オール電化
2026/07/26
電気温水器の水漏れは故障?原因と応急処置・修理と交換の見極めを解説

電気温水器の周辺が濡れている、ポタポタと水の音がするなどのとき、まず故障を思い浮かべて不安になる方は多いのではないでしょうか。
しかし、電気温水器から出る水には仕組み上の正常な排水も含まれており、そのすべてが故障とは限りません。一方で、放置すると漏電や階下への浸水を招く本格的な水漏れがあるのも事実です。
そこで今回は、正常か異常かの見分け方から応急処置、原因、修理費用、修理と交換のどちらを選ぶべきかまでを分かりやすく解説します。落ち着いて対処するために、ぜひ最後までご覧ください。
電気温水器の水漏れは故障とは限らない|正常・異常の見分け方

電気温水器から水が出ていても、そのすべてが故障というわけではありません。沸き上げの仕組み上、正常に水が排出されるケースがあるためです。
まずは、出ている水が正常な範囲なのか、それとも点検が必要な異常なのか確認しましょう。
沸き上げ中に逃し弁・排水配管から出る水は正常な場合がある
電気温水器は、水を加熱するとタンク内で水が膨張し、その分の水を逃し弁から排水配管や排水口へ逃がす仕組みとなっています。お湯を沸かしている最中に排水配管から水がポタポタと出るのは、この圧力調整によって起こる正常な動作です。
一方、沸き上げをしていない時間帯にも水が出続ける、あるいは水量が明らかに多い場合は、逃し弁への異物混入や、逃し弁・減圧弁の不具合が疑われます。
排水される時間や量は、タンク容量や沸き上げ量、機種によって変わるため、「何秒なら正常」と一律に線引きすることはできません。判断に迷うときは、沸き上げの時間帯と水が出るタイミングが重なっているかを一つの目安にしましょう。
水が出る場所・タイミング別の確認ポイント
水漏れかどうかを見極めるには、どこから、いつ水が出ているのかを確認しましょう。代表的なパターンごとに、状態の目安と必要な対応を整理しました。
| 水が出る場所・タイミング | 状態の目安 | 必要な対応 |
|---|---|---|
| 排水配管・排水口(沸き上げ中) | 膨張水を逃がす正常な動作の可能性 | 沸き上げ後に止まれば問題なし |
| 排水配管・排水口(停止中も継続) | 逃し弁・減圧弁の不具合が疑われる | 業者・メーカーへ点検を依頼 |
| 本体・配管・接続部から | 部品の劣化や破損など故障の可能性 | 止水のうえ業者へ連絡 |
| タンク下部に水がたまる | 内部部品や排水経路の異常が疑われる | 使用を控えて業者へ相談 |
沸き上げ中だけ排水配管から水が出て、その後に止まるのであれば、正常な排水と考えて差し支えありません。
これに対して、沸き上げをしていないのに水が出続ける、本体や接続部からにじむ、タンクの下に水がたまるといったケースでは、部品の劣化や破損が背景にあることが多く、専門業者による点検が欠かせません。
特にタンク下部の水たまりは原因の特定が難しいため、自己判断で分解せず相談するのが安全でしょう。
故障を疑うべき水漏れの特徴
次のような状態が見られるときは、正常な排水ではなく、故障による水漏れの可能性があります。当てはまるものがないか確認してみましょう。
- 沸き上げをしていない時間帯にも排水が続く
- 本体や配管、弁の周辺から水がにじむ、垂れる
- 床の水たまりが少しずつ広がる
- 使っていないのに水道メーターが動いている
- リモコンにエラーコードが表示される
- お湯の量が急に減った、給湯できない
これらは、逃し弁や減圧弁、配管、貯湯タンクなどのどこかにトラブルが起きているサインです。
たとえば、水道メーターの動きは、目に見えない場所で起きている漏水を見つける手がかりになります。エラーコードが表示されている場合は、その内容を控えておくと、業者への説明がスムーズになるはずです。
電気温水器の水漏れを見つけたときの応急処置
故障による水漏れだと判断したら、被害が広がる前に初動を取ることが大切です。発見してからの手順は、主に次のとおりです。
- お湯の使用を止め、濡れた手で本体やブレーカーに触れない
- 温水器専用の止水栓を閉めて給水を止める
- 安全に操作できる場合のみブレーカー・漏電遮断器を切る
- 型番・水漏れ箇所・エラー表示を控えて業者へ連絡する
