オール電化
2025/01/23
エコキュートの水抜きの手順は?やるべきタイミングや実行した後にやることなどを解説
エコキュートの水抜きとは、清潔なお湯を使い、機器の寿命を延ばしたい場合にやるべきメンテナンスです。水抜きをしないで放置していると、お湯が汚れるだけでなく、故障するリスクも高まるので、定期的に行いましょう。
そこで今回は、エコキュートの水抜きの手順ややるべきタイミング、実行した後にやることなどをわかりやすく解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
エコキュートの水抜きとは?
エコキュートの水抜きとは、貯湯タンクユニットの水を抜いて汚れを取り除く作業です。
水道水を熱して溜めておく貯湯タンクユニットには、含まれているカルシウムやマグネシウムなどが沈殿して、汚れとなっている可能性があります。
水抜きを行うことで、上記の汚れを取り除くことができ、清潔な状態のお湯を利用できます。
ただし、水抜きにはメンテナンスで行う通常の水抜きと、長期間エコキュートを使用しない場合に行う水抜きの2種類があるので注意しましょう。
エコキュートの水抜きをしない場合のリスク
エコキュートの水抜きがしないで放置していると、次のようなリスクが高まります。
- 浴槽に汚れが浮く
- ゴミが混じる
- エコキュートの寿命が短くなる
上記を順番に解説します。
浴槽に汚れが浮く
エコキュートの水抜きをしないで放置していると、カルシウムやマグネシウム、ナトリウムなどの成分が沈殿し、浴槽にお湯を張ったときに混じって浮かぶ可能性が高まります。
また、不純物は悪臭の原因になる可能性もあるので、定期的に水抜きの作業を行うべきです。
ゴミが混じる
エコキュートを長年利用していると、経年劣化によって見えない部分が摩耗していきます。
配管を接続するためのゴムパッキンは経年劣化の影響を受けやすく、放置しているとお湯にゴミとして混ざるケースが少なくありません。
水抜きをすれば、上記のようなゴミを取り除くことができるので、気持ちよくお湯を使うことができます。
なお、水抜きをしても汚れやゴミが付着する場合は、エコキュートが寿命を迎えていると考えられるので買い替えを検討しましょう。
エコキュートの寿命が短くなる
エコキュートは10年以上使用できる給湯器とされていますが、メンテナンスの有無や使用頻度によっては寿命が短くなる可能性があります。
特に、水抜きをしないで放置していると不純物がフィルターにつまり、給湯効率の低下や故障などを招くので、定期的に実行するべきです。
エコキュートの水抜きをするべきタイミング
エコキュートメーカーは、水抜きを1年に2回~3回行うことを推奨しています。
日本の水道水は不純物が少ないですが、数カ月使用していると汚れやゴミが混じってくるので、タイミングを決めて定期的に行うと良いでしょう。
エコキュートの水抜きの手順
エコキュートの水抜きの手順は以下のとおりです。
- 給水止水栓を閉める
- 電源扉を開け、漏電遮断器を「切」にする
- 逃し弁レバーを上げ、約1分間待つ
- 排水栓を左に回して開ける
- 2分ほど経過して排水が綺麗になったら排水栓を閉める
- 排水が止まったら給水止水栓を開き、お湯が出ることを確認する
- お湯が出たらすぐに逃し弁レバーを戻す
- 漏電遮断器を「入」にする
- 混合水栓のお湯側を開き、お湯が出ることを確認する
メーカーや機種によって多少手順は異なりますが、上記手順で数分間排水すれば、汚れやゴミを取り除くことができます。
エコキュートを長期間使用しない場合の水抜きの手順
エコキュートを一カ月以上使わない場合は、貯湯タンクユニットの中を空っぽにする必要があります。
エコキュートを長期間使用しない場合の水抜きの手順は以下のとおりです。
- ふろ配管の水抜きを行う
- 貯湯タンクユニットの水抜きの準備を行う
- 電源を切る
- 貯湯タンクユニットのお湯を全て排水する
- 配管のお湯を全て抜く
- 水を抜いたら閉じる
なお、エコキュートの水抜きの手順はメーカーや機種によって多少異なります。
