太陽光発電

2023/06/29

太陽光発電のデメリットを徹底解説!やばいと言われる理由は?

太陽光発電のデメリットを徹底解説!やばいと言われる理由は?

脱炭素社会に向けた世界的な流れの中、太陽光発電システムの普及は急務とされ、一部地域では設置義務化の方針すらあるほどです。

しかし、太陽光発電について調べている中で、「やめたほうがいい」「やばい」などといった声を聞くことがあります。
今回は、後悔したという人もいる太陽光発電システムのデメリットについてわかりやすく解説します。

太陽光発電システムとは?

太陽光発電のデメリットを徹底解説!やばいと言われる理由は

2016年の東日本大震災の原発事故を契機として、後の計画停電、電力不足は近年まで続いています。
化石燃料の枯渇や価格高騰も続き、電気代の上昇はとどまることを知りません。

そこで、注目されているのが再生可能エネルギーです。
中でも特に推進されているのが太陽光発電システムです。

太陽光発電システムについて、簡単に解説します。
街を歩いていると、住宅の屋根に黒い板が複数設置してある家屋を見た事があるでしょう。
これが、別名「ソーラーパネル」と呼ばれる「太陽電池」です。
その仕組みは、太陽電池に太陽光を当てることで、光エネルギーが変換され、電力として使用できるようになるというものです。
ソーラーパネルを核として、発電した電力を家庭で使えるようにするパワーコンディショナーなど、一連のシステムを指して「太陽光発電システム」といいます。

太陽光発電のメリットは太陽光という半恒久的に供給されるエネルギー源であるため、化石燃料のように枯渇の可能性がほぼ無いという事です。
また、自家発電することで通常電力会社から購入する電気料金を大幅に削減、場合によってはゼロに出来る場合もあります。

環境的、経済的観点からも大きな利点を見込まれ、普及を推進されています。

太陽光発電システムにはどのようなデメリットがある?

多くのメリットを得られる太陽光発電システムですが、万民が諸手を挙げて絶賛しているかといえば、そうとも言い切れません。
太陽光発電システムについて調べ検討を重ねる中で、「やめたほうがいい」「やばい」といった評価をつけている人も見受けられます。
実際のところ、太陽光発電システムの導入には、設置前から設置後に至るまで、無視するには大きいデメリットがあるのは確かです。

具体的には、以下のデメリットが考えられるでしょう。

  • 初期費用が高い
  • 発電量が天候次第で安定しない
  • 発電出来るのは日中に限られる
  • 売電価格は下降の一途
  • 定期的なメンテナンスが必要
  • 屋根へ負荷がかかる
  • 反射光問題で、近隣トラブルに繋がる可能性がある
  • 悪徳業者の存在
  • 素材に有害物質が含まれている

順番に解説していきます。

初期費用が高い

太陽光発電のデメリットとしてまず挙げられるのは、初期費用の高さです。
経産省が公開している資料によると、2023年度における太陽光発電システムの1kWhあたりのシステム費用は25.9万円と想定されています。
太陽光発電システムを設置している一般家庭のシステム容量は平均で3~5kWhと言われています。

これらの情報を合わせると
25.9万円 × 5kWh = 129.5万円となります。

また、諸々の条件で追加費用が発生することもあるでしょう。
後々お得になるとはいえ、初期投資としては中々勇気のいる金額ではないでしょうか。

参考:経産省:令和4年度以降の調達価格等に関する意見

発電量が天候次第で安定しない

太陽光発電システムは、その名の通り太陽光をエネルギー源としています。
太陽光発電の発電量は、太陽光の日射量、日照時間によって左右されます。
つまり、太陽光が十分に得られない環境では、その能力を活かしきれないということです。

もちろん、例え雨天であっても太陽光がゼロで全く発電しないという事はありません。
しかし、大幅に発電量が落ちるのもまた事実です。
実際の発電量差について公表しているメーカーは多くありませんが、パナソニックによると、曇天の際には晴天時に対して1/3~1/10、雨天の際には1/5~1/20となると公表されています
例えば梅雨時、あるいは雪国のような積雪地域では悪影響を受けることが多くなります。
発電量が変動して、消費電力を賄えなくなればなるほど、電力会社から電気を購入する事が多くなり出費が増えるでしょう

発電出来るのは日中に限られる

前項目では、発電量が日照時間等に左右される事を解説しました。
となれば、太陽光エネルギーを受けることが出来ない夜間では、もっと影響が大きいのは必然です。
結論からいうと、太陽光発電システムは夜間に電力を生み出せません

実のところ、夜間でも太陽光が月に反射した月光という形で太陽光エネルギーは存在します。
実際に実験を行い、月光による発電を行えたという結果も出ています。
しかし、発電された電力はほんの僅かなもので、乾電池一本分にも満たないというものでした。

