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オール電化

2026/04/17

火災保険でエコキュートは補償される?適用条件・対象外・申請手順をわかりやすく解説

エコキュートが突然故障すると、修理や交換に数万円から数十万円の出費が発生します。このとき頼りになるのが火災保険ですが、すべての故障に使えるわけではありません。

ポイントになるのは、加入中の火災保険で「建物」が補償対象に含まれているかどうか、そして故障の原因が経年劣化なのか、落雷・台風・水災といった突発的な事故なのかという2点です。この2つの条件がそろって初めて、保険金を受け取れる可能性が出てきます。

本記事では、火災保険がエコキュートに使える条件と使えないケース、申請の流れと必要書類、さらに申請前に押さえておきたい注意点までをまとめて解説します。

「壊れたけれど保険が使えるのか分からない」という方は、ご自身の保険証券を手元に置きながら読み進めてみてください。

エコキュートは火災保険の対象になる?

エコキュートの故障に火災保険が使えるかどうかは、大きく分けて次の3点で決まります。

  • 契約の補償対象に「建物」が含まれているか
  • 故障原因が火災保険の補償範囲(落雷・風災・水災など)に該当するか
  • 特約(電気的・機械的事故特約など)の有無

いずれか1つでも欠けていると保険金は支払われません。以下で順番に確認していきます。

火災保険の補償対象が「建物」ならエコキュートも対象になりやすい

火災保険に加入する際、補償対象は「建物」「家財」「建物+家財」の3パターンから選ぶ仕組みになっています。エコキュートは屋外に基礎固定される建物附属設備(電気設備)にあたり、簡単に取り外して移動できないため、火災保険上は「建物」の一部として扱われます。

補償対象 エコキュートの扱い
建物 対象になる
家財のみ 対象外
建物+家財 対象になる

つまり、「家財のみ」の契約では、エコキュートが壊れても保険金は支払われません

賃貸住宅向けの火災保険は家財のみのプランが多いため、持ち家であっても住宅ローン契約時に加入した保険の内容を今一度確認しておくと安心です。

なお、建物補償の契約であっても、保険会社やプランによっては屋外設備を補償範囲に含めていないケースがあるため、保険証券やマイページで具体的な対象範囲をチェックしてください。

故障の原因が火災保険の補償範囲に当てはまるかがカギ

「建物」が補償対象に入っていても、すべての故障に保険金が出るわけではありません火災保険が補償するのは「不測かつ突発的な事故」による損害に限られ、故障原因が契約の補償区分に含まれている必要があります。

火災保険の補償は、一般的に次の8つの区分に分かれています。

  • ①火災・落雷・破裂爆発
  • ②風災・雹災・雪災
  • ③水災
  • ④建物外部からの物体の落下・飛来・衝突
  • ⑤漏水などによる水漏れ
  • ⑥騒擾・集団行動に伴う暴力行為
  • ⑦盗難による盗取・損傷・汚損
  • ⑧不測かつ突発的な事故(破損・汚損)

このうち①は標準補償として含まれるのが通常ですが、②以降は保険会社や契約プランによって任意付帯(オプション)扱いになっている場合があります。

たとえば、台風の飛来物でエコキュートが壊れた場合、②の風災補償が付いていなければ保険金は支払われません。保険証券の補償内容一覧で、自分の契約にどの区分が含まれているかを確認しておくことが重要です。

電気的・機械的事故特約(建物電気的・機械的事故特約)が必要なケースもある

過電流によるショートや基板の焼損など、自然災害が原因ではない電気的・機械的な事故でエコキュートが壊れるケースも珍しくありません。こうした故障は、前述の8区分の通常補償だけでは対象外になります。

ここで選択肢になるのが「建物電気的・機械的事故特約」です。これは火災保険に追加できる特約の一つで、建物に固定された機械設備(エコキュート、エアコン室外機、給排水設備など)がショートやスパークなどで故障した場合に補償を受けられます。

メーカー保証の期間が終わったあとの電気系トラブルに備えたいなら、付帯を検討する価値は十分にあるといえます。

ただし、この特約は経年劣化による故障には適用されません。あくまで「不測かつ突発的な電気的・機械的事故」が対象である点には注意が必要です。

火災保険が使えるエコキュート故障・破損の具体例

実際にどのような故障・破損で火災保険が使えるのか、代表的なパターンを整理します。

自然災害だけでなく、盗難や偶発的な事故も補償の対象になり得るため、「うちのケースは該当するのか」を具体例と照らし合わせて確認してみてください。

落雷・火災・台風・雹・雪災による故障

自然災害によるエコキュートの故障は、火災保険が適用される最も典型的なパターンです。代表的な事例を挙げます。

  • 落雷:過電流でヒートポンプユニットの基板がショートし、電源が入らなくなった
  • 火災:隣家からの延焼でエコキュート本体が焼損した
  • 台風(風災):強風による転倒や、飛来物が衝突して貯湯タンクが破損した
  • 雹災:雹が降り注いで外装パネルや配管カバーが凹損した
  • 雪災:屋根からの落雪でヒートポンプユニットが押しつぶされた