今回はパナソニックエコキュートで2020年以降に販売されたモデルの手順を参考に解説しますが、実際の手順はメーカーの公式Webサイトや取扱説明書で確認しましょう。
ふろ配管の水抜きを行う
エコキュートの貯湯タンクユニットを空っぽにする場合、まずは浴槽を空にしてふろ配管に残った水を抜きましょう。
パナソニックエコキュートの場合、浴槽を空にしてからリモコンユニットの「追いだき」ボタンを押すと、配管に残っている水が浴槽へと排水されます。
循環口から水が出なくなったら、再度「追いだき」ボタンを押して停止して、排水された水を捨てましょう。
貯湯タンクユニットの水抜きの準備を行う
パナソニックエコキュートの場合、貯湯タンクユニットを空っぽにする前に、リモコンユニットで設定を変更する必要があります。
台所にあるリモコンユニットのメニューを押して、「その他」を選択して、「タンク水抜き準備設定」で決定を押しましょう。
設定を受け付ける表示が出たら、以降の作業は貯湯タンクユニットで行うので軍手やドライバーを用意して外に出ます。
電源を切る
貯湯タンクユニットの水抜き中にエコキュートが稼働すると故障する原因になるので、配線用遮断器と漏電遮断器を「切」にして電源を切ります。
漏電遮断器は貯湯タンクユニットに取り付けてあるので確認しましょう。
貯湯タンクユニットのお湯を全て排水する
配管の水を排水して、電源を切ったら貯湯タンクユニットを空っぽにする水抜きが実行できます。
脚部化粧カバーを取り付けている場合は、取り外してから以下の手順でお湯を全て排水しましょう。
- 混合水栓のお湯側と水側を開く
- お湯が出なくなるまで放置する
- 混合水栓の水側を閉じる
- 給水元栓を閉じる
- 逃し弁レバーを上げて入水栓を開く
- 排水口や排水配管から水が流れなくなるまで待つ
- 混合水栓のお湯側を閉じる
貯湯タンクユニットのサイズにもよりますが、80分以上もすれば貯湯タンクユニットのお湯はすべて排水されます。
混合水栓のお湯側を閉じたら、次の手順に進みましょう。
配管のお湯を全て抜く
ふろ配管や貯湯タンクユニットのお湯を抜いたとしても、タンク下部にある配管に水やお湯が残っている可能性があります。
そのため、貯湯タンクユニットの5箇所の配管を緩め、ストレーナーを外しましょう。
また、貯湯タンクユニットと配管でつながっているヒートポンプユニットの水抜き栓を緩めることも忘れずに行います。
全ての栓を緩めたまま1時間ほど放置すれば、水が出なくなります。
水を抜いたら閉じる
上記までの手順がすべて済んだら、緩めていた水栓を閉じ、ストレーナーを取り付けましょう。
また、排水栓を閉じて、逃し弁レバーを下げればエコキュートの水抜き作業は終了です。
貯湯タンクユニットを空っぽにする水抜きで80分、配管の排水で60分程度かかるので、合計すると2時間30分程度かかる作業だと覚えておきましょう。
エコキュートの水抜きで注意すべきポイント
エコキュートの水抜きで注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 高温のお湯に注意する
- 外気温が低い場合は行わない
- 説明書の内容に従う
上記を順番に解説します。
高温のお湯に注意する
貯湯タンクユニットの水抜きでは、高温のお湯が流れてくる可能性があります。
不用意に触れると火傷をする危険性があるので、軍手を用意して慎重に行いましょう。
外気温が低い場合は行わない
貯湯タンクユニットの水抜き栓やヒートポンプユニットの水抜き栓を緩めると、水が流れ出します。
外気温が0℃以上の場合は問題ありませんが、0℃以下の場合では排水中に水が凍結し、正常に完了しない可能性を否定できません。
配管の凍結や故障のリスクが高いので、外気温が0℃以下のときは、エコキュートの水抜きは止めましょう。
説明書の内容に従う
エコキュートの水抜きは火傷や凍結などのリスクがあるメンテナンスです。
また、手順を間違えるとエコキュートが故障する可能性もあるため、実行する際はメーカーの公式Webサイトや取扱説明書を確認し、内容に従いながら行いましょう。
エコキュートの水抜きが終わった後にやるべきこと
エコキュートの水抜きが終わった後にやるべきことは、満水にすることです。
