蓄電池
2023/06/30
蓄電池にデメリットってある?蓄電池は本当にいらないのか?
蓄電池に興味を持って調べてみると、「いらない」「やめたほうがいい」といった評判を目にする事があるかもしれません。 実際、家庭用蓄電池は、エネルギーの貯蔵や利用効率の向上など、多くの利点を持っていますが、デメリットもあります。 今回は、蓄電池は本当にいらないのか。そのデメリットとメリットについて解説していきます。
蓄電池とは?
蓄電池とは、予め蓄電池に電力を充電しておき、別の機会に使用可能にするものです。
東日本大震災から、電力不足が深刻化している日本において、広く注目を集めています。
蓄電池は、用途や特徴に応じて、大きく2種類に分類されます。
- 産業用蓄電池
- 家庭用蓄電池
それぞれ、下記のような設備です。
産業用蓄電池
産業用蓄電池とは、一般家庭に以外の場所を対象として設置される蓄電池です。
業務用蓄電池と呼ばれることもあります。
工場や、オフィスビル、ショッピングモールや病院等の大きな施設に対応する為、家庭用蓄電池に比べ大容量になっているのが特徴です。
容量が大きい分蓄電池のサイズも大きいため、一般家庭に置くには大きすぎるサイズ感となっています。
家庭用蓄電池
家庭用蓄電池とは、その名の通りご家庭で使用することを目的とした蓄電池です。
電気代の安い時間に購入した電気を電気代の高い時間に使ったり、太陽光パネルの電力を貯めて使用するなど、様々な方面から電気代の削減が図れます。
停電が起こってしまった際にも、最低限の電力を賄えたり、一日程度なら普段通りの生活を送ることができたりと、災害時にも非常に役立つ設備です。
本記事では家庭用蓄電池について、そのデメリットとメリットを詳しく解説していきます。
家庭用蓄電池のデメリット
災害対策や電気代削減など、多くの魅力的な機能を謳う蓄電池ですが、気になる点もあります。
ご自身で蓄電池の検討を重ねる上で、「やめとけ」「メリットない」「いらない」等といった、ネガティブな意見を目にしたという事があるかもしれません。
その際理由として挙げられるのは、主に以下の点ではないでしょうか。
- 初期導入費用が高い
- 減価償却に時間がかかる
- 蓄電容量には限界がある
- 充電容量は経年劣化する
- 設置スペースが必要
順番に詳しく見ていきましょう。
初期導入費用が高い
蓄電池に限らず、設備を導入するのに最も気になる点は費用でしょう。
蓄電池においても、最も顕著なデメリットは初期費用の高さといえます。
機能や容量によって大きく変わりますが、金額にして工事費込み80万円~300万円程が目安となるでしょうか。
蓄電池は長期に渡って生活を助ける設備のため、費用についても長期的な視野を持って勘案すべきです。
しかし、デメリットとして強く挙げられるのも無理は無いほど高額なのもまた事実です。
蓄電池の設置によって得られるメリットと、設置による経済的負担双方を鑑みて検討する事が必要です。
減価償却に時間がかかる
蓄電池や太陽光パネルといったエコな設備を導入する際気になる点として、
「どれくらいで元がとれるのか」というのは大きな着目点であるといえます。
しかし、蓄電池について調べていると「元がとれない」という意見も見かけます。
実際のところ、蓄電池は元がとれないのでしょうか。
ライフスタイルによって幅はありますが、蓄電池のみを設置した場合の月々の節約量は2000円~5000円程度と言われています。
仮に、80万円の蓄電池を購入し、月々の節約金額を3000円と仮定した場合、3000円/月*12ヶ月=36000円。
元がとれるようになるまで、約22年かかる計算になります。
蓄電池の延長保証も含めた保証期間が15年程度なのを考えると、蓄電池のみでは減価償却出来ない可能性も考えられます。
蓄電容量には限界がある
機種によって容量は様々ですが、蓄電池に充電しておける容量には限りがあります。
蓄電池に蓄えられた電力は、当然使用すれば無くなってしまうので、いざ使いたいとなった時に使えない場合があります。
例えば小容量の蓄電池を購入し、電気代の安い夜間電力を蓄え日中に使用するとしましょう。
しかし小容量の蓄電池では、電気代の高い日中に内容量を使用し尽くしてしまい、日中の高い電気を購入する必要が生じて、かえって電気代が高くついてしまう、といったことも考えられます。
災害対策、停電対策をお考えなら尚の事です。
