オール電化
2025/01/16
エコキュートのお湯がたまらない場合がある? その原因を徹底解説!
環境配慮を主眼とした省エネ対策にはさまざまな施策がありますが、個人レベルでも家庭生活における取り組みが進んでいます。なかでも住宅設備の省エネ化は目覚ましい発達をとげており、特に日常でもっとも多くのエネルギーを消費するとされる給湯関連設備の高効率化が挙げられるでしょう。そんな高効率給湯器の一つが「エコキュート」です。
電気をエネルギー源に稼働してお湯をつくり出す装置で、高い効率性と環境負荷の小ささから導入が進んでいます。
そんなエコキュートですが当然ながら経年による劣化や不具合が生じるケースは避けられず、充分に機能しない事態も発生します。
なかでもそもそも「お湯がたまらない」という症状は致命的であり、日常生活にも支障をきたす重大事です。
本記事ではエコキュートのお湯がたまらないという症状について、タンクと浴槽の両方における原因を解説します。
エコキュートの仕組みとは?
エコキュートのお湯がたまらない原因を詳しく見ていく前に、まずはそもそもどのような仕組みでお湯をつくり出すのかについておさらいしておきましょう。
エコキュートが電気で動く高効率給湯器であることはすでに述べましたが、たとえば通常の電気給湯器のように電気が発する熱で直接お湯を沸かしているわけではありません。
エコキュートには「ヒートポンプ」という熱交換装置が備わっており、この作用によって空気中の熱を収集・温度上昇させることによって水を温めるというのが基本的な仕組みです。
もう少し詳細に解説すると、ヒートポンプの内部には熱を伝えるための「冷媒」と呼ばれる気体が循環しており、具体的には二酸化炭素が用いられています。
この冷媒によって空気中の熱を集め、圧縮すると温度が上昇するという気体の特性を利用して外気温を超える熱を得ることが装置の主眼です。
そうして高めた熱を次々に水へと伝えていくことで、最終的にはお湯の温度にまで高めるというのがヒートポンプの機能です。
ちなみに水に熱を伝えた後の冷媒は逆に開放することで温度を下げ、再び空気中の熱を収集・圧縮することを繰り返します。
この流れはエアコンの暖房・冷房の仕組みと同様で、開放によって気体温度が下がる特性は冷蔵庫にも利用されています。
またエコキュートは夜間の電気代が安い時間帯をメインに稼働することが想定されており、沸かしたお湯は「貯湯タンク」にためておく構造となっています。
そして日中にタンクのお湯を各所で設定された温度になるよう適宜水で割りながら供給するため、エネルギーロスが非常に少ない給湯器としての機能を実現しているのです。
エコキュートの貯湯タンクにお湯がたまらない場合の原因7例
エコキュートがお湯をつくり出す仕組みの概要がわかったところで、まずは貯湯タンクにお湯がたまらない場合に考えられる原因を見ていきましょう。
エコキュートは複雑かつ精密な機構によってお湯を得ていることから、タンクに適正な貯湯ができない原因にもさまざまなパターンが想定されます。
特有の機能に由来する原因も多いため、具体的な修理は専門業者の手に委ねるとしても対処のためにはあらゆる可能性を念頭に入れておく必要があるでしょう。
以下、代表的な7例を挙げました。
夜間におけるお湯の過剰使用
先にも述べたとおり、エコキュートは夜間に稼働してお湯をつくり、貯湯タンクにためておくという運用を前提とした給湯器です。
厳密には日中にお湯をつくり出すことも可能ですが夜間の時間帯は電気料金が安く、省エネと家計への貢献を考えると夜に稼働させることがセオリーといえるでしょう。
つまり日中にはタンクにためてある分のお湯を消費していく形となり、使用量が多すぎると途中で「お湯切れ」を起こすケースもあり得ます。
これと同様に、本来はお湯をタンクにためておくはずの時間帯である夜間における給湯量が多すぎると、沸き上げが追い付かずに充分な量の貯湯がなされないという事態が発生します。
エコキュートの貯湯タンクは容量別にいくつかのバリエーションがラインナップされており、想定した日中の使用量に合ったタイプが選択されているはずです。
しかしながら状況によっては供給量を超えるお湯を使用してしまうこともあるため、そうした場合にはタンクに想定量のお湯がたまらない場合があります。
沸き上げ中の外気温低下
エコキュートがお湯を沸かすのは電気の熱によるものではなく、熱交換装置であるヒートポンプの機能によっていることはすでに述べたとおりです。
ヒートポンプは空気中の熱を収集・圧縮して温度を高めて水に伝えていますが、単純に外気温が高ければその分熱量も上がりやすいことが理解できます。
反対にもし大気が低温であれば熱量を高めるための作業効率も低下し、沸き上げには時間がかかってしまいます。
このことから、エコキュートが稼働中に外気温が急激に低下した場合は、想定した時間内に充分な量のお湯がたまりません。
これは特に冬場や寒冷地における厳寒期に発生しやすい現象で、故障ではないものの日中の給湯計画に支障をきたすおそれがある事態です。
したがって、その場合には日中のエコキュート稼働も視野に入れた対応が必要となるケースもあるでしょう。
