オール電化
2023/03/28
北陸電力の電気代値上げ額を徹底解説!値上げの理由や対策まで
大手電力会社が電気代の値上げを発表するなか、北陸電力も例外ではなく、電気代の値上げを発表しました。北陸電力が電気代を値上げする理由はいくつか挙げられます。 本記事では、北陸電力が電気代を値上げする理由や値上げ額、対策まで解説します。電気代の値上げに備えて対策を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。
北陸電力が電気代を値上げする理由
北陸電力が電気代を値上げに踏み切る理由は、下記で解説する4点にまとめられます。まずは電力事情を理解し電気代が値上がりする理由を確認していきましょう。
燃料費や電力調達コストが大幅に増加したから
まずは燃料費や卸電力取引市場からの電力調達コストの大幅な増加です。近年は世界的な資源価格高騰が続いており、2020年2月からのロシアによるウクライナ侵攻も重なり、燃料価格は過去にさかのぼっても非常に高い水準になっています。
北陸電力が公開している資料によると、石炭の価格は、2021年4月から6月よりも2022年8月から10月の平均価格が4倍近くまで上昇しています。この間に石油や天然ガスなどの上流資源への投資が減少とロシアによるウクライナ侵攻があり、一気に石炭価格が上昇しました。
また、卸電力取引市場(いわゆるスポット市場)の価格推移も上昇に転じています。2021年4月から10月に比べ、2022年4月から10月の平均価格が2倍以上になりました。
加えて急激な円安の進行も電気代を値上げせざるを得ない要因です。円安になると海外からの燃料の調達費用が上昇するため、電気代にも反映されていきます。
火力発電比率が高まり収支を圧迫しているから
火力発電の比率の高まりも電気代の値上げに影響しています。北陸電力の現行(値上げ前)の電気料金は志賀原子力発電所の稼働が織り込まれた電源構成です。しかし、2011年3月に発生した東日本大震災以降、志賀原子力発電所は稼働を停止しており、火力発電で賄っています。
この電源構成の変化によって燃料費の増加分が収支を圧迫してしまっているのです。北陸電力の現行の電気料金は2008年に改定された内容を維持しています。2008年の料金改定時点の電源構成で火力発電の割合は62%でしたが、2021年には80%まで増えています。
2022年度に過去最大の赤字を見込んでいるから
先述した燃料費や卸電力取引市場の価格上場、火力発電比率の高まりなど、さまざまな要因から北陸電力はコストが増大しています。そこで緊急経営対策本部を設置して、コストについて聖域を設けずにゼロベースで削減や繰延などの見直しを図ってきました。
しかし、同社の資料によると2022年度の連結経常利益(事業活動で稼ぎ出した利益)は、1,000億円の損失を見通しています。
連結経常利益1,000億円は企業努力で対処ができず、1970年代のオイルショックや2011年の東日本大震災後をはるかに上回る過去最大の赤字になります。そのため、電気代の値上げは避けられない状況となったわけです。
厳しい経営状況から自己資本が大幅に毀損しているから
北陸電力の厳しい経済状況は、2023年度以降も続く見通しで、自己資本の毀損(自己資本が食い潰されている状態)が今後も続くこが予想されます。自己資本の毀損が続くことで、燃料の安定的な調達や設備保全への対応に支障が生じることも考えられます。
結果的に電力の安定供給が困難となり、利用者の日常生活に影響を及ぼす可能性が高いです。北陸電力は電力の安定的に供給する観点から、やむなく電気代の値上げに踏み切っています。
北陸電力の一般家庭向けプランの値上げ額
北陸電力は各種契約プランで値上げを予定しています。そのなかで今回は、主な一般家庭プランの値上げ額をみていきます。
従量電灯ネクスト
従量電灯ネクストは、北陸電力の一般家庭向けプランでは最もスタンダードで、電気の使用時間帯に関わらず同じ電気料金のプランです。単身世帯から6人家族程度までカバーでき、どの家庭も利用しやすいプランといえます。
なお、従量電灯ネクストは、従来の従量電灯Bと料金が変わりませんが、ポイントが貯まる点がメリットです。2023年4月1日からは、下表のとおり値上げを予定しています。
料金区分 | 単位 | 値上げ前 | 値上げ後 | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 10A | 1契約 | 242.00円 | 242.00円 |
15A | 363.00円 | 363.00円 | ||
20A | 484.00円 | 484.00円 | ||
30A | 726.00円 | 726.00円 | ||
40A | 968.00円 | 968.00円 | ||
50A | 1,210.00円 | 1,210.00円 | ||
60A | 1,452.00円 | 1,452.00円 | ||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.61円 | 29.82円 |
120kWh超300kWhまで | 23.50円 | 36.37円 | ||
300kWh超 | 25.21円 | 39.27円 | ||
最低月額料金 | 1契約 | 242.00円 | 302.50円 | |
口座振替の場合の特別措置 | 口座振替で、かつ初回振替により電気料金をお支払いの場合、1月につき初回振替割引額 | 1契約 | 55.00円 | 55.00円 |
上表のとおり、電力量料金が値上がり予定です。
使っておとくライト
使っておとくライトは、電気とガスの利用で電気のほうの使用量が多い方向けのプランです。電力使用量が一定までは定額となります。2023年4月1日からは、下表のとおり値上げとなります。
料金区分 | 単位 | 値上げ前 | 値上げ後 | |
