オール電化
2025/08/18
【2025年版】守山市のエコキュート補助金とは?国・滋賀県の補助金も徹底解説
エコキュートは少ない電力で給湯できる、省エネ性に優れた給湯器です。そのため、給湯器をどのような種類にしようか検討する際に、エコキュートを選ぶ人も増えています。ところがエコキュートのデメリットとして、初期費用の高さが挙げられます。そのデメリットを解消してくれる、エコキュート向けの補助金があるのはご存知でしょうか。そこで今回は、滋賀県守山市にお住まいの方向けのエコキュート向け補助金について解説していきます。
1.なぜエコキュートに補助金が出るのか?
そもそも、なぜエコキュートを導入するのに補助金が出るのでしょうか。
1-1.家庭部門の二酸化炭素削減が急務
日本では、家庭から排出される二酸化炭素やメタンといった「温室効果ガス」が、全体の約15%を占めています。さらにそのうちの約3割が、家庭用給湯器のエネルギー消費によるものなのはご存知でしょうか。
家庭用給湯器の一つであるエコキュートは、電気を使ってお湯を沸かすものの、大気の熱を活用するため少ない電力でお湯を沸かせる、エコな給湯器です。他の給湯器と比べて、二酸化炭素排出量を大きく抑えられます。各家庭においてエコキュートが普及すれば脱炭素社会の実現に大きく役立つことから、政府として補助金制度を用意して導入を後押ししているのです。
1-2.電力需要の安定化を図れる
1日のうちにもっとも電力が多く使われる「電力ピーク」の時間帯は、夏場の日中(14時~16時頃)や冬場の夕方・夜(18時~20時頃)です。極端な酷暑・極寒などによっては電力の消費が集中して、大規模な発電設備の稼働が必要になってしまいます。需要が大きすぎると、停電のリスクも高まってしまいます。
エコキュートは、単価の安い深夜電力を使ってお湯を沸かして貯めておく仕組みです。エコキュートが普及すれば、日中の電力消費が大きく抑えられます。そして、電力ピークを避けられる以外にも、発電・送電のコストカットにもつながり大きなメリットがあります。このようなインフラ面での多くのメリットが得られるため、補助金で導入を促しているのです。
1-3.エネルギー自給率の向上
日本では、天然ガスや石油といったエネルギー資源は、ほとんど海外からの輸入に頼っている状態です。自国で必要分のエネルギーをまかなえず輸入に頼っていて、海外の情勢や価格変動の影響を受けているのが現状でしょう。そのため、なるべく国内で使う分のエネルギーを自給するのが理想ではあるものの、実際問題としてなるべく使用するエネルギーを節約したり、効率よく使ったりすることが求められます。
エコキュートは、少ない電力で効率よくお湯を沸かすため、燃料の消費量を抑えるのに貢献できる給湯器として、補助金で導入を促しているのです。
2.滋賀県守山市でエコキュートを導入している人が増えている理由とは?
滋賀県守山市でエコキュートの導入が増えている理由には、次のような点が挙げられます。
2-1.オール電化住宅の普及が進んでいる
近年、オール電化の住宅が全国的に増えています。とくに新築時にオール電化を選択する家庭は、3軒に1軒にも上ります。IHクッキングヒーターやエコキュートの導入されている建売住宅も、珍しくありません。
オール電化の住宅において、給湯器の選択肢は、「エコキュート」または「電気温水器」の2種類が考えられるものの、ランニングコストやエネルギー効率で比較すると、エコキュートに軍配が上がります。そして、オール電化住宅が広まるとともに、エコキュートを導入する人も増えているのです。
2-2.環境に配慮する意識が強い
環境に配慮したライフスタイルが広まるとともに、滋賀県守山市全体としても省エネ機器の導入や再生可能エネルギーの活用を推進する動きが見られています。公共施設や学校などでも、省エネ対策や環境教育が進められていて、住民の意識が向上しています。
そして、環境問題に関心の高い家庭ほど、二酸化炭素排出量が削減できるエコキュートを選ぶ傾向にあるのです。滋賀県守山市では、地域密着型のリフォーム専門店や家電量販店が、エコキュートを積極的に提案している点も、エコキュートを導入する家庭が増加している背景にあります。
2-3.電気料金の高騰が後押し
ここ数年、電気料金の高騰が続き、家計を苦しめています。エコキュートは、ガス給湯器や電気給湯器と比べて、消費エネルギーが大幅に削減できるため、少ない電気で効率よく給湯できるエコキュートへの注目が高まっています。電気料金が高騰している今こそ、エコキュートを選ぶ人が増えているのです。
2-4.補助金の存在が決め手に
エコキュートのデメリットとして、初期費用の高めな点が挙げられます。それでも、守山市や滋賀県、国の提供している充実した補助金の存在が、導入を後押ししています。
守山市の補助金はもちろん、滋賀県・国の実施している補助金を利用した方がお得な場合や、併用できる場合もあるので、補助金についてしっかり把握したいものです。次の章から、それぞれの補助金について、制度や内容を詳しく見ていきましょう。
3.滋賀県守山市で使える補助金①国の「給湯省エネ2025事業」
まずは、全国を対象にした国の実施する「給湯省エネ2025事業」について解説していきます。