太陽光発電で生み出された電力をご家庭で使用するには、電流を直流から交流に変換する必要があります。
この変換を行うパワーコンディショナーを起動するのにも電力を必要とします。
夜間の僅かな発電量では、パワコンの起動条件を満たせないため、事実上、住宅用太陽光発電システムは夜間に電力を生み出せません。
つまり、夜間に使用する電力は別の方法で用意しなければならないという事です。

売電価格は下落の一途

太陽光発電システムが広まり始めた頃喧伝されていた大きなメリットとして、売電が出来るということが挙げられます。
売電とは、太陽光発電システムで生み出された電力を、電力会社に売れるというものです
2009年に「固定価格買取制度(FIT制度)」が制定され、10年間国が定めた金額で買い取ってもらえるようになりました。
この制度の制定が、太陽光発電が普及していく大きな後押しになったのですが、月日が経つにつれ、売電の魅力は下がりつつあります。

何故なら、売電価格は年々下落しているからです。
2009年の制定当初では、48円/1kWhだったのに対して、2023年現在では16円/1kWhとなり、1/3までに減額されています。
現在の買取価格帯では「太陽光発電で儲ける」というのは現実的では無いといえるでしょう。

近年では、FIT制度の10年間を過ぎた既設の方、これから太陽光発電をつけるという方には、売電より自家消費によって電気代を削減して元を取るのが一般的です。

定期的なメンテナンスが必要

従来、安全基準が満たされていれば、太陽光発電システムのメンテナンスは必須ではありませんでした。
しかし、2017年の改正FIT法により、4年に一回のメンテナンスが必須義務として盛り込まれました。
メンテンナスを怠ると、改正FIT法の認定が取り消しとなり、売電が出来なくなるリスクがあります。

1回のメンテナンスの費用相場が約5万円~10万円かかり、ソーラーパネルの寿命が約20年と言われています。
太陽光発電システムを寿命まで使った際のメンテナンス費用は約25万円~50万円程かかる計算となります。

屋根へ負荷がかかる

太陽光パネル1枚の重さは約15kgです。
一般家庭が住宅用太陽光発電システムを載せる際は、5kw弱。約20枚のパネルが積載される事になります。
重さにして、約300kg程の重さが屋根に与えられるわけです。

実際のところ、ソーラーパネルの重さは分散され、屋根へ甚大な負荷を与えるというわけではありません。
同面積の屋根瓦のほうが3倍も重いと言われるぐらいであり、重さはそれほど問題無いといえます。
しかし、やはり重量物が増加するわけですから、経年によるダメージ増は避け得ないでしょう。
また、後付工事となる場合は耐震性への影響や雨漏りも確認する必要があります。

反射光が、近隣トラブルに繋がる可能性がある

機材の駆動音が騒音問題に繋がった、という事例を耳にした方は多い事でしょう。
太陽光発電システムにも、近隣トラブルに繋がる可能性のある事柄があります。
主だったトラブルは以下のようなものです。

  • 反射光が眩しい
  • 反射光によって暑さを感じる

太陽光パネルは、反射防止のためのコーティングや低反射ガラスの使用など、反射防止のための工夫が施されています。
しかし、防止しきれず反射光が発生します。
そのため、太陽光パネルの角度、近隣住宅の位置によっては、反射光による悪影響を受ける場合があります。
実際のところ、大きな問題となるのは中型、大型の産業用太陽光発電システムが主で、住宅用太陽光発電システムが大きな問題となることは稀です。
しかし、事前のシミュレーションを怠れば、トラブルに繋がってしまう可能性もゼロではありません

悪徳業者の存在

太陽光発電システムは初期投資が非常に高額となる設備です。
そのため、残念なことですが悪徳業者や詐欺が横行しています。
下記のような被害を受けたという話は枚挙に暇がありません。

  • 事前に聞いていた内容と大きく違う
  • 粗悪な工事
  • 相場より大幅に高い

期待した発電量を得られない、粗悪な工事によって雨漏りしたなどという事態も有りえます。
悪徳業者に騙されないようにするには、商談に慎重になることが大切です。
どれだけ契約を急かされても、まずは落ち着いて情報を集める事をおすすめします。
具体的には、必ず複数の業者に問い合わせて適正価格や工事内容を確認すると良いでしょう

素材に有害物質が含まれている

太陽光パネルにはセレン、鉛、アンチモン、ヒ素、カドミウムといった有害物質が含まれています。
いずれも猛毒ですが、正常な状態なら問題ありません。
しかし、災害などで破損した際には有害物質に接触する可能性があるため、有事の際を想定した注意が必要でしょう
廃棄する際にも、適切な処分方法を実践する事が必要です。

太陽光発電システムはやめたほうが良い?

