蓄電池
2023/11/23
蓄電池の見るべきポイントを徹底解説!導入時の選び方は?
蓄電池はメーカー各社が販売している製品ごとに特徴や蓄電の容量が違います。そして、「蓄電池を購入したいけど、本当に必要なのか?」、「何を基準に選んだらいいかわからない…」など、人によって蓄電池を購入するときの悩みはさまざまです。今回の記事では、蓄電池を購入する目的や購入時の選び方やそのポイントについてご紹介します。
なぜ蓄電池を購入するの?導入目的に分けて解説!
蓄電池は、2011年の東日本大震災を皮切りとして、災害時のリスクヘッジに役立つ設備として注目を集め、近年では2022年から2023年現在へかけて電気料金の大高騰に伴う需要の高まりを見せています。ここでは、導入の目的や理由を取り上げます。
災害が起きたときに電力を確保する
日本には停電が起こり得る災害が多種多様にあります。比較的多いものを挙げれば、まず台風、そして地震です。
また、地震を発端とした津波、あるいは豪雨による浸水や河川の氾濫・土砂崩れなどがあり、日本は「災害大国」の名をほしいままにしています。
災害によって電気の供給止まると冷蔵庫や給湯設備、冷房、暖房器具が使えなくなるなどの影響が出ます。現代では、家庭の何もかもが電気で動いているといっても過言ではありません。特に、給湯設備や冷暖房器具は季節や状況次第では命にすら関わる必需品です。
容量や仕様にもよりますが、このような状況に置かれた際蓄電池を設置していれば、一定期間普段と代わり無く過ごす事も可能となります。
災害の多い地域にお住まいなら、蓄電池を設置しておいて損はないでしょう。
エネルギーを自給自足する
電力不足が叫ばれ、電気代の高騰に喘ぐ昨今、太陽光発電システムの導入は推進され続けています。太陽光発電システムと蓄電池の相互作用で、エネルギーの自給自足が可能となる可能性があります。
太陽光発電で電力を用意
蓄電池は、太陽光発電システムと連携することで、発電した電力を蓄えることが出来ます。
日中の太陽光発電エネルギーをそのまま消費し、消費しきれなかった余剰電力を蓄電池に貯めて夜間等発電出来ない時間帯に使うことで、エネルギーの自給自足が可能です。環境への配慮とともに、高騰する電気料金への節約対策にもなります。
太陽光発電だけではない蓄電システム!
エネファームなどガスから蓄電池に電力を蓄えることも可能です。それ以外の電力を生み出す仕組みがあるものとして、水力・風力・地熱・バイオマスなども有名です。
ダブル発電にする
家庭に蓄電池を導入する理由として、太陽光発電と蓄電池を使ったダブル発電があります。夜のお得な電気を蓄電池に貯め、昼間に貯めた電気を使うことで、太陽光が発電する電気をすべて売りに回し売電を増やす方法です。
ただし、近年は夜間電力の高騰も目立つため、10年ほど前ほどの効果は期待できません。
直近で太陽光発電システムを設置された方にとっては、積極的に売電していくよりも、蓄電池と組み合わせて全て自家消費のために連携していく方がお得になる場合が多いです。
ご自宅の発電量と相談し、運用方法を決定するとよいでしょう。
運用方法によって「特定負荷」タイプと「全負荷」タイプを選ぼう
蓄電池には種類があり、
分電盤の接続方法によって「特定負荷」「全負荷」の異なるタイプに分かれます。
「特定負荷」「全負荷」の違い
「特定負荷」は電力供給を限定的にする!
蓄電池の「特定負荷」は、分電盤であらかじめ特定の回路だけを選択して使用する方式です。例えば、冷蔵庫やエアコンなど停電時に止まって欲しくないキッチンやリビングに蓄電池から電力供給することを決めておきます。これによって、停電しても接続されているフロアの家電製品が止まることがありません。
逆に言えば、それ以外の家電が全て止まります。しかし、一時的に止まっても問題ないところに蓄電力に限度のある蓄電池を使う意味はないので、特定負荷で優先順位を決めて電力を使う場所を選べるタイプです。
「全負荷」は全てに供給!
