蓄電池
2025/02/12
エコキュートに蓄電池は必要?併用する場合のメリットや注意点などをわかりやすく解説
エコキュートと蓄電池は相性の良い機器のため、併用するとメリットを得られる可能性があります。一方で、エコキュートと蓄電池を併用する場合は注意点もあるので、知っておくと良いでしょう。そこで今回はエコキュートに蓄電池が必要なのか、メリットや注意点などをわかりやすく解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
エコキュートとは?
エコキュートとは、電気と空気中の熱を利用してお湯を沸かす、環境に優しい給湯器です。
正式には「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」と呼ばれ、一般的な電気給湯器やガス給湯器と比べて、効率よくお湯を作ることができます。
エアコンでも用いられているヒートポンプ技術を活用しており、冷媒(CO2)を使って外気中の熱を取り込み、圧縮することで高温化し、お湯を沸かして貯湯タンクユニットで溜めておく仕組みです。
電気は空気を圧縮、膨張させるときに利用するため、電力使用量を大幅に抑えることができ、ランニングコストが安いのが大きな魅力です。
さらに、タンク内に一定量の温水を貯められるため、災害時や停電時でもある程度の生活用水を確保できるというメリットがあります。
蓄電池とは?
蓄電池とは、電力を一時的に貯めて必要なときに供給する装置です。住宅用として使用されるものは、主にリチウムイオン電池が一般的で、効率的なエネルギー活用が可能になります。
例えば、季節別時間帯別電灯のように日中と夜間で電気料金単価が異なる場合、蓄電池があれば電気料金単価が安い夜間に蓄電しておき、日中に消費することで電気料金の節約が可能です。
さらに、災害や停電時には、蓄電池に蓄えた電力を利用して、照明や冷蔵庫、スマホの充電など最低限の家電を動かすことができるので、万が一の事態に備えられます。
エコキュートに蓄電池は必要?
結論から申し上げますと、エコキュートに蓄電池は必要ではありませんが、以下のようなメリットが得られるため併用を考えると良いでしょう。
- 電気代のさらなる節約
- 停電時でもエコキュートが利用可能になる
上記を順番に解説します。
メリット①電気代のさらなる節約
エコキュートと蓄電池を併用した場合の最大のメリットは、電気代のさらなる節約効果を得られることです。
エコキュートはヒートポンプ技術を用いているため、お湯を沸かすためのランニングコストがガス給湯器や電気温水器に比べて抑えられています。
ただし、抑えられている理由の1つに、日中と夜間で電気料金単価が異なる季節別時間帯別電灯と契約していることも挙げられます。
次の表は東京電力エナジーパートナーのスマートライフSの料金をまとめたものになります。
基本料金(10Aにつき) | 時間帯(1kWhあたりの料金) | ||
---|---|---|---|
午前6時~翌午前1時 | 午前1時~午前6時 | ||
スマートライフS | 311.75円 | 35.76円 | 27.86円 |
例えば、消費電力が1.37kWのエコキュートを5時間稼働させた場合の消費電力量は6.85kWhです。
スマートライフSの電気料金単価で単純に計算した場合、夜間に5時間稼働させた時の電気料金は約190円、日中に5時間稼働させた場合は約244円になります。
実際の電気料金は外気温や稼働させた時間によって変動しますが、通常は日中にお湯を沸かすよりも夜間にお湯を沸かしたほうがランニングコストはお得です。
しかし、日中にお湯を沸かした場合、外気温が高いためお湯を沸かすためのエネルギーが少なく済み、風呂やシャワーを浴びるまでの時間が短いのでお湯を消費するまでの放熱ロスが減少するというメリットが得られます。
ダイキンのシミュレーションによれば、夜間に沸かすよりも日中に沸かしたほうが光熱費は約33%も節約可能です。
日中にお湯を沸かす場合にネックになるのが季節別時間帯別電灯の電気料金単価ですが、蓄電池があれば問題は解決します。
蓄電池が電気料金単価の安い夜間に蓄電をしておき、日中にエコキュートでお湯を沸かすために消費すれば、日中にお湯を沸かすためのメリットだけを得られます。
以上の理由により、蓄電池を設置して日中にお湯を沸かせば、蓄電池なしでエコキュートを利用するよりもランニングコストを節約できる可能性が高いです。
メリット②停電時でもエコキュートが利用可能になる
エコキュートは電力を使って稼働するため、停電時にはお湯の沸き上げができません。種類にもよりますが、給湯栓を開くと高温の状態のお湯が出ますが、消費していけば湯切れとなります。
しかし、蓄電池があり給電可能な状態であれば、停電時でもエコキュートでお湯の沸き上げが可能です。
断水していないことや住宅全体に給電できるなども条件に含まれますが、蓄電池があれば停電していても、普段通りにお湯を使えます。
エコキュートと蓄電池を併用する場合の注意点は?
