オール電化
2024/12/24
中国電力が実施した値上げで電気料金はいくらになった?電気料金単価をプランごとにわかりやすく解説
中国電力は規制料金値上げと低圧部門の電気料金の見直しが認可されたため、2023年6月1日以降の使用分に対して、値上げを実施しています。電気料金は社会情勢の変化や為替の影響を受けて料金が変動する可能性があるので、値上げ率や現在の料金単価などを知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、2023年に中国電力が実施した値上げで電気料金がいくらになったのかわかりやすく解説します。
なお、本記事は2024年12月時点の最新情報に基づいて作成しています。
中国電力は2023年6月1日以降に値上げを実施した
2023年は社会情勢の変化と為替の変動によって、多くの電力会社が値上げの申請を行い、実施された年です。
規制料金は燃料費調整額に上限が設定されているため、燃料価格や電力市場価格が高騰すると、不足分を電力会社が支払う仕組みになります。
結果として、中国電力の2022年度は営業損失、経常損失、当期純損失ともに過去最大規模の赤字となりました。そのため、中国電力を含めた大手電力会社は2023年に規制料金の値上げを申請しました。
実施されるまでにひと悶着ありましたが、規制料金の値上げは2023年6月1日以降の使用分から現在まで適用されています。
中国電力の値上げ幅は平均26.1%となっており、同じタイミングで値上げを実施した電力会社の中では、北陸電力と沖縄電力に次いで3番目に大きいパーセンテージです。
規制料金の値上げによって2023年度の中国電力の営業利益や経常利益などは黒字回復しており、2022年度の赤字を補っています。
中国電力の主要な料金プランの変動
中国電力で新規受け付け中の電気料金プランの、2023年6月1日以降の料金と以前の料金を順番に解説します。
従量電灯A
「従量電灯A」は家庭向けの規制料金です。電灯または小型機器を使用する需要で、最大需要容量が6kVA未満で、かつ、定額電灯を適用できない方を対象としています。
基本料金は設定されていませんが最低料金があり、使用電力量によって電力量料金が上昇することが特徴です。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
見直し前 | 見直し後 | |||
最低料金 (最初の15kWhまで) |
1契約 | 589.1円 | 712.67円 | |
電力量料金 | 15kWhを超え 120kWhまで |
1kWh | 24.65円 | 32.83円 |
120kWhを超え 300kWhまで |
31.33円 | 39.51円 | ||
300kWh超過分 | 33.45円 | 41.63円 |
従量電灯B
「従量電灯B」は主に商店や事務所、家庭などで電灯や小型機器を多く使用する方向けの規制料金です。
電灯または小型機器を使用する需要で、契約容量が6kVA以上で、かつ総入力について所定の算定値が50kVA未満である方を対象としています。
基本料金が設定されており、使用電力量に応じて電力量料金が変動します。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
見直し前 | 見直し後 | |||
基本料金 | 1kVA | 431.90円 | 431.90円 | |
電力量料金 | 120kWhまで | 1kWh | 21.96円 | 30.14円 |
120kWhを超え 300kWhまで |
28.05円 | 36.23円 | ||
300kWh超過分 | 29.92円 | 38.10円 |
ぐっとずっとプラン スマートコース
「ぐっとずっとプラン」は中国電力が提供している自由料金です。コースごとに特徴が異なり、「スマートコース」では、時間帯区分がなく、使用電力量で電力量料金が変動します。
「ぐっとずっとプラン」は中国電力が提供している自由料金です。コースごとに特徴が異なり、「スマートコース」では、時間帯区分がなく、使用電力量で電力量料金が変動します。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
見直し前 | 見直し後 | |||
最低料金 (最初の15kWhまで) |
1契約 | 622.91円 | 622.91円 | |
電力量料金 | 15kWhを超え 120kWhまで |
1kWh | 32.09円 | 32.09円 |
120kWhを超え 300kWhまで |
1kWh | 41.65円 | 39.51円 | |
300kWh超過分 | 1kWh | 44.78円 | 41.63円 |
ぐっとずっとプラン シンプルコース
「シンプルコース」は使用電力量が増えても料金単価が変わらない自由料金です。基本料金もなく、1カ月の使用電力量が400kWhを超える方はスマートコースよりもシンプルコースの方が電気料金を抑えられる可能性があります。
区分 | 単位 | 料金単価 | |
---|---|---|---|
見直し前 | 見直し後 | ||
最低月額料金 | 1契約 | 1,844.70円 | 1,844.70円 |
電力量料金 | 1kWh | 39.92円 | 38.17円 |
ぐっとずっとプラン ナイトホリデーコース
「ナイトホリデーコース」は、平日の昼間と夜間・休日で電力量料金が異なります。日中に比べると夜間のほうが電気量料金は抑えられているので、エコキュートや電気温水器などを使用している方におすすめの料金プランになります。
なお、ナイトホリデーコースでは、時間帯を次のように区切っています。
- デイタイム…平日の9時~21時まで
- ナイトタイム…平日の21時~翌平日の9時まで
- ホリデータイム…土曜日、日曜日、祝日などの全日
- 夏季…7月1日~9月30日
- その他季…4月1日~6月30日、10月1日~翌年3月31日まで
区分 | 単位 | 料金単価 | |||
---|---|---|---|---|---|
見直し前 | 見直し後 | ||||
最低月額料金 | 1契約 | 1,844.70円 | 1,844.70円 | ||
