オール電化
2025/07/11
クール・ネット東京の令和7年度(2025年)の補助金制度は?8つの制度の概要を解説
クール・ネット東京は、都民を対象に令和11年(2029年)まで、太陽光発電設備や蓄電池、エコキュートを購入したい場合に補助金を出す予定です。
ただし、補助金制度の概要は年度ごとに異なるため、利用したい場合は該当年度の最新情報を確認しましょう。
今回は、クール・ネット東京が開催している令和7年度(2025年)の補助金制度の概要を解説します。
クール・ネット東京とは?
クール・ネット東京とは、正式には「東京都地球温暖化防止活動推進センター」といい、東京都環境公社が運営している組織です。地球温暖化対策の一環として、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの普及を支援しています。
主な取り組みは、太陽光発電や蓄電池、エコキュートなどの省エネ・創エネ機器を導入する個人や法人に対し、補助金を提供することです。
また、設備導入に関するセミナーや研修会、各種相談窓口の運営なども行っています。
クール・ネット東京が行っている令和7年度の補助金制度
クール・ネット東京は、令和7年度(2025年)では「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」として8つの事業を展開しています。
事業名 | 対象設備・内容 |
---|---|
家庭における 太陽光発電導入 促進事業 |
太陽光発電システム、架台設置、防水工事、機能性PV設置 |
家庭における 太陽光発電導入 促進事業 (パワーコンディショナ更新費用助成) |
パワーコンディショナの更新 |
家庭における 蓄電池導入促進事業 |
蓄電池システム |
既存住宅における 省エネ改修促進事業 |
高断熱窓・ドア、壁・床などの断熱化、高断熱浴槽 |
熱と電気の 有効利用促進事業 |
太陽熱利用システム、地中熱利用システム、エコキュート(太陽光電力利用時)、補助熱源機、ヒートポンプエアコンの更新 |
戸建住宅における V2H普及促進事業 |
V2H機器 |
リフォーム瑕疵保険 への加入支援 |
上記設備設置工事に伴うリフォーム瑕疵保険加入(各事業に付随) |
分譲マンション 省エネ型給湯器 導入促進事業 |
エコジョーズ、エコフィール |
都民を対象とした補助金制度で、省エネ・創エネ機器の導入を検討している方にとっては心強い制度です。
それぞれ、順番に解説します。
家庭における太陽光発電導入促進事業の概要
次の表は「家庭における太陽光発電導入促進事業」をまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | ・個人、法人、管理組合 ・電力販売事業者、機器貸与事業者(東京都内住宅で使用するもの) |
対象設備 | ・未使用の太陽光発電システム(発電出力50kW未満) ・設置用架台(陸屋根含む) ・陸屋根で設置する場合の防水工事費 ・リフォーム瑕疵保険加入費用(上乗せ助成) |
補助額 | ・新築:1kWあたり10万円から12万円 ・既存住宅1kWあたり12万円から15万円 ・架台:戸建既存/集合住宅200,000円/kW ・防水工事:陸屋根既存住宅180,000円/kW ・リフォーム瑕疵保険加入:7,000円/契約 |
申請の流れ | 1. 事前申込(電子) 2. 契約・工事 3. 支払後に交付申請兼実績報告 4. 交付決定 5. 助成金受給 |
スケジュール | ・事前申込:2025年5月30日~ |
注意点 | ・申込~申請時の名義を統一 ・キャッシュバック等の金額は補助対象外 ・支払前の申請は無効 ・電灯契約ごとに申込が必要・複数契約や保証書の注意事項あり |
本事業は、主に住宅への太陽光発電システム導入を支援する補助金制度です。補助の対象者は、都内に所在する戸建住宅や集合住宅の所有者・居住者、マンション管理組合、さらにパワーコンディショナなどの機器を貸与・販売する事業者など多岐にわたります。
対象設備としては、未使用の太陽光発電システム(出力50kW未満)を中心に、設置に必要な架台、防水工事、そしてリフォーム瑕疵保険への加入費用などが補助の対象です。