いずれも安全の確保と被害の抑制を目的とした対応です。慌てて機器に触れる前に、まずは上から順に進めていきましょう。
お湯の使用を止め、濡れた手で本体やブレーカーに触れない
水漏れに気づいたら、まずお湯の使用をやめます。水と電気が接している可能性があるため、濡れた手で本体やブレーカーに触れるのは避けてください。
感電のおそれがある箇所には無理に近づかず、床が濡れている場合は足元にも注意します。特に本体の周辺に大量の水が広がっているときは、電気系統に水が及んでいることも考えられるため、安全を最優先に行動しましょう。
温水器専用の止水栓を閉めて給水を止める
次に、電気温水器専用の止水栓を閉めて、タンクへの新たな給水を止めます。止水栓を閉めることで、漏れ続ける水の供給を断てるためです。
止水栓の位置は機種や設置状況によって異なるので、取扱説明書や本体のラベルで確認してください。位置が分からないまま無理に操作すると別のトラブルを招くこともあるため、判断がつかない場合は触らずにおきます。
専用の止水栓が見当たらず、水も止まらないというときは、住宅全体の水道の元栓を閉めれば一時的に給水を止められます。
安全に操作できる場合のみブレーカー・漏電遮断器を切る
足元や手元が安全に保てる状況であれば、電気温水器専用のブレーカー(漏電遮断器)を切ります。通電したままだと、タンクが満水でない状態で沸き上げが始まり、空焚きや漏電につながる心配があるからです。
ブレーカーの場所や電気温水器との対応が分からない場合は、無理に操作せず専門業者に任せましょう。集合住宅にお住まいの方は、この段階で管理会社や大家へ連絡し、対応方法を確認しておくと安心です。
型番・水漏れ箇所・エラー表示を控えて業者へ連絡する
応急処置を終えたら、業者へ連絡する前に状況を整理しておきます。伝える情報が具体的なほど、その後の点検や見積もりがスムーズに進むためです。次の項目を控えておきましょう。
- 電気温水器のメーカーと型番
- 水が漏れている場所
- リモコンに表示されているエラーコード
- 水漏れに気づいた時期や状況
これらは本体のラベルやリモコンで確認でき、スマートフォンで撮影しておくと伝え忘れを防げます。なお、連絡先は持ち家か集合住宅かによって変わり、賃貸やマンションでは自分で業者を手配する前に確認すべき点があります。
電気温水器から水漏れが起こる主な原因
電気温水器の水漏れは、主に部品の劣化・配管やタンクの腐食・凍結・設置後まもない接続部の不具合という、いくつかの発生源に分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
パッキン・減圧弁・逃し弁など部品の経年劣化
電気温水器には、接続部のパッキンや、水圧を調整する減圧弁、タンク内の圧力を逃がす逃し弁といった部品が使われています。これらはゴムや樹脂でできた消耗品で、長年使ううちに劣化し、隙間や不具合から水が漏れるようになります。
水質によっては、弁の内部にスケール(水あかの成分)が付着して動作が悪くなることもあります。
沸き上げをしていないのに逃し弁や排水配管から水が出続ける場合は、弁への異物の混入や、減圧弁・逃し弁そのものの不具合が原因として考えられます。こうした部品の交換は自分では難しいため、専門業者に依頼するのが基本です。
配管・貯湯タンクの腐食(ピンホール)
配管や貯湯タンクは金属でできていますが、経年によって少しずつ腐食が進み、ピンホールと呼ばれる小さな穴があくことがあります。
穴が微細なうちは水漏れに気づきにくく、発見が遅れるうちに複数の穴に広がって、交換が必要な状態になっているケースも少なくありません。
特に2000年より前に設置された機種では、内部に銅の配管を使っているものが多く見られます。排水から生じる酸性のガスによって腐食すると黒く変色し、そこにピンホールができて水漏れを起こす例が報告されています。
タンク本体の腐食まで進むと、部分的な修理では対応できず、機器の交換が視野に入ります。
配管の凍結による破損
冬場の冷え込みや、長期の不在で使わない期間が続くと、配管内の水が凍結し、膨張して配管や内部の部品を破損させることがあります。保温施工がされていても、厳しい低温下では凍結が起こり得ます。