電力量料金 | デイタイム | 夏季 | 1kWh | 55.42円 | 49.36円 |
その他季 | 51.73円 | 46.90円 | |||
ナイトタイム | 34.55円 | 34.55円 | |||
ホリデータイム | 34.55円 | 34.55円 |
ぐっとずっとプラン 電化Styleコース
「電化Styleコース」は電化住宅に住んでいる方向けの自由料金です。ナイトホリデーコースと同様に時間帯で電気量料金が異なりますが、基本料金が設定されていることが特徴になります。
区分 | 単位 | 料金単価 | |||
---|---|---|---|---|---|
見直し前 | 見直し後 | ||||
基本料金 | 最初の10kWまで | 1922.30円 | 1922.30円 | ||
10kWを超えて1kWにつき | 464.30円 | 464.30円 | |||
電力量料金 | デイタイム | 夏季 | 1kWh | 46.56円 | 46.56円 |
その他季 | 44.50円 | 44.50円 | |||
ナイトタイム | 30.43円 | 30.43円 | |||
ホリデータイム | 30.43円 | 30.43円 |
2023年6月1日以降の値上げは規制料金のみ
中国電力が2023年6月1日以降に値上げしたのは、規制料金の対象である従量電灯Aと従量電灯Bのみです。
ほかの料金プランは自由料金プランと呼び、2023年6月1日以降はプランにもよりますが電気料金単価が下がっている場合があります。
従量電灯Aの値上げ率は以下のとおりです。
区分 | 単位 | 料金単価 | 値上げ率 | ||
---|---|---|---|---|---|
見直し前 | 見直し後 | ||||
最低料金(最初の15kWhまで) | 1契約 | 589.1円 | 712.67円 | 20.98% | |
電力量料金 | 15kWhを超え 120kWhまで |
1kWh | 24.65円 | 32.83円 | 33.18% |
120kWhを超え 300kWhまで |
31.33円 | 39.51円 | 26.11% | ||
300kWh超過分 | 33.45円 | 41.63円 | 24.45% |
中国電力のシミュレーションによれば、従量電灯Aに契約しており、電気使用量が260kWhの家庭では、値上げ前の電気料金が6,053円だったのが、値上げ後は7,720円にアップし、値上げ率に換算すると約27.54%です。
実際の電気料金は電気使用量や政府の補助金の有無で変動しますが、2023年6月1日以降の従量電灯Aの電気料金が25%前後アップしていると覚えておきましょう。
中国電力は今後も値上げする?
記事執筆時点である2024年12月中旬時点では、中国電力が値上げをする可能性は高くありません。
根拠の1つが、低圧供給に適用する平均燃料価格の推移です。中国電力が発表している資料によれば、原油やLNG、石炭などの燃料価格は2022年や2023年に比べると減少傾向にあり、現在は安定した価格に落ち着いています。
2023年度は値上げを実行したことと、燃料価格の異常な高騰が収まったことで大幅な黒字回復を遂げました。
また、政府が「電気・ガス料金支援」を2025年2月分から4月分まで行う予定です。今回の補助金では、1ヵ月の電気使用量が260kWhの家庭では338円~650円程度の節約効果を期待できます。
少なくとも、現状では中国電力が値上げを実行する理由がありません。
ただし、2022年のように、急激な社会情勢の変化によって燃料価格が高騰する可能性は否定できないため、ある程度の対策を考えておくべきです。
電気代が値上げする場合の対策は?
電気代が値上げする場合の対策は以下のとおりです。
- 節電
- 太陽光発電や蓄電池を購入する
- エコキュートを導入する
上記を順番に解説します。
節電
電気料金の値上げに有効なのは節電です。使わない部屋の照明を切ったり、電化製品をコンセントから抜いたりするなど、簡単に行える節電から始めてみましょう。
また、電化製品によっては省エネ性能に優れたものに買い替えることで、使用電力量を抑えることも可能です。
太陽光発電や蓄電池を導入する
太陽光発電や蓄電池などの住宅機器を導入することも、電気料金の値上げの対策になります。
太陽光発電を設置すれば、太陽光による自家発電を行います。発電した電気をそのまま自家消費ができるため、使用電力量を抑えることが可能です。
また、蓄電池は太陽光発電で作った電気や比較的電気料金が割安な夜間の電力を蓄えることができるので、使用電力量を抑える効果を期待できます。
ただし、太陽光発電や蓄電池は高額な住宅機器なので、導入する際は補助金の活用をお勧めします。また、太陽光発電は発電容量や設置環境によって発電量が変動するので、設置する際は信頼できる業者に依頼するとよいです。
エコキュートを導入する
省エネ性能の高い住宅機器として、エコキュートもお勧めです。エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器で、ほかの給湯器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられています。
導入すれば電気料金は増えますが、お湯を沸かすためのランニングコストが大幅に削減できるので、結果的に見れば支出を減らすことに繋がります。
まとめ
以上が、中国電力が実施した値上げの解説になります。2023年6月1日より、中国電力は規制料金の値上げを実施しました。約26%前後の値上げとなっており、従量電灯Aを契約している方は、電気料金が負担になっているかもしれません。
電気料金の値上げに対抗する手段は使用電力量を減らすことです。節電である程度は使用電力量を減らすことができますが、生活のランクを落とさなければなりません。
生活のランクを落とさずに使用電力量を減らすなら、太陽光発電や蓄電池、エコキュートなどの導入を検討しましょう。
「エコ突撃隊」では、エコキュートや太陽光発電、蓄電池などの、電気料金の値上げに対抗できる住宅機器を販売しています。電気料金の値上げを抑えたいと考えている方は、ぜひご相談ください。