通常の水抜き後なら、お湯の沸き上げボタンを押すか、残湯量によっては沸き上げ時間まで待ちましょう。
ただし、空っぽにする水抜きを行うとタンク内部のお湯は無くなっているので、満水にしないとお湯を沸かすことができません。
空っぽにする水抜きの後で満水にするための手順は以下のとおりです。
- 排水栓が閉じていることを確認する
- 逃し弁レバーを上げる
- 給水元栓を開ける
- 給水口や排水配管から水が出ているのを確認する
- 連続で水が出るようになったら逃し弁レバーを下げる
- 混合水栓のお湯側の栓を開く
- 空気混じりの水が出なくなったら閉じる
- ヒートポンプユニットの水抜き栓を開く
- 空気混じりの水が出なくなったら閉じる
- 配線用遮断器と漏電遮断器を「入」に切り替える
- リモコンユニットで空気抜きを選ぶ
- 混合水栓のお湯側を開いて空気混じりの水が出なくなったら閉じる
手順は大きく分けると4つの段階になります。それぞれ、順番に解説します。
なお、実際の手順はメーカーの公式Webサイトや取扱説明書で確認しましょう。
給湯器を満水にする
水抜きによって貯湯タンクユニットの中は空っぽなので、まずは満水にしましょう。
排水栓が開いていると水が溜まらないので、排水栓が閉じていることを確認し、逃し弁レバーを上げたら、給水元栓を開けます。
給水元栓を開けて30分から40分程度経過すると、排水口や排水配管から水が連続して出るようになります。連続して出るのは満水になった証拠なので、逃し弁レバーを下げましょう。
配管内の空気を抜く
エコキュートは水抜きした後に満水状態にすると、内部に空気が溜まっている可能性があります。
放置していると給湯効率を下げ、故障する原因となるので、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットに溜まっている空気を抜きましょう。
まずは、貯湯タンクユニットの混合水栓のお湯側を開きます。連続的に水が出始めたら、空気が抜けたので閉じます。なお、お湯を沸かしていないので、お湯側の栓を開いても水しか出ません。
次に、ヒートポンプユニットに3箇所ある水抜き栓を緩めて、1分以上経過して連続した水が出るようになったら閉じます。なお、水抜き栓を抜くのは止めましょう。
上記手順で連続した水が出るようになったら、空気を抜く作業は終了です。
電源を入れる
貯湯タンクユニットやヒートポンプユニットの配管内の空気を抜いたら、配線用遮断器と漏電遮断器を「入」に切り替えて、電源を入れましょう。
「入」に切り替えたらエコキュートを操作できます。
再び、配管の空気を抜く
今度は、室内につながる配管内部の空気を抜く作業が必要です。
パナソニックエコキュートの場合、台所にあるリモコンユニットのメニューを押して、「その他」を選択し、「空気抜き」を押せば、自動で空気抜きが始まります。
5分ほどで作業が終了したら、後は室内にある混合水栓のお湯側を開き、空気混じりの水が出なくなるのを確認しましょう。
以上の手順で、水抜きを実行したエコキュートは満水となり、空気が抜かれた状態になります。あとは、お湯を沸かす時間まで待つか、手動でお湯を沸かしましょう。
まとめ
以上が、エコキュートの水抜きの解説になります。水道水に含まれている不純物が沈殿して、汚れやゴミの原因になるので、通常の水抜きを1年に2回~3回程度のペースで行いましょう。
通常の水抜きにかかる時間は数分程度ですが、貯湯タンクユニットを空っぽにする水抜きは2時間30分が目安です。
また、空っぽにする水抜き後は満水にする作業が必要になります。機種や貯湯容量によって異なりますが1時間程度かかり、お湯の沸き上げにも1時間以上かかるので、空っぽにする水抜きを行ったら、すぐにお湯は使えないと覚えておきましょう。
なお、水抜きを放置していると汚れやゴミがお湯に混じり、エコキュートの寿命を縮めるリスクがあります。また、水抜きを行っても汚れやゴミが浮かぶ場合は故障や寿命を迎えている可能性があるので、修理、あるいは買い替えを検討すべきです。
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