凍結した配管を早く溶かそうとして熱湯をかけると、急激な温度変化で配管が破裂するおそれがあります。凍結が疑われるときは、気温の上昇による自然な解凍を待つか、業者に相談してください。
破損によって水漏れが生じている場合は、解凍後に漏れが表面化することもあるため、状態をよく確認することが大切です。
設置後まもない時期の接続部の水漏れ
設置してから数年といった比較的早い時期に、配管の接続部付近から水漏れが起きることがあります。この場合、接続部の施工に起因している可能性があるため、まずは設置を担当した業者へ連絡し、状態を確認してもらうのが先決です。
設置直後は不具合が出なくても、時間の経過とともに接続部の緩みなどから徐々に漏れが始まることもあります。施工に原因があると判断されれば、施工保証の範囲で無償対応を受けられる場合があります。
いずれにしても自己判断で分解せず、設置業者やメーカーに相談してから進めましょう。
電気温水器の水漏れを放置するとどうなる?主なリスク

水漏れを放置した場合に起こり得る不利益は、主に次のとおりです。
- 漏電・感電のおそれ
- 床・壁・家財・階下への水損被害
- 水道料金の増加や修理範囲の拡大
これらは単独で起きるとは限らず、連鎖して被害が大きくなることもあります。それぞれ具体的に見ていきましょう。
漏電・感電のおそれ
漏電・感電は、水漏れした水が電気系統に及ぶことで生じます。電気温水器は電気でお湯を沸かす機器のため、漏れた水が内部の通電部分に達すると、漏電から火災に至る危険も否定できません。
濡れた床で機器に触れれば感電のリスクもあり、安全面で最も注意したいポイントです。水漏れを見つけた際に、濡れた手で機器やブレーカーに触れないよう促されるのは、この危険を避けるためです。
床・壁・家財・階下への水損被害
漏れた水は、住まいそのものにダメージを与えます。床や壁が濡れれば建材の傷みや家財の損傷につながり、乾きにくい場所ではカビの発生も心配されます。
特にマンションやアパートでは、漏れた水が階下の住戸にまで及び、他人の家財を濡らすトラブルへ発展することもあります。集合住宅で水漏れが疑われるときに早めの連絡が求められるのは、被害が自宅内にとどまらないためです。
水道料金の増加や修理範囲の拡大
費用面の負担も見過ごせません。漏れ続ける水はそのまま水道使用量に上乗せされ、気づかないうちに請求額が膨らむことがあります。
加えて、小さな水漏れを放っておくと周辺の部品の劣化や腐食を早め、当初は部品交換で済んだはずの修理が、より大がかりで高額なものになりかねません。早期の対処は、こうした二次的な出費を抑えることにもつながります。
電気温水器の水漏れ修理にかかる費用相場
水漏れの修理費用は、どの部品でどんな症状が起きているかによって幅があります。同じ水漏れでも、消耗品の交換で済むのか、配管やタンクにまで及ぶのかで金額が大きく変わるためです。
あくまで目安ですが、水漏れの箇所別に見た修理費用の相場は次のとおりです。
| 水漏れの箇所 | 修理費用の目安 |
|---|---|
| パッキンの劣化 | 2.5万円前後〜 |
| 減圧弁・逃し弁の不具合 | 3万円前後〜 |
| 配管の接続部 | 2万円前後〜 |
| 貯湯タンク本体 | 5万円前後〜 |
パッキンや弁など消耗品の交換であれば、比較的抑えめの費用で収まる傾向があります。
一方、配管の広い範囲やタンク本体にまで不具合が及ぶと、部品代も作業も大きくなり、費用は上振れしやすくなります。減圧弁と逃し弁は片方が劣化するともう片方も近い時期に劣化しやすいため、まとめて交換するケースが多い点も押さえておきましょう。
これらの費用は、部品代・技術料(作業費)・出張費を合わせた金額で構成されます。表の目安に基本料金や出張費が加わるほか、メーカーや機種、設置からの年数、水漏れの進行度によっても増減します。
そのため、正確な費用は現地で見てもらったうえで確認するのが確実です。
なお、修理を依頼する際は、作業前に必ず見積もりを取り、料金の内訳を確認しておくことが大切です。水回りのトラブルでは、事前の説明と大きく異なる高額な料金を請求されたという相談も見られます。
複数の業者から見積もりを取って比較すれば、料金の妥当性を判断しやすくなり、こうしたトラブルを避けることにもつながります。
電気温水器は修理と交換のどちらを選ぶべき?
