蓄電池

2024/02/28

蓄電池を塩害地や重塩害地に設置する際の注意点は?塩害地や重塩害地の定義などもわかりやすく解説

蓄電池を塩害地や重塩害地に設置する際の注意点は?塩害地や重塩害地の定義などもわかりやすく解説

蓄電池は精密機器の塊のため、風や土に塩分が濃く含まれている塩害地や重塩害地に設置する際は注意が必要です。また、自分が住んでいる場所が塩害地や重塩害地に当てはまるか確認しておくことも必要になります。

そこで今回は、蓄電池を塩害地や重塩害地に設置する際の注意点や定義などをわかりやすく解説します。海が見える場所に住んでいて、蓄電池を設置したい方は最後までご覧ください。

塩害地や重塩害地とは?

蓄電池を塩害地や重塩害地に設置する際の注意点は?塩害地や重塩害地の定義などもわかりやすく解説

塩害地や重塩害地とは、海からの距離や潮風の有無などによって塩害が発生する可能性がある地域のことです。

次の表は、塩害地と重塩害地の定義をまとめたものになります。なお、下記に当てはまらない地域はすべて一般地と呼びます。

潮風 海岸からの距離
瀬戸内海・東京湾・伊勢湾の内海に面する地域 当たる 300m以内は重塩害地
300m~1km以内は塩害地
当たらない 300m以内は塩害地
日本海や太平洋の外洋に面する地域 当たる 1km以内は重塩害地
1km~2km以内は塩害地
当たらない 300m以内は重塩害地
300m~1km以内は塩害地
沖縄県および離島 当たる/当たらない 全域で重塩害地

上記のような塩害地・重塩害地では空気や風、土、雨などに含まれる塩分濃度が高いことが原因で、蓄電池が故障する、あるいは劣化する可能性が高いです。

塩害地や重塩害地に一般地仕様の蓄電池を設置してしまうと、故障しても修理できない、あるいは一般地仕様の蓄電池は設置できないなどのケースがあります。

メーカーや機種によっては塩害地や重塩害地でも使用できる蓄電池を販売しています。そのため、塩害地や重塩害地に設置する際は適切な機種の購入を検討しましょう。

なお、潮風は常に一定に吹くとは限りません。住んでいる場所や地形によって塩害地と重塩害地の判定は曖昧になるため、不安に思う方は重塩害地に対応している蓄電池を選ぶと良いです。

塩害地や重塩害地に強い蓄電池とは?

メーカーや機種によって異なりますが、塩害地仕様、重塩害地仕様となっている蓄電池があります。

例えば、オムロンでは重塩害地に対応した蓄電池を販売しています。防水コネクタとPF間をつなぐジョイントを独自で開発しており、美観を損ねず、ゴムスリープによる防水性を確保しています。

また、取付金具に錆びの強い塗料を採用しており、防錆性がアップしていることも特徴です。ネジにも表面処理が施されているため、重塩害地でも錆が出にくいような対策となっています。

防水性と防錆性の強化により、暴風や台風などによって海水が飛来したとしても故障しにくいため、設置場所で悩まずに済みます。

オムロン以外のメーカーでも、独自の工夫により塩害地や重塩害地でも設置できる蓄電池を販売しています。塩害地や重塩害地に住んでいる方は、塩害地・重塩害地向きとなっている蓄電池の購入を検討してみましょう。

蓄電池を塩害地や重塩害地に設置する際の注意点

蓄電池を塩害地や重塩害地に設置する際は、塩害地仕様・重塩害地仕様の機種を購入する以外に、次のポイントに注意しましょう。

  • 設置場所を工夫する
  • 塩害地仕様や重塩害地仕様は割高
  • メーカーによって選択肢の幅が異なる

上記を順番に解説します。

設置場所を工夫する

塩害地仕様・重塩害地仕様の蓄電池は潮風に強いですが、ずっとさらされているような場所に設置していると、すぐに錆びてしまいます

住宅の状況や敷地によって難しい場合はありますが、なるべく海岸から遠く隠れられるような場所に蓄電池を設置しましょう。例えば、住宅の裏に設置できれば、住宅が潮風を遮るため、錆びにくいです。

また、蓄電池のなかには屋内設置が可能な機種もあります。屋内なら屋外よりも潮風や海水などの影響を受けにくいため、塩害地や重塩害地に住んでいる方が蓄電池を設置する場所としておすすめです。

塩害地仕様や重塩害地仕様は割高

蓄電池は一般地仕様、塩害地仕様、重塩害地仕様の順に割高になる傾向があります。

性能や蓄電容量が近い製品でも、一般地仕様よりも数万円~10万円程度高くなる可能性があるため、予算と相談して購入しましょう。

メーカーによって選択肢の幅が異なる

基本的に、各メーカーから塩害地仕様や重塩害地仕様の蓄電池は販売されています。しかし、メーカーによって選択肢の幅が異なるため、注意しましょう。

例えば、ニチコンは記事執筆時点で重塩害地に設置できる機種は「ESS-U3S1J」のみとなっています。蓄電容量4.1kWhで、小型なため狭小スペースにも設置しやすい機種です。

一方で、オムロンは重塩害地仕様の蓄電池を複数種類販売しており、蓄電容量が6.5kWhのためニチコンよりも多くの電気を蓄えることができます。

また、スマートソーラーでは蓄電容量11.5kWhの重塩害地仕様を販売しています。

蓄電池によって蓄電容量や特徴なども異なるため、塩害地仕様や重塩害地仕様の機種を選ぶときは、メーカー選びも重要です。

蓄電池はメンテナンスや定期点検は必要?

