オール電化

2023/03/23

東京電力の値上げ額をプランごとに解説!電気代値上げの対策も紹介

東京電力の値上げ額をプランごとに解説!電気代値上げの対策も紹介

東京電力は諸般の事情から、電気料金の値上げを発表しました。電気は私たちの生活に欠かせないライフラインであり、料金が値上げされると家計にも大きな影響を与えます。 本記事では東京電力の電気料金の値上げ額について、主要プランを挙げてご紹介します。

また、電気代値上げの対策も紹介しますので、電気代を節約したい方はぜひ最後までご覧ください。

東京電力が電気代を値上げする理由

東京電力が電気代を値上げする理由はさまざまです。そのなかで4つの内容を解説します。

燃料調整費が高騰しているから

まずは燃料調整費が高騰しているからです。燃料調整費とは、電気代の内訳に含まれる項目の一つで、原油や液化天然ガス、石炭などの価格によって左右されます。昨今の社会情勢の影響などから燃料価格が上昇し、そのまま燃料調整費に反映されています。

例えば、コロナ禍初期の2020年初頭は経済が停滞したことから、エネルギーの需要が落ち込み、特に原油価格が下落しました。しかし、2021年に入ると徐々に経済活動が回復し原油や液化天然ガスの価格が上昇しています。

2022年になるとロシアによるウクライナ侵攻により、ロシアは原油や液化天然ガスの供給をストップします。結果的にエネルギー争奪戦が世界的に行われ、燃料価格の上昇、さらには燃料調整費が上がったわけです。

新電力による値上げがなされているから

2016年4月から電力自由化により、消費者は好みの電力サービスを選べるようになりました。電力自由化がスタートした当初は卸電力市場から安く仕入れることがで、新電力サービス会社は自前の発電所がなくても市場からの調達がしやすい状況でした。

しかし、コロナ禍、さらにはロシアのウクライナ侵攻など複数の要因が重なり、電力の調達が困難になりました。その結果、大手電力会社と同様で電気代の値上げに踏み切ったわけです。

新電力事業者によっては、市場に参入した当初から太陽光や風力など自前の電力源を開発しているケースもありますが、従来の料金を維持できなかったと考えられます。

再生可能エネルギー発電促進賦課金が値上げされているから

再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上げも電気代の値上げに影響しています。再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)の発電に必要なコストの一部を消費者が負担する制度です。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、経済産業省が毎年度、見直して決定します。年々上昇傾向にあり、理由としては再生可能エネルギーで電力を作る発電所が増えている点が挙げられます。

再生可能エネルギーによる発電は二酸化炭素の排出を防ぐため政府としても推進しています。しかし、再生可能エネルギーの発電には大きなコストがかかります。そこで政府が固定価格買取制度(FIT制度)により、再生可能エネルギーで発電した電力を一定期間・一定額で買取ることを保証しています。

その電気の買取費用のために消費者が再生可能エネルギー発電賦課金として負担しているのです。再生可能エネルギーで電気を作る発電所が増えれば、固定価格買取制度の対象業者も増えるため、再生可能エネルギー発電促進賦課金も値上がりしています。

国内の電力が不足していから

再生可能エネルギーによる発電に注目が集まっていますが、総合的にみると国内の電力は不足しています。国内の電力供給量の推移をみると2010年を境にして減少しています。

参考:資源エネルギー庁「エネルギー白書2022」(P75)

国内の電力が不足している理由は、東日本大震災による原子力発電の停止が挙げられます。現在、再稼働をしている発電所もありますが、まだまだ震災前の水準に戻っていません。

日本は原子力発電による発電が全体の発電に占める割合が多く、それらが全体的に再稼働していない状況により電力不足に影響しています。さらに火力発電所も規模を縮小しています。