このうち落雷と火災は火災保険の標準補償に含まれるのが一般的です。一方、風災・雹災・雪災は保険会社や契約プランによって任意付帯(オプション)扱いになっていることがあります。

台風被害の多い地域に住んでいるにもかかわらず風災補償が付いていなかったというケースは実際に起きているため、保険証券で補償区分を確認しておくことが大切です。

水害(洪水・高潮)による故障と水災補償の支払基準

集中豪雨による河川の氾濫や高潮でエコキュートが浸水した場合、「水災補償」が付帯されていれば保険の対象になります。

ただし、水災補償には、次のような通常の補償区分よりも厳しい支払基準が設けられています。

  • 建物の保険価額に対して30%以上の損害が発生した
  • 床上浸水が発生した
  • 地盤面から45cmを超える浸水で損害が発生した

エコキュートは屋外の地面近くに設置されるため、床下浸水レベルの水害でも本体が水没して故障するリスクがあります。

しかし、上記の基準を満たさないと、水災補償の契約があっても保険金は支払われません

この問題に対応するため、近年は一部の保険会社が「特定設備水災補償特約(浸水条件なし)」を提供しています。

これはエコキュートやエアコン室外機、蓄電池といった屋外機械設備について、浸水の程度を問わず水災による損害を補償する特約です。ハザードマップで浸水リスクのあるエリアに住んでいる場合は、この特約の付帯を検討する価値があります。

盗難・車の衝突・子どものボール衝突など偶発的事故による破損

自然災害以外にも、次のような偶発的な事故で火災保険が使えるケースがあります。

  • 盗難:エコキュート内部には半導体や銅配管など資源価値のある部品が使われており、長期不在中に盗まれる事例がある
  • 車の衝突:自宅の駐車場でアクセルとブレーキを踏み間違え、エコキュートに車をぶつけて破損させた
  • 子どものボール:庭や道路でのボール遊びで、投げたボールがエコキュートに直撃して配管カバーや外装が壊れた

これらはそれぞれ「盗難補償」「外部からの物体の衝突」「破損・汚損(不測かつ突発的な事故)」の補償区分で対応します。いずれも契約に当該補償が含まれていることが前提になるため、約款で確認してください。

なお、盗難の場合は、保険会社への連絡に加えて警察への盗難届の提出が必須です。届出時に受け取る「受理番号」が保険金請求に必要になるため、必ず控えを保管しておきましょう。

修理だけでなく交換費用まで補償される?

火災保険で支払われる保険金は、基本的に「損害額から免責金額(自己負担額)を差し引いた金額」です。

補償の基準は「同等品への復旧に必要な費用」であり、故障前よりグレードの高い機種に買い替えた場合、差額分は自己負担になります。

参考までに、エコキュートの修理・交換にかかる費用相場は以下のとおりです。

内容 費用目安
軽微な部品交換(センサー・弁類) 1万〜3万円程度
基板交換 5万円前後
ヒートポンプの圧縮機交換 15万〜20万円程度
本体丸ごと交換(本体+工事費) 35万〜60万円程度

交換の場合は高額になるため、免責金額を差し引いても相当額の保険金が受け取れる可能性があります。

一方、1〜2万円程度の軽微な修理では、免責金額を下回って保険金が出ないこともあり得ます。

申請前には、保険証券で免責金額と支払限度額(保険金額)を確認し、修理業者の見積額と照らし合わせてから手続きに進むのが合理的です。

火災保険が使えないケースと対象外になりやすい条件


前述のとおり、エコキュートの故障すべてに保険が使えるわけではありません。

ここでは「保険金が出ない」代表的なパターンを整理します。対象外の条件を事前に把握しておくことで、無駄な申請手続きを避けたり、別の備え(延長保証や補助金など)を検討したりする判断材料になります。

経年劣化・寿命による自然故障は火災保険の対象外

火災保険が補償するのは「不測かつ突発的な事故」による損害です。エコキュートを長年使い続けた結果、部品の摩耗や腐食が進んで故障した場合は経年劣化による自然故障とみなされ、保険の対象にはなりません。

エコキュートの一般的な寿命は10〜15年程度とされており、特にヒートポンプユニットは構造が複雑なぶん貯湯タンクより先に不具合が出やすい傾向があります。「10年以上使っているから寿命だろう」と自己判断して申請を見送る方も少なくないようです。