エコキュートと蓄電池を併用した場合のメリットは、電気料金の更なる節約効果と、非常時でもお湯を使えることです。
一方で、エコキュートと蓄電池を併用する場合は以下のような注意点があります。
- 初期費用が高額になる
- 設置スペースが必要
- 蓄電容量や機能によって制限がある
上記を順番に解説します。
初期費用が高額になる
エコキュートと蓄電池を併用する場合、初期費用が高額になる点に注意しましょう。
エコキュートはメーカーや機種によって販売価格が異なりますが、一般的な相場は40万円~70万円です。
一方、蓄電池は容量や性能によって価格が異なりますが、一般的な相場は100万円~200万円程度になります。
つまり、エコキュートと蓄電池を併用した場合、必要になる初期費用の目安は150万円~270万円です。
エコキュートは初期費用が高額ですが、ランニングコストが大幅に抑えられているので、10年以上使い続けていれば、ガス給湯器との差額を回収でき、ある程度の節約効果を得られます。
蓄電池と併用すれば、ガス給湯器との差額を回収するまでの時間を短縮できますが、人によっては初期費用の負担が大きいと感じられるので注意しましょう。
設置スペースが必要
エコキュートと蓄電池を設置する場合、敷地内にある程度の設置スペースが必要になります。
エコキュートはエアコンの室外機に似た形状のヒートポンプユニットと、人の背丈よりも大きい貯湯タンクユニットで構成されています。
貯湯タンクユニットは貯湯容量が多いほど大型化する傾向があり、狭小スペースでは設置が難しいかもしれません。
一方、蓄電池は蓄電容量によってサイズが異なり、メーカーが指定する離隔距離を確保できる安定した場所が設置場所として望ましいです。
どちらも屋外設置が基本ですが、敷地の広さや隣家との距離によってはエコキュートと蓄電池の2台を設置できない可能性がある点に注意しましょう。
なお、蓄電池の種類によっては屋内設置やベランダに設置などが可能です。
蓄電容量や種類によって制限がある
エコキュートと蓄電池を併用すれば停電中でもお湯を沸かすことができますが、蓄電池の蓄電容量や機能によって制限が発生する可能性があります。
蓄電容量とは、蓄電池に蓄えることができる電気の量です。単位はkWh(キロワットアワー)で、1時間で貯められる電力量を表します。
蓄電池の蓄電容量の主流は7kWh前後で、仮に停電が発生しても7kWhがあれば、半日から1日程度は電力が持ちます。
ただし、全ての家電製品を長時間動かすには7kWhは少ないです。
冷蔵庫やテレビ、照明、パソコン、スマホなどの重要な家電を長時間動かすには十分ですが、消費電力が1.5kW前後あるエコキュートを2時間以上稼働させたら、蓄えていた電力の半分近くを消費します。
また、蓄電池にはすべてのコンセントに対して電気を給電できる全負荷型と、特定のコンセントに給電する特定負荷型の2種類があります。
特定負荷型の蓄電池の場合、200V機器に給電ができず、停電時にエコキュートを動かすことができません。
つまり、蓄電池の蓄電容量が少ないとエコキュートを動かすだけの電力量を確保できず、特定負荷型だと停電時にエコキュートを利用できないなどの注意点があります。
停電時にエコキュートを動かしたい方は、蓄電容量が多く、全負荷型の蓄電池を選びましょう。
エコキュートと蓄電池に太陽光発電システムは必要?
必要と断言はできませんが、エコキュートと蓄電池を併用するなら、太陽光発電システムの導入も検討しましょう。
太陽光発電システムとは、太陽の光エネルギーを電気に変換する設備です。主に、住宅の屋根に設置し、発電した電力は家庭内で使用したり、電力会社に売電できたりします。
エコキュートと蓄電池は、以下の理由により太陽光発電システムとの相性が非常に高いです。
- 太陽光発電システムで発電した電気で稼働、蓄電ができる
- 停電時に発電した電気を蓄えられる
太陽光発電システムで発電した電気は自家消費が可能です。日中に太陽光発電システムで発電してエコキュートを稼働させれば、お湯を沸かすためのランニングコストを大幅に節約できます。
さらに、自家消費や売電しきれなかった分は蓄電池に溜めておき、発電ができない夜間に使用することで、住居全体の買電量を減らし、電気料金の節約が可能です。
停電が発生しても、太陽光発電システムで発電できるので、エコキュートを始めとした家電製品を動かすことができ、余った分は蓄電池に溜めておき、夜間に使用するといった使い方もできます。
つまり、太陽光発電システムがあれば、エコキュートと蓄電池を併用するメリットを最大化できるため、導入の検討をおすすめします。
エコキュートと蓄電池を併用するなら補助金を検討する
エコキュートと蓄電池を併用する場合の最大のネックは初期費用です。
両方を同時に導入した場合の初期費用は150万円~270万円と高額なため、可能であれば補助金を活用しましょう。
政府は省エネ性能の高い給湯器や蓄電池の導入時に補助金を出す傾向があります。金額は補助金制度によって異なりますが、現在開催が予定されている給湯省エネ2025事業では、省エネ性能の高いエコキュート1台当たり6万円の補助金が支給されます。
補助金ごとに金額や条件は異なりますが、10万円以上の補助金も珍しくないため、エコキュートと蓄電池を併用するなら詳細をチェックしましょう。
まとめ
以上が、エコキュートと蓄電池を併用した場合の解説になります。エコキュートと蓄電池を併用した場合、電気料金が更に節約でき、停電時でもエコキュートでお湯を沸かすことが可能になることがメリットです。
一方で、高額な機器を同時に導入するので初期費用が負担になりやすく、蓄電池の容量や種類によっては停電時に期待したほどのメリットが得られない可能性があります。
エコキュートと蓄電池を併用した場合のメリットを最大化したい場合は、補助金制度の活用や太陽光発電システムの導入も検討しましょう。
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