3-1.国の補助金「給湯省エネ2025事業」の概要・予算規模
経済産業省は、各家庭で高効率給湯器の導入を促進する目的で、「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー促進事業(通称:給湯省エネ2025事業)」という制度を実施しています。各家庭でのエネルギー消費のうち大きな割合を占めている給湯において、高効率の給湯器の導入を支援することで、「2030年度におけるエネルギー需要の見通し」を達成する目的で行われている事業です。
3-2.交付申請時期と受付期間
この補助金の交付申請はすでに始まっており、令和7年12月31日までとなっているものの、予算がなくなり次第、早期終了の可能性もあります。
着工日の期間も定められていて、令和6年11月22日以降、遅くとも令和7年12月31日までに着工しなければなりません。
3-3.対象
補助の対象は下記の通り、戸建ての新規購入・設置に限らず、既存住宅での購入やリフォーム、共同住宅のリース利用なども含まれます。
申請区分 | 設置する住宅 | 補助の対象者 |
---|---|---|
給湯器の購入・工事 | 新築の注文住宅 | 新築住宅の建設主 |
新築の分譲住宅 | 分譲住宅の購入主 | |
既存住宅のリフォーム | 工事の発注者 | |
既存住宅購入時の給湯器交換 | 住宅の購入者 | |
給湯器のリース利用 (ファイナンスリース) |
新築の注文住宅 | 給湯器の借主 |
新築の分譲住宅 | ||
既存住宅のリフォーム |
3-4.補助額と上限
①基本額②性能加算額③撤去加算額の合計が、補助額になります。ただし、②または③を満たさない場合には、①だけの補助になります。
①基本額
設置する高効率給湯器に応じて、定額が補助されます。
設置する給湯器 | 補助額 | 補助上限 |
---|---|---|
ヒートポンプ給湯器 (エコキュート) |
1台につき6万円 | 戸建て住宅は、いずれか2台まで、共同住宅はいずれか1台まで |
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器
(ハイブリッド給湯器) |
1台につき8万円 | |
家庭用燃料電池
(エネファーム) |
1台につき16万円 |
②性能加算額
設置する給湯器が、次のA・B・C要件を満たしている場合には、それに応じた定額が加算されます。
A要件:天気予報や日射量予報と連動できるインターネット接続型機種であること
B要件:年間給湯保温効率(JIS効率)が3.5以上ある高性能機種であること
C要件:HEMSや太陽光と連携できる、電力債的制御機能搭載の機種であること
設置する給湯器 | 加算要件 | 加算額 | |
---|---|---|---|
どちらか | 両方 | ||
ヒートポンプ給湯器 (エコキュート) |
A | 1台4万円 | 1台7万円 |
B | 1台6万円 | ||
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器 (ハイブリッド給湯器) |
A | 1台5万円 | 1台7万円 |
B | 1台5万円 | ||
家庭用燃料電池 | C | 1台4万円 |
③撤去加算額
給湯機の設置に伴って次のような撤去工事をするなら、工事内容に応じた補助額が加算されます。
工事内容 | 加算額 | 補助上限 |
---|---|---|
電気蓄熱暖房機の撤去 | 1台8万円 | 2台まで |
電気温水器の撤去 | 1台4万円 | ① で補助を受ける台数分 |
上記の通り、補助額は基本6万円であり、性能加算(最大7万円)や撤去加算(最大4万円)を受けられれば、最大1台13万円まで支給されます。
4.滋賀県守山市で使える補助金②滋賀県の「スマート・ライフスタイル普及促進事業補助金」
次に、滋賀県が実施しているエコキュート向けの補助金「スマート・ライフスタイル普及促進事業補助金」について紹介していきます。
4-1.滋賀県のスマート・ライフスタイル普及促進事業補助金の概要
滋賀県では、温室効果ガス実質ゼロ社会の実現に向けて、再エネ・省エネ設備の導入を促進させるための補助金を実施しています。個人住宅において太陽光発電設備や高効率給湯器・蓄電池の導入、断熱改修などを促進することで、快適な生活や光熱費削減、さらに地球温暖化対策や地域内経済循環を実現するのが狙いです。
4-2.補助対象
滋賀県内に居住し、対象の設備を自らが除住する住宅に導入する個人が対象です。県税を滞納していないことも条件になります。
補助の対象になる設備は次の通りです。
- 太陽光発電設備(10kW未満の住宅用)
- 家庭用蓄電池
- ヒートポンプ給湯器(エコキュート)
- 電気自動車用V2充放電設備
- 高効率空調設備
- 断熱窓や断熱建材など
このうち、エコキュートは「自然冷媒ヒートポンプ給湯器(CO2冷媒)で、一定の省エネ性能を有するもの」に限定されています。
4-3.補助金額と加算要件
補助金額は設備ごとに異なります。令和7年度のエコキュートに対する補助額は、次のようになっています。
補助金名 | 補助金額 | 要件 |
---|---|---|