しかし、実際には自然災害鑑定士の調査で「3年以内に発生した風災による損傷」と判定され、火災保険が適用された事例もあります。

故障原因の最終判断は保険会社や鑑定人が行うため、原因が曖昧な場合は自分で決めつけず、まず保険会社に相談するのが得策です。

地震・津波・噴火が原因の故障は地震保険の範囲

地震によるエコキュートの転倒や、津波・噴火に起因する損害は、火災保険では一切補償されません。これらのリスクに備えるには、火災保険とセットで加入する「地震保険」が必要です。

ただし、地震保険に加入していてもエコキュートの修理費がそのままカバーされるとは限りません。地震保険は建物全体の損害割合に応じて次の4段階で保険金額が決まる仕組みです。

損害区分 支払割合(保険金額に対して)
全損 100%
大半損 60%
小半損 30%
小半損 5%

判定は建物の主要構造部(柱・梁・壁など)の損害状況をもとに行われるため、エコキュートだけが転倒して建物本体に被害がないケースでは、補償の対象外になる可能性が高いといえます。

地震保険はあくまで生活再建の支援という性格が強く、個別の設備修理をカバーする設計ではない点を理解しておく必要があります。

免責金額以下の損害・家財契約のみ・故意や重過失も対象外

火災保険では、以下の条件に該当する場合も保険金は支払われません。

  • 免責金額(自己負担額)以下の損害
  • 補償対象が「家財のみ」の契約
  • 故意・重大な過失による故障
  • 虚偽の申告による保険金請求

免責金額とは、保険金支払い時に契約者が自己負担する金額のことです。

たとえば、免責金額が5万円の契約で損害額が3万円だった場合、保険金は支払われません。免責金額の設定は契約ごとに異なりますが、エコキュート関連では数万円〜20万円程度で設定されていることが多いため、軽微な修理では保険金が出ない場合があります。

また、取扱説明書に反する使い方や自分で分解した結果の故障、意図的な破壊行為などは故意・重過失にあたり、補償の対象外となります。

なお、経年劣化を自然災害による故障と偽って申請する行為は保険金詐欺に該当し、刑事罰の対象になり得ます。申請は必ず事実にもとづいて行ってください。

凍結による故障は保険会社によって判断が分かれる

寒冷地では、冬場にエコキュートの配管内の水が凍結・膨張し、バルブや配管が破損するケースが発生します。この凍結による故障が火災保険で補償されるかどうかは、保険会社や契約内容によって判断が分かれるグレーゾーンです。

補償が認められる可能性があるのは、主に次のようなケースです。

  • 火災保険に「水濡れ損害補償」が含まれており、凍結による破損がその範囲と判断された場合
  • 「建物電気的・機械的事故特約」が付帯されており、凍結による設備内部の破損が対象と認められた場合
  • 保険会社が独自に用意する「設備機器の凍結損害補償特約」に加入している場合

一方、エコキュートの凍結防止機能を意図的にオフにしていた場合や、水抜き等の基本的な凍結防止措置を怠っていた場合は、重過失として補償を拒否される可能性があります。

北海道・東北・甲信越など凍結リスクの高い地域にお住まいの方は、加入中の火災保険が凍結による設備故障をどう扱うか、契約時点で保険会社に確認しておくことを強くおすすめします。

エコキュート故障時に火災保険を申請する流れ

火災保険の申請は、次の4ステップで進めます。最も重要なのは「修理前に証拠を残すこと」です。先に工事を済ませると被害状況の立証が困難になり、保険金が下りない原因になりかねないため注意してください。

  • ステップ1:被害状況を記録する
  • ステップ2:保険会社に連絡し、書類を取り寄せる
  • ステップ3:見積書・写真・申請書類をそろえて提出する
  • ステップ4:審査・現地調査を経て保険金を受け取り、修理する

ステップ1では、被害箇所の外観・エラーコードの表示画面・飛来物や浸水跡などの周辺状況を写真と動画で記録します。故障原因が自然災害か経年劣化か判断がつかない場合でも、まず記録を残してから保険会社に相談すれば問題ありません

ステップ2では、保険会社に「契約者氏名・被害の日時と場所・推定原因」を伝えます。連絡後に申請書類一式が郵送されるので、並行して修理業者に見積書の作成を依頼してください。見積書には部品代・工賃・出張費の内訳を明記してもらうと、差し戻しを防げます。

ステップ3で提出する主な書類は、保険金請求書・事故報告書・修理見積書・被害写真・保険証券の写しです。損害の規模によっては罹災証明書や印鑑証明書などを追加で求められることもあるため、必要書類は最初の連絡時に確認しておくと二度手間になりません。