基本的に、蓄電池は定期的なメンテナンスが必要ありません。

家庭用蓄電池は購入者ご自身でメンテナンスを行うようには設計されていません。電気系統に触ってしまうと感電や故障するリスクがあるため、周りのゴミやホコリの清掃を1カ月に1回程度の目安で行うと良いです。

また、蓄電池はメーカーのサポートが24時間365日監視システムで見守っているため、来訪による点検が必要ありません。ニチコンの場合は年に1回、メンテナンスモードが自動で実行され、問題がないかチェックします。

そのため、塩害地や重塩害地に蓄電池を設置したとしても、特別なメンテナンスや定期点検を行う必要はありません

蓄電池を設置するメリットは?

蓄電池を塩害地や重塩害地に設置する際の注意点は?塩害地や重塩害地の定義などもわかりやすく解説

蓄電池を設置するメリットは以下のとおりです。

  • 非常時の電源になる
  • 電気代が安くなる可能性がある
  • 太陽光発電システムやエコキュートと連携できる

上記のメリットを順番に解説します。

非常時の電源になる

蓄電池を設置する最大のメリットは、災害や停電などの非常時でも電気を使えることです。

例えば、蓄電容量が4kWhあればリビングの照明や冷蔵庫、テレビ、スマホの充電器などの家電製品を最大8時間使用できます。満充電されていれば、突然の停電が発生しても一晩程度なら普段通りに過ごすことが可能です。

実際、大規模な災害が起きて停電が発生しても、蓄電池があればリアルタイムの情報を得たり、照明が点いて防犯対策になったりしたという事例はあります。

電気はライフラインのなかでも早めに復旧する可能性がありますが、状況や場所によっては1日~2日程度はかかるため、蓄電池があると安心できます

電気代が安くなる可能性がある

電気料金プランによって電気料金単価の仕組みは異なり、時間帯や季節によって単価が変動する場合があります。

例えば、東京電力エナジーパートナーのスマートライフSは次の表のように時間帯で電気量料金単価が変動します。

単位 料金
基本料金 10Aにつき 1契約 295.24円~
電気量料金単価 午前6時~翌午前1時 1kWhあたり 35.96円
午前1時~午前6時 28.06円

スマートライフSの場合、昼間よりも夜間のほうが電気量料金単価は安いです。蓄電池があれば、電気量料金単価が安い夜間に電気を購入し、電気量料金単価が高い昼間の買電量を減らすといった使い方ができます。

昼間の買電量を減らすことができれば、家庭全体の電気代の節約につながります。電気代は上昇傾向にあり、今後も増えていく可能性は否定できません。家庭の支出を減らすためにも蓄電池の設置は検討してみましょう。

太陽光発電システムやエコキュートと連携できる

蓄電池は電気を蓄えておき、必要に応じて給電する住宅機器です。そのため、太陽光発電システムやエコキュートなどの住宅機器との相性が良く、連携ができます。

例えば、太陽光発電システムを導入していると日中に発電した電力を蓄電池に蓄えておき、夜間に給電するといった使い方ができます。また、太陽光発電システムと蓄電池の種類によっては停電時でも稼働して、普段通りに近い生活を送ることができます

エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。ヒートポンプ技術を用いているため、お湯を沸かすためのランニングコストが他の給湯器に比べて抑えられている傾向があります。

エコキュートは電気量料金単価が安い時間帯にお湯を沸かしますが、蓄電池があれば夜間の電気を蓄えておき、日中に消費してお湯を沸かすといった使い方が可能です。

夜間に比べて日中のほうが外気温は高いため少ないエネルギーでお湯を沸かすことができ、消費するまでの時間が短いので放熱ロスも少なくなるなどのメリットがあります。

また、蓄電池があれば、停電時でもエコキュートを稼働させることができます

太陽光発電システムやエコキュートなどの創エネ・省エネ住宅機器と蓄電池の相性は非常に良いため、一緒に導入することを検討してみましょう。

まとめ

以上が、蓄電池を塩害地や重塩害地に設置する際の注意点や定義などの解説になります。塩害地や重塩害地に一般地仕様の蓄電池を設置すると錆びて故障する可能性が高いため、適切な機種を選びましょう。

しかし、塩害地仕様や重塩害地仕様の選択肢は少なく、メーカーによって蓄電容量やサイズ、特徴などが異なります。目的や設置スペースに合わない蓄電池を選んでしまうと後悔するため、蓄電池を選ぶ際は専門知識が豊富な業者に相談すると良いです。

エコ突撃隊」はメーカー正規品を低価格で販売しており、蓄電池に関する知識が豊富なスタッフが対応いたします。

また、蓄電池と相性の良い太陽光発電システムやエコキュートも販売しています。災害対策や省エネのために蓄電池の購入を考えている方は、ぜひご相談ください。

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