太陽光発電
2024/05/30
停電時に太陽光発電システムは本当に役立つの?災害や不測の事態に備えて知っておきたいポイントを紹介
停電時に太陽光発電システムがあると便利だった、助かったなどの声がありますが、本当に役立つのか疑問に思うかもしれません。 そこで今回は、停電時に太陽光発電システムは本当に役立つのか解説します。災害や不測の事態に備えて知っておきたいポイントや、役に立った事例なども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
太陽光発電システムとは?
太陽光発電システムとは、太陽光を利用して電気を生成する住宅設備です。
個人住宅の場合は屋根の上に設置したソーラーパネルが電力を生成し、パワーコンディショナーが家庭で使用できるように変換して給電します。発電している状況はモニタリングシステムで常に確認可能です。
発電した電力は自家消費したり、電力会社に売却したりできるため、家庭の電力費用を削減する効果を期待できます。
また、機種によっては停電時に使用できる自立運転機能が搭載されており、非常時に役立つことから防災設備としても注目されています。
太陽光発電システムの自立運転とは?
太陽光発電システムの自立運転とは、停電が発生して電力会社の電力供給が止まった場合でも、太陽光発電システムが独自に電力を供給する機能です。停電時でも必要な電力を確保できるため、日常に近い生活を送れます。
機種や設定によっては停電が始まったら自動的に自立運転を開始しますが、場合によっては手動でオンにする必要があるので注意しましょう。
太陽光発電システムが非常時に役立つ理由
太陽光発電システムが非常時に役立つ理由は、停電時でも電力が使えるため普段通りに近い日常生活を送れることです。
例えば、5kWの太陽光発電システムがあれば冷蔵庫やエアコン、電子レンジ、洗濯機、テレビ、スマホの充電などを停電時でも行なえます。
停電時に冷蔵庫が稼働するなら、無理に冷凍食品や冷蔵している肉などを消費する必要がありません。また、夏や冬にエアコンが使えないと、場所によっては命に係わる事態を招く恐れがあります。
停電で電気が使えないと不便なだけでなく、家族の命も危険にさらす可能性は否定できないため、非常に重要です。
太陽光発電システムが活躍した事例
日本は地震や台風などの自然災害が多く、大規模な停電による被害を受けやすい傾向があります。そのため、次のようなケースでは太陽光発電システムがあって良かったという声が挙がっています。
- 東日本大震災
- 台風による停電
- 豪雨災害
上記を順番に解説します。
東日本大震災
2011年に発生した東日本大震災では、太平洋側の火力発電所などの設備に大きな被害が発生し、原子力発電所も安全確保のため停止したため、東京電力の供給能力が約40%も低下しました。
一方で、太陽光発電システムの設置件数は2009年~2011年にかけて急激に上昇しています。
背景には使いきれなかった余剰電力買取制度のスタートと補助金制度の復活がありましたが、多くの家庭で太陽光発電システムが導入されたこともあり、停電が起きても普段通りに近い日常生活を送れたという声があります。
台風による停電
日本は毎年のように台風が通過し、規模や場所によっては大きな被害をもたらします。
例えば、2019年に発生した台風15号は千葉県を通過時に広範囲の停電被害をもたらしました。最大64万戸が停電に見舞われ、場所によっては停電が最長2週間以上続き、熱中症による死者も発生しました。
大規模な停電をもたらした台風15号ですが、発生後に太陽光発電協会(JPEA)が調査したところ、太陽光発電システムを設置していた住宅ではテレビや冷蔵庫、携帯電話の充電が可能だったと判明しています。
「冷蔵庫が利用できたので食べ物が腐らずに済んだ」「テレビが使えたので被害情報や避難情報をすぐに確認できた」「周りの家の充電に協力できた」などの声もあり、太陽光発電システムの重要性が改めて認識できます。
豪雨災害
台風が来なくても、豪雨によって川が氾濫したり、土砂崩れが発生したりすることで電力供給が途絶えることもあります。
例えば、2020年に発生した熊本豪雨では約8,840戸が停電し、場所によっては断水も発生しました。
多くの家庭で停電に見舞われましたが、太陽光発電システムを設置していた家庭では電力が使えて、生活必需品の電力供給を確保できて良かったという声が挙がっています。
太陽光発電システムを設置する前に知っておきたいこと
太陽光発電システムを設置する前に知っておきたいことは以下のとおりです。
- 発電量
- 設置スペース
- メーカー
上記を順番に解説します。
発電量
太陽光発電システムはメーカーや種類によって発電量が異なります。
太陽光発電システムは、太陽光パネル(太陽電池モジュール)で太陽光を電気に変換して発電する仕組みです。太陽光パネルの発電量は商品によって異なり、枚数が多いほど発電量は増えます。
発電量が少ないと、停電時に電化製品を満足に動かすことができないため、設置した意味がありません。そのため、太陽光発電システムを設置する際は発電量に注意しましょう。
記事執筆時点での平均的な発電量は5kW前後です。
家庭の状況や人数によって異なりますが、5kWの太陽光発電システムがあれば、停電時でも消費電力が大きい電化製品を4台~5台同時に動かすことができます。
太陽光発電システムを設置する際は5kWを目安にしつつ、販売業者と相談しながら適切な発電量を目指しましょう。
設置スペース
太陽光発電システムを個人住宅に設置するなら、南向きの屋根に設置することが理想的です。太陽光の量が最も増える時間帯が正午なので、南向きの屋根に設置できれば効率的に発電することができます。