場所を限定する特定負荷に対して、分電盤を使って使用範囲を限定せずに普段どおり電気を使えるようにできるのが「全負荷」タイプです。全負荷の場合、特定負荷より価格が高くなります。そして、現在の非常用を意識した蓄電池は全負荷より特定負荷の方が多い傾向にあります。
非常用で最低限電気を落としたくない場所がある方は「特定負荷」、普段どおりに電気を使えるようにしたい方や太陽光などからの供給で節約目的なら「全負荷」が良いでしょう。
蓄電池の容量や出力はどう選べばいい?
蓄電容量の確認の仕方や家庭ごとの計算の仕方などを説明します。
蓄電池の容量は貯められる電力の上限のこと
蓄電池の上限は、メーカーごとに異なります。大容量はたくさん電気を貯められますが、容量にともない蓄電池本体の価格が高くなります。
「定格容量」と「使用可能な容量」の2種類がある
その上で蓄電池には、「定格容量」と「使用可能な容量」があります。定格容量は定格の電圧負荷で適用される最大負荷のことです。リチウムイオン蓄電池では通常、この2種類の容量を基準に公表する数値(容量や使用時間)を決めています。
例えば、表記例として、京セラの蓄電池EGS-LM1201は、定格容量:12kWhで変換効率は放電時94%としています。シャープのJH-WB1621なら、定格容量が4.0kWhで変換効率が93%です。
使用時間の計算方法は?
自宅の蓄電池の使用時間を計算する時は、まず1時間辺りに使用するkWの数値を出します。冷蔵庫にエアコン、パソコンやテレビ等の使用電力から導き出せます。例えば、平均0.6kWの使用量で、蓄電池の使用可能な容量(変換効率を考慮済み)が6kWh(充電満タン)なら「0.6kW×h=6kWh」で6割る0.6から計算して、使用可能な時間は10時間と算出できます。もちろん、実際の使用時間はもう少し低くなるでしょう。
購入の際は、まずメーカーの容量やその他数値を確認します。自分の家庭の使用電力と照らし合わせて、何時間の使用が可能なのかを上記の方法で計算してみましょう。
家庭の使用電力によって蓄電池の選び方も変わる
使用電力がもっと多ければ短くなります。反対に使用電力が少なければ、少し低い容量でも10時間以上の使用が可能になるなど、蓄電池の容量と過程の使用電力の双方からどの蓄電池にするかを検討するとよいでしょう。
「屋内設置」と「屋外設置」がある蓄電池
蓄電池の設置場所についてその違いや理由を説明します。
屋内と屋外のどちらに設置するの?
大型の蓄電池は基本的に「屋外設置」
蓄電池は電力を扱うので、日本では火災や事故を想定して「屋外設置」を基準に作られています。そのため、大型蓄電池のほとんどは自宅の外や庭などに設置されます。
「屋内設置」が少ないもう一つの理由
家の中に50kg以上(ほとんどが100~200kgを超える)の蓄電池を設置するためには、さまざまな条件があります。具体的には、コンクリートを基礎とした打設の必要性などです。さらに、一定の空間が必要になるなど、蓄電池にあわせた場所を確保せねばなりません。
屋内に蓄電池を置くと、空間を圧迫してしまうご家庭も多いでしょう。そのため、屋内設置は屋外設置より少ないのです。
蓄電池のサイズはどのくらい?
蓄電池を置くためのスペースが、庭や屋内にあるかなど、蓄電池のサイズの目安や傾向を説明します。
蓄電池に多いサイズは1メートル
メーカーによって蓄電池のサイズは異なりますが、家庭用のサイズはおよそ1メートル前後の幅です。高さは1.2~1.4メートル。奥行きは、30センチ前後が一般的です。例外として、もっとサイズが小さい、室内設置の小型用も登場しています。
外・庭や屋内に1メートル四方のスペースを用意できるかどうかで蓄電池の導入場所を判断しましょう。
塩害地、寒冷地などをクリアしているか?蓄電池の設置基準
蓄電池を設置する際には指定された基準をクリアする必要があります。そこで、特定環境(塩害地、寒冷地など)の設置基準や法令について説明します。
条件化によっては設置に制限がつく
寒冷地(低い気温)は通常の蓄電池は設置できない
蓄電池は設置基準のために、塩害地や寒冷地では設置できないことがあります。そのため、北海道や北陸など特に冬場の気温が下がる地域では使えません。
塩害地は設置そのものが難しい
沿岸の地域で発生する塩害では、塩害地に設定されている場所もあります。そこでも、蓄電池は設置できないか、設置に制限がつきます。塩害地用の加工工事を行うなどです。室内用で重塩害でなければ設置できる製品もあります。
該当地域の方は、塩害レベルを判断した上で蓄電池が使用可能かを問い合わせてから購入しましょう。
保証内容や寿命(充放電サイクル)はどうなっている?