施設が老朽化した発電所の稼働停止、再生可能エネルギーによる発電への転換などが火力発電の規模縮小につながっています。

東京電力の主要プランの値上げ額

東京電力の値上げ額をプランごとに解説!電気代値上げの対策も紹介

さまざまな要因から東京電力は電気代の値上げに踏み切りました。具体的にどれだけの値上げ額になっているのか、主要プランをみていきます。

プレミアム

プレミアムプランは一定の電力を使用するまでは定額で、それ以上の使用は従量料金になるプランです。さらに「S」と「L」のプランに分けられています。

プレミアムS:アンペブレーカーまたは電流を制限する計量器の契約(10A~60A)

プレミアムL:漏電遮断器など主開閉器の容量に応じた6kVA以上の契約

今回の電気代値上げにより、下表のとおり見直されています。

プレミアムS(関東エリア)

単位 見直し前料金 見直し後料金
プレミアムS(関東エリア) 基本料金 10A 1契約 286.00円 286.00円
15A 429.00円 429.00円
20A 572.00円 572.00円
30A 858.00円 858.00円
40A 1,144.00円 1,144.00円
50A 1,430.00円 1,430.00円
60A 1,716.00円 1,716.00円
電力量料金 定額(最初の400kWhまで) 1契約 15,075.63円 15,863.63円
従量(上記超過) 1kWh 42.57円 44.54円

参考:東京電力「電気料金単価表」(P5)

単位 見直し前料金 見直し後料金
プレミアムL(関東エリア) 基本料金 1kVA 286.00円 286.00円
電力量料金 定額(最初の400kWhまで) 1契約 15,075.63円 15,863.63円
従量(上記超過) 1kWh 42.57円 44.54円

参考:東京電力「電気料金単価表」(P5)

上表のように、基本料金は据え置かれていますが、一定の電力使用量を超えると値上げ料金が適用されます。

スタンダード

スタンダードプランは、一人暮らしからファミリー層まで幅広い方に向いているプランです。さまざまなライフスタイルに対応でき、東京電力の標準的なプランとなります。

プランは「S」「L」「X」が用意されていますが、「X」の新規加入は停止中です。「S」「L」の特徴は下記をご覧ください。

スタンダードS:アンペブレーカーまたは電流を制限する計量器の契約(10A~60A)

スタンダードL:漏電遮断器など主開閉器の容量に応じた6kVA以上の契約

今回の電気代の値上げにより、下表のとおり見直されています。

単位 見直し前料金 見直し後料金
スタンダードS(関東エリア) 基本料金 10A 1契約 286.00円 286.00円
15A 429.00円 429.00円
20A 572.00円 572.00円
30A 858.00円 858.00円
40A 1,144.00円 1,144.00円
50A 1,430.00円 1,430.00円
60A 1,716.00円 1,716.00円
電力量料金 最初の120kWhまで 1kWh 32.87円 34.84円
120kWh超300kWhまで 39.45円 41.44円
上記超過 43.56円 45.53円
最低月額料金 1契約 235.84円 355.52円

参考:東京電力「電気料金単価表」(P4)

単位 見直し前料金 見直し後料金
スタンダードL(関東エリア) 基本料金 1kVA 286.00円 286.00円
電力量料金 最初の120kWhまで 1kWh 32.87円 34.84円
120kWh超300kWhまで 39.45円 41.44円
上記超過 43.56円 45.53円

参考:東京電力「電気料金単価表」(P4)

スタンダードプランは、基本料金が据え置かれますが電力量料金と最低月額料金が値上がりします。

夜トク

夜トクプランは、夜の時間帯に電気を多く使う方に向いているプランです。夜間で電気使用量の割合が高くなるほど、料金がお得になります。プランは2種類あります。

夜トク8:23時から翌7時までの電気代がお得

夜トク12:21時から翌9時までの電気代がお得

今回の電気代の値上げにより、下表のとおり見直されています。

単位 見直し前料金 見直し後料金
夜トク8(関東エリア) 基本料金 1kW 214.50円 214.50円
電力量料金 7時~23時 1kWh 45.73円 47.70円
23時~翌7時 34.15円 36.12円
最低月額料金 1契約 235.84円 355.52円

