蓄電池
2021/08/29
V2Hとは?V2Hのメリットやエコ突撃隊で販売しているV2Hの種類を解説
災害における停電の備えとして、V2Hに注目が集まっています。V2Hを導入すれば、電気自動車が移動手段だけでなく、停電時の蓄電池としても使用できます。
そこで今回は、V2Hについて解説します。V2Hを設置するメリットやデメリット、エコ突撃隊で販売しているV2Hの種類なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
V2Hとは?
V2Hとは、「Vehicle to Home」の略称で、電気自動車(EV)に貯めてある電気を住宅に給電するシステムのことです。
住宅から電気自動車に給電するのではなく、電気自動車から住宅に給電して、エアコンやテレビ、冷蔵庫などの家電製品を動かせることが大きな特徴になります。
つまり、V2Hを構築しておけば、家庭用蓄電池の代わりを電気自動車が担うことになります。仮に、災害で停電したとしても、電気自動車に貯めてある電気を使うことで、日常に近い生活を送ることができます。
V2Hを設置するメリット
V2Hを設置することで得られるメリットは次になります。
- 電気料金の節約につながる
- 停電時の蓄電池としてEVを使用できる
- 家庭用の充電器(200V)よりも充電時間が短くなる
電気料金の節約につながる
V2Hシステムを構築することで得られる最大のメリットは、電気料金の節約につながることです。
例えば、夜の時間帯の電力が安いプランに加入していれば、割安な深夜電力で電気自動車を充電でき、日中の電力を電気自動車から給電してもらうことで電気料金を節約できます。
太陽光発電システムを設置していて電気自動車が日中にあるなら、日中は電気自動車に電力を蓄え、太陽光発電システムが発電できない夜間を電気自動車から給電して賄うという使い方も可能です。
このように、V2Hと電気自動車があれば、電気代の削減が期待できます。
停電時の蓄電池としてEVを使用できる
V2Hと電気自動車があれば、停電時の蓄電池として電気自動車に蓄えてある電力を使用できます。
日産リーフの場合、満充電状態なら約3日間の住宅電力消費を賄うことができます。
一般的な家庭用蓄電池は蓄電容量が10kWh前後の機種が大半で、満充電でも住宅の電力を1日前後しか賄えません。家庭用蓄電池は太陽光発電システムと組み合わせることで停電時でも活躍できます。
一方、電気自動車の蓄電容量は車種にもよりますが10kWh~40kWh程度はあり、なかには60kWhという大容量の電気自動車もあります。
V2Hと電気自動車は太陽光発電システムが無くても停電時に活躍できるだけのスペックを有しています。
家庭用の充電器(200V)よりも充電時間が短くなる
V2Hを導入するメリットとして、家庭用の充電器よりも電気自動車を充電する時間が短くなることも挙げられます。
電気自動車は電力で走る車のため、充電器を自宅に設置するのが一般的です。
しかし、自宅に設置できる100Vや200Vの充電スタンドだと、電気自動車が満充電になるまでに時間が掛かってしまいます。次の表は、日産リーフ(40kWh)への充電時間の表になります。
V2H | 200V充電器 | |
---|---|---|
充電方式 | 200V交流
単相 |
200V交流
単相 |
最大出力 | 6kW | 3kW |
充電時間 | 7時間 | 13時間 |
V2Hと200V充電器の大きな違いは最大出力です。V2Hは最大出力が200V充電器よりも高いため、日産リーフへの充電時間が半分程度になります。
電気自動車でネックになりやすいのが、充電時間の長さです。200V充電器を使用していると、電気自動車を使おうとしても充電が足りないというケースは珍しくありません。V2Hなら200V充電器よりも短時間で充電できます。
V2Hを設置するデメリット
V2Hを設置するデメリットは次になります。
- V2Hと電気自動車の両方が必要
- 電気自動車のバッテリーが消耗しやすくなる
それぞれ、順番に解説します。
V2Hと電気自動車の両方が必要
V2Hを設置する際のデメリットは、V2Hと電気自動車の両方が必要になるため、コストと設置スペースの問題があります。
V2H機器は設置する機種や場所、太陽光発電システムの有無によって必要なコストが変わります。そのため、機種にもよりますが相場は40万円~100万円ほどします。
そして、V2Hに対応している電気自動車の新車相場は約400万円になります。日産リーフの最新モデルは最も安いグレードでも最低441万円からとなっており、車両本体価格は高いです。
住んでいる自治体にもよりますが、V2Hや電気自動車は補助金の対象になり、電気自動車は税制優遇措置が取られているなどのメリットもあります。しかし、V2Hを設置するにはかなりの出費費用が掛かると覚えておきましょう。
電気自動車のバッテリーが消耗しやすくなる
V2Hを設置した場合のもう1つのデメリットは、電気自動車のバッテリーが消耗しやすくなることです。
バッテリーの寿命が短くなるのは、満充電・過放電を繰り返すことでバッテリーが消耗するからです。電気自動車を蓄電池の代わりとして住宅に給電していると、効率的に使用してもバッテリーの消耗が早くなってしまいます。
消耗したバッテリーは交換可能ですが、交換するときにコストが発生します。だからといって、バッテリーを交換しないでいると、充電できる容量が少なくなり、満足に走ることもできなくなります。
電気自動車のバッテリーの寿命には気を付けましょう。
V2Hの構成
V2Hは次の2つで構成されます。
- V2H機器(EV用パワーコンディショナー)
- V2Hに対応する電気自動車(EVまたはPHVなど)
住宅の家電製品を動かしている電力は交流ですが、電気自動車のバッテリーに貯めてある電力は直流です。そのままの状態ではEVから住宅に給電することはできないため、直流と交流を変換するV2H機器が必要になります。
EV用パワーコンディショナーとも呼ばれており、V2Hにおける充放電のコントロールを担っています。
ただし、V2H機器は直流と交流を変換する機器のため、基本的には蓄電機能はありません。