ステップ4では、保険会社が書類を審査し、高額案件や確認が必要なケースでは損害鑑定人による現地調査が行われます。審査を通過すると補償額が確定し、指定口座に保険金が振り込まれます。

受領後に修理業者へ正式に工事を依頼するのが原則ですが、生活に支障がある場合は保険会社の事前承諾を得たうえで先に修理し、領収書で精算できるケースもあります。

なお、保険金請求権の時効は保険法上3年です。被害発生から3年を過ぎると請求権が消滅するため、先延ばしにせず早めに手続きを進めてください。

火災保険を使う前に知っておきたい注意点

火災保険の申請手順を理解していても、保証制度との兼ね合いや申請時の判断ミスでつまずくケースは少なくありません。ここでは、申請前に押さえておきたい3つのポイントを整理します。

メーカー保証と火災保険は重複して使えない

エコキュートにはメーカーが設定する無償保証期間があり、本体は1〜2年、有償の延長保証に加入すれば最大10年程度まで延長できるのが一般的です。この保証期間内に故障が発生した場合、まずメーカー保証が優先されます

注意すべきは、メーカー保証で無償修理を受けた故障について、同時に火災保険の保険金を請求することはできないという点です。損害がすでにメーカー保証で補填されている以上、火災保険で重ねて請求する根拠がなくなるためです。

一方で、メーカー保証の対象外となる故障は火災保険を検討する余地があります。たとえば、落雷や台風といった自然災害による破損はメーカー保証の免責事項に該当するのが通常で、こうしたケースでは火災保険が有力な選択肢になります

故障が発生したら、まずメーカー保証の適用範囲を確認し、対象外であれば火災保険の申請に切り替えるという順序で判断するとスムーズです。

保険適用の判断に迷ったら約款と保険会社への確認を優先する

インターネット上には「エコキュートの故障は火災保険で直せる」といった情報が数多く存在しますが、適用の可否は個々の契約内容と故障原因の組み合わせで決まるため、一般論だけで判断するのはリスクがあります

最終的な判断基準となるのは、自分が加入している火災保険の約款です。約款には補償の範囲、免責事項、特約の内容が細かく記載されており、ここに書かれていない損害は原則として補償されません。

また、故障原因が経年劣化か自然災害かの線引きが曖昧なケースでは、保険会社が派遣する損害鑑定人の現地調査結果で結論が左右されることもあります。

ネットの情報やサービス業者の「使えますよ」という言葉をうのみにせず、判断に迷った段階で保険会社に直接問い合わせるのが最も確実な方法です。

火災保険が使えなかった場合の代替手段も知っておく

審査の結果、火災保険が適用されなかった場合でも、修理・交換費用の負担を軽減できる手段はいくつかあります。

  • 国の補助金(給湯省エネ2026事業)
  • 延長保証(メーカーまたは施工業者の有償保証)
  • エコキュートのリースサービス
  • 複数業者からの相見積もり

給湯省エネ2026事業は、省エネ性能の基準を満たしたエコキュートへの交換に対し、1台あたり7万〜10万円の補助金が支給される国の制度です。電気温水器からの交換であれば撤去加算も加わり、最大14万円の支給を受けられます。

ただし、登録事業者を通じた申請が必須で、予算に達し次第終了となるため早めの検討が必要です。

延長保証に加入していれば、火災保険では対象外となる経年劣化の修理もカバーできる場合があります。保証期間中であれば無償または低額で修理を受けられるため、購入時に延長保証への加入を検討しておくと安心です。

また、交換費用を一括で用意するのが難しい場合は、月額定額制のリースサービスを利用する方法もあります。リース期間中の修理や自然災害補償が含まれるプランもあるため、初期費用を抑えつつ万一のリスクに備えたい方には選択肢の一つになります。

いずれの場合も、複数の修理・交換業者から見積もりを取り、費用と対応内容を比較したうえで判断することが費用を抑えるための基本です。

まとめ

以上が、エコキュートが故障した場合の火災保険に関する解説になります。

エコキュートの故障で火災保険が使えるかどうかは、「補償対象に「建物」が含まれているか」「故障原因が補償範囲の事故に該当するか」「特約を付帯しているか」の3つが重要です。

まずは、修理前に写真や動画で被害状況を記録し、保険会社への連絡、見積書と申請書類の準備を速やかに行い、提出しましょう。

なお、保険金請求権の時効は保険法上3年と定められています。「原因がよく分からないから」と放置すると請求権そのものが消滅するリスクがあるため、判断に迷う場合でもまず保険会社に相談することをおすすめします。

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