基本対策推進事業 | 1台につき2万円 | 年間給湯保温率などが一定以上の機器であること |
重点対策加速化事業 | 補助率1/2 (上限20万円) |
次の要件を満たす機器であること ・従来の給湯器に対し30%以上の省二酸化炭素効果が得られる機器 ・年間給湯効率などが一定以上の機器 |
4-4.補助金交付申請の受付期間
令和7年度の交付申請の受付期間は、令和7年5月26日から、令和8年2月13日までです。ただし予算額に達し次第終了となるので、公式サイトの「申請状況」を確認して、早めに申請するのがおすすめです。
4-5.申請に必要な書類
申請には次のような書類の提出が必要です。
- 施工後の写真
- 見積書
- 機器仕様書
- 領収書
そして、設備ごとに事前確認・登録制度があるので、導入前に確認するようにしましょう。
4-6.注意点
対象設備の設置は、滋賀県内の事業者に依頼する必要があります。また基本対策推進事業は他の補助金と併用できるものの、重点対策加速化事業は、国庫が財源のため、同じく国庫を財源とする他の補助金と併用できません。
5.滋賀県守山市で使える補助金③守山市の「家庭用再エネ・省エネ設備等導入促進補助金」
滋賀県守山市では、滋賀県の補助金とは別に、守山市でも独自にエコキュート向け補助金制度が実施されています。それが「家庭用再エネ・省エネ設備等導入促進補助金」です。
5-1.守山市の「家庭用再エネ・省エネ設備等導入促進補助金」の概要
守山市では、再生可能エネルギーを導入して省エネ化を推進するために、太陽光発電システムや蓄電池などの省エネ設備等を住宅に導入する一般家庭向けに、補助金を設けています。財源は「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」です。
5-2.補助の対象
補助対象者は、守山市内に住所のある人で、市税などを滞納していないことが条件です。補助対象になる建物は、「守山市内に既存している住宅」、「申請者または生計を一にする者、および二親等以内の親族が所有する住宅」です。新設住宅や賃貸物件は対象外になります。
5-3.補助対象の設備と補助額
補助の対象となる設備と補助額は、次の通りです。
区分 | 補助対象設備 | 補助率 | 補助上限 |
---|---|---|---|
ア | 太陽光発電システム(蓄電池と併用) | 3万円/kw | 15万円 |
イ | 蓄電池システム(太陽光発電と併用) | 3万5千円/kwh | 28万円 |
ウ | 高効率エアコン | 経費の20%
(合計20万円まで) |
2万円 |
高効率給湯器 | 10万円 | ||
家庭用燃料電池コージェネレーションシステム | 20万円 | ||
高効率照明器具(LED) | 1万円 | ||
高効率冷蔵庫 | 3万円 | ||
窓の断熱 | 5万円 | ||
玄関ドアの断熱 | 5万円 | ||
外壁の断熱 | 20万円 | ||
屋根の断熱 | 20万円 |
上記の区分のア・イ・ウは、同時に申請できます。区分ウの設備は、複数同時に申請でき、その場合の上限は20万円になります。各区分、10万円(高効率照明器具だけは5万円)に満たなければ、補助の対象にはなりません。各設備には、補助要件がさらに詳しく定められているので、詳しいことは守山市のホームページなどで確認しましょう。
守山市内の施工業者に依頼した場合には、補助上限額が20%上乗せになります。施工業者は市内外を問わないものの、守山市内の業者に依頼するのがお得です。
5-4.エコキュートへの補助について
エコキュート設置に対する補助は、最大10万円で、他の省エネ設備と組み合わせることで最大20万円まで支援を受けられます。
5-5.申請の流れ
設置工事の完了後に、次の提出書類を環境政策課に提出します。窓口に持参する以外にも郵送でも受け付けてもらえるものの、不備があるかもしれないので、事前に環境政策課に電話連絡しましょう。書類に不備があると再提出があるので、余裕を持って提出するのがおすすめです。
- 交付申請書
- 事業実績内訳書
- 補助対象事業にかかる請負契約書(または発注書などの写し)
- 施工前後の写真
- 領収書など、補助対象経費を支出したと証明できる書類の写し
- 補助対象設備の見積もり書などの写し(メーカー名・型番・事業経費の内訳がわかるもの)
- 補助対象設備の保証書の写し(またはこれに代わるもの)
- 補助対象設備が要件を満たしているとわかる書類(パンフレットやカタログ、仕様書など)
- 申請者の住民票・運転免許証・マイナンバーカードなど、申請者の使命と現住所がわかる公的証書の写し
- 補助対象設備を設置する住宅の付近位置図
- その他、補助対象設備に応じた書類など、必要と認める書類
書類提出後に審査があり、交付が決定した場合には通知が申請者宛てに送られます。不備があった場合には修正し再提出する必要があるので、時間に余裕を持って申請しましょう。
5-6.申請書の受付期間
申請書の受付期間は、令和7年5月1日から、令和8年2月27日までです。ただし、予算額の上限に達し次第、早期に受け付け終了となるので注意が必要です。
6.国・滋賀県・守山市のエコキュート補助金、守山市で併用できる?