沸き上げ中の停電
エコキュートは完全に電気をエネルギー源として稼働する設備であることから、電気がないと当然ほぼすべての機能がストップしてしまいます。
このことから、仮に沸き上げ中に停電が起こった場合にはお湯をつくり出すことができず、したがってタンクにも想定量の貯湯が不可能となります。
当然停電している時間にもよりますが、もし一晩にわたって電気が止まっていればタンクにはお湯がまったくないというケースも考えられ、そうすると根本的にエコキュートを用いた給湯ができない状態です。
電気の過剰使用などで一時的にブレーカーが落ちた状態であれば適切な手順を踏むことでほどなく復旧できますが、インフラそのものの問題による停電は個人の力で対処することは困難です。
そのため停電というファクターは、エコキュートにとっての大きな弱点の一つといえるでしょう。
エコキュートの自動湯量調節
エコキュートは非常に高性能な機器であり、日々の給湯量などを自己学習して自動的にお湯の沸き上げ量を調整し、省エネ施策を最適化する機能を有する機種があります。
つまり普段のお湯使用量が貯湯タンク容量に満たないとエコキュートが判断した場合、自ら沸き上げ湯量を減らす対応も行う場合があるのです。
たとえば日常ではタンクの3分の2程度しかお湯を使わないのであればそれに合わせて自動的に貯湯量を調節するため、もし普段よりも多く利用する機会には不足する可能性が生じます。
エコキュートがどのように想定湯量を学習しているのか、定期的に確認しておくことも必要といえるでしょう。
温度センサーの不具合
エコキュートの貯湯タンク内には「サーミスター」と呼ばれる温度センサーが設置されており、この機器の不具合によってもお湯がたまらなくなる可能性があります。
たとえば沸き上げのための運転は正常に行われたにもかかわらず貯湯量が少なかったり、お湯の残量を示す目盛りが満タンであるのにお湯がたまっていなかったりすると、サーミスターの故障が疑われます。
このようにエコキュートでは湯量の認識に温度が重要な役割を果たしていることを理解しておきましょう。
タンクや配管の漏水
エコキュートでお湯がたまらない場合、精密機器類の問題ではなく単純に貯湯タンクや配管から漏水しているというパターンもあり得ます。
接続部のパッキンなどが経年劣化で適切に機能しなくなったり、何らかの衝撃を受けて躯体にダメージが蓄積したりした結果として水が漏れ、タンクに必要量のお湯がたまらなくなるというものです。
その場合にはエコキュートの本体周りに水漏れの痕跡が認められることも多く、自己メンテナンスの一環としてそうした変化を観察しておくことも重要です。
保温や追い焚き、自動洗浄機能の使用
特に利用していないにもかかわらずお湯の残量が減ってタンクにたまっていないという現象が認められる場合もあります。
そんな時は保温・追い焚き・自動洗浄といった機能を利用したことが考えられるでしょう。
これは保温や追い焚きには元々ためてあったお湯の熱を用いることから湯量が減り、自動洗浄機能については1回につきおよそ10リットルものお湯を消費することが原因です。
したがって頻繁に上記の機能を利用すると知らず知らずのうちにお湯を消費してしまい、あたかもタンクの貯湯量が充分でないかのように感じてしまいます。
エコキュートが各機能においてどのようにお湯を使っているのか、基本的な仕組みを理解しておくことが望まれます。
エコキュートで浴槽にお湯がたまらない場合の原因は?
一方、エコキュートで浴槽にお湯がたまらないケースもあります。
その場合は貯湯タンクのパターンに比べて原因がシンプルで、おおむね湯量センサーの不具合かフィルター・パッキンの経年劣化が想定されます。
湯量センサーの不具合とは文字どおり浴槽にたまったお湯の量を適切に検知できないことを指し、必要量が給湯されないことがあります。
フィルター・パッキンの経年劣化では漏水を引き起こすことが考えられ、お湯が漏れ出てしまって浴槽にたまらないことを意味しています。
これらも普段の観察で気付くことができるため、軽い自己点検を習慣づけることも有効です。
まとめ
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事ではエコキュートでお湯がタンクと浴槽にたまらない場合について、その原因を解説しました。
個別にさまざまな理由はあるものの、普段の目視点検によって早期に発見できることも多いため変わった様子がないか観察する習慣をつけておくこともポイントです。
関西密着の施工会社である「エコ突撃隊」では、エコキュートをはじめとした省エネ設備などのメーカー正規品を低価格でご提供しております。
また1998年の創業以来、これまでに28,000件以上の施工実績を有していることから、豊富なノウハウと確かな技術で多くの客様から好評のお声をいただいてきました。
エコ関連での施工についてご検討のことがございましたら、お気軽にお問い合せくださいませ。
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