太陽光発電
2024/07/13
太陽光発電システムが普及しづらい理由は?設置した場合のメリットも分かりやすく解説
「太陽光発電システムは普及しづらい」という意見や評価を目にしたことがあるかもしれません。確かに、太陽光発電システムは普及しづらいと言われる理由が幾つかあり、政府や自治体は普及率を上げるために補助金の給付や設置の義務化などを行っています。
一方で、太陽光発電システムは設置するメリットがあるため、設置を検討している方は普及しづらいと言われる理由とメリットを知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、太陽光発電システムが普及しづらい理由について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
太陽光発電システムが普及しづらいと言われる理由は?
太陽光発電システムが普及しづらいと言われる理由は以下のとおりです。
- 初期費用が高い
- 発電量が天候に依存する
- 設置する場所の確保が難しい
- 景観保護や規制などの影響
上記を順番に解説します。
初期費用が高い
太陽光発電システムが普及しづらいと言われる最大の理由は、初期費用が高いことです。
太陽光発電システムを設置する場合、太陽光パネル、インバーター、配線、取り付け構造物などの購入費用や、設置作業のための工事費用など、多くの費用が発生します。
資源エネルギー庁の発表によれば、2023年における住宅用の太陽光発電システムの設置費用は新築の場合で1kWあたり平均28.8万円です。
2012年の平均設置費用が1kWあたり46.5万円だった時代に比べると大分安くなっていますが、5kWhの太陽光発電システムを設置する場合に約144万円かかると考えたら、やはり高額と言えます。
実際の初期費用は太陽光発電システムのメーカーや機器、業者、補助金の有無などで異なりますが、それでも100万円以上する住宅設備です。
つまり、初期費用が高いことは、太陽光発電システムが普及しづらい大きな課題になります。
発電量が天候に依存する
太陽光発電システムが普及しづらいと言われる理由として、発電量が天候に依存することも挙げられます。
太陽光発電システムは、太陽からの光エネルギーを直接電力に変換するため、日照時間が長く、天候が安定している地域では高い効率で発電できます。
しかし、曇りや雨の日、また冬季など日照時間が短い季節では、発電量が大幅に減少します
日本では、地域によって日照時間や天候が大きく異なり、特に北日本や日本海側では冬季に日照時間が短く、雪が多いため、太陽光発電の効率が低下する傾向が見られます。
一方で、西日本や太平洋側では日照時間が長く、発電効率が高い傾向があります。
どの地域で購入しても太陽光発電システムの初期費用はほとんど変わりませんが、設置する場所で発電量に差が生じてしまうと、不利な地域では太陽光発電システムを設置するメリットが減少します。
実際、太陽光発電システムのある住宅割合が高い都道府県は佐賀県や宮崎県、熊本県など西日本に集中しています。
日本では日照時間が長い地域を中心に太陽光発電システムの普及が進んでいますが、日照時間が短い地域や、不利な地域では普及しづらいことが課題です。
設置する場所の確保が難しい
日本の場合、国土や地形の関係で設置する場所の確保が難しいことも普及しづらいと言われる理由の1つです。
例えば、都市部の場合は土地の価格が高く建物が密集しているため、各住宅が持つ屋根の面積は狭くなる傾向があります。形状も複雑なため太陽光パネルの設置に適した平らなスペースが確保しにくいです。
また、日本の古い住宅は屋根瓦を採用していることが多く、形状や設置方法によってはパネルを固定するための構造が必要で、設置費用が増加する場合があります。
以前に比べて、屋根の形状や材質に応じた設置技術の向上や、小型で高効率な太陽光パネルの開発は進んでいますが、日本の住宅が太陽光発電システムを設置するのに不向きという現状は変わりません。
そのため、住宅用太陽光発電の単年度導入件数は減少傾向にあります。
景観保護や規制などの影響
太陽光発電システムが普及しづらい理由として、景観保護や規制などの影響も少なくありません。
環境省は太陽光発電システムの有用性を認めつつも、景観への影響や反射光による生活環境への影響、土砂流出や濁水の発生などの問題が生じるとしてガイドラインを設定しています。
実際、太陽光発電システムを設置したことで発生したトラブルの1位は自然災害ですが、2位は景観、3位は生活環境への影響です。
トラブルは年々増加しており、自治体によっては業者が設置する太陽光発電システムに対して条例で規制する動きがあります。
個人住宅に設置するケースでは問題になることは少ないですが、景観保護や規制などの影響で太陽光発電システムが普及しづらい要因となる可能性は高いです。
日本で太陽光発電システムは普及していないの?