V2Hにおいて蓄電池の代わりを担っているのがV2Hに対応する電気自動車です。EV、もしくはPHVが対応しているので、V2Hを導入したい方は検討してみましょう。
- EV…電気自動車
- PHV…プラグインハイブリッド自動車
V2Hと太陽光発電システムの注意点
太陽光発電システムは停電時でも発電し、電力を住宅や電気自動車に給電できます。V2Hとセットで導入すれば、電気自動車が家庭用蓄電池の代わりに電気を貯め、夜間の住宅に給電し、車を動かすエネルギーとなります。
V2Hとの相性も良いため、セットで導入することを検討しているかもしれませんが、太陽光発電システムとV2Hを導入する際には注意点があります。
家庭で使用されている電気とは、電力会社から給電される系統電力です。
太陽光発電システムとV2Hを導入していると、系統電力のほかに太陽光発電の発電した電力と、電気自動車に蓄えられた電力を加えて合計3種類の電力が存在します。
V2H機器は系統非連系という、同時に使用できる電力が1つしか使えない構造となっている機種があります。系統非連系の場合は、太陽光発電で発電した電力を使うことができません。
一方、系統連系という種類は同時に3種類の電力が使えるため、太陽光発電で発電した電力を貯めることができます。
- 系統非連系…同時に使用できる電力が1つ。太陽光発電の電力は使えない
- 系統連系…同時に3種類の電力が使える。太陽光発電の電力は使える
系統連系は停電時に使える電力容量が大きいといったメリットもあるため、V2H機器を選ぶ時は系統連系を選びましょう。
エコ突撃隊で販売しているV2Hの種類は?
エコ突撃隊では、ニチコンの「EVパワー・ステーション」と「トライブリッド蓄電システム」というV2H機器を販売しています。
V2H機器の種類や特長について順番に解説します。
EVパワー・ステーション
ニチコンのEVパワー・ステーションは系統連系タイプのV2Hで、これからV2Hと電気自動車を導入したい方におすすめの機種です。
EVパワー・ステーションのスペックは次の表になります。
VCG-663CN3
(スタンダードモデル) |
VCG-663CN7
(スタンダードモデル) |
VCG-666CN7
(プレミアムモデル) |
|
---|---|---|---|
サイズ | W 809 × H 855 × D 337mm(突起物除く) | ||
本体質量 | 88kg | 91kg | |
ケーブル | 約3.7m | 約7.5m | |
充電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、6kW未満 | ||
放電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、6kW未満 | ||
放電部
(自立出力時) |
単相2線式、AC101V、3kVA未満 | 単相3線式、AC202
V、6kVA未満 |
|
運転時騒音 | 約45dB | ||
保証期間 | 2年 | 5年 |
EVパワー・ステーションはスタンダードモデルが2種類、プレミアムモデルが1種類の合計3種類が販売されています。なお、スタンダードモデル2種類の違いはケーブルの長さになります。
- スタンダードモデル…VCG-663CN3、VCG-663CN7
- プレミアムモデル…VCG-666CN7
スタンダードモデルはV2H機器として一通りのスペックを有しており、お求めやすい価格となっています。一方、プレミアムモデルはスタンダードモデルに比べて多機能高性能となっており、停電時でも太陽光発電システムに対応しています。
EVパワー・ステーションの最大の特徴は倍速充電機能を搭載していることです。200V充電スタンドの2倍近いスピードでフル充電可能です。
トライブリッド蓄電システム
トライブリッド蓄電システムは太陽光発電システムで発電した電力を蓄電しつつ、V2Hに対応した電気自動車に蓄えてある電力を住宅に給電することもできます。つまり、蓄電池とV2H機器を兼ね備えた製品です。
トライブリッド蓄電システムのスペックは次の表になります。
ESS-V1 | |
---|---|
サイズ | W762×H1305×D222mm(突起物含まず) |
本体質量 | 91kg |
ケーブル | 約7.5m |
充電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、6kW未満 |
放電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、5.9kW |
放電部
(自立出力時) |
単相2線式、AC101V、3kVA未満 |
運転時騒音 | 約40dB |
トライブリッド蓄電システムは上記のV2Hスタンド以外にトライブリッドパワコンとリモコン、蓄電池ユニットの4つで構成されています。
蓄電容量が4kWhと8kWhで分かれており、数値が大きいほど蓄電できる容量が増えます。
トライブリッド蓄電システムの最大の特徴は、状況に応じて電気を使い分けることが可能なことです。太陽光発電システムで発電した電力を自宅で消費しつつ蓄電したり、電気自動車に蓄電したりすることが、自由に行えます。
一般的なV2H機器は蓄電機能が無いため、日中に電気自動車が無いと太陽光発電システムの余剰電力を貯めることができません。しかし、トライブリッド蓄電システムは蓄電が可能なため、日中に発電された余剰電力を蓄えておくことができます。
夜になって帰ってきた電気自動車には、日中に蓄えていた電力で充電ができます。そのため、夜間の電力消費を軽減できるので、電気代の節約にもつながります。
停電時にはトライブリッド蓄電システムで蓄えた電力に加えて、電気自動車に蓄えていた電力も住宅に給電できます。
トライブリッド蓄電システムは作った電気を無駄なく使えるシステムとなっており、発電した電力を効率良く使いたい方におすすめです。
まとめ
エコ突撃隊ではV2Hや家庭用蓄電池の販売から設置まで行っております。創業26年、総施工件数25,000件を突破しており、これまでに多くの方に喜んでいただいております。V2Hや家庭用蓄電池に関するご相談がありましたら、ぜひご連絡ください。
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