参考:東京電力「電気料金単価表」(P5)

単位 見直し前料金 見直し後料金
夜トク12(関東エリア) 基本料金 1kW 214.50円 214.50円
電力量料金 9時~21時 1kWh 47.38円 49.35円
21時~翌9時 35.96円 37.93円
最低月額料金 1契約 235.84円 355.52円

参考:東京電力「電気料金単価表」(P5)

夜トクプランも基本料金は据え置かれ、電力使用量や最低月額料金が値上がりします。特に日中の電気の使用には注意したいところです。

スマートライフ

スマートライフは主にオール電化住宅の方に向いているプランです。夜間の割安な電気を上手に使い、スマートに暮らしたい方が利用しています。現状では2つのプランを受け付けています。

スマートライフS:アンペブレーカーまたは電流を制限する計量器の契約(10A~60A)

スマートライフL:漏電遮断器など主開閉器の容量に応じた6kVA以上の契約

今回の電気代の値上げにより、下表のとおり見直されています。

単位 見直し前料金 見直し後料金
スマートライフS(関東エリア) 基本料金 10A 1契約 286.00円 286.00円
15A 429.00円 429.00円
20A 572.00円 572.00円
30A 858.00円 858.00円
40A 1,144.00円 1,144.00円
50A 1,430.00円 1,430.00円
60A 1,716.00円 1,716.00円
電力量料金 6時から翌1時 1kWh 38.79円 40.76円
1時から18時 30.77円 30.81円
最低月額料金 1契約 235.84円 355.52円

参考:東京電力「電気料金単価表」(P6)

単位 見直し前料金 見直し後料金
スマートライフL(関東エリア) 基本料金 1kVA 286.00円 286.00円
電力量料金 6時から翌1時 1kWh 38.79円 40.76円
1時から18時 30.77円 30.81円

参考:東京電力「電気料金単価表」(P6)

スマートライフも電力量料金や最低月額料金の値上がりが予定されています。

電気代の値上げへの対策

電気代の値上げへの対策は、家庭での節電だけで限界があります。そこで、さらなる節電や効率的な電気の使用ができる対策をご紹介します。

エコキュートの導入

エコキュートは、再生可能エネルギーを活用した給湯器です。これまでガスでお湯を沸かしていた場合はガス代の節約にもつながります。エコキュートを導入すると、電気代の安い時間帯に給湯器が稼働するため、ランニングコストの節約が可能です。

ただし、初期費用が割高な傾向にあります。設置するための初期費用とランニングコストのバランスを見極めて導入を検討しましょう。

太陽光発電の導入

太陽光発電は住宅の屋根などにパネルを設置して、太陽光から電気を作ります。自家発電した電気は自家消費できるため、電気代の節約につながります。効率的に発電出来れば、年間の電気代を大幅に削減できます。

ただし、気候によって発電量が安定しない場合があったり初期費用が割高だったりします。発電量のシミュレーションで導入を判断しましょう。

蓄電池の導入

太陽光発電で作った電気を効率よく使うためには蓄電池の導入を検討してください。蓄電池は自家発電した電気や料金が安い深夜電力を蓄えることが可能です。

太陽光発電と同時に導入する際は初期費用が掛かりますが、政府や自治体が整える補助金や助成金なども活用できます。信頼できる業者に見積もりをしてもらいましょう。

まとめ

東京電力はさまざまな理由から電気料金の値上げをします。やむを得ないことではありますが、消費者としては負担が増えてしまいます。日常生活ではできるだけ節電に努めることが求められます。

しかし、それだけでは限界があります。エコキュートや太陽光発電、蓄電池などの導入を検討し、中長期的な視点で電気代を安くする方法を実行しましょう。

エコ突撃隊」では各種設備や機器のメーカー正規品を低価格で提供しています。豊富な機種の取り扱いもあり、最適な提案も可能です。電気代節約のために各種設備や機器の導入をお考えの場合は、ぜひご相談ください。

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