補助額は、既存住宅の場合で10万円/kWが基本で、条件に応じて架台設置や防水工事、保険加入などに上乗せ助成が加わります。
申請の流れは、まず事前申込(電子申請)を行い、その後工事契約・設置・支払いを経て、交付申請兼実績報告を提出するという手順です。
2025年度(令和7年度)の申請期間は、事前申込が2025年5月30日から、交付申請は同年6月30日から開始され、いずれも2026年3月末まで受け付けています。
基本的に、クール・ネット東京で行っている「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の申し込みスケジュールと申し込み手順は変わりません。
注意点としては、契約・申請・振込口座などはすべて同一名義で統一する必要があり、支払いや設置工事の前に申請してしまうと無効となります。
また、補助対象外となる特典(キャッシュバックやポイント等)が契約に含まれている場合、減額や交付不可となる可能性があるため注意しましょう。
家庭における太陽光発電導入促進事業(パワーコンディショナ更新費用助成)の概要
次の表は「家庭における太陽光発電導入促進事業(パワーコンディショナ更新費用助成)」をまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | ・都内に既設の太陽光発電システムを所有し、パワーコンディショナを更新する個人法人・管理組合など |
対象設備 | ・パワーコンディショナ(PC)本体の交換 ・JETまたはIEC認証モジュール接続が必須 |
補助額 | ・更新費用の1/2を補助、上限10万円/台 ・リフォーム瑕疵保険加入で7,000円上乗せ |
申請の流れ | 1.電子申請による事前申込 2.契約・交換工事 3.支払後「交付申請兼実績報告」提出 4.審査・交付決定 5.補助金支給 |
スケジュール | ・事前申込:2025年6月30日~2026年3月31日 |
注意点 | ・他助成金との重複不可 ・無線障害対策型パワーコンディショナを選ぶ ・支払い前の申請無効 ・名義統一・証明書類整備が必要 |
本事業は、既設の太陽光発電設備のパワーコンディショナ(パワコン)のみを交換する場合に、費用の半額(最大10万円)を補助してもらえます。
パワコンとは、太陽光発電設備で発電した電力を売電や蓄電するために利用できる電力へ変換する装置です。一般的な寿命は10年~15年で、ソーラーパネルよりも短いため、先に買い替えるケースがあります。
本事業はパワコンだけを買い替える場合に適用される制度で、同じ設備をほかの補助金で導入することはできません。
蓄電池の補助金制度は複数ありますが、パワコンだけを買い替える補助金制度は珍しいので、覚えておきましょう。
家庭における蓄電池導入促進事業の概要
次の表は「家庭における蓄電池導入促進事業」をまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | ・都内に所在する住宅に蓄電池システムを導入する個人・法人・管理組合等 ・電力販売事業者やIoT機能追加の場合の補助対象者も含む |
対象設備 | ・未使用蓄電池システム(太陽光発電の設置または再エネ電力契約が条件) ・既存蓄電池へのIoT化(上限10万円)、ユニット増設(8万円/kWh)も対象 |
補助額 | ・蓄電池システム:12万円/kWh ・デマンドレスポンス実証参加:+10万円/件 ・IoT化:費用の1/2、上限10万円/戸 ・ユニット増設:8万円/kWh |
申請の流れ | 1.事前申込(電子、自家様式) 2.契約・工事 3.支払後、交付申請兼実績報告(計算シートなど) 4.交付決定通知 5.補助金交付 |
スケジュール | ・事前申込:2025年5月30日~ |
注意点 | ・太陽光パネル設置or再エネ契約が前提 ・都や公社の他助成金との重複不可 ・名義や書類(保証書・領収書)を統一 ・支払い前の申請は無効となる可能性あり |
本事業は、再エネ普及・非常時のエネルギー自立を支援する制度で、蓄電池の導入費用に対し12万円/kWhの補助が受けられます。
さらに、IoT化機能の導入やDER(デマンドレスポンス)実証に参加した場合には追加補助を受けることが可能です。
ただし、電子事前申込の手続きや事後の実績報告が必須で、施工・支払い前の書類統一と電力契約の確認などが必要になります。
