセットで運用すれば、日中は発電、夜間は蓄電した電力を利用して、1日の消費電力量を減らすことができます。

また、太陽光発電システムと蓄電池があれば地震や大雨で停電が起きても、夜間にテレビを見たり、エアコンを使ったりすることが可能です。

災害時に普段通りに近い日常生活を送れるのは魅力的なため、防災を考えているなら蓄電池と太陽光発電システムを同時に購入しましょう

まとめ

以上が、DR補助金の解説になります。2024年度のDR補助金では、初期実行容量が1kWhあたり3.4万円の補助金に加えて、機種によっては1kWhあたり0.1万円~1.0万円の補助金増額を受けられます。

去年に比べて予算額が大幅にアップし、補助金額が増額される可能性があるため、蓄電池をお得に購入できる可能性が高い制度です。申請してから完了するまでにある程度の時間がかかるので、利用したい方は早めに手続きを始めましょう。

エコ突撃隊」では高性能で、DR補助金の対象となる蓄電池を低価格で販売しています。専門的な知識を持ったスタッフが対応いたしますので、蓄電池の購入を考えている方は、ぜひご相談ください。

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