太陽光発電のデメリットを徹底解説!やばいと言われる理由は

これまで、太陽光発電システムのデメリットについて数多く触れてきました。
では、「太陽光発電システムはデメリットしかない」「設置しないほうがいい」のかというと、そうではありません。
何故なら、今まで挙げられたデメリットの大半は、事前の調査や工夫で回避できるものだからです。

逆に太陽光発電を設置することで得られる大きなメリットもあります。
太陽光発電システムを設置して後悔しないために、双方を比較してよく検討するといいでしょう。

太陽光発電システムの設置で得られるメリット、デメリットの対策

太陽光発電システムには目立つデメリットも多いですが、多くは対策できるものです。
ここからは、太陽光発電システムのデメリットの解決策と、得られるメリットについて解説します。

初期費用の高さには補助金で対抗出来る

初期費用の高さを軽減するためには、国や都道府県、市区町村が出している補助金をもらうのが良いでしょう
太陽光発電が推進されている今なら、補助金を交付している事が多いです。
設置を検討する際は必ず確認する事をおすすめします。
場合によっては、数十万円の補助金を得ることも可能なため、やらない手はありません。

発電した電力は自分で使えば節約になる

デメリットの項目では、売電価格が下がって太陽光発電で儲けることは現実的ではない事を解説しました。
それでは、太陽光発電システムを設置しても恩恵が無いと考えるかもしれませんが、それは違います。

発電した電力は「自家消費」。そのままズバリ、電力会社に売電せず自分で使うことでお得になります。
2023年夏の今、太陽光発電にご興味を持たれた方なら、ここ最近の電気代の異常な高騰を危険視している筈です。
太陽光発電なら、発電そのものは無料、暴騰する燃料調整費に悩まされることもありません。

オール電化と相性抜群

オール電化住宅にお住まいなら尚の事設置がおすすめです。
オール電化住宅では電気代高騰の煽りを受け、今までなら考えられない電気料金を請求されたという事例があるからです。
太陽光発電で、オール電化設備の電気代をまかなえれば、電気代の更なる高騰に怯えることもありません。

蓄電池を使えば夜間にも対応可能

デメリットの項目では、夜間に発電できないという事を挙げました。
この問題は、蓄電池を使うことで解決できます。
日中発電した電力を蓄電池に蓄え、夜間は蓄電池から電気を使用すれば、電力を買う必要性はゼロ。
あるいはゼロとまで行かなくても極端に抑える事が可能です。

設置するだけで夏は涼しく、冬は暖かい

住宅用太陽光発電システムでは、屋根にソーラーパネルを設置します。
このソーラーパネルが特にシステムとは関係ないところで、意外な効果を持っています。

それは、設置するだけで夏は涼しく、冬は暖かいということです
何故かというと、屋根に設置されたソーラーパネルが外部の太陽光や家屋内部の熱を遮る、もしくは反射させるという遮熱効果を発揮するからです。

その効果たるや、室温にして2℃~5℃の差があるといいます。
年々酷くなる猛暑や酷寒への対策のひとつとなる点は大きな魅力です。

太陽光発電システムは本当にやばいの?

これまで、太陽光発電システムのメリットとデメリットをお伝えしました。
結局のところ、太陽光発電システムは危険であり、設置すべきでは無いのでしょうか。

いいえ、そんな事は有りません。
太陽光発電システムは多くの便利な機器、設備と同様、正常に運用する限り安全です
エネルギー源には、環境省が推進している再生可能エネルギーである太陽光を使用するため、資源枯渇を防ぐとともに、発電時に出る有害な排出ガスやCO2排出量の削減も出来る環境に優しい設備です。

設備の初期導入費用は大きなネックとされてきましたが、これも改善に向かっています。
まず、ソーラーパネルの価格は年々下がってきています。
また、国、都道府県、市区町村が普及推進を続けており、高額な補助金を出しています
補助金の適用条件を満たせば、イメージしているよりもずっと安く導入できるかもしれません。
それでも初期費用が気になる場合は、リースから始めるというのも一つの手です。
リースであれば、初期費用0円で太陽光発電システムを利用でき、リース期間満了後はシステムが無償譲渡される、というサービスも存在します。

また、太陽光発電システムは非常時にも活躍してくれます。
災害大国日本では、停電の機会はつきものです。
何をするにも電気が必要となる昨今、自分で電気を生み出せる太陽光発電システムは災害時の非常用電源としてとても優秀です。

まとめ

以上が、太陽光発電システムの主なデメリットとメリットです。
昔より売電価格が下落したというデメリットもあれば、2023年の今、電気代高騰が続く今だからこそ、太陽光発電を設置するメリットを最大限に受けられるというメリットがあります。
むしろ、技術の進歩で発電量も上がってきているため、より生活を助ける事が出来るようになったと言えるでしょう。
ただし、太陽光発電システムを設置して後悔しないためには、適切な設計、施工、運用が必要です。

興味はあるけれど、デメリットや悪い評判もあって悩む、という方は是非エコ突撃隊までご相談下さい。

お客様が太陽光発電システムの設置によって恩恵を得られるか、メリットデメリットを含め丁寧にご説明させていただきます。

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