蓄電池を長く使うためには保証内容や寿命について把握した上で購入を検討する必要があります。メーカーの保障期間や内容、一般的な種類ごとの寿命について紹介します。
メーカーによって一定期間の保証がある
保証内容は修理対応の保証が一般的
メーカーごとに7年、10年、15年など保証期間を定めています。保証内容は、その範囲内で、トラブルや蓄電量の容量低下が見られたとき、保証規定内なら無償で修理してもらえるというものです。また、メーカーによっては買い替え時の無償保証を用意しているところもあります。
保障の条件は機器瑕疵であること
機器瑕疵とは、使用方法が適切で注意書き(ラベル)などにある項目を守った上で、故障や蓄電容量が下がるなどの不具合が発生することを指します。例えば、パナソニックの製品では、60%未満の充電容量になった時で「取扱説明書・本体ラベル等の注意書に従った正常な使用状態で、系統連系日より10年以内に蓄電池容量が初期の60%未満になった場合」と定めています。
(「産業・住宅用スタンドアロンタイプ」より引用https://www2.panasonic.biz/ls/souchikuene/chikuden/warranty.html)
メーカーや機器によって、保証期間や対応出来る範囲に違いがあります。
一部のメーカーや機種では、災害時の保証対応範囲が広いなど、様々な違いがあるので、購入時は保証対応についても選ぶポイントにするとよいでしょう。
寿命は何年くらい?
蓄電池の種類によって寿命の長さが変わる?10年が一つの指針
蓄電池に多いリチウムイオン電池は、メーカーの保証期間が10年であるのを見ると分かるように、ほとんどの製品は6~10年です。当然、使用方法や管理が適切なかでも寿命は変わるため、数字はおおよその目安です。
サイクルで表記される蓄電池の寿命
「リチウムイオン電池」は、家庭用蓄電池でもっとも多く使われており、ノートパソコンやスマートフォンのバッテリーとしても採用されています。
スマートフォンに使用されているリチウムイオン電池のサイクル数はおよそ500回ほどと言われています。
対して、一般的な家庭用蓄電池に使用されている「リチウムイオン電池」の寿命は下記の通りです。
- サイクル回数:4,000~8,000回
- 使用年数:6~10年
ただし、上記の寿命はあくまでも一般的な目安で、リチウムイオン電池の実際の寿命やサイクル数は、販売メーカーごとに異なっているのが実情です。
メーカーごとのリチウムイオン電池の寿命(サイクル回数)については、以下をご覧ください。
公表されているメーカーごとの蓄電池のサイクル数目安
- シャープ(クラウド蓄電池システム):サイクル回数12,000回
- 京セラ(Enerezza):サイクル回数12,000回
- 長州産業(SmartPVMulti):サイクル回数11,000回
- エリーパワー(POWER iE5):サイクル回数12,000回
また、保存状態や充電方法などを適切に行わないと、寿命が著しく低下してしまう可能性があるので注意しましょう。
まとめ
今回は、蓄電池を購入する時の選び方について説明しました。災害時などの目的に合わせて、容量や出力は使用時間を決めて選ぶことが大切です。また、負荷タイプは非常時にどこまで電力確保するかに関わってくるというのも大事なポイントです。
屋内設置か屋外設置かはサイズ(スペースの確保)や住宅の建築材や工事の手間が影響します。塩害地、寒冷地などの設置基準をクリアしているかで、導入できない可能性も存在するため、お住まいの環境と合わせ、お目当ての機器が対応できるかよく確認しましょう。保証内容は機器瑕疵による修繕工事で、寿命はおよそ10年ほどであることがわかります。これらを導入目的や家庭での使用環境とすり合わせて、製品を選んでみましょう。
蓄電池は今回挙げたポイントの他にも、太陽光発電を筆頭とする他機器との相性によっては使えない場合があります。
高価かつ複雑な仕様を持った設備のため、導入を検討する際は信頼できる販売店に相談するとよいでしょう。
エコ突撃隊は2023年現在、施工実績28,000件を誇る住宅設備専門店です。
蓄電池の導入をご検討の際は、是非ご相談下さい。
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