---|---|---|---|---|
基本使用料金 | 3kVAまで | 1契約 | 2,698.68円 | 4,317.10円 |
3kVA超 | 1kVA | 242.00円 | 302.50円 | |
電力量料金 | 120kWh超 | 1kWh | 31.06円 | 35.68円 |
上表のように、使っておとくライトは基本使用量と電力使用量とともに値上がり予定です。
節電とくとく電灯
節電とくとく電灯は、「ほくリンク会員」のみが利用できるプランです。ほくリンク会員になるとポイントが貯まるなどのメリットがあります。また、節電とくとく電灯は、夏季や冬季の電気の使用量が多くなる日(北陸電力が事前に通知する日程)に節電をすると、節電割引で電気料金がお得になります。
2023年4月1日からは、下表のとおり値上げとなります。
料金区分 | 単位 | 値上げ前 | 値上げ後 | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 10Aまたは 1kVA |
242.00円 | 302.50円 | |
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 27.48円 | 30.20円 |
120kWh超300kWhまで | 1kWh | 31.37円 | 36.75円 | |
300kWh超 | 1kWh | 33.08円 | 39.65円 | |
節電割引額 (節電割引対象時間の1時間平均節電電力量1kWhにつき) |
1kWh | 132.00円 | 132.00円 |
上表のとおり、基本料と電力量料金が値上がりしますが、節電割引額は据え置きとなっています。
くつろぎナイト12
くつろぎナイト12は、昼に比べて夜間の電気料金がお得なプランです。20時から翌日8時までの12時間の電気料金が割安に設定されています。ただし、原則としてエコキュートなどのヒートポンプ式給油器を使用することが加入条件です。
2023年4月1日からは、下表のとおり値上げとなります。
料金区分 | 単位 | 値上げ前 | 値上げ後 | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 10kVAまで | 1契約 | 1,650.00円 | 2,255.00 |
10kVAをこえる | 1kVA | 242.00円 | 302.50円 | |
電力量料金 | 昼間時間(夏季料金) | 1kWh | 44.58円 | 39.80円 |
昼間時間(その他季料金) | 1kWh | 34.70円 | 39.80円 | |
ウィークエンド時間 | 1kWh | 29.27円 | 33.73円 | |
夜間時間 | 1kWh | 22.14円 | 26.91円 | |
節電割引額(需要抑制割引特約:節電とくとくプラン) (節電割引対象時間の1時間平均節電電力量1kWhにつき) |
1kWh | 198.00円 | 198.00円 |
くつろぎナイト12も基本料と電力量料金が値上がりしますが、節電割引額は据え置きとなっています。
北陸電力の電気代値上げへの対策
北陸電力は各プランにおいて電気代の値上げがなされる予定であり、家庭においても対策が必要です。電気代値上げの対策として、4つの方法を解説します。
節電を心がける
まずは家庭で節電を心がけることです。使わない部屋の照明を切ったり電化製品も使わなかったらコンセントから抜いたりなど、少しの意識で節電できることに取り組んでみましょう。
また、電化製品は節電機能が搭載されているものに買い換えることも方法の一つです。他にも現状の電気の使い方を振り返り、適するプランに契約を変更することも有効です。契約プランの見直しで、大幅な節電につながるケースもあります。
太陽光発電を導入する
次は太陽光発電を導入することです。太陽光発電は住宅の屋根にパネルを設置して、太陽光による自家発電をします。
発電した電気をそのまま自家消費ができるため、電気代の削減につながります。発電量が安定すると、自家消費で使える電気も安定して年間を通じ電気代を節約できるでしょう。
ただし、発電量を安定させることが難しいケースがあるため、導入前に発電シミュレーションをしてから設置しましょう。また、初期費用が割高になりやすいため、費用の捻出もあらかじめ検討してください。
蓄電池を導入する
太陽光発電と併用したい設備として、蓄電池が挙げられます。蓄電池は太陽光発電で作った電気や比較的電気料金が割安な夜間の電力を蓄えることが可能です。蓄えた電気を電気代が高い時間帯に使うことで、電気代の節約ができます。
蓄電池の設置は設置費用が割高になりやすいものの、補助金や助成金の活用で費用を賄うことが可能です。太陽光発電も同様ですので、国や自治体の制度を確認してみましょう。
エコキュートを導入する
エコキュートの導入も電気代の削減につながります。エコキュートは再生可能エネルギーを活用した給湯器であり、電気によってお湯を沸かすためガス代の節約につながります。
そうなると電気代が気になりますが、電気代の安い時間帯に稼働すれば費用を抑えることが可能です。長期的に見ると毎月の電気代が安く済むケースが多いです。
ただし、エコキュートの設置も初期費用がかかります。ランニングコストも含めた総合的な費用をシミュレーションして、導入しましょう。
まとめ
北陸電力はさまざまな理由から電気代の値上げに踏み切ります。一般家庭向けのプランにおいても値上げされており、各家庭では節電に努める必要性が高まりました。
まずは現状の電気の使い方を振り返り、家庭でできる節電に取り組んでみてください。ただし、家庭でできる節電には限界があるため、太陽光発電や蓄電池、エコキュートなどの設備の導入も視野に入れたいところです。
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