オール電化
2025/04/28
長期不在時にエコキュートの稼働はどうなる? 無駄を出さないための対処法を解説!
長期休暇などの際には、旅行に出かける方も少なくないでしょう。不在の際にはガスの元栓を閉めたり、戸締りをしたりと準備が必要です。では、エコキュートには不在の準備が必要なのでしょうか。
環境にも家計にもやさしい高効率給湯器として普及が進んでいるエコキュート。
電気のみをエネルギー源として稼働することから温室効果ガスをほとんど発生させないことが知られていますが、それには独自の機構が関係しています。
エコキュートは熱交換装置であるヒートポンプの作用で空気中の熱を圧縮・上昇させてお湯を沸き上げますが、それは電気料金の安い夜間に行うことが前提です。
そのため非常にすぐれたランニングコスト性能を持つ給湯器として仕上がっており、家計への貢献の根拠となっています。
ただし、日々稼働するエコキュートですが仮に長期間にわたって家を空けねばならない場合にはどうすればよいのでしょうか。
本記事では長期不在時に無駄を出さないよう、エコキュートに対して行うべき処置について解説します。なお、ここでいう長期不在は一か月以上を想定しています。
長期不在がエコキュートに及ぼすデメリットやリスクとは?
そもそも常時稼働していることが前提のエコキュートですが、長期不在によってお湯を使わないことでどのようなデメリットやリスクが生じるのでしょうか。
給湯器であるという特質が根拠となるものとエコキュートの特徴的な機構に由来するものと両側面からの懸念があり、代表的な4例を以下に見ていきましょう。
電気代のロス
長期不在がエコキュートに及ぼすデメリットとしてまずもって挙げられるのは、電気代のロスです。
エコキュートを稼働させたままであれば、当然ながら不在時にも沸き上げ運転を実行しますが使われることのないお湯は無駄になってしまいます。
この沸き上げのためのために消費した電気エネルギーおよび、使われることなく放散される熱エネルギーはロス以外の何物でもありません。
しかもお湯を維持するための熱エネルギーはヒートポンプを稼働させて確保し続けるため、いわば電力と熱を垂れ流している状態です。
いかにエコキュートが少ないエネルギーで効率よくお湯を得られる設備だとしても、それは日々使用するうえでの費用対効果を示してのものであることは言うまでもありません。
したがって不在時が長引けば長引くほど、無駄な電気と熱をいたずらに消費することとなり環境にも家計にも不要な負荷となってしまいます。
エコキュートがどれほどランニングコスト性能にすぐれていたとしても、使用しないエネルギーをロスしていくことは大きなデメリットであることを認識しましょう。
貯湯タンク内が不衛生になる
エコキュートではヒートポンプユニットの作用でつくったお湯を、貯湯タンクユニットにためておいてそれを水で割りながら給湯するというシステムを採用しています。
タンク内部を洗浄することは困難ですが使った分のお湯は新たに補充されていき、これを日常的に繰り返すことで循環していきます。
しかし長期不在によってお湯を使わなければ、当然ながら貯湯タンク内部の水量はほとんど減少しません。
そして循環することなくためられたままのお湯には雑菌が繁殖しやすくなり、非常に不衛生な状態となってしまいます。
これは長期不在から帰宅した際にお湯を使おうとした場合の重大なリスクとなり、場合によっては健康を脅かす可能性があるといって過言ではありません。
そのため、長期で家を空けるにもかかわらずエコキュートを稼働させたままにするということは、タンク内部のお湯の衛生状態に直接悪影響を及ぼすということをよく把握しておくのが重要です。
冬期の凍結リスク
給湯器であるエコキュートは常に熱をキープしているイメージがありますが、厳寒期には凍結のリスクが伴います。
特に寒冷地ではその傾向が著しく、耐寒仕様の専用モデルがリリースされていることからもその負荷を推し量れるでしょう。
もっとも凍りやすいとされる部分の一つはヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットをつなぐパイプの部分で、この内部が凍結するとお湯がつくれなくなったり適正に給水ができなくなったりといったトラブルにつながります。
日常的にお湯を使うことで配管内の水流が循環する状態であればまだそのリスクは低減されますが、長期不在によってそれが滞ることで凍結の危険性が高まります。
配管が凍ったままだと長期不在から帰宅した際にお湯が出なかったり、最悪の場合には破断にまで至ったりするなど深刻な故障の原因ともなり得ます。
このような危険は寒冷地に限ったことではなく、特別に冷え込むタイミングもあるため注意が必要です。
漏電・漏水等に気が付かないこと
長期不在によってエコキュートに発生する可能性のあるリスクとして、万が一の漏電や漏水に気が付くことができない点が挙げられます。
その他の電化製品についても同様ではありますが、特にタンクユニットにお湯をためておく構造のエコキュートでは深刻です。
漏電は火災の直接的な原因となり、漏水は状況によって構造物にダメージを与えたり、水道代が極端に跳ね上がったりといった事態を引き起こしかねません。
さらにその間にもエコキュートが稼働してお湯をつくり続ければ、電気代を含めて少なからぬ損害となるでしょう。
しかも漏水に漏電が伴った場合には、自宅のみならず周辺にまで被害を与えてしまう可能性も高まります。長期で家を空けるとこのような事態が発生した場合に即座に対処することができず、いたずらに被害を拡大させてしまうリスクがある点をよく理解しておくことが重要です。
長期不在にあたってのエコキュートの処置とは?