上記で太陽光発電システムが普及しづらい理由を挙げましたが、本当に日本で普及していないのか疑問に思う方もいるかもしれません。
結論から申し上げますと、日本は世界の主要国と比べても、太陽光発電システムが普及している国です。
次の表は、太陽光発電システムが各国の総発電量に占める比率と発電量をまとめたものになります。
国 | 総発電量に占める太陽光発電の割合 | 発電量(億kWh) |
---|---|---|
日本 | 8.3% | 861 |
ドイツ | 8.5% | 500 |
イギリス | 4.0% | 124 |
中国 | 4.0% | 3,392 |
フランス | 2.7% | 151 |
スペイン | 8.0% | 216 |
インド | 4.4% | 719 |
アメリカ | 3.4% | 1,462 |
発電量だけを比較すれば中国とアメリカが抜きん出ていますが、総発電量に占める太陽光発電の割合では、日本が環境に関心の高いドイツやスペインと並んでいます。
また、国土面積当たりの太陽光発電設備容量では、平地が少ないながらも世界の主要国の中で最大級です。
つまり、世界的に見ても日本は太陽光発電システムが普及している国になります。
一方で、戸建住宅総数に対する太陽光発電普及率は約9%で、単年度導入件数は減少傾向にある点から、「戸建住宅での普及が進んでいない」という指摘はあります。
2025年4月より東京都では設置が義務化される
国や自治体は戸建住宅での太陽光発電システムの設置を進めるために補助金の給付や制度の変更などを行っています。
例えば、東京都では2025年4月から、一部新築建物で太陽光発電システムの設置が義務化されます。
延床面積2,000㎡未満の新築建物が対象となるため、ほとんどの新築戸建住宅が対象です。
既存住宅や屋根の面積が小さい建物、北向きの建物などは設置が不要となる可能性はありますが、義務化によって普及が進むと予想されています。
東京都以外にも、神奈川県川崎市でも延床面積2,000㎡未満の新築建物を建築する事業者を対象に太陽光発電システムの設置を義務付けます。
建築主が希望しない場合や建物への設置が難しい場合は義務化の対象外となる可能性があり、事業者への罰則は想定されていません。
しかし、東京都や神奈川県川崎市での義務化によって太陽光発電システムの普及が進めば、将来的に他の自治体でも義務化が始まる可能性は高いです。
太陽光発電を設置するメリット
太陽光発電を設置するメリットは以下のとおりです。
- 自宅で電気を発電可能になる
- 災害時や停電時でも電気が使える
太陽光発電システムは普及しづらいと言われていますが、上記メリットによって設置を決める方は少なくありません。
メリットを順番に解説します。
自宅で電気を発電可能になる
太陽光発電システムを設置する最大のメリットは、自宅で電気を発電可能になることです。
太陽光発電システムが発電した電力は、自宅の電化製品に給電するだけでなく、電力会社に売電することもできます。
日本では、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」により、各電力会社が余剰電力を一定価格で、一定期間買い取ります。2024年度の個人向け住宅での買取価格は1kWhあたり16円が10年間続きます。
以前はFIT制度による売電で儲けることはできましたが、現在の買取価格では難しいです。
しかし、太陽光発電システムを設置すれば、自家消費によって使用電力量を減らし、余剰電力で収益を得られるため、電気代の節約が期待できます。
特に、自家消費で使用電力量を減らすことができれば、電気代の値上げにも対応できるため、電気代の節約を考えている方におすすめです。
災害時や停電時でも電気が使える
太陽光発電システムを設置する、もう1つのメリットは災害時や停電時でも電気が使えることです。
地震や台風などでライフラインが止まった場合、電気は早期に復旧される傾向はあります。
しかし、早期に復旧するにしても半日程度かかるケースが多く、災害の規模によっては長引く可能性が高いです。
例えば、2019年に発生した台風15号は千葉県千葉市に上陸し、最大64万戸余りが停電し、完全に復旧するまでに19日間と時間がかかりました。
太陽光発電システムがあれば、停電時でも電化製品を動かすことができます。テレビで情報を収集し、スマホに充電するといったことが可能です。
また、太陽光発電システムと一緒に蓄電池があれば、日中に発電した電気を蓄電しておいて、夜間に使用することもできます。
太陽光発電システムがあれば災害時や停電時でも日常に近い生活を送ることができるため、災害対策として購入する方は少なくありません。
まとめ
以上が、太陽光発電システムが普及しづらいと言われる理由の解説です。太陽光発電システムは初期費用が高く、発電量が天候に依存する、設置する場所の確保が難しいなどの理由により、普及しづらい部分はあります。
一方で、日本は世界に比べても太陽光発電システムの普及が進んでおり、国土面積あたりの導入容量はトップクラスです。
ただし、個人住宅向けの太陽光発電システムの導入数は伸び悩んでいるため、政府や自治体は補助金の給付や義務化などを行う動きを見せています。そのため、将来的に新築住宅を建てようと考えている方は、太陽光発電システムの設置も検討しましょう。
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