また、東西両方に設置することで、時間当たりの日射量が減っても、南向きに設置したときと総発電量が変わらないケースもあります。
しかし、住宅によって屋根の向きや形状、面積などは異なるため、理想的な設置スペースに設置できるとは限りません。
そのため、太陽光発電システムを設置する際は、設置スペースを業者に見てもらい、理想的な場所や枚数などを相談しましょう。
メーカー
太陽光発電システムはメーカーごとに製品の特長が次の表のように異なります。
特徴 | |
---|---|
パナソニック | 高効率なHIT技術を採用 低照度時でも発電効率が高い |
シャープ | 長年の実績があり、信頼性の高いブランド 駆動部分が少なく、耐久性がある |
京セラ | 高品質な製品を開発している 多様な設置環境に対応している |
カナディアンソーラー | 世界中で展開している コストパフォーマンスに優れている |
上記以外にも太陽光発電システムを販売しているメーカーはあり、特徴は異なります。そのため、購入する目的や家庭の状況、予算などに合ったメーカーの製品を選びましょう。
災害前に確認しておきたいポイント
停電が起きる前に確認しておきたいことは、自立運転機能への切り替え方です。自立運転機能を知っていても、切り替え方や操作方法を知らない方は珍しくありません。
実際、東日本大震災時に被災して停電した家庭の中には、太陽光発電システムを設置しているのに自立運転モードの操作方法を知らず、性能を発揮できなかったというケースがあります。
現在の太陽光発電システムは自立運転の「自動切替設定」をしているなら、停電が突然発生しても操作せずに自動的に対応します。機種によっては停電から復帰した時の切り替え操作が不要になるため、面倒な手間がかかりません。
しかし、古い太陽光発電システムの場合は「自動切替設定」がなく、手動で操作しなければならない場合があります。
機器によって設定方法が異なるため、あらかじめ取扱説明書を見て、自立運転機能への切り替え方を確認しましょう。
自立運転機能の注意点
自立運転機能へ切り替わるまでに5秒~10秒程度の時間がかかります。当然、切り替わっている最中は給電されません。
自動的に自立運転モードに切り替わった場合でも、5秒~10秒程度の停電が発生しているため、デスクトップパソコンやレコーダーなどの機器は電源が切れています。
電子機器によっては急なオンオフで故障する可能性もあるため、不安なら切り替わる前にコンセントから抜いておきましょう。
また、停電が解消されたら、自立運転モードから連係運転に戻さないと、発電した電力を電気会社に売ることができません。手動で切り替えた方は、忘れずに再設定をおこないましょう。
停電時に備えて導入したい住宅設備
停電時に備えて導入したい住宅設備は蓄電池とエコキュートです。それぞれ、順番に解説します。
蓄電池
蓄電池とは、電力を蓄えておき、必要に応じて各所に給電する住宅設備です。
太陽光発電システムは太陽光を電気に変換することができますが、発電できるのは日中だけで、夜間は電力を生み出すことはできません。
ソーラーパネル自体には蓄電する機能は無く、自立運転モード時は売電もできないため、発電して自家消費しきれなかった余剰電力は無駄になってしまいます。
蓄電池があれば、無駄になる余剰電力を蓄えておき、太陽光発電システムが発電できない時間帯をカバーすることができます。
また、古い太陽光発電システムで、自動的に自立運転機能に切り替わらない機種でも、最新の蓄電池を導入することで自動的に切り替えられる場合があります。
災害に備えて太陽光発電システムを設置するなら、一緒に蓄電池の導入も検討してみましょう。
エコキュート
エコキュートとは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。
エアコンにも使われているヒートポンプ技術によってお湯を沸かしておき、人の背丈よりも大きな貯湯タンクユニットにて溜めておく貯湯式給湯器になります。
貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯は高温で、飲用水に適していませんが、身体を拭いたり、食器を洗ったりする生活用水として使用することは可能です。
メーカーや機種によってタンクのサイズは異なりますが、一般的なエコキュートで460Lあります。
2020年に起きた熊本豪雨では、停電が原因で断水も発生しており、一部地域では水が使えませんでした。
貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯を飲用水として使用することは推奨できませんが、断水時に生活用水が400L以上も確保できれば、災害時に備えておく水の量を減らすことができます。
エコキュートは電気で稼働する給湯器のため、太陽光発電システムや蓄電池との相性も良いので、一緒に導入することをおすすめします。
まとめ
以上が、太陽光発電システムは非常時に本当に役立つのかに関する解説です。自立運転モードがある太陽光発電システムは停電時でも発電するため、設置していれば非常時に役立ちます。
ただし、メーカーや機種によって機能や性能は異なり、場合によっては手動で操作する必要があるため、非常時に備えて確認しておくと良いでしょう。
また、太陽光発電システムを選ぶ際は発電量や設置スペースなどの専門的な知識が必要になるため、販売業者と相談しながら購入するべきです。
「エコ突撃隊」では専門知識が豊富なスタッフが対応いたします。太陽光発電システムや蓄電池、エコキュートなどのメーカー正規品を低価格で販売しているので、気になる方はぜひご連絡ください。
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