災害対策として使用する設定の場合、蓄電池にはあらかじめ一定量の災害対策用の電力が確保されます。
当然、対策をしない場合に対して使える容量は少なくなってしまいますので、やはり使用できる電力が無くなってしまう場合があります。
充電容量は経年劣化する
蓄電池は、簡単に言えば充電池です。
皆様の多くは、スマートフォンのような充電式のデジタルデバイスを使用していることかと思います。
例えばスマホであれば、何年も使っているうちに電池が帰宅まで保たなくなった、というような経験をされたこともあるのではないでしょうか。
これは、内蔵されている充電池が劣化し、購入当初程の電力を蓄えられなくなったと言うことです。
蓄電池も同様に、経年によって最大充電容量が少なくなっていきます。
どれほどの充電サイクルを経たかによって変動がありますので、一概には言えません。
しかし、メーカーの保証期間から鑑みるに、購入後10年~15年の間に、最大充電容量は当初の容量の50%~70%程度まで劣化する事が考えられます。
設置スペースが必要
設置場所の確保が必要なのも忘れてはいけません。
例として少し大き目の住友電工のパワーデポHを挙げると、そのサイズ感は以下のようになります。
- 幅840mm×奥行380mm×高さ1200mm
エアコンの室外機と比較して、幅、奥行きは微増、高さは倍程度ですが、エコキュートやエアコンなどといった設備と合わせて置くとなると、設置スペースに余裕が無い事も十分考えられます。
蓄電池は本当にいらないのか?
ここまで、蓄電池のデメリットについて触れてきました。
では、本当に「蓄電池はいらない」「元がとれずメリットがない」のでしょうか。
ライフスタイルに適さなかったという声もあるのは事実です。
しかし、蓄電池をしっかりと有効活用すれば、蓄電池は非常に有用な設備であると言えます。
何故なら、ここまで挙げたデメリットの多くは、対策すれば低減出来るからです。
蓄電池のデメリットはこうすれば防げる
ここでは、デメリットの項目で上げた点について、対策方法を解説していきます。
初期費用には補助金を活用しよう!
初期費用の高さから尻込みしがちな蓄電池ですが、補助金を活用することで負担を軽減する事ができます。
再生可能エネルギーの推進が行われている昨今、蓄電池には多額の補助金が交付されています。
例えばDR補助金の対象機種であれば、上限を60万円として、1/3程度の補助金を受けることが出来ます。
減価償却に時間がかかる
減価償却についても、初期費用同様補助金の恩恵を受けることが出来るでしょう。
設備にかかる金額が少なくなれば、自然減価償却に必要な期間も縮まります。
また、減価償却期間の短縮には太陽光発電システムとの連携が非常に有効です。
蓄える電力を購入する必要がなくなり日々の電気代節約に直結する為、減価償却までの期間を大幅に縮めることが出来るでしょう。
蓄電容量には限界がある
容量限界による問題については、大容量の蓄電池を購入すれば電池切れを迎えることが少なくなるでしょう。
予め、ライフスタイルに応じた必要電力を知っておき、それに合わせた容量を購入することをおすすめします。
よく分からない、という場合には、容量を後から増やせるタイプの蓄電池も存在するので、こちらも検討すると良いでしょう。
充電容量は経年劣化する
経年劣化によって寿命を迎えるのを回避するには、必要量より大容量の蓄電池を用意すると良いでしょう。
通常、蓄電池の寿命は使用と充電のサイクル数によって推定されています。
容量より多い電力を使用し、通常よりサイクル数が増えれば、想定された寿命より早く限界を迎えることが考えられます。
より大容量の蓄電池であれば、必要なサイクル数が低減されるため、想定より長く保つことになります。
しかし、大容量になればなるほど価格も上がりますので、バランスをとることが大切です。
蓄電池のメリット
蓄電池について調べると、「蓄電池にはメリットが無い」という意見を目にする事があるかもしれません。
本当にメリットが無いかといえば、決してそんな事はありません。
蓄電池を設置することには多くのメリットがあります。
蓄電池を設置すれば、主に以下のメリットを得られるでしょう。
- 電気代が安くなる!
- 太陽光発電システムと連携すればもっとお得に!
- 電気代値上げの対策にもなる!
- 災害時に大活躍!
- 来たる電気自動車時代に適応出来る!
順番に解説します。
電気代が安くなる!