ここまで、国の「給湯省エネ2025事業」と滋賀県の「スマート・ライフスタイル普及促進事業補助金」、守山市の「家庭用再エネ・省エネ設備等導入促進補助金」について紹介してきました。ここからは、守山市でエコキュートを導入する際に、これらの補助金制度を併用できるかどうか見ていきましょう。
6-1.国の「給湯省エネ2025事業」は他制度と併用できる?
国の「給湯省エネ2025事業」は、国の実施している他の補助金制度との併用はできません。ただし、県や市といった地方自治体の実施する補助金制度との併用は、原則可能です。この場合、地方自治体の補助金制度が、国費ではなく地方財源から出されるものの場合のみ、併用可能です。
6-2.滋賀県の「スマート・ライフスタイル普及促進事業補助金」は多制度と併用できる?
滋賀県の「スマート・ライフスタイル普及促進事業補助金」は、基本対策推進事業と重点対策加速化事業があります。このうち、重点対策加速化事業は、国費が財源の他の補助金制度との併用はできません。
6-3.守山市の「家庭用再エネ・省エネ設備等導入促進補助金」は多制度と併用できる?
守山市の「家庭用再エネ・省エネ設備等導入促進補助金」は、他の補助金との併用を制限してはいません。ただし、国や県などの補助金が併用を制限している場合があるので、国・滋賀県の補助金制度の要綱をよく確認する必要があります。
7.補助金申請をスムーズに進める施工業者選びのコツとは?
エコキュートの補助金申請をスムーズに進めるには、施工業者選びが重要です。施工業者選びのコツをいくつか紹介しましょう。
7-1.守山市の自治体制度に対応できるか?
エコキュートの補助金は、新築・既築・分譲など、住宅の種類によって申請できるかどうか、どのような手続きが必要かは異なります。それぞれに対応できる業者選びが大切です。補助金によっては、滋賀県内の業者・守山市内の業者であることを求められるので、事前に確認しましょう。
7-2.補助対象のエコキュートを取り扱っているか?
補助金申請の対象になるエコキュートは、補助金ごとに決められています。どのようなエコキュートが補助金の対象なのかはもちろん、家庭環境や生活スタイルに合ったエコキュートの機種について提案してくれる業者を選ぶといいでしょう。
7-3.補助金を活用した施工経験が豊富か?
補助金を利用しての設置事例の多い業者なら、制度をよく理解して、書類の扱いや必要な写真の扱いにも慣れています。申請の抜けや漏れを防ぐためにも経験値の豊富な業者が安心です。
7-4.申請の流れや必要書類を案内してくれるか?
補助金申請には、事前の準備も必要です。補助金の種類によっては、工事前後の写真が必要になるので、流れを把握している業者でなければなりません。
7-5.相談しやすい雰囲気か?
業者とうまくコミュニケーションがとれるかも、意外と大切です。補助金についても遠慮なく尋ねられる担当者のいる業者なら、設置後のアフターサポートも依頼しやすく、長く付き合っていけるでしょう。
8.まとめ
初期費用の高さがネックのエコキュートですが、脱炭素社会を実現させて地球温暖化の進行を抑制するために、各家庭での導入が有効です。そのために国や滋賀県、そして守山市ではそれぞれ、エコキュートの導入・設置をする家庭向けに、補助金制度を実施しています。ただし補助金を受け取るには、エコキュートの機種や性能、設置する住宅や施工業者など、条件が設けられているので注意が必要です。また国や滋賀県、守山市の補助金を併用できるかどうかも、よく確認が必要です。補助金の申請経験の豊富な施工業者に依頼すれば、補助金についても詳しく教えてもらえるので、信頼できる施工業者に依頼するようにしましょう。