さらに、本事業では太陽光発電設備との同時、あるいは設置済みで連携することが求められているため、現時点で太陽光発電設備がない場合は導入を検討しましょう。
既存住宅における省エネ改修促進事業の概要
次の表は「既存住宅における省エネ改修促進事業」をまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | ・都内に所在する既存住宅を所有する個人・法人・管理組合 (50戸以上の改修を行う管理組合は単価割増もあり) |
対象設備 | ・高断熱窓・ドア ・壁・床等の断熱化 ・高断熱浴槽 ・防犯断熱窓(CP部品) |
補助率・補助額 | ・窓・ドア設置:工事費の1/3(戸当たり上限130万円、条件付き割増あり) ・断熱材:工事費の1/3(上限100万円/戸) ・高断熱浴槽:工事費の1/3(上限9.5万円/戸) ・リフォーム瑕疵保険:7,000円/契約 |
申請の流れ | 1.電子による事前申込 2.申込後の契約・施工 3.支払後に「交付申請兼実績報告」提出 4.審査・交付決定 5.助成金支給(工事完了後1年以内) |
スケジュール | ・事前申込:2025年5月30日~ |
注意点 | ・名義・書類は統一必須 ・キャッシュバック等は対象外 ・アスベスト事前調査が必要 ・防犯窓はCP部品であること ・遡及適用や割増単価の条件がある |
本事業は、都内の既存住宅を断熱性や防犯性の高い設備へ改修する際に、工事費の3分の1を補助する支援策です。
高断熱窓・ドアは断熱性能(熱貫流率)に応じた補助単価が設定され、CP部品の防犯窓や管理組合による大規模改修では補助単価が増額されます。
また、断熱材や浴槽の導入、リフォーム瑕疵保険への加入も支援対象で、補助額には上限設定があり、申し込む際は金額のシミュレーションをしっかりと行いましょう。
注意点として、防犯窓はCP部品であること、アスベスト調査の実施、キャッシュバック付契約の除外、名義や書類の整合性など、制度要件を満たすための準備が不可欠です。
断熱性や防犯性の高い設備へ改修する補助金としてはかなり高額なため、リフォームを検討している方はチェックしましょう。
熱と電気の有効利用促進事業の概要
次の表は「熱と電気の有効利用促進事業」をまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | ・都内住宅に太陽熱利用・地中熱利用・エコキュート等を設置・更新する個人・法人・管理組合等 |
対象設備 | ・未使用の太陽熱利用システム、地中熱利用システム、エコキュート・ハイブリッド給湯器、補助熱源器、ヒートポンプエアコン |
補助率・補助額 | ・設備費・工事費の1/3 (例:エコキュート等は上限220,000円) |
申請の流れ | 1.電子による事前申込 2.契約・工事完了 3.支払後「交付申請兼実績報告」提出 4.審査・交付決定 5.助成金支給 |
スケジュール | ・事前申込:2025年5月30日~ |
注意点 | ・他の都・公社同種助成との併用不可 ・太陽光発電システムとの連携が必須 ・提出後の契約訂正不可 ・補助額上限に注意 |
本事業は、家庭部門における「太陽熱」「地熱」「電気」といったエネルギーの有効利用を推進するため、住宅に設置する太陽熱利用システムやエコキュートの導入費用を3分の1まで補助するものです。
機器によって補助金の上限額が異なり、エコキュートの場合は上限が22万円となっています。
エコキュートは補助金制度が多いですが、市区町村が行っている補助金制度や国の「給湯省エネ2025事業」との併用は可能です。
ただし、東京都が行っている「東京ゼロエミポイント」や「東京ゼロエミ住宅普及促進事業」との併用はできないので注意しましょう。
戸建住宅におけるV2H普及促進事業の概要
次の表は「戸建住宅におけるV2H普及促進事業」をまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | ・都内住宅にV2H機器を導入する個人・法人・管理組合等 ・太陽光発電設備を設置し、ZEV(電気自動車)を所有する場合は更に要件を満たす必要あり。 |
対象設備 | ・未使用のV2H機器一式 (太陽光発電設備がある住宅か、ZEV保有を前提とした設置が条件) |