蓄電池を有効活用すれば、電気代を削減することが出来ます。
電力会社によって価格設定は様々ですが、時間帯によって電気料金が違うプランが存在する事はご存知でしょうか。
蓄電池は、電気を充電する時間、蓄えた電気を放電する時間を設定することができます。
例えば、東京電力エナジーパートナーで比較してみましょう。
プラン | 電力料金(1kWh) | ||
---|---|---|---|
スタンダードS (従量電灯) |
~120kWhまで | 121kWh~300kWhまで | 301kWh~ |
30.00円 | 36.6円 | 40.69円 | |
夜トクプラン8 | 午後11時~午前7時 | 午前7時~午後11時 | |
31.84円 | 42.84円 | ||
夜トクプラン12 | 午後9時~午前9時 | 午前9時~午後9時 | |
33.53円 | 44.36円 |
一般的に、一人あたりの月々の電力使用量は150kwh~200kWh程です。
つまり、電気使用量が増えれば増えるほど電力単価が高くなっていくスタンダードプランでは、二人家族以上であれば、ほぼ確実に価格の上がった電力を使用する事になります。
反面、夜の電力がお得になる夜トクプランの夜間電力では、最低価格こそスタンダードプランより高くなっているものの、二段階目以降より安い価格で電気を使用することが出来ます。
夜トクプランのように、特定の時間で電気料金が安くなるプランに切り替え、安い電気を蓄え、電気の高い時間には電気を購入せず、蓄電池に蓄えた電気を使用することで電気代を節約することが出来ます。
ただし、蓄えた電力を越えて使用する場合、電気を購入する必要があるので、日中の高い電気を購入してかえって電気代が高くなった、とならないように使用量を考える事が必要です。
太陽光発電システムと連携すればもっとお得に!
前項目では、電気代を安くすることが出来る事を説明しました。
しかし、蓄電池のみの設置した場合、月々の電気使用量によっては十分な電気代削減効果を得られない事もあるかもしれません。
そういった場合、太陽光発電システムの設置を検討してみると良いでしょう。
太陽光発電システムがあれば、システムで生み出した電力を蓄電池に蓄え、必要な時に使用することができます。
電力会社から電気代を購入する機会を極限まで減らす事が出来る為、昨今の電気代高騰に対しても非常に有効です。
災害時に大活躍!
災害大国日本では、被害の大小問わず停電が起こることが少なくありません。
現代の設備は電気に依存していることが多く、いざ停電となった時にライフラインを維持出来ないといった可能性もあります。
しかし蓄電池があれば、非常時でも一部の場所で最低限の設備が使えるもの、タイプによっては普段と変わらない生活を送ることが可能なものもあります。
来たる電気自動車時代に適応出来る!
地球温暖化や大気汚染の対策として、「脱ガソリン車・ディーゼル車」の動きが強まっています。
特に欧州各国を中心として、海外の大手自動車メーカーは電気自動車(EV)へ生産シフトを進めています。
国によっては将来的にガソリン車の販売禁止、電気自動車への完全移行を掲げているため、近い将来、電気自動車がご家庭で当たり前となる日も来るかもしれません。
電気自動車にも、蓄電池は有効活用できます。
電気自動車に向いた蓄電池は、「トライブリッド」というものです。
太陽光、蓄電池、電気自動車が連携し、必要な時間帯に電気自動車に給電することが可能です。
また、「V2H」という機器を使用すれば、電気自動車を蓄電池として使用する事も可能です。
蓄電池の需要は右肩上がり!
近年に至るまで、蓄電池は大規模災害時の対策や、電力不足の対策として蓄電池は注目を集めていました。
さらに、2022年末から2023年6月現在にあたって、その需要は激増しています。
過去に類を見ない電気代の高騰から、電気料金の見直しをされるご家庭が非常に増えています。
どれくらいかというと、弊社へ蓄電池のお問い合わせをされる方は、2023年上半期現在で既に前年のお問い合わせ数を越えている程です。
電気料金が落ち着く見通しがつかない現在、ご家庭で取り組める電気代削減方法の一つとして、検討してみるのはいかがでしょうか。
まとめ
当記事では、蓄電池のデメリットについて解説しました。
懸念されるデメリットもありますが、多くは対抗策があります。
電気代高騰や、社会的なエネルギー源の移行を推進される現代では、蓄電池がご家庭にあることで得られるメリットは今後も増えて行くと思われます。
蓄電池は高額な設備ですが、だからこそ補助金の交付機会が減る前に、導入の検討をしてみるのをおすすめします。
エコ突撃隊では、蓄電池、太陽光発電、エコキュートといった、エコな暮らしを実現する住宅設備の施工販売を行っています。
電気代が高いな、災害に備えたいな、など暮らしの環境を改善したいとお考えならば、創業25年、施工実績25,000件以上のエコ突撃隊に是非ご相談下さい。
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