修理費用の目安が分かっても、そもそも修理して使い続けるべきか、思い切って交換すべきかで迷う場面は少なくありません。この判断は、使用年数や故障の箇所、部品を確保できるかどうかによって変わります。
ここでは、修理と交換を分けて考えるための材料を整理します。
10年以上使用しているなら修理費と交換費を比較する
電気温水器の寿命は、一般的に10〜15年程度とされています。10年を超えて使っている場合、今回の水漏れを直しても、ほかの部品が次々と劣化して別の不具合が出てくることが考えられます。
修理を重ねるうちに費用がかさみ、結果的に交換したほうが安く済んだというケースもあります。
ただし、10年を過ぎたら必ず交換すべき、というわけではありません。故障の箇所が軽微で、修理費が交換費と比べて十分に安ければ、修理して使い続ける選択にも合理性があります。判断のポイントは、次のような点です。
タンク本体からの水漏れかどうか
修理の見積もりが高額かどうか
これまでに故障や修理を繰り返していないか
今後も数年は使い続けたいか
タンク本体の腐食や破損まで進んでいる場合は、修理費が交換費に近づくため、交換のほうが現実的になります。逆に、消耗品の交換で収まり、まだ数年しか使っていないのであれば、修理で問題ないでしょう。
修理か交換かは、今回の費用だけでなく、この先の使い方まで含めて考えることが大切です。
補修部品の供給状況を確認する
修理には交換用の部品が必要ですが、その部品には供給の期限があります。補修用の部品が保有される期間は、製造が打ち切られてからおおむね7〜10年で、メーカーや機種によって異なります。
この期間を過ぎると、修理したくても部品が手に入らず、対応できないことがあります。
つまり、古い機種では「直せる状態かどうか」自体が交換を判断する分かれ目になります。設置から長い年数が経っている場合は、修理を依頼する前に、その機種の部品がまだ供給されているかを業者に確認しておくと安心です。
部品がすでに供給終了となっていれば、修理という選択肢はなくなり、交換を前提に検討を進めることになります。
賃貸・マンションで水漏れした場合の注意点
集合住宅で水漏れが起きたときに気をつけたいのは、修理業者を自分で手配する前に、管理会社や大家、管理組合の緊急連絡先へ連絡することです。
物件によっては対応してもらう業者があらかじめ決まっていることがあり、勝手に手配を進めると話がこじれる場合があるためです。連絡の際は、応急処置の見出しで触れた型番や水漏れの箇所を伝えると、その後の対応がスムーズに進みます。
一方で、水が床に広がり続けているような場合は、連絡と並行して止水などの安全確保を優先してかまいません。被害の拡大を防ぐことが先決だからです。
特にマンションでは、漏れた水が階下の住戸に及ぶおそれがあるため、その可能性が疑われるときは早めに報告しておきましょう。
また、費用を誰が負担するかは、水漏れの原因と契約内容によって変わります。
設備の老朽化による水漏れであれば貸主側の負担となるのが一般的ですが、入居者の使い方に過失があった場合や、設置時の施工に原因がある場合など、状況によって扱いは異なります。
負担の範囲を自己判断で決めつけず、まずは管理会社や大家に状況を伝え、指示を仰ぐことがトラブルの回避につながります。
電気温水器の交換先にはエコキュートも選択肢になる
修理よりも交換が現実的だと判断した場合、これまでと同じ電気温水器に買い替えるほかに、エコキュートへ乗り換えるという選択肢があります。どちらにも長所と短所があるため、両者の違いを踏まえて、家庭の使い方に合うほうを選ぶことが大切です。
エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ式の給湯機です。電気ヒーターで直接お湯を沸かす電気温水器に比べて、少ない電力で効率よくお湯を作れるため、毎月の電気代を抑えやすいという特徴があります。
太陽光発電を導入している家庭であれば、発電した電力を沸き上げに活用できる点もメリットです。
一方で、エコキュートは本体価格や設置費用が電気温水器より高くなる傾向があり、ヒートポンプユニットと貯湯タンクを置くためのスペースも必要になります。初期費用の負担は大きくなるものの、長く使うほどランニングコストの差で埋まっていくという考え方もできます。
どちらが有利かは、家族の人数やお湯の使用量、設置環境によって変わってきます。
費用面では、国の補助制度も判断材料になります。高効率給湯器の導入を支援する「給湯省エネ2026事業」では、基準を満たすエコキュートへ交換する場合に補助を受けられる可能性があり、電気温水器を撤去して入れ替えるケースでは撤去分の加算が設けられています。
ただし、補助額や対象機種、申請の条件は制度ごとに定められており、予算の上限に達すると受付が終了します。
申請は登録された事業者を通して行う必要があるため、利用を考える場合は、対象になるかどうかを含めて施工業者や公式情報で最新の内容を確認してください。
まとめ
以上が、電気温水器の水漏れの原因と対処法についての解説になります。
電気温水器から水が出ていても、沸き上げ中に排水配管から出るものであれば正常な動作の可能性があり、まずは正常か異常かを見分けることが重要です。
異常な水漏れだと判断したら、使用を止め、専用の止水栓を閉め、安全に操作できる場合のみブレーカーを切るという応急処置で被害の拡大を防ぎましょう。
水漏れの背景には部品の劣化や配管・タンクの腐食、凍結などがあり、放置すれば漏電や階下への浸水につながりかねません。
修理費用や使用年数、部品の供給状況を踏まえ、修理か交換かを見極めることが大切です。長く使ってきた機種であれば、補助制度を活用したエコキュートへの交換も選択肢に入ります。
いずれの場合も、早めに専門業者へ相談することが、安全と費用の両面で有利に働きます。
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