それでは仮に一か月以上の長期にわたって不在となる場合、エコキュートに対してはどのような処置をするのが望ましいのでしょうか。
テレビであればプラグを抜いて待機電力をカットしたり、洗濯機であれば同じくコンセントにつながず水道の蛇口を閉めておいたりするなど、比較的手軽な方法で留守中の安全を確保することが可能です。
しかしエコキュートのように大がかりな装置ではやや特殊な操作が必要となるため、以下に自身でも行える最低限の対応を2ステップで見てみましょう。
電源をオフにすること
まずはエコキュート本体の電源をオフにしましょう。単純にプラグを抜けばよいというわけではなく、手順に従って専用のスイッチで操作する必要があります。
基本的には貯湯タンクユニットに設置されている「漏電遮断器」のスイッチをオフに切り替えます。
この操作によってエコキュートへの通電がストップするため、長期不在中に漏電が起こったり、それを原因とする火災が生じたりといったリスクの回避が可能です。
水抜きを行うこと
次にヒートポンプユニットおよび貯湯タンクユニット内の水抜きを行います。
ただし機種によっては漏電遮断器のスイッチをオフにする前に行う必要があるタイプもあるため、それぞれの操作を事前によく確認しておきましょう。
基本的には給水を止め、追い焚き機能が付いているタイプであれば浴槽配管内の水を排出し、次いで貯湯タンクとヒートポンプそれぞれの水抜き栓などを開放します。
水抜きのための準備設定はリモコンユニットから操作できるのが一般的ですが、各弁の開放は手動で行う点に注意が必要です。
この時よく留意しなくてはならないのは決められた手順を忠実に守って作業することで、一歩間違えると熱湯があふれ出てきたり、急激に大量の水が出たりするおそれがあります。
最後に各栓を元通りに締めて完了ですが、すべての水抜きを終えるまでにはおよそ2時間が必要とされることから、計画的にゆとりをもって作業を行いましょう。
帰還後にエコキュートを再稼働させる方法は?
長期不在から帰還してもう一度エコキュートを稼働させる場合には、空にしておいた貯湯タンクにまずは再び水を満たす必要があります。
これも正確にはメーカーや機種によって操作手順が異なるため、それぞれのマニュアルをよく把握して決められたシークエンスを遵守することが必要です。
一例を挙げると漏電遮断器のスイッチはオフのままで貯湯タンクの排水栓を閉め直し、給水元栓を開放して注水します。排水口などから適切に水が出てくるのを確認したらそこも閉じ、次いでヒートポンプユニットの水抜き栓からもおよそ1分以上水が出てきたらそちらもクローズします。
そのうえで漏電遮断器のスイッチをオンにし、リモコンユニットを通じてその後の空気抜きなどの操作を入力し、お湯側の蛇口から途切れなく水が出るようになることを確認します。
そして通常通り沸き上げ運転が行われ、お湯ができあがればこれまでのようにエコキュートを使うことが可能となります。
なお、外気温などの環境要因やエコキュートの各モデルによって異なりますが、100リットルのお湯を得るにはおおむね1時間程度を要するのが一般的です。
一週間程度の不在時なら「休止設定」も有効
なお、家を空ける期間が一か月以下の場合、たとえば一週間程度不在となる時には上記の方法ではなく「休止設定」を用いるのも有効です。
その名のとおりエコキュートの自動沸き上げ運転を一時的に休止する設定で、タンクの水抜きなど大がかりな作業を行うほどではない場合に効果的です。
ただし一週間程度の不在とはいえ、やはりその間にタンク内のお湯には雑菌が繁殖しやすくなるなど衛生面でのリスクは不可避であるため、ごく短期間不在時においての使用が推奨されます。
まとめ
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事では長期不在時にはエコキュートの稼働についてどのような対処をすればよいか、電力や熱エネルギーの無駄を出さないための処置法を解説しました。
基本的には一般的な家電同様に電源をオフにして運転そのものを止めることがセオリーですが、タンクやヒートポンプ内の水抜きといった複雑な作業を正確に行う必要があります。
また、帰還時に再稼働させるための手順も簡単ではありませんが、衛生面や事故等のリスクを回避するためにも重要な対応といえるでしょう。
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