補助率・補助額 | ・機器費・工事費の1/2を補助(上限50万円) ・太陽光発電設備とZEVを有する場合は全額補助(上限100万円) |
申請の流れ | 1.事前申込(電子申請) 2.契約・設置工事 3.支払後に「交付申請兼実績報告」提出 4.審査・交付決定 5.助成金支給 |
スケジュール | ・事前申込:2025年5月30日~ ・交付申請:2025年6月30日~2029年3月30日(令和11年度末) |
注意点 | ・他の都・公社の同種助成との併用不可 ・太陽光設備またはZEV所有が条件 ・国の補助との併用可能 ・書類名義や支払タイミングなど要件の整合が必須 |
本事業は、戸建住宅にV2H機器を導入することで、電気自動車と家庭間の双方向エネルギー利用を実現し、再エネの活用と停電時のバックアップ電源の確保を促進することを目的としています。
機器・工事費用の半額補助(最大50万円)が基本ですが、住宅に太陽光設備とZEVを併せ持つ場合は100%補助(上限100万円)を受けることが可能です。
電気自動車とV2Hの連携により、災害時の備えと日常の省エネ効果を同時に得られるため、防災を重視する方に適しています。
リフォーム瑕疵保険への加入支援の概要
「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」では、補助金事業内にリフォーム瑕疵保険への補助金が含まれています。
リフォーム瑕疵保険とは、リフォーム後に欠陥が発覚した場合でも、補修費用を保険でまかなえるようにするため保険です。
リフォーム後に壁や屋根の雨漏りが発覚したり、設置した断熱窓に重大な施工ミスがあったりした場合、通常であれば施工業者に無償で直してもらえます。
しかし、施工業者が倒産したり、対応しなかったりする場合、施主が自費で直さざるを得ません。
リフォーム瑕疵保険は、上記のようなケースで補償費用を肩代わりします。
東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」では、リフォーム瑕疵保険の加入時に補助金を上乗せする場合があります。
金額や内容は事業によって異なりますが、リフォームや機器の導入で不安がある方は利用しましょう。
分譲マンション省エネ型給湯器導入促進事業の概要
次の表は「分譲マンション省エネ型給湯器導入促進事業」をまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
対象者 | ・都内に所在する既存分譲マンションの管理組合またはリース事業者 ・個人居住者は対象外 |
対象設備 | ・未使用のエコジョーズまたはエコフィール |
補助額 | ・追い焚き機能付き:1台70,000円 ・追い焚き機能なし:1台50,000円 ・再エネ電力契約あり:上記+30,000円 |
申請の流れ | 1.電子による事前申込 2.交付申請兼実績報告提出(契約・工事後) 3.変更申請・修正依頼対応 4.交付決定 5.助成金支給 |
スケジュール | ・事前申込:2025年5月30日~ |
注意点 | ・個人居住者は申請不可 ・機器は新品未使用である必要あり ・騒音規制遵守 |
本事業は、管理組合単位で分譲マンションに「エコジョーズ」または「エコフィール」という省エネ型給湯器を導入する際に費用補助を受けられるものです。
追い焚き機能の有無や再エネ電力契約の有無で最大10万円の支援となります。
個人住戸は対象外であり、騒音基準を満たす機器の選定や電子申請ID・資料の整備、メールアドレス認証などの準備も必要になるので、活用したい場合は内容を確認しながら進めましょう。
まとめ
以上が、クール・ネット東京が開催している令和7年度(2025年)の補助金制度の解説になります。
都道府県レベルの補助金としては種類が豊富で、金額がかなり高額です。また、事業によっては同じ設備を購入時に、他の補助金制度との重複が可能なため、高額な機器もお得に購入できる可能性があります。
記事執筆時点で、事前申込や交付申請がスタートしているため、太陽光発電設備や蓄電池、エコキュートなどを購入したい方は条件や対象機器などをチェックしましょう。
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